人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数14,178名(単体) 32,186名(連結)
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平均年齢43.5歳(単体)
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平均勤続年数16.2年(単体)
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平均年収9,071,924円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年1月31日現在
(注) 1 従業員数は、就業人員数です。
2 臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満のため、平均臨時従業員数の記載は省略しています。
3 戸建住宅事業、賃貸・事業用建物事業においては、セグメントごとの経営組織体系を有していないため、同一の従業員が各々の事業に従事しています。
4 全社(共通)として記載されている従業員数は、主に当社の本社部門などに所属している人員です。
(2) 提出会社の状況
2026年1月31日現在
(注) 1 従業員数は、就業人員数です。
2 臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満のため、平均臨時従業員数の記載は省略しています。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
4 戸建住宅事業、賃貸・事業用建物事業においては、セグメントごとの経営組織体系を有していないため、同一の従業員が各々の事業に従事しています。
5 全社(共通)として記載されている従業員数は、主に本社部門などに所属している人員です。
(3) 労働組合の状況
当社においては労働組合は結成されていませんが、一部の連結子会社において労働組合が結成されています。
なお、労働組合の有無にかかわらず労使関係は円満に推移しています。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社(注4)
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号、以下「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号、以下「育児・介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号、以下「育児・介護休業法施行規則」という。)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の対象期間は当事業年度(2025年2月1日~2026年1月31日)です。
4 出向者は出向元の従業員として集計しています。
5 賃金の内訳は、基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、通勤手当を除いています。
6 非正規労働者は、臨時従業員(再雇用従業員、契約従業員、パートタイマー)を対象に算出しています。なお、パートタイマーについてはフルタイム換算をせず実際に支給した賃金に基づき算出しています。
<男女の賃金差異についての補足説明>
積水ハウス㈱における男女の賃金差異(全労働者56.0%、正規雇用労働者59.0%)については、全労働者に占める正規雇用労働者の割合が約9割、正規雇用労働者の中でも総合職が7割超を占めていることが大きく影響しています。そのため、以下主に総合職について記載します。
1)等級ごとの賃金差異について
同一等級の賃金は同等です。当社は職群及び等級ごとに賃金水準を設定しており、総合職の男女の基本給月額の差異は以下のとおりです。
2)現状の取組みと経年推移
女性活躍推進については、2005年より課題意識を持ち、女性総合職の積極的な採用を進めるとともに、女性従業員の育成と定着を促進するため、専門部署(現 ダイバーシティ推進部)を設置し、柔軟な働き方に代表される仕事と育児・介護の両立支援制度の拡充等の諸制度の整備を行っています。
これらの取組みが奏功し、2007年から2025年における平均勤続年数の伸びは女性が2.2倍(4.6年→10.1年)と男性の1.2倍(15.8年→19.5年)を大きく上回る結果となり、女性正社員比率についても年々高まってきています(2007年度は16.1%→2012年度は17.5%→2017年度は20.8%→2022年度は24.3%→2025年度は26.4%)。また、2025年度における年代別の女性正社員比率では20代が39.0%、30代が33.4%、40代が29.0%、50代が13.7%と、20代-30代の若年層の女性正社員比率が高くなっています。
(注)主要な連結子会社は、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウス建設グループ各社、積水ハウスリフォーム㈱、積水ハウスサポートプラス㈱。
3)差異要因及び取組み成果から見られる今後の展望
現状、総合職の平均勤続年数は女性10.1年と男性19.5年で約9年の差があるため、管理職の候補となる層が男性に比べて女性は少ない状況です。この結果として当社の女性管理職比率は4.6%(2026年1月31日現在)となっており、男女間において管理職登用の差が生じています。管理職への登用有無は処遇差が生じる要素であり、男女間の賃金差異に影響しています。
本要因解消のため、女性管理職候補者研修の実施等、女性管理職の登用にも積極的に取り組んでいます。さらに、2022年に資格等級制度を見直しています。その結果、2022年以降は9~10の指標に基づき評価され、入社から最短5年で管理職に登用できる制度となっています。
なお、当社では一般社員における5つの等級のうち、P4とP5を次期管理職候補と考えており、2025年度における女性管理職候補者は622名で、管理職候補者全体に占める女性管理職候補者の割合は17.8%となっています。そのため、女性管理職の候補となる人財が若年層で徐々にプールされており、今後は女性管理職比率もさらに高まっていきます。
また、当社の総賃金に占める業績手当等の基準外賃金の割合が特に営業職は大きく、営業職に占める女性の人数比率が15%と低い状況にあります。この点も、男女間の賃金差異に影響しています。しかしながら、前述のとおり各比率の高まりに連動して、男女間の賃金差異は縮小していくものと考えています。
なお、女性活躍を推進するための取組みの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本に関する取組み」に記載しています。
②国内グループ及び主要な連結子会社(注6、9)
(注) 1 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社のうち、海外連結子会社を除いた会社を対象としています。
2 「女性活躍推進法」の規定に基づき算出したものです。
3 「育児・介護休業法」の規定に基づき、「育児・介護休業法施行規則」第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。ただし、㈱鴻池組につきましては、「育児・介護休業法施行規則」第71条の6第2号における育児休業等と育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
4 ㈱鴻池組の管理職に占める女性労働者の割合は、㈱鴻池組の直近の事業年度末時点(2025年12月末時点)を対象としており、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の対象期間は㈱鴻池組の直近事業年度(2025年1月1日~2025年12月31日)です。
5 指標の算出にあたっては、国内連結子会社に含まれる各社の事業年度が提出会社と異なる場合、各社の事業年度ごとに集計しています。
6 出向者は出向元の従業員として集計しています。
7 賃金の内訳は、基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、通勤手当を除いています。
8 非正規労働者は、臨時従業員(再雇用従業員、契約従業員、パートタイマー)を対象に算出しています。なお、パートタイマーについてはフルタイム換算をせず実際に支給した賃金に基づき算出しています。
9 主要な国内グループに含まれる連結子会社の女性活躍推進法等に基づく管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異、ならびに国内の連結子会社のうち主要な連結子会社以外の女性活躍推進法等に基づく管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報」に記載しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
積水ハウスグループのESG経営は、企業理念の根本哲学である「人間愛」を実践することが根底にあります。お客様や社会が直面する課題解決を事業と一体的に推進していくとともに、ガバナンスの強化に努めることで、ESG経営の領域においてさらなるリーダーシップを発揮することを目指し、「ESG経営のリーディングカンパニーに」というサブビジョンを策定しています。
その実現に向け、従業員一人ひとりが自ら考え、行動することが重要であると考え、2020年より、全従業員参画を重視したESG経営に取り組んでいます。参画のきっかけとして、対話を通じてお互いの考えや価値観に触れ、ESGに対する理解を深めてきました。また、従業員が主体的に行動に移すことができるよう、自律や創発につながる制度の構築や職場風土の醸成に努めています。
2022年には、当社グループが果たすべき使命を明確にするため、持続可能な未来に向けたマテリアリティの見直しを行いました。1960年代、高度経済成長期の住宅の確保と、住まいの基本性能の確立に貢献した当社グループは、以来一心に住まいの「安全・安心」「快適性・環境配慮」を追求し、技術の進化を図ってきました。こうした私たちの取組み自体がマテリアリティそのものであると認識し、人生100年時代を迎えたこれからは、住まいを通じた「幸せ」を実現する上で、「良質な住宅ストックの形成」「持続可能な社会の実現」「ダイバーシティ&インクルージョン」という3つを、経営の重要課題に位置づけました。
第6次中期経営計画(2023年度~2025年度)においては、ESG経営の基本方針を「マテリアリティを軸としたESG経営の深化」と掲げ、「住まいを通じて環境課題の解決に貢献」「従業員の自律を成長ドライバーにする」「イノベーション&コミュニケーション」に重点を置いた取組みを推進しました。
さらに当社グループでは、社会環境の変化や価値観の多様化を踏まえ、社内外のステークホルダーとの対話を継続的に行いながら、マテリアリティの整理を進めてきました。その結果、2026年度より適用するマテリアリティとして、「良質な住宅ストックの形成」「持続可能な社会の実現」を引き続き重要課題と位置付けるとともに、これまで掲げてきた「ダイバーシティ&インクルージョン」を発展的に見直し、「豊かな感性と幸せの創造」を新たなマテリアリティとして特定しました。
本見直しは、当社グループが創業以来、住まいづくりを通じて社会価値の創出に取り組んできた歩みを踏まえ、事業活動を通じて中長期的に創造すべき価値をより明確にすることを目的としています。第7次中期経営計画(2026年度~2028年度)においては、これらのマテリアリティを軸に、新たに定めたESG経営の基本方針である「新たな価値を創造する、ESG経営のリーディングカンパニー」のもと、ESG経営の深化と持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
(1) サステナビリティ共通の取組み
①ガバナンス
当社グループは、取締役会の諮問機関として、専門的な知見、能力を有する少なくとも2名の社外委員を含むESG推進委員会を設置し、ESG経営の取組みの進捗と課題等についての意見交換を通じて実効性を高めています。
ESG推進委員会は3ヵ月に1回のペースで開催し、内容は取締役会に報告され、審議することとしています。
ESG推進委員会では、その推進を担う3つの部会、「環境事業部会」「社会性向上部会」「ガバナンス部会」を設置、ESG3部会長には、それぞれ職責者を任命し、目標・KPIを設定しています。
この3部会は、各部門・国内外のグループ会社と連携しながら、ESG経営の旗振り役として先導していくとともに、実効性ある取組みを行います。また、取組みの進捗報告と普及に向けた課題・改善提案のフィードバックを通じて、全従業員の理解・浸透を図ります。
ESG経営推進本部においては、ESG経営に関する基本方針の企画・立案及び推進に関する事項を掌理し、取組みの推進、情報の収集・分析、社内外への情報発信、ESG推進委員会の運営を通じて、ESG経営のさらなる推進を図っています。
・ 環境事業部会
グループ全体を対象とした事業活動全体の脱炭素化、生物多様性保全や資源循環に関する環境マネジメントシステムを計画・実行するとともに、環境関連情報を年次集計し、社内外のステークホルダーの環境意識向上・環境負荷低減に向けた認知向上を目的に情報公開しています。
グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする ”ためには環境への取組みが必要不可欠との考えのもと、これからも先進的な取組みで環境負荷と事業リスクの低減、及び事業機会の創出に努めていきます。
・ 社会性向上部会
人財価値の向上と事業・活動を通じた社会課題の解決を推進し、企業価値を高めていくことを目指しています。人財価値は、従業員の自律とベクトルの一致の掛け算という考えのもと、従業員にとっての「わが家」である会社と一人ひとりの幸せを実現する施策の計画・実行に努めます。社会価値は、子ども・環境・地方創生を軸に、社会の幸せづくりに寄与する事業・活動を実現します。各施策の方針と推進体制・進捗を包括的にモニタリングし、お客様・社会・従業員の「幸せ」を最大化していきます。
・ ガバナンス部会
グループガバナンスの強化に向けて、本社コーポレート部門と国内外のグループ会社各社とのコミュニケーション活性化が重要と考え、情報連携に努めています。
国内外グループ会社におけるコーポレート機能の強化、ガバナンス人財の育成・適正配置、人権尊重、コンプライアンス意識向上などの現状把握、改善に関する議論などを通じて、事業マネジメントレベルでのガバナンス強化に取り組んでいます。
※ 当事業年度におけるESG推進委員会の主な議題については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレートガバナンスの体制 <ESG推進委員会>」に記載しています。
②戦略
当社グループは、外部環境の変化に伴うリスク・機会を分析し、ステークホルダーである、お客様・社会・従業員それぞれの幸せを実現するために提供できる価値とは何か考え、「良質な住宅ストックの形成」、「持続可能な社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン」という3つのマテリアリティを軸に、第6次中期経営計画において、それぞれKPIを設定しサステナビリティの取組みを推進しました。
<リスク・機会と重点テーマ>
積水ハウスグループでは、価値創造に影響をもたらす中長期の課題を分析し、外部環境の変化に伴うリスク要因を洗い出すとともに、リスクを将来の事業創出の機会でもあると位置付け、事業戦略立案に活かしています。
<重点テーマに対応するマテリアリティ>
<マテリアリティごとの果たすべき使命と重点方針>
③リスク管理
当社グループは、サステナビリティを軸に、価値創造に影響をもたらす中長期の課題を分析し、リスク要因を洗い出すとともに、リスクを将来の事業創出の機会と位置付け、中長期の事業戦略立案につなげています。ESG経営の取組みの進捗と課題については、取締役会の諮問機関であるESG推進委員会において検討した後に、取締役会に報告する体制としています。また、取締役会はESG推進委員会からの報告を受け、当社グループのサステナビリティに関する対応等についての審議・監督を行うこととしています。また、「事業運営リスク」や「ハザードリスク」に関係する事項については同じく取締役会の諮問機関であるリスク管理委員会にも適宜共有し、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。
サステナビリティの各アジェンダに関するリスク管理の詳細については、「(2)気候変動関連に対する取組み、(3)自然資本・生物多様性に対する取組み、(4)人的資本に関する取組み、(5)人権尊重に関する取組み」をご参照ください。
なお、これら以外のリスク管理については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
④指標及び目標
当社グループは、第6次中期経営計画においてマテリアリティの取組みに向けたテーマごとのKPIを設定しています。そのうち、業績連動型株式報酬(PSU)に係るESG経営指標(注1)も含めた主なKPIは下記のとおりです。
(注)1 業績連動型株式報酬(PSU)に係るESG経営指標の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等 ① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項 (ⅲ) 業績連動型株式報酬(付与される基準株式ユニット数の20%に相当するESG経営指標連動部分)」に記載しています。
2 集計対象会社は、当社。当社が当年度に契約した戸建住宅において、国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアし、行政の認定を受けた棟数の割合を表した指標。集計対象期間は4月1日~3月31日。
3 集計対象会社は、積水ハウス不動産グループ各社。賃貸住宅において、間取りの変更を伴い、資産価値の向上が見込める内装・設備リノベーション工事の契約戸数を表した指標。
2024年度より、良質な住宅ストックの形成とお客様の幸せに資するリノベーションを実施することに主眼を置き、戸数から質の向上に注力する方針にシフトしたため、2025年度の目標数値を変更しています。
4 集計対象会社は、当社。当社が当年度に建築した戸建住宅(2023年度及び2024年度は北海道の請負・分譲住宅を除く)に占めるZEH(Net Zero Energy Houseの略称)の割合を表した指標。集計対象期間は4月1日~3月31日。
5 集計対象会社は、当社。当年度に契約した賃貸住宅「シャーメゾン」に占めるZEH戸数(ZEH Ready基準以上かつ入居者売電物件)の割合を表した指標。
6 集計対象会社は、当社グループ。当社グループの事業活動全体で直接的に排出するCO2(スコープ1)と、調達電力など間接的に排出するCO2(スコープ2)を2013年度比で表した指標。
7 集計対象会社は、2023年度は、当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウス建設グループ各社、積水ハウス ノイエ㈱、積水ハウスリフォーム㈱、㈱鴻池組とその国内連結子会社、2024年度及び2025年度は、当社及び国内連結子会社。
8 集計対象会社は、2023年度及び2024年度は、当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウス建設グループ各社、積水ハウス ノイエ㈱、積水ハウスリフォーム㈱。2025年度は、当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウス建設グループ各社、積水ハウスリフォーム㈱、積水ハウスサポートプラス㈱。「積水ハウスグループ 女性活躍推進行動計画」で掲げた「当社グループ全体の男性育児休業取得率」で、3歳未満の子を持つ男性従業員が、1ヵ月以上の育児休業を取得した割合を表した指標。
9 集計対象会社は、2023年度及び2024年度は、当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウスリフォーム㈱。2025年度は、当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウスリフォーム㈱、積水ハウスサポートプラス㈱。働き方改革関連法に基づき義務化された年5日取得の促進及び総労働時間削減への取組みを推進するため、当社グループ従業員の年次有給休暇の取得率を表した指標。集計対象期間は3月11日~3月10日。
※ その他のKPIについては当社WEBサイトに掲載のESG FACT BOOK 2026をご参照ください。
<ESG FACT BOOK 2026>
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/sustainable/library/2026/ESG_factbook.pdf
(2) 気候変動関連に対する取組み(TCFD提言に沿った情報開示及び各国法令に基づく情報開示への対応)
①ガバナンス
当社グループでは、気候変動対応はESG推進委員会の重要議題の一つとして位置づけており、活動方針の妥当性や進捗状況の評価を行うとともに、重要事案については取締役会に報告しています。
ESG推進委員会の傘下に、環境経営に関わる本社部門の職責部長及び各事業部門の環境責任者を中心とした全社横断の「環境事業部会」を設置し、3ヵ月に1回開催しており、環境関連の情報共有ならびに活動方針等の決議事項の検討など、組織全体のベクトルの一致に向けて活動しています。
また、ESG推進委員会の決定事項は環境事業部会を通じて、関連会社を含む全グループに展開し浸透させています。
ESG推進委員会を通じた経営層の監視の実効性確保のために、取組みの推進は、各業務の担当取締役や経営層との日常的な報告と指示を経て進めており、これによってタイムリーな監視・監督機能を確保しています。
②戦略
当社グループは目指すべき事業全般の脱炭素化への歩みを着実に進めるために、今後起こり得る様々な事態を想定し、戦略の妥当性や課題を把握すべく、事業活動及び資源の固有の状況や、物理的リスクについて想定される事業活動・期間・資産の耐用年数などを考慮したシナリオ分析を行っています。
また、移行リスクについて法制化、技術開発、市況に係る潜在的なシナリオに基づき評価し、事業活動に与える気候関連のリスク(物理的リスク及び移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。
2025年2月には、ネットゼロ達成に向けた日本の新たな温室効果ガス削減目標として、「2035年度及び2040年度において温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減」が設定され、これに基づき住宅産業関連で「2050年にストック平均でのZEH(Net Zero Energy House)・ZEB(Net Zero Energy Building)基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、これに至る2030年度以降に新築される住宅・建築物はZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」「家庭部門の非化石転換やディマンド・リスポンス(DR)も併せて進めていく観点から、家庭部門のエネルギー消費の約3割を占める給湯器の省エネルギーや非化石転換の加速、DRに必要な機能の具備の促進、開示を通じたエネルギー供給事業者の取組強化などの制度面での対応を進める」などの方向性も示されました。
そのため、全事業を対象としてあらためて大規模なシナリオ分析を実施し、戦略の見直しを行いました。
さらに、2025年度は各国法令に基づく気候関連情報の開示義務化への準備を進めました。オーストラリアにおいては「オーストラリアサステナビリティ報告基準(ASRS)」に準拠した報告書の提出に向けた準備、米国のカリフォルニア州においては「カリフォルニア州気候変動開示法(「気候関連企業データ説明責任法(SB253)」と「温室効果ガス:気候関連財務リスク(SB261)」)」の動向の把握と適切な準備を進めました。
これらの取組みにより特定した、財務影響が大であると想定された主要なリスク・機会と対応を示します。
<シナリオ分析の前提>
(注)1 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル
2 IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機関
3 NGFS(Network for Greening the Financial System):気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク
4 NatHERS(Nationwide House Energy Rating Scheme):全豪住宅省エネ性評価システム
5 BASIX(Building Sustainability Index standards):ニューサウスウェールズ州政府が定める建築持続可能性指数
なお、財務影響と想定期間については以下のとおり定義します。
財務影響 大:300億円以上、中:100億円以上、小:100億円未満
想定期間 短期:2025年から3年間、中期:2030年まで、長期:2050年まで
<主な移行リスク/物理的リスク>
<主な機会>
③リスク管理
当社グループでは、グループ全体のリスクマネジメントプロセスの一環として、気候変動関連リスク及び機会を判断するための評価をTCFDの提言に基づき実施しています。リスクと機会の抽出は、グループ全体を対象に各事業の主管部署を中心に行い、その結果をESG推進委員会の傘下にある環境事業部会で集約し、財務影響評価を行っています。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、取締役会に報告し、必要に応じてリスクの緩和・移動・受容・コントロールについて検討します。また、「事業運営リスク」や「ハザードリスク」に関係する事項についてはリスク管理委員会にも適宜共有し、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。
④指標及び目標
当社グループでは、2008年に、2050年までに住まいからのCO2排出ゼロを目指す「2050年ビジョン」を宣言し、事業活動全体において、再生可能エネルギーの利用も含めてネットゼロを目指し、既に様々な取組みを開始しています。
この目標達成へのマイルストーンとして、2030年までにスコープ1(直接排出量:自社の工場・オフィス・車両などによる燃料消費)とスコープ2(間接排出量:購入した電力など自社で消費したエネルギー)において75%削減(2013年度比)、及びスコープ3カテゴリ11(販売した製品の使用)において55%削減(2013年度比)することを目指し、SBTi(注6)の1.5℃に整合する目標として設定しています。なお、現在は2023年度実績を基準年として同等の削減目標を設定、さらに同時に2050年までにバリューチェーン全体のネットゼロ目標も設定の上、SBTiによる認証をそれぞれ取得しています。スコープ1、2については、2022年度で2030年を目標としていた50%削減を既に達成したため、より野心的な目標に上方修正したものです。
(注)6 SBTi(Science Based Targets initiative):2015年にWWF、CDP、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトにより設立された共同イニシアティブ
GHG排出量に関する実績(スコープ1、2)(t-CO2e)
GHG排出量に関する実績(スコープ3カテゴリ11)(t-CO2e)(注7)
(注)7 販売した製品の使用に伴う(供給した住宅及び非住宅建築物の使用段階における)排出量。年間に供給した全ての住宅及び非住宅建築物の使用時のエネルギー消費に基づくCO2排出量を算出。供用年数は60年を想定。住宅(国内)については、ZEH(*1) 計算等で使用する「建築物エネルギー消費性能の向上に関する法律」に準拠したエネルギー消費性能計算プログラムを用い算出された一次エネルギー消費量をCO2排出量に換算し算出。CO2排出係数は「地球温暖化対策の推進に関する法律」の値を採用(*2)。非住宅建築物(国内)については、床面積に用途別の床面積当たりのエネルギー消費量を乗じる方法または前述のプログラムを用いて住宅と同様の方法で算出した一次エネルギー消費量をCO2排出量に換算し算出。用途別の床面積当たりのエネルギー消費量及びエネルギー種別一次エネルギー構成比率は「CASBEE-建築(新築)2021年SDGs対応版」(一般財団法人 住宅・建築 SDGs推進センター)の値を採用。住宅(米国)については、Home Energy Rating System®(HERS)Index score算定過程で得られるエネルギー計算結果(住宅に設置した太陽電池による発電量のうち余剰売電分は不算入)または米国エネルギー省(DOE)が公開する住宅のエネルギー消費量シミュレーション結果をCO2排出量に換算し算出。CO2排出係数は米国環境保護庁(EPA)が公開する値を採用。住宅(オーストラリア)については、オーストラリア ニューサウスウェールズ州法の住宅のエネルギー消費削減率を評価する指標であるBASIXのEnergy ScoreからCO2排出量を算出、またはオーストラリアエネルギー規制当局(AER)が公開する、住宅のエネルギー消費に関するデータをCO2排出量に換算し算出。CO2排出係数は、オーストラリア気候変動・エネルギー・環境・水資源省(DCCEEW)の公開する値を採用。
*1 外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅。
*2 電力排出係数については「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)R6年度実績」(R8.1.9 環境省・経済産業省公表、R8.2.25一部更新)の全国平均係数を使用。都市ガスの排出係数については「ガス事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用) R6年度供給実績」(R7.6.30 環境省・経済産業省公表)の代替値(省令の排出係数)を使用。
8 集計範囲の拡大(M.D.C. Holdings,Inc.(現 SEKISUI HOUSE U.S.,Inc.)傘下の住宅販売子会社の追加)及び集計基準の見直し(基準日を確認済証取得日から引渡日に変更)を反映して算定。
※ より詳細なTCFD提言に沿った情報開示については、当社ウェブサイトに掲載のESG FACT BOOK 2026をご参照ください。
<ESG FACT BOOK 2026>
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/sustainable/library/2026/ESG_factbook.pdf
また、上記表のスコープ1、2及び3カテゴリ11 のGHG排出量については有価証券報告書作成時点での暫定値であり、確定値、並びに算定基準、スコープ3の他のカテゴリにかかるGHG排出量等は、2026年5月末に発行予定のESG DATA BOOK 2026(確定版)で開示します。
(3) 自然資本・生物多様性に対する取組み(TNFD提言に沿った情報開示)
<TNFDにおける6つの一般要件>
1.マテリアリティの適用
当社グループは、「持続可能な社会の実現」をマテリアリティの一つとして掲げています。また、第7次中期経営計画では「新たな価値を創造する、ESG経営のリーディングカンパニー」を基本方針としており、自然関連の対応も重要視しています。TNFD開示・LEAPアプローチによる分析においては、自然へのインパクト・依存を含むダブルマテリアリティの考え方を採用しています。
2.開示のスコープ
当社グループの事業ポートフォリオにおける全事業の直接操業のインパクト・依存評価を行い、リスク・機会の分析を実施しました。また、当社における事業規模と財務的な影響の大きさを勘案し、住宅事業においては上流のインパクト・依存評価、リスク・機会の分析も行いました。さらに、上流のバリューチェーンのうち自然へのインパクト・依存の特に大きな原材料調達の木材について、インパクト・依存の詳細な分析を行っています。
3.自然関連課題がある地域
バリューチェーン上流の原材料調達において、特に自然へのインパクト・依存の度合いが大きい木材調達について特に優先度が高い地域を特定しました。他の原材料調達や直接操業における優先地域についても順次分析を深め、インパクト評価も行う予定です。
4.他のサステナビリティ関連開示との統合
本開示はTNFD提言に基づく開示であり、気候変動、資源循環、水リスク等のさまざまな環境課題との整合性、相乗効果、トレードオフを検証しながら分析を進めています。今後、こうした他のサステナビリティ関連情報との開示情報の統合も検討します。
5.検討される対象期間
当開示内容における時間軸は、短期:2025年から3年間、中期:2030年まで、長期:2050年までを想定しています。
6.組織の自然関連課題の特定と評価における先住民族、地域社会と影響を受けるステークホルダーとのエンゲージメント
当社グループでは、マテリアリティである「持続可能な社会の実現」の一つの要素として「地域社会との共生」を重視しています。地域社会のニーズや課題を正確に把握し、地域の関係者と信頼関係を築くことで、事業や活動計画の適切な調整や地域社会との良好なパートナーシップを形成しています。また、地域社会の課題に対処するためのリスク管理を行い、地域環境への影響に配慮した取組みを行うことで持続可能な事業活動の展開を実現しています。
①ガバナンス
当社グループでは、ESG推進委員会において、自然関連の対応を気候変動同様に重要議題の一つとして位置づけており、活動方針の妥当性や進捗状況の評価を行うとともに、重要事案については取締役会に報告しています。
また、積水ハウスグループ人権方針では、国際人権章典、労働における基本的原則及び権利に関するILO(国際労働機関)宣言、ビジネスと人権に関する指導原則など国際規範を尊重し、国連グローバル・コンパクトの10原則を支持しています。さらに、CSR調達ガイドライン、木材調達ガイドラインにおいて、人権侵害の防止に対する方針や基準を定めています。それらの方針や基準の遵守により、当社による事業活動や調達において、人権侵害が発生しないよう配慮しています。特に、木材調達ガイドラインでは、調達地の先住民を含むステークホルダーのFPIC(注1)を尊重することを規定するとともに、サプライチェーン上でのあらゆる紛争を認めない木材の調達方針なども定めて実行しています。
(注)1 FPIC(Free, Prior and Informed Consent):自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意
②戦略
当社グループは、気候変動同様、自然資本や生物多様性保全においても、人と自然の共生社会への歩みを着実に進めるために、今後起こり得るさまざまな事態を想定し、戦略の妥当性や課題の把握に努めています。
当社では、自然関連リスク・機会及びインパクト・依存評価を、TNFDのLEAPアプローチ(注2)に基づき実施しています(図1)。まず、当社の主要事業である住宅事業における自然関連のインパクト・依存の分析と診断を行い(1-1)、当社の取組みを整理したうえで、シナリオ分析によりリスクと機会への対応の優先度を検討しました(3-1)。次に、住宅事業に関する4つの工程(原料調達、製造加工、建設、解体)の中で自然へのインパクト・依存の度合いが大きい原料調達工程における木材調達について、株式会社シンク・ネイチャーの協力のもと、同社の持つ生物多様性ビッグデータを用いて、高度化した分析を行い、当社にとってより重要な自然との接点の特定とインパクト・依存の把握を行ったうえで(1-2,2-1,2-2)、リスクの定性的な財務影響評価を行いました(3-2)。さらに、インパクト・依存の分析と診断を全事業の直接操業に拡大し(1-3)、全事業におけるリスク・機会の特定と定量的な財務影響評価を行いました(3-3,3-4)。2025年度には、3-3で洗い出したリスク・機会への対応について、議論・整理しました(3-5)。
(注)2 LEAPアプローチ:組織の自然との接点、依存、インパクト、リスク、機会など、自然関連課題を判定するための統合的な評価手法。スコーピングを経て、Locate(発見する)、Evaluate(診断する)、 Assess(評価する)、Prepare(準備する)のステップをとおしてインパクトを評価し、開示を行う。
図1 TNFD LEAPアプローチ実施状況
1-1 住宅事業における自然へのインパクト・依存の分析と診断(Locate・Evaluate)
住宅事業(戸建住宅・賃貸住宅)について、調達データをもとにENCORE等を使用して潜在的なインパクト・依存の分析を実施した結果、原料調達工程において、多くの生態系サービスに依存している可能性があること、また、木材の伐採や鉱物資源の採掘における陸域・淡水域・海域の土地改変や、大気・水域・土壌・廃棄物の汚染などの影響を及ぼしている可能性があることを確認しました。
1-2 木材調達における生物多様性の観点でセンシティブな場所の発見(Locate)
当社の2022年度における木材調達量の約90%を占める上位11か国を対象に、天然林については「生物多様性の重要性」「生物多様性の完全性」を、人工林については「生物多様性の重要性」を評価しました。これにより、天然林についてはインドネシア・マレーシア、人工林についてはインドネシア・マレーシア・日本・ベトナムが11か国の中でも特に保全優先度が高いエリアであり、優先的に影響の把握が必要であることが分かりました。
1-3 全事業における自然へのインパクト・依存の分析と診断(Locate・Evaluate)
当社グループの全事業範囲の直接操業における自然へのインパクト・依存をポートフォリオ分類別に、ENCOREを用いて評価しました。その結果、直接操業では多くの事業が水循環や土壌に関する生態系サービスに関連していることが分かりました。
2-1,2-2 木材調達における自然へのインパクト・依存診断(Evaluate)
ENCOREにて林業に関連すると評価されている「陸域生態系利用」、「地盤安定化と浸食抑制機能」、「害虫抑制機能」について調達量上位11か国について分析を行いました。
3-1,3-2 住宅事業におけるリスク・機会の特定と評価、リスクの定性的な財務影響評価
3-1,3-2で行った内容については、スコープを拡大した3-3,3-4に含めているため、記載を割愛しています。
3-3 全事業におけるリスク・機会の特定と評価(Assess)
1-3で当社グループの直接操業において自然へのインパクト・依存の度合いが大きかった項目に関連する可能性のあるリスク・機会事項と、1-1で住宅事業において自然へのインパクト・依存の度合いが大きいとされた原料調達工程に関連する可能性のあるリスク・機会事項の一覧を整理しました。その後、その一覧の中から特に当社グループにとって特に重要度の高いものを洗い出し、具体的なリスク・機会を特定しました。この主要なリスク・機会を導き出すプロセスとして、当社グループ内の各事業範囲に関連する23部署の担当者が参加する横断的なワーキンググループを設け、計16回のワークショップを開催し、自然関連の将来的なリスク・機会とそのレジリエンスについて議論できる場を構築しました。
ワークショップを開催するにあたり、TNFDが推奨する2つの不確実性から構成される4象限のシナリオ(図2)のうち、シナリオ①を「持続可能なシステムが回る世界」、シナリオ③を「破滅へ進む世界」として、生物多様性の状態と気温上昇という自然の状態に関する観点(横軸)と、技術・社会・規制/政治という世界動向に関する観点(縦軸)で、短期・中期・長期の時間軸を設定して探索的にシナリオを構築しました。ワークショップでは、それぞれのシナリオにおける当社の直面しうるリスク・機会を議論しました。
図2 TNFDが推奨する2つの不確実性から構成される4象限のシナリオ
シナリオ構築にあたり、WWF のLiving Planet Report 2022 とIPCCのSixth Assessment Report(2021)等を参考に2040年時点の自然の状態を固定条件として設定しました。まず、シナリオ①では横軸の自然状態について、生態系は徐々に回復傾向にあり、気候変動でも1.5℃シナリオが達成されることで環境が改善に向かう世界を想定しました。縦軸である市場と非市場原理は一致する方向、すなわち社会や法規制、経済が、自然にとってポジティブな方向へ移行する世界を想定しています。一方で、シナリオ③では生態系は劣化し、気候変動による気温上昇が進む世界を想定しており、縦軸においても市場と非市場原理は不一致の方向、すなわち社会や法規制、経済が自然にとってネガティブな方向もしくは現状と変わらないという世界を想定しています。
3-4 リスク・機会の財務影響評価(Assess)
全社的なワークショップを通してシナリオ分析により特定した、主要なリスク・機会とその潜在的な財務影響について、短期・中期・長期の時間軸を設定したうえで算定しました。今後は、社内での議論をさらに深め、それぞれのリスク・機会が関連する自然へのインパクト・依存への詳細情報の把握や優先地域の精緻化とそのアプローチを検討したうえで、対応がさらに必要な事項について行動方針を検討していくとともに、時間軸ごとの前提条件や不確実性を考慮しながら、財務影響についてもより精査していきます。
なお、財務影響については以下のとおり定義します。
財務影響 大:300億円以上、中:100億円以上、小:100億円未満
3-5 全事業におけるリスク・機会への対応(Assess)
3-3で洗い出した具体的なリスク・機会と関連性の高い当社グループ内の10部署と議論し、それらのリスク・機会に対して、現時点で対応している取組み、ならびに今後講じるべき対応策などについて整理しました。財務影響が大であると想定された主要なリスク・機会と対応を以下に示します。
<主な移行リスク/物理的リスクへの対応>
<主な機会への対応>
③リスクとインパクト管理
当社グループでは、グループ全体のリスクマネジメントプロセスの一環として自然関連リスク・機会及びインパクト・依存評価を、TNFDのLEAPアプローチに基づき実施しています。まず、整理したバリューチェーン全体において、潜在的な自然関連のインパクト・依存が存在する活動を洗い出しました。木材については、詳細な調達情報をもとに生態学的にセンシティブな場所との地理的な接点の発見を行ったうえで、インパクト・依存を特定し、それらを定量的・定性的に分析して重大性を評価しています。
リスクと機会の抽出は、シナリオ分析を用いながらグループ全体を対象に各事業の主管部署を中心に行い、その結果をESG推進委員会の傘下にある環境事業部会で集約し、財務影響評価を行っています。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、取締役会に共有し、必要に応じてリスクの緩和や対応について検討します。また、「事業運営リスク」や「ハザードリスク」に関係する事項についてはリスク管理委員会にも適宜共有し、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。
さらに、当社の事業活動に関係するサプライヤーをはじめとする主要なステークホルダーとのエンゲージメントも引き続き取組みを強化していきます。
④指標及び目標
当社グループでは、自然に関連する重要なインパクト・依存やリスク・機会の適切な評価と管理を目的として、TNFD 提言内容に沿って適切な「アセスメント指標」を選定し、「開示指標」のコア指標を中心に実績値を開示します。2025年度の実績値については、ESG FACT BOOK 2026(注3)をご参照ください。
今後は今回開示できていないコア指標と、アセスメント指標のうち重要なものを「開示指標」の追加指標として実績値の算出を進めていきます。今後は、アセスメント指標の中から、洗い出したリスク・機会に関連する指標を中心に目標設定を行い、モニタリングすることを検討しています。
また、指標以外の目標設定として、木材調達方針に掲げた2030年の天然林における森林減少ゼロ(ゼロ・デフォレステーション)達成のため、ゼロ・デフォレステーション比率を2023年度よりKPIとして設定していました。
2025年度においては、今般の国際的なサステナビリティ基準やステークホルダーの期待を踏まえ、森林減少・土地転換なし(Deforestation and Conversion Free:DCF)比率へKPIを変更し、進捗を管理しています。目標達成のため、サプライヤーエンゲージメントの強化や詳細な現地デュー・ディリジェンス、仕様変更による原材料の切り替えなどさまざまな取組みを推進しています。
(注)3 より詳細なTNFD提言に沿った情報開示については、当社ウェブサイトに掲載のESG FACT BOOK 2026をご参照ください。
<ESG FACT BOOK 2026>
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/sustainable/library/2026/ESG_factbook.pdf
(4) 人的資本に関する取組み
①ガバナンス
人的資本の施策に関する重要事項については、内容に応じて取締役会の諮問機関である「人事・報酬諮問委員会」、「ESG推進委員会」または「リスク管理委員会」での討議を経て、経営会議または取締役会で付議・報告され全社施策として実行・運営されます。人財戦略の推進にあたっては、人事総務部、人財開発部、ダイバーシティ推進部などといった当社関係部署が、施策の実施及びKPI進捗管理を行っており、ESG推進委員会の傘下にある社会性向上部会にて意見交換の上、部署間の連携を図っています。また、当社はグループ各社の課題及びKPIの進捗について、前述の関係部署が報告を受ける体制を構築しており、グループ全体を包括的に管理しています。
②戦略
人財開発基本方針・社内環境整備方針展開にあたっての基本的考え方
従業員が自律するためには、従業員が当社グループという資源を利用しながら、一人ひとりが主体的に行動し、継続的にキャリア開発に取り組むことが重要です。自律的なキャリア形成を促すため、従業員と企業がともに持続可能な成長を実践できる環境や仕組みづくりを進めます。あわせて、年齢、性別、国籍、障がいの有無などを問わず、誰もが自分らしく働き、その能力を最大限に発揮できる環境や制度づくりを推進するとともに、多様な働き方ができる柔軟性の高い勤務制度の導入・運用を積極的に進めています。また、インテグリティが高いリーダーを計画的に育成するとともに、事業戦略に必要な人員確保や適正配置に努めます。
人財開発基本方針
グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け「人財価値を最大化し、知と経験のD&Iで事業成長を牽引する」を方針とし、人財開発に関する取組みを推進していきます。
社内環境整備方針
グローバルビジョン実現に向け、その原動力である従業員が集う積水ハウスが世界一幸せな会社であることが重要と考えます。「誰もが働くことに、やりがいや幸せを感じられる会社」を目指し、従業員のキャリア自律支援、D&Iの推進、多様な働き方の推進、幸せの基盤づくりなど、重点テーマの推進を支える環境整備を行います。
第6次中期経営計画(2023年度~2025年度) 人財戦略
人財価値の向上は、企業の成長のドライバーです。
当社はその価値を「人財価値向上=従業員の自律(注1) × ベクトルの一致(注2)」と表現し、以下の図のとおり、人財戦略の重点テーマを整理しています。
1.キャリア自律支援、2.D&Iの推進、3.多様な働き方の推進、4.幸せの基盤づくり、これら4つのテーマに基づく、制度改革や組織風土づくり、取組み推進などを戦略的に遂行しながら従業員の自律を支援・促進していきます。さらに、これらによって創出された自律した従業員が積水ハウスグループの目指す方向性に共感し、自ら行動するために、企業理念と戦略を浸透させるリーダー育成、戦略に応じた人員確保と適正配置を実施していきます。
「人財価値向上=従業員の自律 × ベクトルの一致」については、乗算であることが重要であり、「従業員の自律」及び「ベクトルの一致」のいずれも高い水準を目指すことで人財価値がますます向上し、社会への価値提供が大きくなります。当社が成し遂げたいことは、社会への提供価値の最大化であり、これを支える人財への投資を着実に行っていきます。
(注)1 従業員の自律:従業員一人ひとりが考え、主体的に行動すること。
2 ベクトルの一致:会社のビジョンや戦略が従業員に浸透し、理解されている状態であること。
[従業員の自律に関する取組み]
1.キャリア自律支援
「イノベーション&コミュニケーション」を合言葉に、従業員間でアイデアを出し合い、活発なコミュニケーションを通じて新たなイノベーションを生み出すという創発型企業文化の醸成や、従業員が主体性を発揮する機会をつくることを通じて、一人ひとりのキャリア自律を支援しています。2003年に開始したキャリア自律意識を醸成する各種研修については累計23,066名が受講(2025年度末実績)し、仕事だけではない人生全体を見据えたキャリア形成への意欲を高めています。また、マネージャー職の責任範囲、職務内容、必要な知識・スキルを定めた職務記述書の従業員への公開の他、業務上必要な主要資格の取得支援も行っています。
・ 直近の取組み例
- 2021年:創発型表彰制度「SHIP」のスタート
- 2022年:人財公募制度のリニューアル
- 2023年:MBA等の自律的学習を支援する高度学習支援制度、キャリア自律休業制度のスタート、
キャリア自律コースの拡充
- 2024年:オンライン学習サービスのトライアル、職責者向けのキャリアコーチ資格プログラム、
英語学習プログラム、Myキャリアシートによるスキルと経験の可視化のスタート
- 2025年:理由を問わず一定期間転居なく同一エリアでの勤務が可能な勤務エリア継続制度
(フェア型)、高度DX人財としてビジネストランスレーター・AIエキスパートの育成スタート
2.D&Iの推進(注3)
i)女性活躍支援
当社グループの使命は「幸せづくりのパートナー」として、お客様や社会に新たな価値を提供し続けることであり、多様な価値観や感性・視点が求められる住まいづくりにおいて、あらゆる分野での女性の活躍は不可欠であると考えます。このことから、女性活躍支援を経営課題として認識し、2006年に経営企画部に女性活躍推進グループ(現在のダイバーシティ推進部)を設置し、以下の採用、定着、育成における活躍支援施策を継続して実施しています。
定着へ向けた取組みとして、職種毎の課題に即した施策を展開しており、女性営業職には2007年から「全国女性営業交流会」を実施し、女性営業同士のネットワークを構築しています。3年目以下の離職率の高さが課題であったため、現場での育成はもちろん、3年目以下の女性営業とダイバーシティ推進部が面談を実施し、課題の早期発見や改善に努めるなど一人ひとりに寄り添ったサポートを展開しています。女性現場監督職には2014年から「全国女性現場監督交流会」を毎年開催しており、在籍率30%を超える女性設計職においては専門性の強化と、育児との両立に関するロールモデルを全国へ水平展開し多様なキャリア形成の支援を実施しています。2025年からは高度な設計スキルを有する女性チーフアーキテクトが企画する手挙げ式全国女性設計交流会も開始し、より充実した横軸の繋がりや高度な設計スキル取得への意識向上を図っています。また、事業所表彰の基準であるESG指標に「女性活躍推進指標」を継続して掲げ、事業所における女性活躍も推進しています。
当社グループでは女性活躍推進法に基づく行動計画(2021年に策定)にて、2025年度までに女性管理職を310人以上(注4)登用することを目標とし、女性管理職候補人財の育成にも注力してきました。2014年から、管理職候補者研修「積水ハウス ウィメンズ カレッジ」を開講。毎年、手挙げかつ上司推薦を経て決定した約20人の受講者に、約2年間OJT及び組織課題解決の実践プログラムを提供し、納得性のある育成・登用へとつなげています。開講当初から、代表取締役が自ら受講生との直接対話の機会を持ち、2018年からは、社外女性取締役も参加して受講生に直接エールを送り、女性管理職育成の大きな後押しとなっています。女性従業員の採用、定着、育成を進めてきた結果、当社及び国内連結子会社の新卒の女性採用率は、2025年度実績では営業職35.4%、技術職27.2%となっています。また、当社及び主要国内子会社(㈱鴻池組を除く,注5)の女性正社員比率は30.4%となり、建設業界平均(注6)の約2倍の比率の女性正社員が活躍しています。「積水ハウス ウィメンズ カレッジ」修了生192人のうち、146人が管理職となり、当社及び国内連結子会社の女性管理職数は475人まで増加しています(2026年1月31日現在)。
現在実行している女性活躍推進諸施策の継続の結果、女性正社員、女性管理職候補者数が増加しつつあり、今後も様々な取組みを強力に推進し、従業員の男女賃金格差の縮小にも努めていきます。
(注)3 2023年3月策定の第6次中期経営計画における人財戦略において、「DE&I」の推進と表記していましたが、「Equity」という概念の捉え方に国際的な違いが見られることを鑑み、かつ当社グループのマテリアリティである「ダイバーシティ&インクルージョン」との整合を図り、「D&I」と表記しています。
4 310人以上は計画策定時の目標。提出日現在の目標は380人以上。
5 集計対象会社は当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウス建設グループ各社、
積水ハウスリフォーム㈱、積水ハウスサポートプラス㈱。
6 出典:「令和6年度雇用均等基本調査 付属統計表 企業調査 第1表 男女及び職種別正社員・正職員割合」(厚生労働省)
※女性正社員比率の集計範囲は(注5)
ii)グローバル人財の活躍推進
国籍を問わない人財採用と能力適性を考慮した登用を進めています。海外子会社においては、人員体制強化の観点から、現地採用を積極的に行い、優秀な現地採用者の重要ポストへの登用を進めています。
iii)障がい者の活躍支援
2026年1月末時点での障がい者雇用率は、当社で2.83%、国内連結会社のうち障がい者法定雇用義務のある30社(当社を含む)で2.89%です。現法定雇用率2.50%(2026年7月改正2.70%)を上回る状況ですが、今後も当社は各本部単位で、グループは各社で法定雇用数の達成を目標に、積極的に雇用を促進します。活躍支援に向けた取組みとして、障がいのある従業員とその上司・同僚を対象に所属部署を超えたネットワークの構築、相互に発信・相談できる関係づくり、職場環境改善を図ることを目的として、2015年から毎年「ダイバーシティ交流会」を実施しており、2025年は大阪での対面開催に加え、後日オンライン形式でも実施しました。
また、障がい等により配慮を必要とされるお客様に対し、設備・応対の両面から取組みを進めています。設備面では、社内施設(住宅展示場・事務所等)の新築・改築時に、障がい等へ配慮した設計とする指針を定め、運用を通じて継続的な改善を図っています。応対面では、戸建事業部門の各支店にお客様からの配慮・調整のお申し出に対応できる社員(全国120名)を任命し、日本ユニバーサルマナー協会が実施する検定の受講と、理解促進を目的とした社内研修を通じてマインド醸成を進めています。
さらに、戸建事業部門の新入社員に対しては、障がい体験を含む研修を実施し、障がい理解の促進に取り組んでいます。ウェブサイトやテレビCMにおいても、「ウェブアクセシビリティ方針」に基づく公式サイトのアクセシビリティ向上や、クローズドキャプション方式によるテレビCMの字幕対応を実施しています。
iv)LGBTQの理解促進
社内のLGBTQ理解促進を図るため、2014年から毎年、ヒューマンリレーション研修にLGBTQのテーマを設け、学習、ディスカッションや情報提供を継続しています。セミナーやイベントも定期的に開催し、理解者・支援者である社内のアライが増えています。またアライ主導で、社会の理解促進を促す発信も継続し、PRIDE指標において、8年連続でゴールドの認定を受けました。また、「レインボー認定」も4年連続受賞しています。誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の実現を目指しています。
3.多様な働き方の推進
従業員一人ひとりが働く場所や時間にとらわれず、柔軟かつ自律的に働きながら自分の個性や能力を最大限に活かすため、多様な働き方を推進しています。多様な働き方を推進するためには、まず、信頼関係に基づく安心安全な風土が職場に必要であり、全ての従業員が役職や雇用形態にかかわらず、少人数のグループで対話する機会を設け、心理的安全性の高い職場風土醸成に取り組んでいます。さらに、2024年から総務責任者及びマネージャー職を対象にしたラインケア研修、2025年から各部署単位の組織開発支援プログラムを導入しました。これらの取組みについては、当社が行う幸せ度調査の「職場の幸せ力」のスコアによりモニタリングをしています。
また、従業員が育児や介護、治療などによるキャリアロスなく安心して働けるよう、働く場所にとらわれないテレワーク制度や働く時間帯にとらわれないスライド勤務制度(時差通勤制度)、治療・介護・育児などの事情に応じて一定期間転居なく同一エリアでの勤務ができる勤務エリア継続制度(ケア型)などに代表される、両立を支援する制度の整備や情報提供を行っています。
4.幸せの基盤づくり
i)家族の幸せ支援
従業員と家族の幸せのため、2018年より「男性従業員1ヵ月以上の育児休業完全取得」(注7)を推進しています。社内全体の意識改革、制度整備、家族や職場とのコミュニケーションツールの開発などを行った結果、2019年2月の本格運用開始以降、期限を迎えた対象者全員(2026年1月末2,633人)が1ヵ月以上の育休取得を完了(2021年4月以降はグループ会社も全員取得)し、2025年度の育休取得者の配偶者満足度は97.8%と高く、家族の幸せづくりに貢献しています。社外に向けても「日本でも男性の育児休業取得が当たり前になる社会」を目指し、2019年より積極的に情報発信を行っています。2025年には174の賛同企業・団体様と共に発信し、男性育休取得促進の気運醸成に寄与しました。
(注)7 3歳未満の子を持つ男性従業員が、1ヵ月以上の育児休業を取得すること。
ii)健康づくり支援
当社グループでは、従業員の幸せの源泉は健康の維持・増進であると考え、健康の維持・増進に向けた活動を重要な経営課題と位置づけ戦略的に取り組むため「幸せ健康経営」と名付けて推進しています。取締役会傘下のESG推進委員会で承認された年度目標や計画に基づき、関係部署横断で構成されたワーキンググループにて、健康保険組合や産業医などと連携して、課題の抽出、全社方針の策定、具体施策の立案をおこない、各事業所と連携しながら全従業員への周知・浸透を図っています。
AIによる健康診断結果活用サービスや従業員の課題別セミナー実施など「幸せ健康経営」に取り組んだ結果、健康経営優良法人に認定されています。(2020~2024年はホワイト500)
iii)幸せ度調査の継続
従業員一人ひとりの幸せの実現のために、2020年11月から、全従業員を対象とした「幸せ度調査」を実施し2025年10月で6回目を完了しました。幸福経営学の第一人者である武蔵野大学ウェルビーイング学部長・慶應義塾大学名誉教授の前野 隆司氏の監修により、日本企業で初めて従業員と職場の幸せを多面的に計測、相関性を分析し、幸せを「見える化」しました。この調査結果を振り返り、職場での幸せ対話などの具体策につなげています。
[ベクトルの一致に関する取組み]
・企業理念と戦略を浸透するリーダーの育成
当社グループとしてお客様と社会に幸せを届けるためには、自律した従業員に企業理念と事業戦略を浸透させ、組織力を生み出すリーダーの存在が不可欠であり、そのようなリーダーを計画的に育成することが企業の持続可能な成長には必要です。
組織成果創出力・人財育成力・組織活性化力などの強化のためのマネジメント対象の階層別研修を実施しています。また、支店長・本社部長・工場長などの組織リーダー候補の選抜と育成を目的に2018年から実施している経営塾、2019年にスタートした若手(35歳以下)リーダー候補者を育成する「SHINE! Challenge Program」によって、次世代のビジネスリーダーを計画的に生み出す土壌づくりを継続的に実施しています。2021年からは執行役員、業務役員及びキーポジションの後継者候補を挙げ、全社的かつ多様な視点で透明度の高い議論を行うサクセッションプラン会議を開始しました。候補者全員の個別育成計画を立案し、定期的な進捗確認により、リーダーパイプラインのさらなる充実に努め、後継者候補準備率(注8)をモニタリングしています。また、グループリーダー以上の全マネージャー職を対象に多面観察を実施しています。フィードバックされた結果を基に、マネジメント行動の変革に向けたアクションプランを作成し、定期的なコーチングによる内省を通じてマネジメント力の向上に取り組んでいます。
(注)8 後継者候補準備率:(後継者プールにいる人数÷リーダーのポジション数)×100
・戦略に応じた人員の確保と適正配置
既存事業の深化と新規事業への挑戦を担う人員確保に努めるとともに、各ビジネスユニットの事業戦略に基づく人財ニーズを把握し、適正配置を実現すべく、持続的成長に必要な人財の採用・育成を計画的に進めています。なかでも、多様性と専門性を強化する方針の下、採用全体に占めるキャリア採用に力を入れ、着実にその数を増やしています。特に、海外事業の拡大という大きな変化については、コーポレート部門を中心に人財獲得を強化すると共に、グローバル化に向けて必要な人員規模やスキルを今後さらに精査していく予定です。
また、2024年から「Welcome Home制度(アルムナイ制度、注9)」をスタートしています。これまでのリファラル採用(注10)なども含めて多様な手法やチャネルを活用し、採用力の強化を図っています。
2025年度はキャリア採用者を632名採用し、採用者全体に占めるキャリア採用者の割合は39.7%です(注11)。入社直後からの活躍を支援するオンボーディングプログラム(注12)を拡充し早期の活躍を支援しています。
(注)9 一度退職した従業員を再度、採用する制度。
10 自社で働いている従業員からの紹介、推薦による採用制度。
11 集計対象会社は当社、国内連結子会社。
12 新しく組織に加わった従業員が会社の文化や業務内容に馴染み、早期に活躍できるように支援する仕組み。
第7次中期経営計画(2026年度~2028年度) 人財戦略の概要
第7次中期経営計画においても、「人財価値向上=従業員の自律×ベクトルの一致」を基本方針とし、持続的な企業成長を目指します。「従業員の自律」では、考える力や分析力、AI/DX活用、英語学習支援などの学びを拡充しつつ、グループ間の人財異動やグローバル挑戦を後押しすることで、個々の成長をさらに促進します。また、働き方制度の拡充や多様な人財の活躍支援、価値創造を発揮するための組織文化の醸成、価値創造の場づくりにも取り組みます。「ベクトルの一致」では、人財マネジメントを強化し、戦略推進リーダーの育成、人財獲得・適正配置、リーダーパイプラインの高度化を推進します。また海外では、一体感醸成と人事インフラ強化、技術伝承の仕組み構築、現地人財への成長機会提供を通じてエンゲージメント向上を図り、理念・価値観の共有と国内外の人財融合を進める予定です。
③リスク管理
人的資本に関するリスクと機会については、人財開発部や人事総務部、ダイバーシティ推進部といった当社関係部署においてリスクと機会の分析、対応策などを検討しており、ESG推進委員会の傘下にある社会性向上部会にて意見交換の上、部署間の連携を図っています。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、取締役会に報告し、中長期の戦略立案につなげています。また、当社はグループ各社が作成したリスクマップをモニタリングし、人員確保に関する事項などの重要事項についてはリスク管理委員会にも適宜報告の上、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。
当社グループの持続的成長を実現するためには、既存事業の深化と新規事業への挑戦を担う優秀な人財を国内外で獲得し、雇用を維持していく必要があります。採用競争力が低下した場合や、離職による人財流出が深刻化した場合には、成長力が鈍化し、社会的評価が低下する可能性があります。事業戦略に必要な人財を要員計画策定により明確にし、採用ブランディングの強化、採用活動における募集経路・選考手法の多様化を積極的に進め、年齢、性別、国籍、障がいの有無などによらない人財採用を行っています。
④指標及び目標
人財価値向上を加速させるため、各重点テーマに対し以下の目標を設定して取り組んでいます。
(注)1 集計対象会社は当社。
2 当初、イノベーション&コミュニケーションを体現する場への参加を促進するための指標として設定していましたが、一定数以上の参加が継続されているため指標より削除しました。
3 集計対象会社は当社、国内連結子会社。
4 「一級建築士」「1級建築施工管理技士」「FP2級」「宅地建物取引士」を含む業務上必要な11の資格。
5 集計対象会社は、当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウス建設グループ各社、
積水ハウスリフォーム㈱、積水ハウスサポートプラス㈱。
6 集計対象会社を当社及び国内連結子会社とした場合の実績値は29.4%です。
7 集計対象会社は、当社、積水ハウス不動産グループ各社、積水ハウス建設グループ各社、
積水ハウスリフォーム㈱ 、積水ハウスサポートプラス㈱、㈱鴻池組とその国内連結子会社。
集計対象会社を当社及び国内連結子会社とした場合の実績値は34.4%です。
8 集計対象会社は、当社及び国内連結子会社のうち、障がい者法定雇用義務のある30社。
9 集計対象会社は当社、国内連結子会社(㈱鴻池組とその国内連結子会社を除く)。多様な幸せを多面的に測って数値化している「幸福度診断 Well-Being Circle」における、安心安全な風土、信頼関係のある職場の雰囲気、チャレンジを推奨する雰囲気及び職場オススメ度の平均値。
10 実績値のみ公開しています。
11 配偶者アンケートで「良かった」・「まあ良かった」の回答者がアンケート全回答者に占める割合。
12 集計対象会社は当社、国内連結子会社(㈱鴻池組とその国内子会社を除く)。「幸福度診断 Well-Being Circle」の34項目の平均値。
13 集計対象会社は当社グループ。
(5) 人権尊重に関する取組み
①ガバナンス
当社グループは、2020年4月に公表した「積水ハウスグループ人権方針」(以下、「人権方針」)に定めるとおり、取締役会が人権方針の遵守及び取組みを監督しています。取締役会の傘下には、経営会議、ESG推進委員会、リスク管理委員会を置き、それぞれの機関が有機的に機能することにより、当社グループ全体の人権尊重の推進体制を構築しています。
当社グループの人権に関する重点課題と方針は、ESG推進委員会のもと、ガバナンス部会で決定します。ガバナンス部会には複数の関連部署が参加する「人権デュー・ディリジェンスミーティング」(以下、「人権DDミーティング」。事務局:人権・コンプライアンス推進部)を設置しており、これら関連部署が互いに連携し情報共有、意見交換などを行うことにより、当社グループの人権尊重推進に取り組んでいます。(注1)
人権尊重推進の取組みは、リスク管理委員会にも定期的に報告されています。リスク管理委員会では、人権に関するテーマとして主にグループ従業員の労働や健康に関する戦略的な取組み、ハラスメントや労働災害などについて、リスク管理の観点から議論しています。
(注)1 2025年度まではESG推進委員会傘下の社会性向上部会で実施し、人権DDミーティングも同部会に設置していました。
②戦略
当社グループは、「人権方針」において、従業員やサプライヤーをはじめとした事業活動によって影響を受ける可能性のある、すべてのステークホルダーの人権を尊重することを表明しています。また、「人権DDミーティング」において、毎年、人権リスクマップを作成するプロセスで重要な人権課題を特定し、定期的に検証をしています。
以下のマップの中の赤いポイントが2025年度に特定した重点課題です。
特定した重点課題:1.職場のハラスメント
2.施工現場の安全衛生
3.サプライチェーン上の人権課題
4.施工現場の外国人就労
特定した重点課題に対応するため、当社グループは以下の取組みを推進しています。
1.職場のハラスメント
多くの従業員が働く当社グループにとって、心理的安全性が確保された適切な職場環境の整備は、優先して取り組むべき重点課題の一つです。
従業員が安心して働けるように「セクハラ・パワハラホットライン」を設置し、各種のハラスメントや人権被害に関する相談や通報を受け付け、迅速な対応を行います。必要に応じて調査し、是正・救済措置、再発防止策を講じています。これらの相談・通報事案を分析した結果を、全従業員向けに実施している「ヒューマンリレーション研修」(人権・コンプライアンス研修の人権尊重パート)のテーマに反映させるなど、ハラスメントの未然防止や発生時の適切な対処につなげています。
2.施工現場の安全衛生
危険が伴う建設現場では、労働環境が人命に関わる災害に直結する可能性があることから、施工現場の労働安全衛生は当社グループにとって最も根底にある重要課題です。施工従事者が安全に働ける環境の整備のために、さまざまな措置を行っています。
当社では、労働安全衛生に関する法令など当社の就業規則に基づき、「安全衛生管理規則」を定めています。安全衛生の基本事項を定め、施工現場を含む職場の安全と健康を確保し、快適な作業環境を形成することを目的としています。施工協力会社・施工従事者に対しては、特定元方事業者として施工管理部が統括管理しています。施工管理部は、全社的な「安全衛生年間計画」を毎年策定するほか、必要に応じ、「労働災害防止対策」も策定しています。
3.サプライチェーン上の人権課題
当社グループは、サプライチェーンにおける「人権・労働」に関しても、重要な課題と認識しています。「積水ハウスグループ人権方針」 を公表し、ビジネスパートナーの皆様に対して、この人権方針の理解と支持への期待を表明しており、サプライチェーンにおける人権尊重の輪を広げるべく、取組みを進めています。
当社は2018年の国連グローバル・コンパクトへの署名を機に「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」のサプライチェーン分科会に参加し、このGCNJ版SAQ(自己問診票)に準拠した「CSR調達ガイドライン」を制定しました。このガイドラインでは、人権尊重に関し、「国籍や人種等による差別」「非人道的な扱い」「強制労働」「児童労働」などの禁止がうたわれており、また従業員の安全衛生や健康についても適切な管理が求められています。
以来、主要なサプライヤーに対し、ガイドラインの趣旨と内容を理解して遵守すること、その取組みに関する確認等にも協力することについて「同意確認書」の提出を要請するとともに、毎年春に開催する「年度活動方針説明会」において、CSR調達の意義や重要性を共有してきました。
4.施工現場の外国人就労
当社グループでは、外国人労働者の労働災害発生率が日本人と比べて高いことを踏まえ、安全で働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。労働災害の主な要因として、日本語理解の不足やコミュニケーション不足により、危険情報が十分に伝達されていない可能性があると考えています。これらの課題に対応するため、ピクトグラム及び多言語表記を用いた建設業労働災害防止協会(建災防)の統一安全標識(10種類)を採用しています。あわせて、多言語及び「やさしい日本語」を用いた「雇入れ時教育テキスト」の補助教材を製作し、外国人労働者にも理解しやすい安全教育を実施することで、労働災害の防止と人権尊重の推進を図っています。
また、技能実習生に対しては、技能実習生及び施工協力会社向けの相談窓口を設置しています。特に人数の多いベトナム人技能実習生については、実習面及び生活面の支援を行うほか、担当者が監理団体と連携して定期的な面談を実施しています。雇用主とは異なる立場から対話を行い、また、日本語学習状況の確認や助言を行うことで、安心して就労できる環境づくりに努めています。
③リスク管理
人権課題への具体的な取組みは、その内容ごとに関係する部署、事業所、グループ会社など(以下、「関係部署など」)が担当し、ステークホルダーとの直接対話及び専門家やステークホルダーの利害を代表する各種団体・機関などからの情報提供・助言を通して収集した情報をもとに、具体的なリスクを洗い出し、その原因分析に応じた啓発や対策を実施しています。
こうした関係部署などによる取組みの情報は、それぞれ事業部門や人権DDミーティングにおいて共有・集約され、内容が検証されます。さらに社外専門家の委員を擁するESG推進委員会に対して、ガバナンス部会を通じてこれらが報告され、チェックや助言を受けます。また、「リスク管理委員会」にも適宜報告されています。
④指標及び目標
当社グループが、リスクマップで特定した重点課題に対応する指標として掲げるKPIとその実績は、以下のとおりです。
<公開ウェブサイト 人権に関する問い合わせ件数>
※2020年4月の「積水ハウスグループ人権方針」策定時より、公開ウェブサイトで、人権に関する問い合わせを外部からも受け付けています。これまで全ての問い合わせに対して、状況確認と対応を完了していますが、問い合わせの中に当社の事業に影響を及ぼす可能性がある人権侵害は確認されていません。
<セクハラ・パワハラホットライン 取り扱い件数>(注2)
(注)2 集計対象は当社及び国内連結子会社。なお、2024年6月に当社及び国内連結子会社の役員・従業員向けに展開していたセクハラ・パワハラホットラインの受付対象を当社及び国内連結子会社の取引先まで拡げました。
3 相談内容と相談者の意向をヒアリングし、組織として対応すべき問題と判断して対応した件数。それ以外にも、内容に応じて相談者への助言などの支援を行っています。