2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,259名(単体) 1,717名(連結)
  • 平均年齢
    37.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    5.8年(単体)
  • 平均年収
    7,918,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

デジタルエンターテインメント事業

411

(8)

スポーツ事業

503

(338)

ライフスタイル事業

266

(27)

投資事業

4

(-)

全社(共通)

533

(74)

合計

1,717

(447)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、契約社員を含む)は、当連結会計年度の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)は主に管理部門及びセグメントに属さない連結子会社等の従業員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,259

(60)

37.4

5.8

7,918

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

デジタルエンターテインメント事業

411

(8)

スポーツ事業

210

(7)

ライフスタイル事業

107

(2)

投資事業

3

(-)

全社(共通)

528

(43)

合計

1,259

(60)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、契約社員を含む)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)は主に管理部門及びセグメントに分けられない部門等の従業員数であります。

 

(3) 労働組合の状況

当社には労働組合はありませんが労使関係は良好であり、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

会社名称

実績及び目標

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

(株)MIXI

実績

16.8

52.4

74.8

77.2

85.2

目標

17.0

基準日あるいは対象期間

2025年3月31日

2024年4月1日~2025年3月31日

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した

ものであります。

 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)

の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理、戦略及び指標と目標について

① ガバナンス

サステナビリティ推進業務を担当する本部を管掌する取締役 上級執行役員 CFOをサステナビリティに関する取組の責任者(以下、サステナビリティ推進責任者)としています。サステナビリティ推進責任者の諮問機関であるサステナビリティ事務局において、サステナビリティに関する取組についての検討を行い、検討された結果は、サステナビリティ推進責任者を通して3か月に1回、取締役会に報告しています。サステナビリティ事務局は、サステナビリティに関連するリスクと機会の特定や評価、対応についての検討を行うにあたり、リスク管理委員会に適宜助言を求めるとともに、各事業本部及びグループ会社に必要に応じてヒアリングを行います。またサステナビリティに関連するリスクと機会、対応策の進捗状況について、毎年見直しを行います。

 

② リスク管理

サステナビリティ事務局は、サステナビリティに関連するリスクと機会について、それぞれを発生可能性、影響度、対応策の有無などで評価し重要度を決定しています。特に気候関連問題の評価にあたっては、IEA、IPCC等の各種シナリオを参照し、必要に応じて関連する各事業本部及びグループ会社にヒアリングを行い、適宜見直しを実施しています。さらにリスクと機会に対する対応策を立案し、設定した指標により対応策の進捗を管理しています。

サステナビリティに関連するリスクについては、自社のその他のリスクと統合的に管理をするため、リスク管理委員会に適宜助言を求めます。また、リスクと機会のうち、重要度が高いものについては、サステナビリティ推進責任者を通して取締役会に報告しています。

 

③ 戦略及び指標と目標

当社は、"私たちは、心もつなぐコミュニケーションサービスを創造することで、豊かな社会に貢献します。"というステートメントの下、サステナビリティ方針の策定及び8つのマテリアリティを定めています。

 

<マテリアリティ>


マテリアリティごとに定めている評価指標について、サステナビリティサイトに開示しています。今後も各評価指標に伴う実績等について、開示の拡充に努めます。

※主な開示実績は以下サイトよりご覧ください。

https://mixi.co.jp/sustainability/materiality_sdgs/

 

気候関連問題については、TCFD提言に基づいてシナリオ分析を実施し、リスクと機会の抽出、必要な対応の検討を行いました。その結果、当社グループの事業において気候変動に伴う重大なリスクは確認されませんでしたが、当社グループでは、気候関連問題が当社グループの事業に与える影響についてガバナンス、リスク管理の取組を通して把握、管理していくとともに、機会の獲得に取り組んでまいります。また、排出する温室効果ガスについては、Scope1-2の排出量に加え、Scope3の排出量算定を行っています。当社グループは、気候変動が引き起こす影響が経営リスクになることを認識しており、今後も継続した排出量算定を行うとともに、各事業セグメントにおける省エネルギー化、再生可能エネルギー等の活用を通じた排出量削減に努めてまいります。TCFD提言に基づくガバナンス、戦略、リスク管理の詳細や、温室効果ガス排出量の実績については当社ウェブサイトhttps://mixi.co.jp/sustainability/issue/environment/tcfd/)をご参照ください。

 

また自然関連課題について、TNFD提言に基づき、依存とインパクトの特定と評価を行いました。評価の結果、自然資本への大きな依存・インパクトや水リスクの高い拠点は確認されませんでした。当社グループは、今後も事業活動における自然への影響を把握するとともに、適切な情報開示に努めてまいります。詳細については当社ウェブサイトhttps://mixi.co.jp/sustainability/issue/environment/tnfd/)をご参照ください。

 

 

(2) 人的資本に関する戦略及び指標と目標

当該事業年度の人的資本に関する記載は㈱MIXI単体に関する記載となります。

 

当社の企業理念(以下、PMWV)

  PURPOSE:豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。

  MISSION :「心もつながる」場と機会の創造。

  MIXI WAY(意思決定の軸):ユーザーサプライズファースト

  VALUES(行動指針):発明 夢中 誠実

 

当社は、このPMWVに基づきコミュニケーションを軸とした事業を展開しており、デジタルエンターテインメント、ライフスタイル、スポーツ、投資領域等へ事業の幅を広げ、多角的な事業運営を行っております。

<豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。>というパーパスの実現が当社にとって最も重要なゴールであり、その実現に向けて<「心もつながる」場と機会の創造。>というミッションを掲げております。

「心もつながる」場と機会とは、当社が提供するコミュニケーションサービスそのものであり、その担い手となる「人材」は当社における価値創造・競争優位の源泉であるため、人的資本を最も重視すべき資本の一つと位置付け、積極的な投資を行っています。

 

人的資本経営のゴールである「MIXIらしいコミュニケーションサービスの継続的な創出・運営」を実現していくために、<PMWVの浸透><組織能力の発揮>の2点を人材戦略の柱として位置付けております。


各施策をこの人材戦略と有機的に連動させることで、人的資本の価値を最大化し、「MIXIらしいコミュニケーションサービスの継続的な創出・運営」実現に取り組んでいます。

 

 

1)<PMWVの浸透>について

 

<PMWVの浸透>において目指すのは、当社に所属するすべての従業員が、同じ目的と価値基準のもと、その達成に本気で取り組んでいる状態です。当社は2022年4月に理念体系を刷新し、このPMWVを制定しました。社員一人ひとりがPMWVに深く共感し、自ら行動している状態を目指しています。

 

◆サーベイ結果と現状課題、今後のアクションについて

<PMWVの浸透>を進めるべく、従来から以下のような施策に取り組んでおります。

 ●デザインによる雰囲気醸成

当社のクリエイティブ力を活かして、社内で利用する備品や設備にPMWVを想起させるデザインを組み込んでいます。社員の目に触れる機会を増やすことでPMWVに対する意識を高めること、統一感のあるデザインにより会社としての一体感を醸成することを目的としています。

・全体朝会のデザインリニューアル

・MIXIスライドテンプレートの刷新

・新卒入社式のクリエイティブ制作

・MIXI AWARDデザイン制作

・オフィス社食のポップのリニューアル など

 


 

●上位層からの発信

社内報や全社総会等の社内メディア、外部の取材記事等の社外メディアの両面から、経営陣を中心にPMWVに関する発信を積極的に行なっています。

また、組織階層を通じた発信も強化すべく、本部長や部室長の360度フィードバックにPMWVの発信に関する項目を追加し、現状の把握と発信の促進を行なっています。

 

 ●MIXI AWARD(社内表彰イベント)の実施

年に一度、MIXI AWARDという社内表彰イベントを開催しています。2023年3月期よりPMWVを選考基準とし、社員からの推薦により、PMWVを体現している個人・チームを表彰しています。

受賞理由の紹介を通じたPMWVの理解浸透と、表彰によるモチベーション向上を目的としています。

なお、推薦数推移については以下の通りであり、年々推薦数自体も増加傾向にある点もポジティブに捉えています。

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

MIXI AWARD Values賞の推薦数

140件

279件

378件

 

 


 

前述の施策による効果測定、ひいては社員一人ひとりがPMWVに深く共感し、自ら行動できているかを把握する為、当社では年1回PMWVの浸透度について社内調査を行っています。

2025年3月期に実施した調査では、「認知」「理解」「共感」の数値がそれぞれ80%以上でした。

昨対比では各項目の比率の向上はわずかであったものの、調査方法の改善により回答回収数については690件から1,285件(回答率:98%超)に大幅に増加した点についてはポジティブに捉えています。

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

(目標)

認知

69.8%

84.3%

86.2%

100%

理解

74.8%

85.7%

86.8%

95%以上

共感

70.8%

76.9%

82.0%

90%以上

行動

56.5%

67.1%

68.3%

85%以上

 

 

他方、「行動」フェーズにおいては68%に留まり、PMWVをいかにして行動に繋げるかが、今後のPMWV浸透における課題感、伸びしろとして捉えています。

要因としては、個々の業務との結びつきが見えづらいことや、「自分ごと」として捉える機会の不足であると捉えており、PMWVと行動を繋ぐ橋渡しの強化が必要と考えています。

今後は上記課題を解消するべく、PMWVの浸透(行動化)を見据え、以下のような取り組みを検討しています。

  ●よりPMWVとの連動性が高い評価制度の導入

  ●行動促進につながるワークショップの実施

  ●行動促進を促す動画クリエイティブの企画・作成

  ●従業員へのPMWV浸透を見据えたアウターブランディング戦略と実行

 

2)<組織能力の発揮>

 

 <組織能力の発揮>において目指すのは、MIXIらしいコミュニケーションサービスを創造し、長期的に運営するために必要な能力を、個・組織として備えている状態です。

 

 2-1)<勝ち筋を体現できる人材の創出>について

 

<勝ち筋を体現できる人材の創出>において目指すのは、MIXIらしいコミュニケーションサービスを創造し、長期的に運営するために必要な能力を持つ人材を持続的に輩出することです。なお、「勝ち筋を体現できる人材」の役割とスコープに応じて、現在は以下の3つのタイプに分類しております。

 ●将来の経営を担う人材:経営視点での意思決定や組織全体を牽引する力を持つ人材

 ●事業を牽引/運営する人材:既存事業や新規事業の中核を担うキーパーソン

●MIXIらしい価値創造を担う人材:MIXIらしい価値提供を再現・継続できる力を持つ人材。「MCS(MIXI-like Communication Service)」の要素を共通言語として全従業員に浸透させつつ、事業を牽引する人材が業務上で実践できている状態を目指す

 

「勝ち筋を体現できる人材」の輩出のために、「勝ち筋(=世界中が夢中になれるコミュニケーションサービス・ビジネスの創造を実現する思考・行動)」の形式知化・共有、並びにその体現を可能にする人材の育成と配置を、人材戦略の1つに捉えています。

具体的には以下の人事施策を展開しています。

 ◆サクセッションプラン

 ◆事業パーソンのアサイン・育成

 ◆MCS(MIXI-like Communication Service)の共通言語化

 

各施策の詳細は以下の通りです。

◆サクセッションプラン

MIXIらしいコミュニケーションサービスを継続的に創出・運営していくためには、日々の事業運営を支えるだけでなく、不確実な環境下でも変化に適応し、長期的な価値創出をリードできる経営人材の存在が不可欠です。当社では、未来の経営を担う人材を計画的に育成・選抜していくことを、人的資本戦略の重要テーマの一つとして位置づけております。

具体的な取り組みの一つとして、上級執行役員・執行役員・本部長を育成対象とした育成会議を年2回開催しています。このうち執行役員・本部長を対象としたものは当社経営のサクセッションプランも内包しております(当社では、取締役及び上級執行役員を「経営者」と位置づけており、執行役員・本部長が次世代経営者の候補となるため)。なお、2025年3月末時点にて経営者サクセッション候補は7名(本部長・執行役員)であり、今後は数値目標化のうえ、各施策を展開予定です。

また、2025年3月期においては当社の企業経営において、経営者の中でも特に重要ポジションであるCEO候補にフォーカスし、後任者のプール形成のため、「後継者計画のロードマップ」「あるべき社長・CEO像と評価基準の策定」に取り組んで参りました。

 


 

2026年3月期以降は後継者候補の選出、育成計画の策定・実施といった運用体制基盤の構築に注力していきます。

加えて、各階層の役職者が組織運営上担う役割を定義し、それぞれが適切に役割を果たすことを目指して、役職者(部室長/マネージャー)の強化についても継続的に取り組んでおります。

 ●役職ごとの役割定義に基づく360度フィードバック

 ●個別課題に対する学習機会の提供

 ●新任マネージャーのフォローアップ施策

 ●ハイレイヤーを中心とした英語教育

 

◆事業キーパーソンのアサイン・育成

事業戦略上キーとなる人材を機動的にアサインできる状態を目指し、まずは人材の流動性を高める組織風土と制度の整備に取り組んでいます。従来、異動文化が限定的であった背景を踏まえ、まずは人材起点での再配置(本人の志向性やポテンシャルを踏まえたマッチング)を中心とした取り組みを強化しています。

その実行主体となるのがHRBPであり、各事業部門の人材のタレント性・志向性・育成履歴を可視化し、「再配置を通じた育成」という戦略的配置運用、内部労働市場の流動性向上に取り組んでいます。

また、事業戦略に基づく重点領域や人員が不足しているポジションの募集要件を社内に公開し、選抜の上、新たなミッションにチャレンジできる機会を提供する社内公募制度「MCC(MIXI CAREER CHALLENGE)」も適所適材実現に向け、運用を進めております。

加えて、事業責任者・プロジェクトリーダーとしての活躍を期待される人材に対して、「PM力(プロジェクトマネジメント力)」の強化を中心に据えた育成支援のプログラム体系化を進めており、プロダクト作りをリードできる人材の増強についても取り組んで参ります。

 

◆MCSの共通言語化

SNS「mixi」や「モンスターストライク」など、MIXIらしいコミュニケーションサービス(MIXI-like Communication Service、以下MCS)を継続的に創出・運営していくための取り組みを推進する為に、2025年4月に人事本部内に専任チームを新たに立ち上げています。現在、同チームを中心に、新たなコミュニケーション文化を創造してきたサービス(SNS「mixi」、「モンスターストライク」、「みてね」など)を振り返り、「MCSとは何か」を問い直し、その本質や価値観を明文化・再定義する取り組みを進めています。この取り組みから、MCSを創出・運営していくための人材育成や事業開発の仕組みを整えることで、「発明」に向かって「夢中」にチャレンジし続ける人材創出につなげ、MCSの再現可能性を高めることを目指しています。

この取組みの行動計画についても2025年3月期にブラッシュアップし、今後は以下計画に沿う形で取り組みを進めていきます。

 

 

2026年3月期

2027年3月期

~2029年3月期

MCSの全社展開

・MCS人材育成におけるコンセプト、プログラム、KPIの設計

・未来の担い手である若手層への育成プログラムの実行

・MCS人材育成プログラムの改善と実行

・人材マネジメント領域との接続検討と実行

左記のPDCAを回し、事業計画(短期・中長期)に沿った人材のアサイン・育成が継続的に実行されている状況を目指す

実行力の強化

・プロダクトづくりをリードできる人材の増強における育成プログラムの設計と導入

・事業キーパーソンの戦略的なアサインの実行

・新規事業創出の環境構築(機会提供)

 

 

 2-2)<パフォーマンスの最大発揮>について

<パフォーマンスの最大発揮>において目指すのは、社員一人ひとりが持つポテンシャルを最大限に引き出し、それを自律的な成長と組織の成果の両面に転換できる状態を実現することです。当社の事業は、変化する社会やユーザーの期待に応え続ける創造性を求められる中、個々の能力が発揮され、連携し、価値創造につながる「夢中になれる環境」の整備が不可欠であると考えています。

具体的には以下の人事施策を展開しています。

 ◆働きがいの醸成

 ◆従業員エンゲージメント

 ◆働きやすい職場環境整備

 

各施策の詳細は以下の通りです。

◆働きがいの醸成

当社では、社員一人ひとりが意義を感じながら挑戦し、成長と成果が正当に認められる状態こそが、「働きがい」につながると考えています。働きがいは、環境や報酬だけでなく、「自らが成長できている」「貢献が評価されている」という実感によって支えられます。

そのため当社では、成長機会の充実と、成果に応じた公正な処遇の両輪で、社員の働きがいを高める取り組みを進めています。

 

●育成施策

当社では、社員一人ひとりの成長が、企業の持続的成長とイノベーションの源泉であると捉え、組織的・自律的な両面からの育成支援に取り組んでいます。

役職者から新卒社員に至るまで、それぞれの役割と成長フェーズに応じた研修など育成機会を整備するとともに、社内外の学習機会やキャリア支援も充実させています。

さらに、HRBPによる現場密着型の支援や育成会議などを通じて、個別性の高い育成についても推進しています。

 ・育成会議・サクセッションプランの実施(年2回)

 ・本部単位の育成会議(HRBP主導)による人材育成の議論

 ・360度フィードバックによる行動と役割の振り返り支援

 ・役職者向け研修・評価者研修・新任研修の実施

 ・1on1のガイド・スキル研修の提供

 ・選択型研修(社外連携)、自己啓発費用の補助

 ・新卒向けの配属後OJTと年次別フォロー研修

 

これらの施策を通じて、「より活躍したい」という内発的な動機がわくような「成長を後押しする環境」の構築を目指しています。

なお、2026年3月期においては、従業員一人当たりの研修費用及び自己啓発費用として年間107,445円(前年度比:+10,174円)を予算として計上しております。

 

●トータルリワード

当社では、社員の「働きがい」を高め、持続的な成長と価値創出を実現するために、金銭・非金銭の報酬を一体で捉える「トータルリワード」の考え方に基づいた報酬設計の再構築を進めています。

メッセージ性が明確かつ多様なリワードを効果的に組み合わせた報酬制度により、「人材の獲得・リテンション」と「社員として望ましい姿勢・行動の強化」を実現し、経営目標達成に寄与することを目指し、2027年度3月期の本格導入に向けて各テーマごとの詳細設計、準備を進めていく予定です。働きがいや成長実感といった非金銭報酬の魅力訴求も強化し、採用・定着・育成の好循環を生み出してまいります。

 

◆従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメントは、社員が会社・組織の方針や戦略に共感し、誇りを持って自発的に仕事に取組みたいと思う意欲を測るものであり、PMWVへの共感やパフォーマンスの発揮度・成長実感との相関性がある指標です。

 

●エンゲージメントサーベイ概要

当社では年に1度、全従業員を対象としたエンゲージメントサーベイを実施しています。

過去のサーベイ結果の分析から、当社におけるエンゲージメントのスコアが社員のパフォーマンス発揮や離職と関連があることが確認されています。

サーベイ結果は経営や各組織にフィードバックし、課題の優先度に応じた改善アクションを講ずることで、全社をあげてエンゲージメントの向上に取り組んでおります。サーベイ結果は全社へ周知・公開しております。

なお、2025年3月期の回答率は98%です。

 

●サーベイ結果と当社の強み(維持すべきポイント)、当社の伸びしろ(強化・改善すべきポイント)

サーベイ内の設問のうち、「自発的な貢献意欲」「自社に対する愛着・誇り」「仕事を通じての達成感」の3つの設問の肯定的回答者の割合を総合した数値を「エンゲージメントスコア」としております。

過去3年間のエンゲージメントスコアは以下の通りで、2025年3月期の実績は目標としていた75%を達成しております。現時点において良好な水準以上であると捉えており、2026年3月期は現状維持以上の75%以上を目標値としております。

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期(目標)

67%

72%

75%

75%以上

 

 

当社の強み(維持すべきポイント)

エンゲージメントスコアと相関性の高い項目のうち、肯定回答率が高い(70%以上)項目をみると、「整った業務環境と組織内の良好な人間関係の中で、パフォーマンスに対してしっかり承認・評価されながら仕事に取り組んでいる従業員が多い」という点が、当社における働きがいの強みとして顕在化しています。

具体的には、

 ・「自分の意見を自由に述べることができる」(84%)

 ・「直属上司が自分を尊重してくれる」(82%)

 ・「良い仕事をした際にきちんと認めてもらっている」(81%)

といった設問において、いずれも高い肯定回答が得られています。

こうした結果から、社員一人ひとりが安心して意見を表明し、上司との信頼関係の中で前向きに業務へ取り組める環境があると捉えています。

 

当社の伸びしろ(強化・改善すべきポイント)

エンゲージメントスコアと相関性の高い項目のうち、肯定回答率が低い項目をみると、「経営陣の伝える/聴く姿勢」が当社の最大の伸びしろとなっています。

この課題の背景には、経営方針や意思決定の意図が現場まで十分に伝わりきっていないことや、階層間の情報流通・対話の機会が限定的であったことが挙げられます。

特に、経営と現場の中間に位置する管理職層での認識ギャップや共通言語の不足が、ボトルネックであると捉え、以下の取り組みを実施しました。

 ・ 管理職層を集めたディスカッションの機会

 ・ 部室長向けの経営情報共有の強化

 ・ 経営陣との目線合わせを行う定例会の運営見直し など

 

これらの取り組みにより、該当する設問群に関して、管理職層の肯定回答率が10ポイント改善する結果となりました。とはいえスコアとしては依然として改善余地のある水準のため、今後も経営層からの発信の機会を引き続き強化していくとともに、組織階層を通じた情報伝達の強化に向けて、経営と現場の接点となる管理職と経営層の距離を近づけるための取組みを進めていきます。

 

 

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期(目標)

全体

42%

49%

管理職
(マネージャー以上)

31%

41%

50%

非管理職

45%

51%

 

 

◆働きやすい職場環境

当社では、社員一人ひとりの多様な価値観やライフステージに寄り添いながら、心身ともに健康に、安心して働き続けられる職場環境づくりを推進しています。

働く場所・時間・制度の柔軟性を高めるとともに、キャリアと生活の両立や、健康維持・向上を支援する各種施策を整備することで、個々の能力が最大限に発揮される環境の実現を目指しています。

主な取り組みについては以下の通りです。

●柔軟な働き方制度(マーブルワーク/マーブルロケーション/フルフレックス)

 2025年3月末時点で遠方居住者53名、マーブルロケーション延べ185名利用

 

●定年延長とライフプラン支援

 定年を65歳に延長し、再雇用は70歳まで対応/ライフプラン&マネーセミナーを全従業員対象に開始

 

●育児支援制度の拡充

時短フレックス導入により柔軟な子育てとの両立を実現/育休取得率:女性100%、男性52.4%(2025年度3月期実績)

 

●休暇制度の見直し

ケア休暇新設/リザーブ休暇を妊活や家族の看護にも拡充/勤続5年ごとの特別休暇「MIXIBREAK」継続実施

 

●健康経営の推進

「健康経営優良法人2025」認定(3年連続)/ストレスチェック、感染症対策、ヘルスリテラシー教育、健康管理システム導入準備中

 

 2-3)<事業の創造・深化を促す組織づくり>について

<事業の創造・深化を促す組織づくり>において目指すのは、組織の多様性とチームとしての協働力の両立を通じて、継続的な価値創出が可能な事業基盤を構築することです。

イノベーションが求められる環境において、個の能力のみに依存するのではなく、異なる知見・背景を持つ人材が協働する組織構造そのものが、事業成長のドライバーであると当社は捉えています。

具体的には以下の人事施策を展開しています。

 ◆多様性の確保

 ◆チーム力の強化

 ◆コンプライアンス教育の徹底

 

各施策の詳細は以下の通りです。

◆多様性の確保

当社では「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」をマテリアリティのひとつとし、多様性を活かす文化づくりを行っております。

継続的に多様性の確保を促進してまいりますが、具体的な目標の設定は、戦略・方針や事業成長に合わせた最適な組織構成とすることを念頭に行うこととしております。現在、女性、中途入社社員及び外国人の管理職登用については注視しており、状況は以下の通りです。

 

 

<女性・中途社員・外国人の比率(単体)> ※2025年3月末時点

 

社員全体に占める比率

管理職に占める比率

係長職級まで含めた比率

女性

33.0%

16.8%

23.7%

中途社員

87.1%

90.9%

90.2%

外国人

3.7%

1.4%

2.5%

 

 

女性の管理職比率については、2025年3月末時点で17%以上を目標として掲げておりましたが、当該時点での実績値は16.8%となり、目標にはわずかに届かない結果となりました。

今後は、女性管理職比率について20%以上の水準を目標とし、性別にかかわらず多様な人材が意欲と能力を発揮できるよう、育成・登用の両面からの取組みを継続してまいります。

 

多様な人材が心地よく働ける環境づくりにも取り組んでいます。

毎年、全社員に受講を義務付けているeラーニングにて、性別や国籍・文化の多様性に限らず、性的指向/性自認・価値観・ライフスタイル等の多様性についても互いに尊重し合うよう啓発しております。

また、当社就業規則では、性の多様性(LGBTQ+)の尊重についても明記しております。個人が望まない性的言動や不利益な取扱いの禁止に加え、「結婚に準ずるパートナーの定義」として同性婚におけるパートナーも一般的な配偶者と同等に扱い、「結婚祝金」や「慶弔休暇」等、異性婚と同等の提供を行っております。

 

グループ全体の女性社員比率については以下の通りです。各社の人事制度が異なるため、現状では単体の目標値のみ設定しております。グループ全体での目標値や行動計画の設定は、今後段階的に進めてまいります。

 

<女性の比率(連結)> ※2025年3月末時点

社員全体に占める比率

管理職に占める比率

係長職級まで含めた比率

31.5%

16.4%

22.7%

 

 

◆チーム力の強化

個々のパフォーマンスの向上に加え、チームとして成果を出せる組織であるよう、以下の取組みを行なっています。

●チームビルディング研修

取締役・上級執行役員・本部長をはじめ、事業や組織をリードする役職者を中心に、チームビルディングの重要性を体感し、役職間・部署間の交流を強める研修を行なっています。研修参加者が自組織でチームビルディングに関する取組みを実践する際の支援も行なっています。

 

●オンボーディングの強化

中途採用者に対し、入社初日に人事本部による全体オリエンテーションを実施しています。オリエンテーションは、社長からの動画メッセージ、企業理念の紹介、オフィス案内、全社的に使用するツール類の説明で構成されています。社内制度やルールは、新入社員専用サイトでいつでも必要な情報にアクセスできる体制を構築しています。

配属先に着任後は、部署によるオンボーディングを開始します。部署の受け入れ担当者と人事担当で事前に連絡を取り合い、全員体制で受け入れるための仕掛けやノウハウを連携しています。

オンボーディングの状態については、入社1ヶ月後/3ヶ月後に人事が面談を行い把握しています。

 

●各種制度

各部署でチームビルディングや懇親の機会を設ける際の費用を一部会社で補助しています。また、業務外での交流を促進するための社内サークル制度を設けています。

 

◆コンプライアンス教育の徹底

当社ではコンプライアンス教育の一環として、危機管理研修をeラーニングで提供しております。全ての従業員を対象とし、毎年100%の受講率を達成しております。危機管理研修の内容としては、コンプライアンスの基本/ビジネスコンダクトガイドライン/情報セキュリティ/ハラスメント防止研修など全8講座の受講を義務付けております。