2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    666名(単体) 886名(連結)
  • 平均年齢
    33.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    8.5年(単体)
  • 平均年収
    5,254,666円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

  (1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

システムソリューション・サービス部門

771

管理部門

115

合計

886

 (注)従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの

    出向者を含む。)であります。

 

  (2)提出会社の状況

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

666

33.8

8.5

5,254,666

 

事業部門の名称

従業員数(人)

システムソリューション・サービス部門

574

管理部門

92

合計

666

 (注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

  (3)労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

  (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

10.2

64.7

83.2

83.2

82.4

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの

であります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行原則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率

  (%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

 (注)3.

㈱北海道キューブシステム

4.0

0.0

87.4

88.3

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの

であります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行原則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.女性のパート・有期労働者はおりません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ経営

 当社グループは、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献することで、企業価値向上を目指しています。社会課題の解決やSDGsへの貢献に向けて、ステークホルダーの声を経営に生かし、価値創造モデルを循環させ、持続可能な成長を実現していきます。

 

a.サステナビリティガバナンス

 当社グループは気候変動を重要な経営課題のひとつとして捉えています。2021年11月にサステナビリティ基本方針を制定し、社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ・ガバナンス委員会」を中心にマネジメント体制を構築いたしました。企業価値の向上や中長期的なESG 課題の解決の実践に向け、サステナビリティ方針・目標の決定や目標に対する取り組みの進捗状況を確認することでサステナビリティ経営を推進しております。サステナビリティ・ガバナンス委員会は、四半期に1回以上の開催を定め、半期に一度、気候変動関連の目標設定や取組みに関する進捗状況や結果について検討しています。気候関連取組みを円滑に進めるための事務局機能を果たすサステナビリティ推進室が検討した事項について報告を受け、対応方針を審議しています。審議した重要な事項については取締役会へ内容を報告し、モニタリング・監督を行っております。

 前期のサステナビリティ・ガバナンス委員会の実績として9回開催し、うち気候変更に関する議論は3回、人的資本に関する議論は4回行われました。

 

《サステナビリティ推進体制図》

 

b.戦略

 当社グループは、社会発展のために果たすべき義務や役割を理解し、社員一人ひとりが事業や地域貢献などの活動を通じて企業価値向上と社会課題解決の双方を実現することを目的として、サステナビリティ基本方針に則り、取り組みを実施しております。

 SDGsが示す持続可能な社会の実現は、当社の経営理念の実践にもつながります。当社グループは、お客さまだけでなく、お客さまそれぞれのステークホルダー、そして社会全体に対して、高付加価値なITサービスを創造・提供することでSDGsの達成に貢献してまいります。

 

《当社グループが取り組む重要課題(マテリアリティ)》

 

 

 

 

 

c.リスク管理

 当社グループでは、内部統制・環境・人材確保・情報セキュリティなど、当社にとって経営を脅かすリスクを多面的に捉え、統合的なリスクマネジメントの観点から経営基盤を強化する為、社長執行役員を議長とする「内部統制・統合リスク管理会議」を設置しております。当会議にてリスクアセスメントを行い、経営に対する影響度が高いものを重要なリスクと捉え、定期的にモニタリングしております。

 気候変動に関するリスクの特定については、年に1回、サステナビリティ推進室が中心となって検討しております。環境、社会の動向も踏まえた上で、当社グループのバリューチェーンの全体を対象として、TCFD最終報告書で提示されているリスク領域について、広くリスクを洗い出しています。特定されたリスクと機会については、その要員の発現可能性や発現時期を考慮しつつ、事業運営や自社レピュテーションへの影響を踏まえて、収益やコストへの財務影響を簡易的に評価し、財務影響の大きさに合わせて影響度を測っています。影響度を考慮しながら、優先的に検討するリスク・機会を定め、シナリオ分析を用いた定量的な分析を進めています。特定したリスクと機会は、サステナビリティ・ガバナンス委員会に報告され、リスクと機会への対応方針が検討されます。また、代表取締役社長執行役員はリスクと機会の分析結果を受け、これを事業戦略に反映させています。サステナビリティ・ガバナンス委員会では半年に1回リスクと機会への対応状況を確認しています。

 気候関連のリスクの特定、評価、対応においては、その他のリスクと同様、「内部統制・統合リスク管理会議」によってその状況がモニタリングされ、全社総合的なリスク管理プロセスに統合されています。

 

《重要課題の分析》

 

 

 

d.指標及び目標

 当社グループでは、中期経営計画において非財務目標として「ダイバーシティ」「働き方改革」「コミュニケーション活性化」「人材育成」「環境」を最重要課題としてKGIを定め、事業年度ごとのKPIを設定しています。

 「環境」のGHG排出量については、2020年度以前は東京本社のScope1,2※1のみを算定していましたが、2021年度より、GHG排出量算定の範囲をグループ全体に拡大し、Scope3※2排出量も含めたバリューチェーン全体のGHG排出量を算定しています。

 

※1 Scope1:自らの燃料の燃焼や工業プロセスに伴う直接排出、Scope2:他社から供給された電気・熱・蒸気などのエネルギー使用に伴う間接排出

※2 Scope3:Scope1・2以外の間接排出

 

 当該指標に関する2024年3月期の実績と第2次中期経営計画での目標は、次のとおりであります。

 

 

 

 

 また、非財務目標についての第1次中期経営計画における実績および第2次中期経営計画に向けた目標値は、以下のとおりです。

 

 

 

(2)気候変動関連の取組み

 当社グループはサステナビリティ経営において、SDGsに掲げられた社会課題に対してもその重要性を認識し、積極的に取り組みを進めています。中でも環境問題については「事業活動を通じて環境にやさしい経営を実践し、環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献する」という環境方針のもと、環境マネジメントシステムの継続的な向上に努めています。

 

 なお、ガバナンス及びリスク管理の考え方に関しましては、(1)サステナビリティ経営に含まれております。

 

・戦略

 当社の事業が気候関連のリスクに対してレジリエンスを有するかどうか、また当社の事業に影響を与える機会にはどのようなものがあるかを明らかにするため、以下の通り分析を実施いたしました。

 

・気候関連のリスクおよび機会の洗い出しおよび定性評価

 当社の事業に影響を与えうる気候関連のリスクと機会について洗い出しを行い、それぞれについて影響度、時間軸、そして発現可能性について検討を行いました。気候関連のリスクおよび機会は移行リスクと物理的リスク、機会に大きく分類されますが、それらをそれぞれ以下の通り細分化して洗い出しを行いました。

 

 それぞれのリスクおよび機会について、その要因や事業影響の説明、財務的影響度、時間軸や発現可能性について検討を行い、下表の通り整理しました。

 

《移行リスク》

 

 

 

《物理的リスク》

 

《機会》

 

・シナリオ分析のテーマ設定

 洗い出した気候関連リスクのうち、次のテーマについてシナリオ分析を実施しました。

 

 

・シナリオ分析結果

 ・[移行リスク]炭素税の導入およびエネルギー価格の変動の影響

 洗い出した気候関連リスクのうち、「炭素税の導入およびエネルギー価格の変動の影響」をテーマとしてシナリオ分析を実施しました。

 

 ・分析の前提条件

 本シナリオ分析にあたっては、2030年と2050年を評価時点としています。複数の温度上昇のシナリオを想定し、それぞれについて当社事業活動の将来想定(省エネルギー活動を特段行わない場合と省エネルギー活動を行う場合の二通り)もあわせて考慮することで、当社事業に対する財務的影響をより詳細に把握できるようにしています。

 分析において採用したシナリオは、国際的に通用する国際エネルギー機関(IEA)による世界エネルギー見通し(WEO)に示されるSTEPS、APS、NZEを主なものとしていますが、一部のパラメータは気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)によるシナリオに基づいて補完しています。

 

・分析結果

 以上の想定に基づいて分析した結果は以下の通りです。

 

 「成り行き」においては、世の中が脱炭素にこれ以上進まないことを想定しているため、当社の事業活動における省エネルギー活動を行わない場合のみを考慮します。このシナリオでは、2030年、2050年にかけて当社グループが調達する各種エネルギーの価格は低下することが見込まれますが、事業規模の拡大を踏まえると、2030年に1千万円弱、2050年に5千万円弱のエネルギー価格の財務影響が増加する見込みです。炭素価格による影響は2030年で5百万円、2050年で1千万円の増加を見込んでいます。

 「脱炭素」においては、当社の事業活動における省エネルギー活動を行わない場合と省エネルギー活動を行う場合を想定します。省エネ活動を推進する場合とそうでない場合を比較して、2030年にはその影響は数百万円と軽微ですが、2050年にはエネルギー価格の財務影響において1千万円以上の効果が生まれると見込んでいます。再エネの導入を進めていくことで、2030年時点においても特にエネルギー価格による財務影響を改善できる見込みです。

 「ネットゼロ」においては、当社の事業活動における省エネルギー活動を行わない場合と省エネルギー活動を行う場合を想定します。2030年には電力価格が上昇することでエネルギー価格による財務影響が他のシナリオよりも大きくなりますが、2050年にむけて電力価格の下落が見込まれることで、「脱炭素」シナリオよりもエネルギー価格の財務影響の増加幅は小さくなります。「脱炭素」シナリオ同様、再エネを推進することで、2030年の財務影響を軽微に抑えられる見込みです。

 

・対応戦略

 以上の通り、当社グループ事業の将来想定に基づいて、2030年および2050年における複数のシナリオにおける当社グループの炭素価格負担やエネルギー負担の見込みを求めましたが、財務影響は限定的であることが確認できました。今回の当社想定の範囲においては、該当する気候変動リスク要因に対するレジリエンスを有していると考えられます。

 今後計画している省エネ活動や再エネ導入といった取組みを進めることで、よりレジリエンスを高めていきます。

 また、今後も、リスク・機会の内、当社グループの事業との関連性が高いものについて、必要に応じてシナリオ分析を実施し、対応戦略の検討を進めるなど、情報開示の充実化を進めてまいります。

 

・[物理的リスク]気候変動に伴う気象災害の増加が事業拠点に与える影響についてのハザードスクリーニング

 気候変動に伴う気象災害の増加が当社グループの事業に与える影響を予測するため、キューブシステムグループの国内外7拠点(国内:5拠点、海外:2拠点)について、影響の可能性を評価し、物理的リスクの影響について優先的に調査すべき拠点のスクリーニングを行いました。

 

・分析の前提条件

 分析では、洪水、高潮のリスクの把握を目的に、公開資料や外部専門家からの提供資料等に基づき、現在気候下、及び2℃シナリオ(RCP2.6またはSSP1-2.6)及び4℃シナリオ(RCP8.5またはSSP5-8.5)の気候変動シナリオ下の2030年、2050年、2090年について、5段階のハザードグレードを付与し、その変化について評価しました。

 

・分析結果

 洪水リスクについては、リスクに留意すべき(グレードB以上)と評価された拠点が現在気候下において0拠点、気候変動の影響を最も受けるSSP5-8.5下(2050 年、2090年)において1拠点でした。高潮リスクについては、全拠点が高潮による浸水ハザードは極めて低いと考えられる(グレードE)と評価され、気候変動による将来変化は見られませんでした。

 

 《物理的リスク評価結果(対象:国内外7拠点)》

※グレードB以上:リスクに留意する必要があり、より詳細なリスク評価の実施が望まれる

 

・対応戦略

 今回のシナリオ分析において浸水リスクに留意すべきと評価された拠点については、リスク評価の実施を検討し、その結果に応じて浸水対策やBCPの作成を進めてまいります。

 

 

具体的な取り組みとして、以下の内容を行っております。

 

・TCFDへの取り組み

 当社グループは、気候変動問題を重要な経営課題のひとつとして捉えています。当社では、気候関連財務情報の開示の重要性を認識し、2021年11月にTCFD最終報告書に対する支持を表明するとともに、TCFD提言に基づく適切な情報開示の拡充に取り組んでいます。また、SBTの水準に基づき当社が排出する温室効果ガスの排出量の削減に向けた取り組みを進めております。

 

 ・気候変動リスク・機会の評価に用いる指標

 気候変動のリスクを評価するにあたっては、温室効果ガス(GHG)排出量、エネルギー使用量、及び再生可能エネルギーの使用比率を指標として用いています。

 また、2022年度に、SBT認定基準※1に基づき、2021年度を基準年とした2030年までのGHG排出量削減目標を定めました。この削減目標の達成度を第2次中期経営計画の重要経営指標として設定し、毎年削減目標達成のための施策やアクションプランを立案するとともに、執行役員を兼務する取締役を対象とした業績連動型株式報酬におけるインセンティブとしています。GHG排出量の各年度別の削減目標に対する取組み及び削減実績に基づいて達成度を評価し、達成度に応じてポイントを付与し、付与されたポイントは中期経営計画の最終年度終了後に株式に換算され、報酬として付与しています。

 

 

 ・GHG排出量目標と達成状況

 キューブシステムグループでは、2020年度以前は東京本社のScope1,2のみを算定していましたが、2021年度より、GHG排出量算定の範囲をグループ全体に拡大し、Scope3排出量も含めたバリューチェーン全体のGHG排出量を算定しています。

 

2021年度を基準年として、2030年までのGHG排出量削減目標を下記のとおり定めています。

・Scope1+2        2030年度までに38%削減(2021年度比)

・Scope3(カテゴリー1) 2030年度までに23%削減(2022年度比)

 

 GHG排出量の実績は以下のとおりです。今後、目標の達成に向けて、再生可能エネルギーの活用等を通したGHG排出量削減への取組みを着実に進めてまいります。

 

 

 

 なお、当社では、2005年にISO14001を取得し、これに準拠した企業活動を実践しています。環境評価の情報開示に国際的に取り組む評価機関であるCDPより、2023年度の気候変動に関する調査において、自社の環境リスクやその影響を認識し行動している、との評価を受けております。今後も事業活動において環境への配慮はもとより、具体的な数値目標を定めて定期的な見直しを図りつつ、継続的改善に取り組んでまいります。

 

 

(3)人的資本経営の取組み

 当社経営基盤のひとつは「人材」であり、社員一人ひとりが多様なプロフェッショナル人材として活躍することが、持続的成長のためにも重要となります。そのため、社員の能力・特性を最大限に発揮するための人事制度や人材育成施策を重要課題に位置づけ、取り組みを推進しております。

 なお、ガバナンス及び戦略に関しましては、(1)サステナビリティ経営に含まれております。

 

・リスク管理

 当社が属するIT業界では、慢性的な技術者不足という課題があります。人材の流動性が高まる中、採用競争力が低下して計画通りの人材獲得が進まなくなること、社員の離職により生産性が低下することが最大のリスクと考えております。社員に成長の機会を提供し、働きやすい環境を整えることで、リスク低減に努めております。

 なお、リスクマネジメントについては、(1)サステナビリティ経営 c.リスク管理に記載のとおりです。

 

具体的な取り組みとして、以下の内容を行っております。

 

・人材についての考え方

 当社は求める人材を、「成果と期待価値に溢れ、組織とともに成長していく人材」として『自立したビジネスパーソン』を目指しています。社員一人ひとりが多様性をもって、互いに尊重し合い、自らビジネスを創造し、品質と効率をお客さまに提供し、企業人として成長していくことで、より高い社会貢献を実現する人材です。

 また、当社は人事の基本的な考え方として「成果と期待価値をもとに処遇の向上を目指す」としています。

 当社における成果とは日々の業務活動の中で、行動目標に対して実践した行動が発揮された度合いを言い、その発揮度合いを高め続けるのが当社の成果主義です。そして、過去の成果をベースに将来を期待され、成長の機会が与えられる。この期待によってさらなる成果をあげ成長していくとともにそれに見合った処遇とすることを基本としています。

 そして『自立したビジネスパーソン』が、互いに尊敬し組織(チーム)としての成果を高め、感動を共有し、ともに喜び合う企業風土の醸成が、企業価値向上や社会的価値の創出につながると考えています。

 このような考えのもと、当社は人的資本充実のためのPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを継続的に実践し、多様なプロフェッショナル人材の育成や活躍を目指します。

 

・人材育成の新たな取り組み

 中長期経営ビジョンV2026の目標達成に向けて、当社人材育成の目的・目標を「将来の事業を支える人材を育成し、必要な人材ポートフォリオを形成すること」と設定しました。人材育成スキームを確立し社員個々の成長を支援すること、人材育成を大切にする企業風土を醸成していくことなどを重点目標として掲げ、推進しております。

具体的な育成すべき人材は、①「プロフェッショナルIT人材」、②「コーポレートスタッフ人材」、③「組織マネジメント人材」の3カテゴリに分類しました。

 

 

・キャリアフィールドの設定

 「社員一人ひとりが活躍する場」を社内的に認知する枠組みとして、当社事業に必要な人材イメージを「キャリアフィールド」として設定しました。この「キャリアフィールド」によって自分が目指す方向性や目標とするキャリアを明確にすることで、社員一人ひとりが目標意識を持って仕事に取り組むこと、また、自分自身の将来イメージを持ちながら成長することが目的です。

 「プロフェッショナルIT人材」の育成において、キャリアフィールドは「IT活動領域」「プロフェッショナルとしての成果」「ビジネスへの貢献」が何かをそれぞれで定義しており、各キャリアフィールドに応じた目標設定を行い実践していくことで、社員の成長と人的価値の向上を図っています。

 「コーポレートスタッフ人材」の育成では、キャリアフィールドを「業務遂行」「業務範囲」「業務経験・実績」の3つの視点から定義しており、主要な業務スキルの積み上げから始まり、経験の知識化とスキルの深化を図る枠組みを構築しています。

 また、入社2年目から7年目までの若手社員を中心に定期的なスキルチェックを実施し、一人ひとりの強み・弱みを踏まえた「現場OJT」が出来るよう、スキルの「見える化」の仕組み作りを推進しております。定期的に自身のスキルを洗い出してスキル目標に対する進捗度を上司と確認し、その専門性を高めるための『プロフェッショナル研修』や、層別に期待されるスキル及びマインドセットを習得するための『階層別研修』により知識を習得するという、PDCAの仕組みを作り運用しております。

 

《人材育成の重点目標》

 

 

・プロフェッショナルIT人材育成

 プロフェッショナルIT人材は、若手のうちは年次ごとの「スキルの積み上げ」をベースに、中堅層以上ではさまざまなプロジェクトで経験・実績を積みながら、技術分野のハイエンドエンジニアとして段階的なスキルアップを図っていきます。

 この育成過程においては「いつ、どのような経験を積ませるか」「成長の意識づけや気づきをどう与えるか」といった「場」の提供と、育成指導者が重要になります。当社ではOJTこそが人材育成の基本と位置づけ、育成指導者が意図的・計画的に人材を育成していくことを推進しております。

 

・コーポレートスタッフ人材育成

 コーポレートスタッフ人材は、経験の浅いうちは主要な業務スキルの積み上げを図り、幅広くスタッフとしての実務を担う人材を育成することと定めました。その後、一定レベルの専門性と実務経験が身についた中堅層では、本人の能力や意欲、今後の本人の方向性をふまえ、「プロフェッショナルCS」として、専門分野において更に高度な専門知識・スキルを磨き、職人肌のプロ人事やプロ経理等を育成いたします。一方で、コーポレート全体の管理・計画等の企画、マネジメントが出来る人材の育成も推進しております。

 

《人材育成のあり方》

 

・ダイバーシティ促進

 当社では、ダイバーシティをマテリアリティとして位置づけ、取り組みを推進しています。性別・年齢・国籍・社会的地位・障がいの有無・価値観などの多様性を互いに尊重し、認め合うことで、多様な人材がそれぞれの状況に合わせた働き方で活躍し成長することができるよう、制度の拡充や環境整備、意識改革を進めています。中でも、多くの女性社員が在籍する当社での女性活躍は、今後の成長・発展に欠かせないものとして注力しております。中期経営ビジョンV2026のミッションステートメントである「Communication & Mutual Respect」の精神の元、女性をはじめとする多様な人材が集い、共に活躍できる環境を整えることで優秀な人材を確保・育成し、企業価値の向上を図ります。

 第2次中期経営計画では、2026年3月までに係長級に占める女性社員比率30%にすることを目標に、管理職向けの研修や女性社員と社長とのタウンミーティングの実施などの施策を実施しております。この目標を達成することで、男女間の賃金格差の改善にも繋げてまいります。

 また、当社が持続的に成長し社会に貢献し続ける会社であるためには、社員が心身ともに健康で、適切な環境の中で仕事に対してやりがいを持って働き、自身の成長を実感できる状態にあること、「ウェルビーイング」が重要であると考えており、働き方改革にも取り組んでおります。当社では、2026年3月までに時間外勤務時間の月平均25時間、有給休暇取得率70%、男性の育児休業取得率70%を目標に掲げ、社員への労務知識強化の研修や制度の有効活用に向けた説明会を実施するなど、取り組みを行っております。