2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 固定資産の減損損失について

 当社グループが保有する固定資産において、資産価値の下落やキャッシュ・フローの低下等によって減損処理の要否を判断しております。減損の兆候が識別されたレストラン事業の店舗資産、機内食事業の工場資産の減損損失の認識の判定にあたり、新型コロナウイルス感染症の影響から回復すると仮定し、経営者により承認された事業計画等を基に将来キャッシュ・フローを見積り、割引前将来キャッシュ・フローの総額が当該固定資産の帳簿価額を下回るかどうかを判定しておりますが、さらなる経営環境の著しい悪化等により減損処理を行った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(2) レストラン事業の出退店方針について

 当社グループは、店舗展開につきましては、EBITDA(償却前利益)とROI(投資回収率)を重視し、利益が見込める新規出店を推進してまいります。しかしながら、基準に合致する出店地確保が困難な場合や出店後において立地環境等の多大な変化等により計画された店舗収益が確保できない等の事態が生じた場合、また、業績不振による退店の増加により退店損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 競合の状況について

 当社グループの属する外食産業におきましては、比較的参入障壁が低く新規参入が多いこと、また個人消費が低迷する中、マーケットが飽和、成熟段階に入っており、お客様のニーズの変化、多様化が進んでおります。また、企業間の差別化が一層激しくなっており、厳しい競争にさらされています。
 当社グループといたしましては、接客力・セールス力の向上に力を入れ、“真に価値あるものの提供”を店舗において実現し、業界競争に影響されることなく独自の店舗運営を行うことで、他社との差別化を図っております。そのため収益性の低い業態は収益性の高い業態に集約を行うことにより活性化を図っております。しかしながら、今後の更なる競争激化等が進行した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 自然災害による影響

 自然災害による影響については、第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 に記載しております。

 

(5) 法的規制等について

 当社グループの店舗は、「食品衛生法」の規定に基づき、店舗ごとに所轄の保健所より飲食店営業許可を取得しております。当社グループでは、店舗の衛生管理を徹底させるため、品質保証室による衛生検査を定期的に行っております。また、店舗及び食品工場の設備器具・食材の取扱い及び従業員の衛生管理につきましては、店舗運営管理マニュアル、衛生清掃マニュアル等で細目にわたり規定しております。
 上記のように、当社グループは積極的に衛生管理に取り組んでおりますが、店舗における飲食を理由とする食中毒や食品衛生に関するクレームの発生や、社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
 また当社グループで運輸事業を行っている水間鉄道㈱においては、鉄道事業法・道路交通法などの法的規制を受けております。具体的には鉄道事業では国土交通大臣による事業経営の許可、上限運賃等の認可などが必要です。旅客自動車運送事業においても事業経営の許可などが必要であり、現在の規制に重要な変更があった場合には当社グループの経営に影響を与える可能性があります。

 

(6) 差入保証金について

 当社グループでは賃借による出店を基本としております。このため、賃貸借契約締結に際し、デベロッパー(賃貸人)に対し保証金等を差し入れるケースがほとんどであります。
 当連結会計年度末における差入保証金の残高は43億22百万円で、連結総資産の11.5%を占めております。貸倒実績率及び個別にデベロッパーごとで債務超過等による場合は、貸倒引当金を計上しておりますが、デベロッパーの経営破綻等によって貸倒損失が発生した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 人材の確保について

 当社グループでは、今後の業容の拡大に伴い適切な人材の確保が必要であると考えております。そのため、新卒者の採用を積極的に行い人材の確保に努めるとともに、「人が育てば企業が育つ」の固い信念に基づいて、経営のあらゆる場面において“教育”を最重点課題として取り組んでおります。また、業績連動報酬制度の導入や年齢給を一切廃止し役職別賃金体系へ移行する等、モチベーションの向上と人材のレベルアップに努めております。しかしながら、今後、当社が必要とする人材の適時確保ができない場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) M&Aについて

 当社グループはレストラン事業を中核として、食産業全般に事業領域を拡大する中での事業拡大と企業価値増大を目指しており、この中長期的な目標を達成するための経営戦略上M&A(企業の買収、営業譲受、合弁企業の設立等)を重要な手段として位置づけております。
 将来の収益力を最も重視するほか、シナジー効果が期待できる、スケールメリットを追求できる、グループの活性化につながる等、あくまでも長期的な事業活動、グループ成長戦略に資することを判断基準にしておりますので、短期的には当社グループの財政状態が悪化(株主資本比率の低下等)する可能性があります。

 

(9) 海外における事業展開

 海外での事業展開においては、各国の法令・制度・政治・経済・社会情勢等をはじめとした様々なカントリーリスクにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 個人情報の保護について

 当社グループは、お客様の個人情報を保有しております。情報の管理については法的義務に則った運用をしておりますが、万一これらの情報が外部へ流出した場合には、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜につながる可能性があります。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社の配当方針については、株主の皆様への利益還元を企業経営の重要な柱と考え、財務体質の強化を図りながら、安定配当を重視したうえで業績に連動した配当を継続的に実施することを基本方針としております。

 当社は当面、期末年1回の配当を基本方針としていますが、中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。配当の決定機関は、中間配当が取締役会、期末配当は株主総会であります。

 当連結会計年度末の配当については、当期の業績並びに今後の事業展開等を勘案した結果、1株につき6円といたしたいと存じます。

 当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

令和6年6月25日

定時株主総会

137

6