2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,002名(単体) 1,097名(連結)
  • 平均年齢
    45.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.9年(単体)
  • 平均年収
    8,012,855円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

(2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

建設事業

1,091

(309)

その他の事業

6

(4)

合計

1,097

(313)

 (注)1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

(2024年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,002

(225)

45.1

17.9

8,012,855

 

セグメントの名称

従業員数(名)

建設事業

1,002

(225)

合計

1,002

(225)

   (注)1 従業員は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数の(外書)は臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

(3)労働組合の状況

 当社グループには労働組合はありませんが、労使関係は円滑に推移しており特記すべき事項はありません。

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

2.2

66.6

64.1

68.2

50.7

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般について

①コミットメント

日特建設は、1947年(昭和22年)に創立し、ダムの基礎処理を創業工種として始まり七十有余年、環境防災、維持補修、都市再生分野の専門工事に特化した地質に強い施工会社として評価をいただいております。

 創業時からダムの基礎処理工事を通じ水力発電における電力供給、自然災害時の水害対策など生活の根幹となる事業に携わってまいりました。2008年に経営理念「基礎工事における総合的な技術力と効率的な経営で、安全安心な国土造りに貢献する会社」を掲げ、ダムの基礎処理工事等で培った技術を地震・台風・豪雨などによる災害復旧や予防災へと応用し、いち早く単なる災害対応だけでなく環境への配慮を加味した技術開発を行い、法面の緑化、産業廃棄物の縮減、外来種への対応などに取り組んでまいりました。現在、世界規模で「持続可能な開発目標」(SDGs)など、中長期的な企業価値の向上に向け、サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)が重要な経営課題になっています。その中で当社も2024年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。当社グループは今まで取り組んできた経験を体系的に整理し進化させることが、これらの解決策になり、経営理念を実現していくうえでも重要な事項と認識して取り組んでまいります。

 

②サステナビリティ基本方針

当社グループは、信頼される技術力に培われた環境・防災工事を主力とした基礎工事のエキスパートとして、「安全・安心な国土造りに貢献する会社 」を目指してきました。

一方で気候変動や人権問題に代表されるように、企業を取り巻く環境が大きく変化しており、「見えないところにこそ誠実に技術を提供して、社会から必要とされる企業であり続ける」ためには、サステナビリティに関するリスクと機会に適切に対処することが重要だと考えています。

そのため当社グループは自然災害時の復旧・復興へ積極的に取り組むとともに、脱炭素社会に向けて持続可能な環境配慮技術を開発・推進します。また人権尊重はもとより、多様な人材が互いに認め合い活躍できる環境を整えます。

以上の考え方に基づき、当社グループは事業活動を通じて持続的な社会の実現に貢献するとともに、中長期的な企業価値の向上を目指します。

 

③ガバナンス

 当社グループは、外部環境の変化によるリスク及び機会を把握し、経営に影響を及ぼすマテリアリティ(重要課題)を、議論する場としてサステナビリティ委員会を設けています。

サステナビリティ委員会では、代表取締役社長が委員長になり、副委員長に代表取締役副社長、そのほか各本部長が参加して、マテリアリティの特定、その施策について議論しています。

委員会で特定したマテリアリティについては、取締役会に上程し、その特定と解決の施策について、決定していきます。

また、当社のマテリアリティ特定のプロセスは以下のとおりです。

 

1.課題の洗い出し

課題の洗い出しは、以下を確認及び把握する

 (1)パーパス(存在意義)

 (2)経営課題

 (3)価値創造に影響を及ぼす社会課題

2.分析

分析は以下の流れで行う

 (1)マテリアリティの設定

 (2)設定したマテリアリティに基づく検討

  ①リスクと機会

  ②ステークホルダーの特定と影響

3.マテリアリティの特定

マテリアリティは以下のように特定し、決定する

 (1)1、2を踏まえて、策定

 (2)取締役会に上程

 

④リスク管理

a.気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセス

 当社グループでは、各本部、各支店より選定された気候変動リスクをサステナビリティ委員会にて識別、評価を行っています。リスクの重要度評価に関しては、影響度と発生頻度の観点より優先順位をつけており、特に重要と判断されたリスクに関しては取締役会に直接報告される体制を構築しています。

識別・評価された気候変動リスクは、サステナビリティ委員会にてリスク軽減のために予防策、対応方針を審議され、取締役会の監督のもと各本部や各支店にて実行させ、定期的に実施状況のモニタリングを実施しています。

b.全社のリスク管理への統合プロセス

 気候変動リスクを含む全社的なリスク管理に係る課題・対応策を協議・承認する組織として、取締役会の下にリスク管理委員会を設置しており、同委員会では全社の統制すべきリスクの管理、リスク管理に関する年次計画等の審議・承認を実施しています。サステナビリティ委員会にて識別・評価された気候変動リスクのうち、時間軸が「短期」である気候変動リスクに関しては「中期」「長期」のリスクに比べて顕在化する可能性が高いため、リスク管理委員会にも共有され、全社リスクに統合された後に取締役会に報告される体制となっています。

 

⑤戦略

当社は、気候変動に関するリスクと機会を短期(1年以内)、中期(~2030年)、長期(2030~2050年)の時間軸で以下の様に評価し、特定した重要リスクに対し、対応策を実施してまいります。

 

 

リスク/機会 項目

リスク内容

時間軸

影響度

対応策

移行

リスク

法規制

政策

CO2排出目標の厳格化

CO2目標値達成のための削減コストの発生により費用負担が増加する

短期

中期

・事業所での省エネ活動の実施
・電力会社の見直しによるコスト増加の抑制

評判

投資家からの気候対応要請

CO2削減の取り組み遅れや情報開示不足により、投資家からの評価が低下する

短期

中期

・継続的なステークホルダーへの情報開示
・CDP等の外部格付けへの対応強化

顧客からの気候対応要請

CO2削減の取り組み遅れや情報開示不足により、顧客からの評価が低下する

短期

中期

・継続的なステークホルダーへの情報開示
・CO2排出量削減に資する工法(独自工法)の設計・施工の促進

物理

リスク

慢性

平均気温の上昇

建設現場において熱中症をはじめとする健康被害が増加し、対応費用が増加する

短期

長期

・安全衛生方針の改善継続と管理徹底
・ICTやAIの活用による施工の省力化推進

夏季の工事効率低下により工期が長期化し利益率が低下する

中期

長期

・安全衛生方針の改善継続と管理徹底
・ICTやAIの活用による施工の省力化推進

建設現場の労働環境悪化により、技能労働者不足が深刻化する

中期

長期

・安全衛生方針の改善継続と管理徹底
・ICTやAIの活用による施工の省力化推進

急性

自然災害の頻発・激甚化

災害の増加が施工中の建設物への被害や作業中断を引き起こし、操業が困難になる

短期

長期

・BCPの策定と見直し
・ハザードマップを活用した防災対策の推進

 

 

 

リスク/機会 項目

機会内容

時間軸

影響度

対応策

移行

機会

製品

及び

サービス

環境負荷の低い施工管理への移行

施工時の省エネ技術または再生可能エネルギー使用の要求拡大に対応することにより受注機会が拡大する

中期

・リサイクル資材を使用した工法の設計・施工促進
・CO2排出量削減に資する技術・工法の開発・普及による営業活動力の強化

資源

効率

省エネ製品の導入促進

自社事業所や現場での省エネ機器導入により運用コストが削減される

短期

中期

・オフィス、現場事務所の省エネの促進

市場

ステークホルダー評価の向上

CO2排出削減の取り組みが進んだ場合、ステークホルダーからの評価が向上する。

短期

中期

・継続的なステークホルダーへの情報開示

物理

機会

レジリ

エンス

国土強靭化政策の強化

防災・減災、国土強靭化のための補修補強工事、地盤改良工事の需要が高まる

中期

・採用強化と働き方改革による請負体制の強化
・ICTやAIの活用による施工の省力化推進

 

 

⑥指標及び目標

環境負荷軽減のために、CO2排出量の削減を進め、施工段階におけるCO2排出量を2030~40年度の早い段階で40%削減(2013年度比)を目指します。また、スコープ1、2排出量を2050年度までに実質ゼロを目指します。

 

(2)人的資本について

当社の人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針、指標及び目標は以下の通りです。

①人材育成に関する方針

・人材の確保と育成

:リクルーターを強化し、戦略的な採用、離職者の低減による技術者の確保。研修

体系の整備と通年研修の導入による技術者の育成。

 

a.採用に関する施策

・技術者確保

:採用活動の継続、強化、管理職登用の統制

・地元での雇用形態

:地域毎の採用人員格差を是正するため採用人員の少ない地域の採用を拡大

・会社認知度アップ

:学生への訴求力のあるホームページへの刷新ほか

・ダイバーシティ

:女性社員・外国人社員の採用、障害者雇用、多様性のあるキャリアパス構築

 

b.社員の育成に関する施策

・若手の育成

:技術の伝承のために、工事情報の蓄積と簡易に情報活用できる仕組みの構築、業務

ロスをなくし効率的な管理が出来る様にチーム内でのコミュニケーションを活発

化するための情報ツールの活用

・研修

:新入社員、若手社員の研修の充実、技術者としての倫理観、コンプライアンスに

ついての研修

 

 

②社内環境整備に関する方針

a.働き方改革に関する施策

・現場へのフォロー

:現場管理における多様な支援(ビジネスチャット活用、WEBカメラの利用、計画的

 な現場配置)

・多様な働き方

:ライフイベント時の現場フォロー(2023年度実績:育児休業取得率75.0%(男性

 66.6%、女性100%)/目標:育児休暇取得率100%)、介護、育児等で継続勤務

 が難しい社員へのチーム対応、地元志向の社員への対応

・長時間労働の是正

:新工事管理システムおよびDXの導入により現業社員の業務省力化・効率化、管理

 精度を向上させロスを低減、バックアップオフィスの定着

 

b.魅力ある職場環境の整備

・若手社員への支援

:年齢や性別、役職にとらわれないコミュニケーションが取れる社風へ、先を見通

 せるライフイベント毎のモデルケースを示し、将来への安心感につなげる

・処遇改善

:ベースアップ(定期昇給含む)、基礎賞与の見直しによる平均年収アップ

 (2023年度実績:平均年間給与801万円(単体))

 

c.安全衛生管理の強化・健康経営に関する施策

・計画と設備

:施工検討会で計画の確認と乗り込み1週間パトロールで実施状況の確認、週間工

 程による現場の進捗状況の把握

・教育

:新規入場者教育で現場ルール、日特ルールの教育、朝礼、KYで過去事例教育の実

 施(災害事例検索システム)、各種パトロールでの教育の実施

・点検と是正

:多角的なパトロールの実施と定着(電気、機材パトロール等)、改善事項のその

 場是正

・健康経営

:定期健康診断の着実な実施と再検査受診の推奨、保健師による特定保健指導、ワ

 ークライフバランスの推奨、ストレスチェックの実施、定期的な健康管理に関す

 る周知と指導