2023年10月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業の内容について

 ① 市場について

  国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、わが国の結婚適齢期人口は減少傾向が継続すると予測されており、また挙式・披露宴を実施しないカップルや晩婚化というお客さまの意識の変化によっても、挙式・披露宴市場の規模が縮小していく可能性があると認識しております。こうした中、当社は、接客力・企画提案力を更に向上させ、感動的な挙式・披露宴の提供に努めておりますが、想定を上回るスピードで市場が縮小し、受注が計画どおりに進まない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ② 競合について

  当社グループの主力事業が属しているウェディング業界では、ゲストハウス・ウェディングの需要が伸張していることを背景に、専門式場がゲストハウス・ウェディングの形態へ進出してきたほか、ホテルのリニューアルや価格競争の激化等、取巻く環境は年々厳しさが増しております。この傾向は今後も継続していくものと考えられ、当社の出店エリアに有力な競合店が複数出店してきた場合には、更に競争が激化し受注に影響が生じるため、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ③ 婚礼スタイルについて

  当社は、時代のニーズをとらえ、2000年9月に佐賀県鳥栖市においてゲストハウス・ウェディング事業を開始し、以降、店舗展開を進めてまいりました。今後も、時代のニーズやトレンドを把握し対応していく方針でありますが、20代、30代の若者を中心とする顧客層の間で婚礼スタイルに対する意識・嗜好に変化が生じ、ゲストハウス・ウェディングに代わる新たな婚礼スタイルが主流となることも想定されます。こうした婚礼スタイルの変化への対応に遅れが生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ④ 人財の採用と育成と定着について

  当社グループは、優秀な人財の採用と育成と定着が他社との差別化を図る重要なファクターだと認識し、人財の育成と新卒及び中途の採用活動に積極的に取り組んでおります。特に人財の育成に関しては、経営理念に基づいた体系的な研修を実施することによってその強化を図っております。このように当社グループでは、優秀な人財の採用と育成と定着を強化しておりますが、計画どおりに進まない場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因となり、当社グループの財政状態及び経営成績等及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 ⑤ 出店について

  当社グループは、出店候補地の立地条件や商圏動向、競合企業の動向、地域特性、採算性及び設備投資の内容等を総合的に検討しながら店舗展開を行っておりますが、出店条件に合致する物件が見つからない場合は、計画的な出店が進まず、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、出店に際しては先行費用が発生するため、出店が集中した場合には短期的に財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。当社グループが出店した店舗について、収益性が著しく低下し減損の認識がなされた場合には減損損失が発生し、財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ⑥ 介護事業について

  当社グループは、2012年12月に介護事業を開始しましたが、当該部門は、老人福祉法、介護保険法等の規制を受けており、法令等の改正による制度見直しや介護報酬の基準額の改定が実施されます。こうした制度見直しや料金体系の改定がなされた場合、その内容によっては当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、介護事業は、高齢者の方々を対象としているため、施設内における事故や感染等が発生し、利用者の安全が危ぶまれる事態が起きた場合、信頼性の低下により利用者が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 

 ⑦ 海外事業について

  当社グループは、成長戦略の一環として2017年1月、インドネシア共和国の首都ジャカルタに挙式・披露宴に関する企画・運営等のサービスの提供を行う現地法人を設立し、同年2月より営業活動を開始しております。関連地域における戦争やテロ、政治・社会・経済動向等の変化等、予期せぬ事象による事業活動への支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ⑧ 食品事業について

  当社グループは、2020年10月に食品事業を開始しましたが、近年、食品業界において、消費者の安全性に関する関心は一層高まっています。そのような中、素材にこだわり健康にも留意した商品開発に加え、製造元においては安全・安心で高品質な商品の製造先を選定しております。万が一健康被害に関わる問題が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ⑨ フォト事業について

  当社グループは、2021年11月にフォト事業を開始いたしましたが、当該事業は、美容師法の規制を受けております。よって、今後新たな法的規制の導入や現行の法的規制の強化もしくは変更等が行われた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、当事業ではロケ地での撮影も行っており、需要が高まる秋と春に台風等の天候不順や異常気象等が発生した場合にも当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、予期せぬ事態により、フォトウェディング需要が大きく減少した場合においても当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ⑩ 結婚仲介事業について

  当社グループは、2021年11月に結婚仲介事業を開始いたしましたが、当該事業は、特定商取引法に関する法律(以下、「特定商取引法」という。)が規定する「特定継続的役務」に該当します。特定商取引法に違反した場合、業務改善指示や業務停止命令を受けた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(2)法的規制について

 ① 衛生管理について

  当社グループは、挙式・披露宴時に料理や飲料を提供しているため、食品衛生法の規制を受けており、社員の日常の体調管理や調理工程の管理、臨時従業員まで含めた定期的な腸内細菌検査、ノロウイルス検査及び外部機関による定期的な消毒や検査等、体系的な衛生管理に努めております。こうした中、2009年8月にアイ・ケイ・ケイ株式会社福岡支店において食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000の認証を取得し、同支店と同水準の衛生管理体制の構築を横断的に推進しております。また、介護事業においても、食事を提供しているため、同様の衛生管理体制を整え、食品事故の未然防止に努めております。
 このように、当社グループは「安全・安心」を調理業務の最優先課題と位置づけ、食品事故の未然防止に努めておりますが、万一食中毒等の食品事故が発生した場合には、営業許可の取消しや営業の停止等を命ぜられるほか、社会的信用の低下、損害賠償請求の発生等により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 ② 個人情報の管理について

  当社グループは、婚礼事業における新郎、新婦、ご親族、ゲストの方々をはじめ、その他の事業におきましても、お客さまの個人情報をそれぞれ取扱っております。当社グループは、これらの個人情報を保護するため「個人情報管理規程」を制定し、個人情報の機密保持と個人情報の取扱いには細心の注意を払っておりますが、個人情報が外部に漏洩した場合には、風評被害が懸念される他、内容によっては当局からの勧告、命令、処罰を受ける対象となります。このような事態が発生した場合には、社会的信用の低下、損害賠償請求の発生等により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

(3)その他

 ① 感染症による影響について

  当社グループの婚礼施設には新郎新婦さまのご親族やご友人等の多くのお客さまが来館されるため、新型コロナウイルス等の感染症の拡大懸念が生じた場合は挙式・披露宴の延期や中止が発生する場合があります。

  なお、新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症対策として、アルコール消毒や除菌装置の設置、従業員の手洗い・うがいの徹底等を実施しております。また、従業員は出社前の検温並びに体調確認を行っております。

  このように、当社グループでは感染症の予防対策に積極的に取り組んでおりますが、国内で深刻な感染症が大規模に流行し業務を中断せざるを得なくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 

 ② 自然災害について

  当社グループは、国内21都市及びその近郊並びに海外1都市で事業を展開しておりますが、これらの出店地域において予測不能の地震・風水害等の自然災害が発生し、施設に影響が生じ、事業を中断せざるを得ない状況となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループはこのような自然災害に備えて保険を付保しておりますが、損害額が保険金額を上回る場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要課題のひとつと認識し、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた配当を実施していく方針であります。剰余金の配当を行う場合は年1回期末での配当を基本方針としており、配当の決定機関は、株主総会であります。当事業年度の配当につきましては、上記方針のもと、1株当たり24円と決定いたしました。

 なお、内部留保資金の使途につきましては、今後の当社の事業展開を見据えた中長期的な投資原資として、主に設備資金に充当していくこととしております。

 当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を取締役会の決議により行うことができる旨を定款に定めております。

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2024年1月30日

703,468

24.00

定時株主総会決議