2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

国内土木 国内建築 海外建設 不動産 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
国内土木 95,316 51.0 6,271 57.6 6.6
国内建築 63,257 33.8 2,941 27.0 4.6
海外建設 27,357 14.6 1,395 12.8 5.1
不動産 498 0.3 176 1.6 35.3
その他 470 0.3 101 0.9 21.5

事業内容

3【事業の内容】

 当連結会計年度において、当社の連結子会社であるテクオス㈱は、2023年4月1日付で非連結子会社である㈱オリエント・エコロジーを吸収合併いたしました。

 また、2023年10月3日付で、当社は㈱商船三井と洋上風力建設事業に関する合弁会社「MOL-TOYO洋上風力サービス㈱」を設立いたしました。

 これにより、当社グループは、2024年3月31日現在、当社、連結子会社6社、非連結子会社2社、関連会社1社(持分法非適用会社)及びその他の関係会社3社で構成され、国内土木事業、国内建築事業、海外建設事業、不動産事業を主な事業の内容としております。

 当社報告セグメントと当社グループ各社の関係は次のとおりであります。

(1) 国内土木事業

当社、㈱トマック、タチバナ工業㈱、日下部建設㈱、他1社が営んでおります。

(2) 国内建築事業

当社、テクオス㈱の各社が営んでおります。

(3) 海外建設事業

当社、㈱トマック、タチバナ工業㈱、CCT CONSTRUCTORS CORPORATIONの各社が営んでおります。

(4) 不動産事業

当社、㈱トマック、テクオス㈱の各社が営んでおります。

(5) その他事業

東建商事㈱(保険代理店業及び物品の販売・リース)、日下部建設㈱(船舶の賃貸等)、テクオス㈱(衛生設備機器、屋内外トイレ設備の製造販売)、他2社が営んでおります。

 

 その他の関係会社であるWK 1 Limited及びその共同保有者と当社の間に、人的関係及び取引関係はありません。

 また、その他の関係会社である前田建設工業㈱とは、民間工事における共同受注や共同研究開発等を実施しております。インフロニア・ホールディングス㈱は、前田建設工業㈱の完全親会社であります。

 

 事業の系統図は以下のとおりであります。

 ※印は、連結子会社を表しております。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況の概要

 当連結会計年度における我が国経済は、コロナ禍からの回復もあって、40年ぶりの物価上昇などマクロ経済環境に大きな変化が生じました。一方、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の悪化、欧米での金融引締めによる対ドル・対ユーロでの円安継続のほか、中国経済の先行き懸念等による海外景気の下振れリスクには注意が必要な状況にあります。

 建設産業においては、公共投資の底堅い推移と民間設備投資の継続的な持ち直しが見られ、事業量は堅調に推移しているものの、原油・資材価格や労務費などのコストの高止まりが続く中、コスト上昇分を十分に価格転嫁できておらず業績への影響が懸念されております。また、担い手確保や時間外労働の上限規制への対応は喫緊の課題であり、業界を挙げて取り組んでおります。

 このような中、当社グループでは、①“守りから攻め”への転換、②“高収益モデル”への転換、③“資本効率経営”への転換を柱とした5ヶ年の中期経営計画(2023年度~2027年度)を策定し、更なるレジリエント企業への進化、成長に向けて取り組んでおります。また、DXの推進により生産性向上や働き方改革に努めるほか、“攻め”を支える多様な人財の獲得・育成にも取り組んでおります。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

総資産は、受取手形・完成工事未収入金等の増加などから、前連結会計年度末に比べ104億43百万円増加し、1,641億60百万円となりました。

負債は、短期借入金の増加などから、前連結会計年度末に比べ36億27百万円増加し、833億60百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などから、前連結会計年度末に比べ68億15百万円増加し、808億円となりました。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の46.7%から0.9ポイント増加し、47.6%となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は、国内土木事業の順調な進捗により前期比(以下、同期比較)10.9%増の1,867億81百万円となり、営業利益は21.0%増の108億87百万円、経常利益は17.6%増の100億57百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は24.0%増の70億16百万円となりました。

 

事業セグメント別の実績は以下のとおりであります。

(国内土木事業)

 高い競争力を有する本事業においては、事業量の確保及び収益力の強化に向けて、官庁海洋工事における大型プロジェクトの確実な受注、また民間及び官庁陸上工事の受注拡大に努めております。成長ドライバーである洋上風力建設事業においては、将来に向けて人財を育成するとともにケーブル敷設分野を中心とする多様なポジションでの参入に向けて取り組んでおります。当連結会計年度は、前期からの繰越工事の増加により、売上高は22.8%増の953億16百万円、セグメント利益は20.2%増の62億71百万円となりました。

 また、洋上風力建設事業では国内最大級の自航式ケーブル敷設船の建造と洋上風力事業本部の新設を決定いたしました。なお、自航式ケーブル敷設船の投資判定にあたっては、取締役会において資本コストや資本収益性を意識した協議、検討を行いました。

 

(国内建築事業)

 市場環境が急激に変化する中でも収益を拡大できるよう、組織営業力の強化及びストック市場への取り組み強化策であるReReC®(Renewal、Renovation、Conversion)や非請負分野の開拓に向けた体制整備のほか、DXの推進などによる生産性の向上や人財の育成に努めております。当連結会計年度は、一部工事で着工が遅れたため、売上高は6.4%減の632億24百万円、セグメント利益は7.9%減の29億41百万円となりました。

 

(海外建設事業)

 フィリピンなど当社進出国を中心に地域に根差した事業展開を継続し、ODA案件の獲得及びフィリピン現地法人CCT CONSTRUCTORS CORPORATIONによる民間工事の拡大のほか、現地人財の育成に取り組み、収益基盤の構築に努めております。当連結会計年度は、手持工事の順調な進捗により、売上高は21.5%増の273億57百万円となり、セグメント利益は前期に発生した一過性の費用引当の繰入が当期はなくなったことから376.3%増の13億95百万円となりました。

(不動産事業)

当連結会計年度の売上高は1.2%減の4億45百万円、セグメント利益は29.2%減の1億76百万円となりました。

(その他事業)

保険代理店業、物品の販売・リース事業などであり、当連結会計年度の売上高は94.8%増の4億37百万円、セグメント利益は132.8%増の1億1百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加などにより85億12百万円の支出超過となりました。(前期は117億85百万円の収入超過)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などから、78億81百万円の支出超過となりました。(前期は4億85百万円の支出超過)

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などから、5億72百万円の収入超過となりました。(前期は28億72百万円の支出超過)

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、234億75百万円となりました。(前期末残高は390億8百万円)

 

キャッシュ・フロー指標の推移

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

自己資本比率(%)

41.3

43.1

50.2

46.7

47.6

時価ベースの自己資本比率(%)

30.4

36.3

53.7

56.0

75.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.3

0.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

231.2

93.6

※自己資本比率:自己資本(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払

①各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

②株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。

③キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち短期借入金、長期借入金を対象としております。また、利払は連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

④キャッシュ・フローがマイナスである場合は、当該年度の記載を省略しております。

③生産、受注及び販売の実績

(1)受注実績

(単位 百万円)

 

セグメントの名称

当連結会計年度

   (自 2023年4月1日

    至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

国内土木事業

国内建築事業

94,723

63,447

△8.0

1.6

海外建設事業

不動産事業

その他事業

12,330

445

437

△51.3

△1.2

94.8

合計

171,384

△10.5

 

(2)売上実績                                      (単位 百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

   (自 2023年4月1日

    至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

国内土木事業

国内建築事業

95,316

63,224

22.8

△6.4

海外建設事業

不動産事業

その他事業

27,357

445

437

21.5

△1.2

94.8

合計

186,781

10.9

(注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 なお、提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

受注工事高(契約高)及び施工高の状況

①受注工事高、完成工事高、繰越工事及び施工高

第103期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位 百万円)

 

種類別

前期繰越

工事高

当期受注

工事高

当期完成

工事高

次期繰越高

当期施工高

手持工事高

うち施工高

建設事業

 

 

 

 

 

 

 

海上土木

(48,942)

49,654

68,043

117,697

55,110

62,586

0.6

381

55,261

陸上土木

(24,782)

24,890

37,859

62,750

27,459

35,291

0.2

58

27,302

建  築

81,338

61,861

143,199

66,912

76,287

0.5

389

66,387

 計

(155,063)

155,883

167,764

323,647

149,482

174,165

0.5

829

148,951

 不動産事業

443

443

443

合計

(155,063)

155,883

168,207

324,090

149,925

174,165

 

第104期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位 百万円)

 

種類別

前期繰越

工事高

当期受注

工事高

当期完成

工事高

次期繰越高

当期施工高

手持工事高

うち施工高

建設事業

 

 

 

 

 

 

 

海上土木

(62,586)

63,848

57,316

121,164

71,418

49,746

0.7

349

71,386

陸上土木

35,291

34,225

69,516

27,850

41,665

0.2

93

27,885

建  築

76,287

62,335

138,622

62,289

76,333

0.6

442

62,321

 計

(174,165)

175,427

153,876

329,303

161,558

167,745

0.5

864

161,593

 不動産事業

452

452

452

合計

(174,165)

175,427

154,328

329,755

162,010

167,745

(注)1.前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当期受注工事高にその増減を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。

3.次期繰越高(手持工事高)は、不動産事業を除き(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。

4.前期繰越工事高の上段( )内表示額は、前事業年度における次期繰越高であり、下段は当該事業年度の外国為替相場の変動による増減額等を反映させたものであります。

 

②受注工事高の受注方法別比率

 工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

(単位 %)

 

期別

区分

特命

競争

第103期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

海上土木工事

10.0

90.0

100

陸上土木工事

21.1

78.9

100

建築工事

48.6

51.4

100

第104期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

海上土木工事

12.0

88.0

100

陸上土木工事

21.1

78.9

100

建築工事

21.0

79.0

100

 (注)算出は請負金額比によります。

 

③完成工事高

(Ⅰ)完成工事高                                   (単位 百万円)

期別

区分

国内

海外

(B)

 

官公庁

民間

(A)

(A)/(B)

(%)

第103期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

 

海上土木工事

35,315

9,795

9,999

18.1

55,110

陸上土木工事

17,690

7,938

1,830

6.7

27,459

建築事業

3,823

62,980

108

0.2

66,912

56,830

80,713

11,938

8.0

149,482

第104期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

海上土木工事

45,962

13,639

11,816

16.5

71,418

陸上土木工事

20,121

7,452

276

1.0

27,850

建築事業

5,586

56,703

62,289

71,670

77,795

12,093

7.5

161,558

(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第103期 請負金額10億円以上の主なもの

ケニア共和国ケニア港湾公社

モンバサ港コンテナターミナル開発工事(2期)

国土交通省

川崎港臨港道路東扇島水江町線東扇島アプローチ部橋梁下部工事

東京都

六郷ポンプ所設備再構築に伴う建設及び耐震補強工事

四国旅客鉄道株式会社

予讃線海岸寺・詫間間護岸復旧その4工事

高槻市

高槻市エネルギーセンター第一工場解体及びリサイクル施設整備工事

株式会社日本エスコン

岐阜県羽島市物流施設開発PJ

 

第104期 請負金額10億円以上の主なもの

国土交通省

令和4年度馬毛島仮設桟橋築造工事(その2)

国土交通省

令和3年度鹿児島港(谷山二区)係留施設築造工事(第2次)

国土交通省

令和3年度 東京国際空港G誘導路他地盤改良工事

横浜市

新本牧ふ頭建設工事(その28・外周護岸B-2基礎及び本体工)

上毛町

起工第4号 体育館新築工事

株式会社Peace Deli

Peace Deli千葉誉田PJ新築工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

第103期  国土交通省 24,309百万円 16.3%

第104期  国土交通省 45,524百万円 28.2%

(Ⅱ)不動産事業売上高

(単位 百万円)

 

期別

区分

金額

第103期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

土地建物販売収入

賃貸収入

443

443

第104期

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

土地建物販売収入

2

賃貸収入

449

452

 

④手持工事高(2024年3月31日現在)

(単位 百万円)

 

区分

 国内

海外

官公庁

民間

海上土木工事

22,220

8,796

18,729

49,746

陸上土木工事

34,174

7,491

41,665

建築工事

25,471

50,861

76,333

81,866

67,149

18,729

167,745

(注)手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。

フィリピン共和国

パッシグ・マリキナ河川改修(フェーズ4)(パッケージ2)

2025年10月完成予定

千代田区

雉子橋補修補強工事(第5号)

2030年12月完成予定

東日本高速道路株式会社

首都圏中央連絡自動車道 松尾工事

2025年5月完成予定

阪神国際港湾株式会社

ポートアイランド(第2期)地区コンテナ南ふ頭再整備工事

2025年9月完成予定

添田町

添田町立小中学校建設事業校舎新築工事

2025年2月完成予定

横浜港埠頭株式会社

(本牧)D-5号ターミナル管理棟他整備工事

2025年3月完成予定

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

受注高 1,543億円(前期比138億円減)※当社個別

・国内土木事業は、複数の大型案件を受注した前期からの反動により91億円の減少、国内建築事業は、工場・倉庫など民間案件が引き続き堅調であったことから前期と比較して5億円の増加、海外建設事業は、注力していた大型案件を失注したことから前期と比較して53億円の減少となり、当社個別の受注高合計は前期と比較して138億円減少いたしました。

 

連結売上高 1,867億円(前期比184億円増)

・国内土木事業において繰越工事が前期と比較して大幅に増加したこと、また各事業における手持工事が順調に進捗したことにより、連結売上高は前期と比較して184億円増加いたしました。

 

連結売上総利益 233億円(前期比38億円増)

・売上高が前期と比較して大幅に増加したことにより増益となったほか、海外建設事業では前期に発生した一過性の費用引当の繰入がなくなったこともあり、連結売上総利益は前期と比較して38億円増加いたしました。

 

連結営業利益 108億円(前期比18億円増)

・売上総利益の増加により、連結営業利益は前期と比較して18億円増加いたしました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

a.キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.資金需要

当社グループの事業活動における資金需要は主に大きく分けて運転資金と設備資金需要の2つがあります。季節

的変動の影響を受けやすい建設業の事業特性を踏まえ、運転資金調達についてはコミットメントライン(特定融資枠)設定契約によるものとし、2023年9月に金融機関7行と総額100億円、期間1年のシンジケーション方式によるコミットメントライン設定契約を締結しております。また、2024年3月に金融機関1行と総額50億円、期間1年のコミットメントライン設定契約を締結しております。さらに、2024年5月には自航式ケーブル敷設船の建造に必要となる資金の借入として、金融機関11行と総額200億円、グリーンローンによるシンジケーション方式の実行可能期間付タームローン契約を締結しております。

その他、設備資金調達については、主要借入行を中心とした調達を行っております。

c.財務政策

当社グループの事業活動の推進、運営に必要な運転資金及び設備資金の調達を安定的に確保するため、金融機関からの借入による資金調達を行っております。

当連結会計年度末における長期借入金は16億15百万円、短期借入金は65億34百万円となり、有利子負債総額は前連結会計年度末比34億43百万円増の81億49百万円となっております。また引き続き、資金調達コスト低減にも取り組んでまいります。

 

 

 

 

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、完成工事高及び完成工事原価の計上、販売用不動産の評価、貸倒引当金・完成工事補償引当金・工事損失引当金等の重要な引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の計上等に関して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果を連結貸借対照表及び連結損益計算書の金額に反映しております。但し、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が当社グループの業績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

a.一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高

完成工事高の計上にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積り、完成工事高を計上しております。工事施工中の事故・災害発生等による予定外の費用の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が変動し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当連結会計年度における計画達成状況

連 結

年度計画

実績

達成状況

業績指標

売上高

1,925億円

1,867億円

(達成率 97.0%)

営業利益

101億円

108億円

(達成率 107.8%)

営業利益率

5.2%

5.8%

(計画値 +0.6ポイント)

経常利益

96億円

100億円

(達成率 104.8%)

親会社株主に帰属する当期純利益

60億円

70億円

(達成率 116.9%)

財務指標

ROE(自己資本利益率)

8.1%

9.4%

(計画値 +1.3ポイント)

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。

当社は、製品・サービス別の事業本部を置き、各事業本部は国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社は事業本部を基礎とした製品・サービス及び地域別のセグメントから構成されており、「国内土木事業」、「国内建築事業」、「海外建設事業」及び「不動産事業」の4つを報告セグメントとしております。

「国内土木事業」、「国内建築事業」は、国内においてそれぞれ土木工事、建築工事の施工等を行っております。「海外建設事業」は、海外において土木工事、建築工事の施工等を行っております。「不動産事業」は、国内において不動産の販売、賃貸等を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。

セグメント間の内部売上高または振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

(有形固定資産の減価償却方法の変更)

 (会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの変更)に記載のとおり、従来、当社及び国内外連結子会社では有形固定資産の減価償却方法について、一部の有形固定資産を除き定率法を採用しておりましたが、当連結会計年度より定額法に変更し、有形固定資産の残存価額を備忘価額の1円に変更しております。

 以上の変更により、従来の方法と比べて、当連結会年度のセグメント利益は「国内土木事業」で734百万円、「国内建築事業」で34百万円、「海外建設事業」で212百万円、「不動産事業」で80百万円それぞれ減少しております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

 

Ⅰ 前連結会計年度(自 2022年4月1日  至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

連結

財務諸表

計上額

(注)2

 

国内

土木

国内

建築

海外

建設

不動産

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又はサービス

3,700

1,266

234

5,201

220

5,421

5,421

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

73,917

66,276

22,281

162,474

162,474

162,474

顧客との契約から生じる収益

77,618

67,542

22,515

167,676

220

167,896

167,896

その他の収益

451

451

4

455

455

外部顧客への売上高

77,618

67,542

22,515

451

168,127

224

168,351

168,351

セグメント間の内部売上高又は振替高

52

26

79

4

84

△84

77,618

67,595

22,515

477

168,206

228

168,435

△84

168,351

セグメント利益

5,217

3,193

293

248

8,952

43

8,995

8,995

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,202

109

215

122

1,651

0

1,652

1,652

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、保険代理店業及び物品の販売・リース事業などを含んでおります。

2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

3.セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはしていないため記載しておりません。

 

Ⅱ 当連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

連結

財務諸表

計上額

(注)2

 

国内

土木

国内

建築

海外

建設

不動産

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又はサービス

3,962

1,107

251

3

5,325

379

5,704

5,704

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

91,354

62,116

27,106

180,577

180,577

180,577

顧客との契約から生じる収益

95,316

63,224

27,357

3

185,902

379

186,281

186,281

その他の収益

441

441

58

500

500

外部顧客への売上高

95,316

63,224

27,357

445

186,344

437

186,781

186,781

セグメント間の内部売上高又は振替高

33

52

86

32

119

△119

95,316

63,257

27,357

498

186,430

470

186,901

△119

186,781

セグメント利益

6,271

2,941

1,395

176

10,785

101

10,887

10,887

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

2,098

150

416

149

2,815

27

2,843

2,843

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、保険代理店業及び物品の販売・リース事業などを含んでおります。

2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

3.セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはしていないため記載しておりません。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日  至 2023年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の開示をしているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

売上高

(単位:百万円)

 

 日本

東南アジア

アフリカ

合計

145,836

20,279

2,235

168,351

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

 

 顧客の名称または氏名

売上高

関連するセグメント名

国土交通省

25,143

国内土木・国内建築事業

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の開示をしているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

売上高

(単位:百万円)

 

 日本

東南アジア

アフリカ

合計

159,423

27,355

2

186,781

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

 

 顧客の名称または氏名

売上高

関連するセグメント名

国土交通省

45,808

国内土木・国内建築事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日  至 2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

国内土木

国内建築

海外建設

不動産

その他

全社・消去

合計

減損損失

14

14

(注)「全社・消去」の金額は、セグメントに帰属しない全社資産に係る減損損失です。