2024年12月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

当社グループの事業、経営成績等において、業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなリスクがあります。なお、本項につきましては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 食品衛生管理

当社グループが運営する各店舗は「食品衛生法」により規制を受けております。

「食品衛生法」は、食品の安全性確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講じることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ることを目的とした法律であります。飲食店を営業するにあたっては、食品衛生責任者を置き、厚生労働省令の定めるところにより都道府県知事の許可を受ける必要があります。

食中毒等の事故を起こした場合は、この法的規制により食品などの廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられるリスクがあります。

 

② 食材調達

当社グループは外食産業として、食の安全を第一と考え、良質な食材の調達に努めております。しかし、食材調達にあたっては、次のようなリスクが発生する可能性があります。当社グループでは、在庫水準の見直しや産地および取引先の分散化を進める等、これらのリスクを出来る限り回避するように取り組んでおります。

イ)疾病の発生

主に海外から輸入している食材については鳥インフルエンザやBSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫等の疾病の発生により、発生国からの輸入が停止となり、調達が困難になるリスクがあります。

ロ)天候不順・異常気象について

異常気象や冷夏等の天候不順の影響で、米・野菜・穀物等が不作となり、需給バランスが崩れることによって、価格の上昇および調達自体の難航といったリスクが生じる可能性があります。

ハ)資源環境の変化および国際的な漁獲制限について

異常気象や冷夏等の天候不順、水産資源の枯渇化、漁獲状況等による影響の他、主に海外から輸入している水産物食材については漁獲地での国策や国際的な漁獲制限で魚介類等が不足し、市場価格ならびに需給バランスが崩れる事によって、価格の上昇および調達自体の難航といったリスクが生じる可能性があります。

ニ)為替相場

当社グループは、寿し商品の主力使用食材として、海外漁獲による水産原料および生鮮加工商材の輸入品を多く使用しているため、国際市場価格ならびに外国為替相場の動向により、食材価格を変動させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

特に米の不作、魚介類の輸入禁止措置などが食材価格を変動させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 食品事故

当社グループの店舗において食品事故が発生した場合、当社グループの社会的イメージの失墜や損害賠償金支払い等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 労務

当社グループの店舗では、主に準社員が主力となって運営しておりますが、今後、短時間労働者に対する社会保険、労働条件などの諸制度に変更がある場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 減損会計

当社グループは減損会計を適用しており、店舗、本部、事業所において設備等を保有しているため、減損が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑥ 個人情報の漏洩

当社グループは社員、準社員の個人情報およびデリバリー事業等においては顧客情報を保有しております。これらの個人情報が漏洩した場合、当社グループの信用が失墜し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ FC加盟者

イ)加盟契約

当社グループは小僧寿しチェーンのフランチャイザーとしての機能を有しており、FC加盟者に対し商品製造、商品販売等に関する指導等を行い、ロイヤリティを得ております。フランチャイズ契約の継続が何らかの要因により困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ロ)債権リスク

「債権リスク」とは、FC加盟者の金銭上の債務不履行等により訴訟が提訴され、損失を被るリスクを指し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 新型コロナウイルス感染症等に類する疫病の拡大による事業継続への懸念

新型コロナウイルスの世界的感染拡大など、疫病の拡大等による影響を受け、今後未曾有の事態へと発展し、事業活動自体の継続性について疑義が生じるリスクがございます。新型コロナウイルス感染症等の対策は充分に行われており、営業店舗における最大限の衛生管理体制構築を遵守し、現時点で、運営停止等の営業上の問題は生じておりません。しかしながら、今後、疫病の拡大による店舗の運営並びに事業の停止等により、将来見通しが見定められない期間の事業への影響が生じた場合、飲食業に帰属した事業展開を行っている当社グループの売上高の大幅な減少が予想され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 連帯保証債務

2023年5月1日付で連結子会社と致しました東洋商事株式会社において、株式会社JFLAホールディングスの金銭債権に対する債務保証を行っており、当連結会見年度末の残高は、4,788,390千円となっております。

当該債務保証は複数社による連帯債務となっており、東洋商事株式会社が全額を負担する状況ではありませんが、株式会社JFLAホールディングスにおいて、業績が悪化するなど当該金銭債権の返済が不可能となった場合、東洋商事株式会社において当該連帯保証債務の一部の返済義務が生じる可能性があります。

 

⑩ 継続企業の前提に関する重要事象等

当連結会計年度の当社グループを取り巻く外部環境において、不安定な国際情勢や円安の長期化等の影響による物価の上昇が続いていることから、先行き不透明な景気動向が続いております。

当社グループにおきましては、この影響が生じる環境下において、前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社グループでは、2023年12月期をスタートとする中期経営計画(2023年12月期-2025年12月期)の展望に沿い、主力事業セグメントである「小売事業」「飲食事業」「流通事業」の3軸の事業収益の改善、積極的な投資の実施による国内飲食店の開発、及び、海外事業の拡大を進めて参りました結果、過去10年の中においても最も高い、売上高181億円を計上致しました。売上高の成長と共に事業スケールが拡大する一方で、不安定な国際情勢や円安の長期化、海産物・生鮮食品の物価上昇に伴う影響が事業全体に生じたことから、当連結会計年度におきましては、大幅な下方修正と共に、損失を計上しております。

当社グループを取り巻く外部環境が厳しさを増す中で、経営・事業・財務の戦略の集中化と筋質な本部機能の構築を目的として、2024年7月より、当社はホールディングス・カンパニーへと移行を致しました。当該体制変更に伴う機能の集中化及び経営執行体制の確立を2024年度内に完了したことにより、2025年12月期の黒字転換、及び、2025年12月期を基点とした更なる事業成長戦略を構築する体制を整え、その戦略の一環として、採算・不採算事業の選択と集中を行う事で、20店舗超の不採算店舗の撤退を決定しております。

次期におきましては、当社グループにおける不採算事業部門の更なる改善の推進、採算事業への資源・人的リソースの集中投下を行う事で、黒字転換を図ってまいります。各事業セグメント別の取組は下記となります。

 

[ 小売事業 ]

不採算店12店舗の閉鎖実施(2025年第1半期に実施予定)及び、地方圏において「飛び地」となっている店舗に近接するドミナント出店を加速します。また、「小僧寿し」ブランドの新たな収益モデルの構築を目的として、ショッピングモール等へのストアイン型店舗の積極的な開発を推進してまいります。

 

[ 飲食事業 ]

当社グループの収益において、中核事業会社であるアスラポートが展開する「とり鉄」「どさん子」「キムカツ」「ぢどり亭」「陳麻家」の5ブランドにおける新店出店の実施、メキシカン・ファストフードの「TacoBell」の更なる新店出店の実施等、当連結会計年度以上の新店出店を企図しております。

 

[ 流通事業 ]

フード・デリバリー店「Delis」における不採算店11店舗(一部の休業店舗を含む)の閉鎖実施(2025年第1四半期に実施予定)、及び、フードデリバリーサービスの多様性をもたらす自社システムの外販促進、加盟開発による新たな収益事業を創出致します。

 

[ 海外事業 ]

2024年6月に連結子会社としたSUSHI BOY,INC.を中心とした、北米圏の更なる店舗開発、及び、英国における日本食品会社であるJapan Centreとの協業による、当社グループ食材の輸出販売、並びに、英国圏における店舗の出店を進める事で、海外事業の拡大化を図ります。

 

当社グループは上記の取組みを進めると共に、不採算事業の選択と集中によるキャッシュ・フローの改善進め、また、臨機応変な財務戦略の遂行により、当社グループの経営に安定性をもたらす適正なキャッシュ・フローの確立に努めてまいります。

 

以上の施策を通じて、安定的な利益の確保と財務体質の改善を図ることで、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております

 

 

配当政策

3【配当政策】

当社は株式公開以来、株主様への安定した利益還元に重きを置き、連結の業績動向とファイナンスを考慮したうえで配当を行うことを基本方針としてまいりました。しかしながら、当社グループにおいては、この数年の業績低迷に伴い、連結利益剰余金の減少が続いており、当期の業績に鑑み無配とさせていただく予定であります。株主の皆様にはご迷惑をおかけすることになり心よりお詫び申し上げます。今後、早期に純利益を黒字化し復配を実現できるよう、業績の回復に努力する所存でございますので引き続きご支援賜りますようお願いいたします。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

当社は、「会社法第454条第5項の規定する中間配当を「取締役会の決議により、毎年6月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主、もしくは登録株式質権者に対し中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。