リスク
3【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を掲載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末において判断したものであります。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。
(1)顧客の消費動向について
眼鏡小売事業については、実質賃金の持続的な上昇や金融政策正常化の行方が当該市場における顧客の購買意欲に大きな影響を与え、所得見通しが改善し、勤労者世帯の平均消費性向がコロナ禍前の水準まで上昇すれば、営業時間短縮が継続しているものの、販売数の増加・客単価の上昇に伴い売上高の回復が見込まれます。
しかしながら、販売数は顧客の嗜好の変化や長期的なインフレに賃金の上昇が追い付かないケースなどの可処分所得の増減等に影響されやすく、また、販売地域における経済状況、世界情勢の影響による仕入先の海外拠点における製造及び出荷運搬状況の悪化等により適時に商品を市場に提供できない場合、円安の継続による仕入れ値の高騰による販売価格の上昇など、消費マインドに影響を与える諸要因があります。以上のような、事前に測定が困難な不確定な多数のリスクがあり、状況によっては事業計画が大きく変動する場合があります。なお、眼鏡卸売事業についても取引先が当社と似通った販売形態であることもあり、同様の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループの事業計画通りに順調に推移しない場合においては、固定資産の減損処理が必要となる可能性や新規出店ペースが鈍化する可能性等を提出日時点において重要なリスクとして懸念しております。
(2)出店地域について
当社グループは、本社所在地である関西圏及び関東圏、東海圏を中心に店舗展開を図っておりますが、今後は当該地域を重点にしつつ地方中核都市にも出店していく方針であります。当社グループは、立地条件が個店の売上高を左右する大きな要因であると考えており、出店に当たっては社内基準に基づき、出店候補地の商圏人口、競合店状況、商業集積地、道路網、賃借料等の条件を検討した上で、投資回収状況を想定し、その可否を決定しております。
ただし、当社グループの出店条件に合致した物件がなく、計画どおりに出店ができない場合や、出店後に立地環境等に変化が生じた場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
(3)業界の動向について
眼鏡業界も顧客獲得のため低価格帯での競争が続き、単価ダウンと市場規模の縮小が続いております。各社は廉価な価格訴求に加え、用途を絞り込み機能を付加した商品開発など新たな需要創出に取り組み始めております。
また、利便性が増した使い捨てコンタクトレンズの普及により、20歳代を中心にコンタクトレンズ装用人口が増加した場合、また、近年、近視、乱視、遠視の手術治療としてPRK(レーザー角膜切除屈折手術)などが広範に実施され、合併症などのトラブルが回避され、より安全な方法として一般に浸透した場合には、眼鏡需要は縮小し、当社グループの業績にも少なからず影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合店の影響について
当社グループの店舗においては、周辺の同業他社との間に、品揃え、品質、価格及びサービス等で激しい競合が生じております。さらに、同業者との競合に加えて、サングラスを取り扱うファッション雑貨店やコンタクトレンズを取り扱うコンタクトレンズ販売店とも競合関係にあります。
当社グループといたしましては、「お客さまの暮らしを、より快適に、より豊かにする企業となることを目指し、安心の技術、納得の商品、気持ちに寄り添うサービスを提供します。」を経営方針に掲げ、徹底したコスト削減、季節に応じた品揃え、視力測定・加工・調整などの技術力、商品知識を伴ったカウンセリング等、競争力の確保に努めております。しかしながら、これらの業者との競合関係が激化し、相対的に当社グループの競争力が低下した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
(5)人材の確保及び育成について
当社グループは経営方針を実践することで顧客満足度をより高め、ロイヤルカスタマー化を推進し、地域になくてはならない眼鏡専門店として成長を図っていく所存であります。
経営方針を実践するには、従業員が視力測定・加工・調整などの技術力と、生活シーンに適った光学、眼科学、商品、社会常識などの販売知識を十分に修得する必要があります。なぜなら機械設備の進化や平準化によって店舗間の差別化が難しい現状では、徹底した教育・育成による人材のレベルアップが、眼鏡専門店として存続するために不可欠な条件と捉えているからです。経営方針を実現できる人材の確保と育成を重要な経営課題として捉えておりますが、今後においても、当該方針を維持しつつ、積極的な出店を継続していくためには、従来以上に人材の確保及び育成が重要な経営課題となっております。
採用に当たっては、中途採用及び新規採用の両面から、積極的に優秀な人材を採用していく方針であります。また、従業員に対しては、目標管理制度や責任等級制度による成果主義等を導入することによりモチベーションの維持・管理の向上を促すとともに、研修プログラムの充実、スペシャリスト制度の導入によって、出店増への対応を図っております。
しかしながら、新規出店を賄える人材の確保及び育成ができない場合には、出店計画の見直しを行わざるを得ないこともあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)個人情報の取扱いについて
当社グループは多岐にわたる個人情報を、顧客の信頼のもと取り扱っております。個人情報保護法の施行により、コンピュータシステムのセキュリティ強化と、顧客データの本社一元管理体制を確立しました。その機密保持には現状考えられる高度なシステムセキュリティ対策をとり、諸管理規程による従業員への教育、指示や内部監査を継続的に実施しております。
しかしながら、万が一外部要因による不可抗力のシステムトラブルや、人為的操作等により情報流出が発生した場合は、社会的な評価を下げ業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、利益配分につきまして、将来の事業展開・経営体質の強化等を勘案いたしまして内部留保に努めるとともに、安定的な配当の維持に努めることを基本としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、当社の業績を総合的に勘案した結果、無配当とさせていただきます。
内部留保資金につきましては、経営体質の一層の充実並びに将来の事業展開に役立ててまいりたいと考えております。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。