事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
戸建住宅事業 | 479,091 | 11.7 | 46,069 | 12.2 | 9.6 |
賃貸・事業用建物事業 | 544,934 | 13.3 | 81,796 | 21.6 | 15.0 |
建築・土木事業 | 325,024 | 7.9 | 15,218 | 4.0 | 4.7 |
賃貸住宅管理事業 | 687,119 | 16.8 | 56,804 | 15.0 | 8.3 |
リフォーム事業 | 183,868 | 4.5 | 26,624 | 7.0 | 14.5 |
開発事業 | 582,576 | 14.2 | 70,285 | 18.6 | 12.1 |
国際事業 | 1,278,511 | 31.2 | 78,945 | 20.9 | 6.2 |
その他 | 14,066 | 0.3 | 2,466 | 0.7 | 17.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社376社及び持分法適用関連会社36社で構成され、戸建住宅事業、賃貸・事業用建物事業、建築・土木事業、賃貸住宅管理事業、リフォーム事業、開発事業、国際事業等に関連する事業活動を行っています。
当社グループの各事業における位置付けは次のとおりです。
なお、当連結会計年度より連結子会社の一部のセグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
また、各事業に関わる主な関係会社については、事業系統図に記載しています。
(1) 戸建住宅事業
戸建住宅の設計、施工の請負、販売を行っています。
(主要会社 積水ハウス㈱、積水ハウス建設グループ、積水ハウス ノイエ㈱)
(2) 賃貸・事業用建物事業
賃貸住宅及び事業用建物等の設計、施工の請負、販売を行っています。
(主要会社 積水ハウス㈱、積水ハウス建設グループ)
(3) 建築・土木事業
事業用建物等の建築工事及び土木工事の設計、施工の請負を行っています。
(主要会社 鴻池組グループ)
(4) 賃貸住宅管理事業
賃貸住宅等の借上、管理業務を行っています。
(主要会社 積水ハウス不動産グループ)
(5) リフォーム事業
戸建住宅及び賃貸住宅等のリフォームを行っています。
(主要会社 積水ハウスリフォーム㈱、積水ハウス不動産グループ、積水ハウス建設グループ)
(6) 開発事業
以下の3つの事業を包括しています。
① 仲介・不動産事業
住宅用地、既存住宅及び収益用不動産等の仲介、販売を行っています。
(主要会社 積水ハウス㈱、積水ハウス不動産グループ)
② マンション事業
分譲マンションの開発、販売、管理を行っています。
(主要会社 積水ハウス㈱、積水ハウスGMパートナーズ㈱)
③ 都市再開発事業
オフィスビル、ホテル及び賃貸マンション等の開発、管理、運営を行っています。
(主要会社 積水ハウス㈱、SHホテルマネジメント㈱、積水ハウス・アセットマネジメント㈱)
(7) 国際事業
海外における戸建住宅の販売や宅地の造成開発、販売、分譲マンションや賃貸マンション等の開発を行ってい ます。
(主要会社 SEKISUI HOUSE US HOLDINGS, LLC、SEKISUI HOUSE AUSTRALIA HOLDINGS PTY LIMITED)
(8) その他
報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産管理業、損害保険代理店業等を行っています。
〔事業系統図〕
主要な関係会社を事業系統図に示すと、次のとおりです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、各国の金融政策を背景とした物価情勢や国際金融資本市場の動向、地政学リスクが与える影響に注視が必要な状況が継続しているものの、米国において個人消費や設備投資の増加等、内需を中心とした景気拡大が継続するなど、総じて堅調に推移しました。また、わが国の経済は、個人消費の一部に弱い動きがみられたものの、企業の全般的な業況感の改善が継続する中、雇用・所得環境の改善もあり、緩やかに回復しています。
住宅市場は、国内においては、建設コストが高止まりしている影響もあり新設住宅着工戸数が弱含みで推移していますが、持家や貸家の着工には底堅い動きもみられます。一方、米国では、住宅ローン金利が高水準で推移する中、住宅着工の調整局面や中古住宅の在庫減少が継続していますが、人口増に対する慢性的な住宅供給不足を背景に住宅に対する潜在需要は強く、持ち直しの動きもみられています。
このような事業環境の中、当社グループは、2050年を見据えたグローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、「国内の“安定成長”と海外の“積極的成長”」を基本方針とする第6次中期経営計画(2023年度~2025年度)に基づき、ハード・ソフト・サービスを融合した様々な高付加価値提案等を積極的に推進しました。米国においては、過去50年以上にわたり良質な住宅を供給してきたM.D.C. Holdings, Inc.(以下「MDC社」)を2024年4月に当社の完全子会社とし、米国における戸建住宅事業の展開エリアを拡大しました。
その結果、当連結会計年度における業績は、連結受注高は4,052,604百万円(前期比26.8%増)、連結売上高は4,058,583百万円(前期比30.6%増)となりました。
利益については、連結営業利益は331,366百万円(前期比22.3%増)、連結経常利益は301,627百万円(前期比12.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は217,705百万円(前期比7.6%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、従来「その他」に計上していた連結子会社の一部のセグメントの区分を、「開発事業」セグメントの区分に変更しており、当連結会計年度における比較・分析は、変更後の報告セグメントの区分に基づいています。
当事業の当連結会計年度における売上高は479,091百万円(前期比1.7%増)、営業利益は46,069百万円(前期比12.2%増)となりました。
前期から全国展開を開始した新デザイン提案システム「life knit design」によるお客様の感性に寄り添う住まいづくりに加え、各分野の専門家で組織するDESIGN OFFICEチームによる戸建住宅のブランディング推進等により、2nd・3rdレンジの中高級商品の拡販に注力しました。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)「グリーンファースト ゼロ」をはじめ、大空間リビング「ファミリー スイート」、次世代室内環境システム「スマート イクス」や間取り連動スマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch」等の高付加価値提案が好評で、受注は好調に推移しました。
また、前期から開始した木造住宅の耐震性向上を実現する共同建築事業「SI※事業」については、各地域におけるパートナー企業とのネットワークが着実に広がっています。当社独自の耐震技術「ダイレクトジョイント構法」をはじめとする安全・安心の技術をオープン化し、各パートナー企業が建築する木造住宅の基礎と構造躯体の施工を積水ハウス建設グループ各社が請け負うことで、国内の良質な住宅ストック形成と1stレンジ商品の強化を推進しています。
※SI(エス・アイ):S=スケルトン(建物の構造躯体)とI=インフィル(外装・内装)のこと
当事業の当連結会計年度における売上高は544,934百万円(前期比4.0%増)、営業利益は81,796百万円(前期比4.8%増)となりました。
当社独自のエリアマーケティングに基づき長期間にわたり入居需要の見込まれる都市部(S・Aエリア)を中心とした事業展開により、当社オリジナル構法を用いた3・4階建て賃貸住宅の拡販、ネット・ゼロ・エネルギーの賃貸住宅「シャーメゾンZEH」の普及に注力したことに加え、高い入居率と賃料水準を実現するプライスリーダー戦略が奏功し、賃貸住宅の受注は好調に推移しました。特に、太陽光パネルを住戸ごとに接続する「シャーメゾンZEH」においては、入居者がメリットを実感できる光熱費の節約やエシカル志向への対応を考慮した入居者売電方式が好評で、賃貸住宅受注に占めるZEH住戸割合が77%となりました。
また、収益不動産拡大のための土地仕入及びESGソリューション提案の強化により、CRE(法人)・PRE(公共団体)事業における受注も好調に推移しました。
戸建住宅事業で培ったノウハウをオフィス空間等に活用するネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)「グリーンファースト オフィス」をはじめとした非住宅分野の提案強化を推進しています。
当事業の当連結会計年度における売上高は325,024百万円(前期比18.3%増)、営業利益は15,218百万円(前期比17.9%増)となりました。
建築・土木事業ともに、工事原価が上昇傾向にあるものの、前期から続く旺盛な建設需要を背景に手持工事が順調に増加したことや、前期から当期にかけて受注した大型工事の良好な進捗が増収に寄与しました。また、競争案件における提案力強化をはじめとした戦略的な取組みにより受注は好調に推移しました。
当事業の当連結会計年度における売上高は687,119百万円(前期比6.3%増)、営業利益は56,804百万円(前期比13.2%増)となりました。
S・Aエリアを中心とした好立地に供給する高品質・高性能な賃貸住宅「シャーメゾン」の継続的な受注と、オーナーとのコミュニケーション強化により管理受託戸数が堅調に増加しました。既存管理物件については、リテナント時の賃料上昇、空室期間の短縮化を企図した戦略的なリーシング活動等を実施しています。入居者ファーストを目指し、アプリを用いた入居手続き・入居後の問い合わせ対応のオンライン化、ブロックチェーンを用いた入退去手続きのワンストップ対応等、DX推進による入居者ニーズに合わせたサービスの拡充により高水準の入居率と賃料を維持し、増収に寄与しました。
当事業の当連結会計年度における売上高は183,868百万円(前期比5.1%増)、営業利益は26,624百万円(前期比13.4%増)となりました。
住宅ストックの資産価値向上と長寿命化を図るべく、戸建住宅では、家族構成やライフスタイルの変化に合わせた生活提案等の提案型リフォーム、断熱改修や最新の省エネ・創エネ・蓄エネ設備等を導入する環境型リフォームに注力しました。特に環境型リフォームにおいては、住生活空間に範囲を絞った「いどころ暖熱」や開口部断熱改修を中心に1999年に制定された次世代省エネ基準仕様の物件の断熱性能を更にレベルアップさせる提案を強化しました。また、賃貸住宅では、オーナーとのコミュニケーションを強化し、マーケット分析に基づく入居者ニーズをとらえたリノベーション提案に注力しています。これらの取組みにより、受注は好調に推移しました。
(開発事業)
当事業の当連結会計年度における売上高は582,576百万円(前期比9.3%増)、営業利益は70,285百万円(前期比6.7%増)となりました。当事業に集約された仲介・不動産事業、マンション事業、都市再開発事業の経営成績は次のとおりです。
当事業の当連結会計年度における売上高は356,060百万円(前期比23.4%増)、営業利益は28,971百万円(前期比12.0%増)となりました。
とりわけ積水ハウス不動産各社においては、継続的に事業法人や金融機関など引合ルートの拡大や深化に取り組み、良質な販売用不動産の仕入れ強化と販売ルートの拡大に注力した結果、住宅用地を中心とした販売用不動産の売却が順調に進捗しました。
仲介事業についても、当社グループの全国ネットワークと多彩な販売ルートの活用により堅調に推移しています。
当事業の当連結会計年度における売上高は102,494百万円(前期比6.4%減)、営業利益は14,648百万円(前期比16.4%減)となりました。
物件引渡し時期の端境期に重なった影響などもあり減収となるも、「グランドメゾン代官山 THE PARK」(東京都渋谷区)の引渡しが完了したほか、「グランドメゾン北堀江レジデンス」(大阪市西区)の引渡しが順調に進むなど、販売物件の引渡しは計画通りに進捗しました。
東京・名古屋・大阪・福岡の中心地を戦略エリアとして集中的に展開する高付加価値の分譲マンション「グランドメゾン」については、ブランド価値の更なる向上を図るべく開発用地を厳選したうえで、生涯住宅思想に基づく設計・デザインを追求するとともに、家庭部門の脱炭素化への貢献を目指して全住戸ZEH仕様とするなど、環境配慮に関する先進技術の採用を積極的に進めています。これらの取組みが評価され、「グランドメゾン武蔵小杉の杜」(川崎市中原区)、「グランドメゾン福岡 鴻臚館前」(福岡市中央区)等の販売が好調に推移しました。また、JV9社にて共同開発を進めている「グラングリーン大阪」内に建築中の分譲マンション「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」(大阪市北区)についても、完売となりました。
当事業の当連結会計年度における売上高は124,021百万円(前期比8.2%減)、営業利益は26,665百万円(前期比18.8%増)となりました。
積水ハウス・リート投資法人に「プライムメゾン湯島」(東京都文京区)など都市型賃貸マンション「プライムメゾン」9物件を売却した他、投資家の旺盛な投資意欲を背景に、「W OSAKA」(大阪市中央区)の持分などホテル物件の売却を積極的に進めました。また、当社が保有を継続する物件については、「プライムメゾン」等の入居率が堅調に推移しました。
また、日本生命保険相互会社との共同事業として開発を進めてきた高層オフィスビル「赤坂グリーンクロス」(東京都港区)が2024年5月に竣工するとともに、JV9社で進めてきたJR大阪駅に隣接する合わせて約9.1haの大規模複合開発「グラングリーン大阪」(大阪市北区)が2024年9月に先行まちびらきを迎えました。
当事業の当連結会計年度における売上高は1,278,511百万円(前期比150.2%増)、営業利益は78,945百万円(前期比61.4%増)となりました。
米国では、戸建住宅事業においては、住宅ローン金利の高止まりの影響で中古住宅が在庫不足となり、新築住宅へのニーズが高まったことから既存ビルダーの受注・引渡しが好調に推移したことに加え、米国での更なる事業展開エリアの拡大に向け2024年4月にMDC社を完全子会社化したことにより増収となりました。また、コミュニティ開発事業も好調に推移し増収となりました。賃貸住宅開発事業においては、出口戦略の強化を推進し、新たな売却先となる積水ハウス・リート投資法人が組成したSPCに対して、「The Ivey on Boren」(シアトル)と「City Ridge」(ワシントンD.C.)の一部の引渡しが完了したことで増収となりました。
オーストラリアでは、戸建住宅の受注が改善傾向で推移し、マンション開発事業においてはシドニー近郊の分譲マンション「Melrose Park」の一部持分売却が2024年9月に完了したものの、大型開発物件を前期に引渡した影響により減収となりました。
当事業の当連結会計年度における売上高は14,066百万円(前期比25.9%増)、営業利益は2,466百万円(前期比51.3%増)となりました。
ESG経営のリーディングカンパニーを目指す当社グループは、第6次中期経営計画において「住まいを通じて環境課題の解決に貢献」「従業員の自律を成長ドライバーにする」「イノベーション&コミュニケーション」を基本方針とし、積水ハウスグループらしい「全従業員参画型ESG経営」を推進しています。
環境面では、ZEH基準をクリアする戸建住宅「グリーンファースト ゼロ」を発売してからの累積販売棟数が8万棟を超え、2023年度の新築戸建住宅ZEH比率が95%と過去最高を更新するとともに、賃貸住宅「シャーメゾン」や分譲マンション「グランドメゾン」等の集合住宅におけるZEH化、非住宅建築物におけるZEB化を推進してきました。住宅物流の分野においても、いわゆる「2024年問題」を受けたドライバー不足と脱炭素社会への貢献に向けたこれらの課題に対応すべく、センコー株式会社、旭化成ホームズ株式会社及び積水化学工業株式会社と協業を開始しました。生物多様性保全に向けた取組みとしては、住宅事業を通じ地域の気候風土・鳥や蝶等と相性の良い在来樹種を中心とした植栽を提案する「5本の樹」計画の推進に加え、国際目標であるネイチャー・ポジティブの実現に向け共創を推進してきた株式会社シンク・ネイチャーとともに、お客様の庭における生物多様性保全効果を最大化できる樹木等を提案する「生物多様性可視化提案ツール(仮称)」を2024年6月に共同開発しました。これに加えて、住宅業界におけるサーキュラーエコノミー移行を目指し、具体的なアクション「家がまた誰かの家に生まれ変わる『循環する家』 Circular Design from House to House」と2050年までの達成目標を、2024年12月に宣言しました。このような取組みを推進した結果、国際環境非営利団体CDPから「フォレスト」で3年連続、「水セキュリティ」で2年連続の最高評価「Aリスト」に選定されました。
社会性向上に関しては、重要な経営戦略の一つである「女性活躍の推進」において、2014年から開始している女性管理職候補者研修「積水ハウス ウィメンズ カレッジ」が10年経過するなど、女性のキャリアパスの形成支援や女性がリーダーシップを発揮しやすい環境の整備が進んだことにより、女性管理職が着実に増加しました。また、当社及び積水ハウス イノベーション&コミュニケーション株式会社は、「住まいと暮らし」にまつわる社会課題解決へ向けた事業創造と人財育成をさらに加速させるべく、2024年9月、「赤坂グリーンクロス」内に、オープンイノベーション施設「InnoCom Square(イノコム・スクエア)」を開設しました。これに加えて、第2回「積水ハウス大工選手権大会 WAZA 2024」を2024年11月に開催し、当社グループのコアコンピタンスの一つである「施工力」を支える大工職人に改めて敬意を表すとともに、その高い技能と仕事そのものの魅力を積極的に発信しました。
ガバナンス面では、トップマネジメント・事業マネジメント両輪でガバナンス強化を推進する第6次中期経営計画の方針のもと、取締役会においては、第三者機関による2023年度の実効性評価の結果及びMDC社の完全子会社化を受けて、グローバルレベルでのグループ経営や財務の観点から討議を行う機会が増加し、DX・IT・セキュリティの議論も進捗しました。米国戸建住宅事業においては、MDC社のPMIを米国の既存グループビルダーを含めて本社各部と連携の上で推進する体制を構築するなど、グループガバナンスのグローバル展開を進めています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により62,885百万円、財務活動により720,967百万円それぞれ増加し、投資活動により697,687百万円減少した結果、前連結会計年度末と比較して97,405百万円増加となり、当連結会計年度末の資金残高は390,307百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は62,885百万円(前期比47,202百万円資金増)となりました。税金等調整前当期純利益を305,586百万円計上したこと等により、資金の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は697,687百万円(前期比628,562百万円資金減)となりました。MDC社等の買収に伴う子会社株式の取得による支出が557,022百万円(前期比542,403百万円資金減)あったこと等により、資金の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は720,967百万円(前期比714,483百万円資金増)となりました。長期借入れによる収入が464,564百万円(前期比409,028百万円資金増)や、社債の発行による収入が352,540百万円(前期比322,540百万円資金増)あったこと等により、資金の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の展開する事業は多様であり、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載していません。
(ロ)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載
を省略しました。
※ 当連結会計年度より連結子会社の一部の報告セグメントの区分を変更しており、前期比は前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しています。
※ 当連結会計年度に連結子会社化したM.D.C. Holdings, Inc. 及びその子会社について、同社の数値を各指標の「国際事業」に含めて表示しています。
※ 当連結会計年度に連結子会社化した鳳コンサルタント株式会社について、同社の数値を各指標の「その他」に含めて表示しています。
(参考) 提出会社個別の事業の受注高、売上高、繰越高の状況は次のとおりです。
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、その増減額を「当期受注高」並びに「当期売上高」に含めています。
2 損益計算書において、住宅請負事業は「完成工事高」、不動産事業は「不動産事業売上高」として表示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
① 経営成績
当連結会計年度の連結売上高は、すべてのビジネスモデルが増収となった結果、前期比951,341百万円増加の4,058,583百万円(前期比30.6%増)となりました。
連結営業利益は、請負型ビジネスにおける利益率の改善、ストック型ビジネスの継続的な増収効果及び開発型ビジネスにおける順調な販売用不動産の売却に加え、既存の米国戸建住宅事業やMDC社の連結化が牽引した国際ビジネスの積極的な成長が寄与し、前期比60,410百万円増加の331,366百万円(前期比22.3%増)となりました。
連結経常利益は、MDC社の買収に伴い有利子負債に係る支払利息が増加したものの、連結営業利益の増加等により、前期比33,379百万円増加の301,627百万円(前期比12.4%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の縮減方針に基づく投資有価証券売却益を特別利益に計上するとともに、MDC社の買収関連費用を特別損失として計上した影響等により、前期比15,379百万円増加の217,705百万円(前期比7.6%増)となりました。
(参考) 連結売上高、連結営業利益をビジネスモデル及びセグメントごとに示すと、次のとおりです。
② 財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末と比較して43.4%増の4,808,848百万円となりました。流動資産は、MDC社を買収したことに伴う販売用不動産の増加等により、3,712,106百万円と増加(前期比48.7%増)しました。固定資産は、のれんの増加等により、1,096,742百万円と増加(前期比28.1%増)しました。
負債総額は、長期借入金の増加や社債の発行等により、前連結会計年度末と比較して79.0%増の2,790,249百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を217,705百万円計上したことによる利益剰余金の増加等により2,018,599百万円と増加(前期比12.5%増)しました。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び不動産(棚卸資産を含む)の取得・開発をはじめとする投資資金等であります。また、「国内の“安定成長”と海外の“積極的成長”」を基本方針とする第6次中期経営計画(2023年度~2025年度)に基づき、米国戸建住宅事業の更なる展開エリアの拡大に向け、2024年4月にはMDC社の買収を完了しています。
これらの資金需要に対し、運転資金については、自己資金の活用又は借入金、コマーシャル・ペーパーにより調達し、投資資金等については、主に社債、借入金により調達しています。資金調達に際しては、これら多様な調達手段から時機に応じて最適な手段を選択することで、安定的な財源の確保及び調達コストの低減を図り、長期資金については年度別償還額の集中を避けることで借換リスクの低減を図っています。さらに、MDC社の買収では、政府系金融機関からの借入も活用しています。
また、複数の金融機関とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結することで、十分な資金の流動性を確保しています。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおりです。
当連結会計年度においては、2024年9月に上方修正した2025年1月期の業績目標(連結売上高40,000億円、連結営業利益3,200億円、連結経常利益2,880億円、親会社株主に帰属する当期純利益2,090億円)に対し、実績は連結売上高40,585億円、連結営業利益3,313億円、連結経常利益3,016億円、親会社株主に帰属する当期純利益2,177億円となり、目標を上回る結果となりました。また、EPSは335.95円(目標322.56円)、ROAは8.3%(目標8.2%)、ROEは11.7%(目標11.7%)、1株当たり配当金は135.00円(目標129.00円)及び配当性向は40.2%(目標40.0%)となりました。引き続き、目標数値の達成を目指します。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。
この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に不確実性がある場合、作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出するために見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、“「わが家」を世界一幸せな場所にする”をグローバルビジョンとし、事業ドメインを「住」に特化した成長戦略の展開を図ることを経営方針として掲げ、ハード・ソフト・サービスを提供するグローバル企業を目指し、各事業領域ごとに戦略を立案し事業活動を行っています。
当社グループは、事業領域を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「その他」の事業領域を除いた「戸建住宅事業」、「賃貸・事業用建物事業」、「建築・土木事業」、「賃貸住宅管理事業」、「リフォーム事業」、「開発事業」、「国際事業」を報告セグメントとしています。
各報告セグメントの内容は以下のとおりです。
当連結会計年度より、当社グループ内の経営管理区分の一部見直しに伴い、従来「その他」に計上していた連結子会社の一部のセグメントの区分を、「開発事業」セグメントの区分に変更しています。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一です。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年2月1日 至 2024年1月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
2 調整額は、以下のとおりです。
(1) セグメント利益の調整額△51,067百万円には、セグメント間取引消去△2,106百万円、各セグメントに配賦していない全社費用△48,960百万円が含まれています。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費及び試験研究費です。
(2) セグメント資産の調整額282,106百万円は、全社資産です。全社資産の主なものは、親会社での余資運用資金(現金及び有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等です。
(3) 減価償却費の調整額9,086百万円は、全社資産に係る償却費です。
(4) 持分法適用会社への投資額の調整額△2,044百万円は、セグメント間取引消去です。
(5) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額10,838百万円は、本社設備等の設備投資額です。
3 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
当連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
2 調整額は、以下のとおりです。
(1) セグメント利益の調整額△46,844百万円には、セグメント間取引消去276百万円、各セグメントに配賦していない全社費用△47,120百万円が含まれています。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費及び試験研究費です。
(2) セグメント資産の調整額308,841百万円は、全社資産です。全社資産の主なものは、親会社での余資運用資金(現金及び有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等です。
(3) 減価償却費の調整額9,402百万円は、全社資産に係る償却費です。
(4) 持分法適用会社への投資額の調整額△1,983百万円は、セグメント間取引消去です。
(5) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額22,331百万円は、本社設備等の設備投資額です。
3 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年2月1日 至 2024年1月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は事業活動を行う地域を基礎として分類しています。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しています。
3.主要な顧客ごとの情報
全セグメントの売上高の合計額に対する割合が10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は事業活動を行う地域を基礎として分類しています。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しています。
3.主要な顧客ごとの情報
全セグメントの売上高の合計額に対する割合が10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年2月1日 至 2024年1月31日)
当連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年2月1日 至 2024年1月31日)
(注)その他は、建築資材の供給事業等です。
当連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)
(注)その他は、建築資材の供給事業等です。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年2月1日 至 2024年1月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)
該当事項はありません。