2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

CRO事業 トランスレーショナルリサーチ事業 メディポリス事業 米国不動産事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
CRO事業 31,595 92.8 7,258 236.6 23.0
トランスレーショナルリサーチ事業 54 0.2 -3,681 -120.0 -6,795.5
メディポリス事業 565 1.7 -422 -13.8 -74.8
米国不動産事業 46 0.1 -61 -2.0 -131.6
その他 1,790 5.3 -27 -0.9 -1.5

事業内容

3【事業の内容】

(1) 事業の内容について

当社グループの企業集団は、当社、連結子会社27社及び関連会社5社の合計33社で構成されております。主な事業の内容は、1.製薬企業等から非臨床試験(注1) 、臨床試験(治験)(注2)及び新薬承認申請業務を受託し、医薬品開発支援を行うCRO事業、2.当社が独自に開発した経鼻投与基盤技術(注3)並びに大学やバイオベンチャーの基礎的な知見や技術を育成してビジネス化あるいは投資していくトランスレーショナルリサーチ(TR)事業、3.当社が鹿児島県指宿市の高台に所有する広大な敷地(メディポリス指宿)の自然資本を活用して地熱発電や宿泊施設運営などを行うメディポリス事業(社会的利益創出事業)等を行っております。

具体的には、CRO事業では、安全性研究所、株式会社新日本科学イナリサーチセンターにおいて非臨床試験の実施及び臨床試験の試料分析を、薬物代謝分析センターにおいて非臨床試験及び臨床試験の試料分析を、株式会社新日本科学PPDにおいて臨床開発(注4)をそれぞれ受託しております。

当社に直属するTR事業本部では、独自の経鼻製剤技術と投与デバイス技術から成る経鼻投与基盤技術(SMART: Simple MucoAdhesive Release Technology、以下、SMART)の研究開発を実施しており、鼻粘膜からの全身吸収、鼻粘膜上での免疫、鼻から脳への薬物送達の3つの応用領域において創薬に注力しております。これまでに、TR事業として、独自のSMART技術を応用した、経鼻片頭痛治療薬を開発中の米国Satsuma Pharmaceuticals, Inc.及びパーキンソン病の治療薬を開発中の株式会社SNLDなどをスピンアウトさせた実績があり、TR事業本部としてこれらの開発会社の支援も行っています。Satsuma社の経鼻片頭痛治療薬「AtzumiTM」(開発名:STS101)は当社技術に基づき開発され、2025年4月30日(米国時間)に米国FDAから販売承認を取得しました。さらに、経鼻ワクチンに関する事業については、2023年4月に経鼻粘膜ワクチン研究開発センターを立ち上げ、遮断免疫作用を有する新規経鼻ワクチンの研究開発を推進しており、ワクチンの効果を高めるためのアジュバント(注5)を含めた製剤化やデバイスの最適化にも取り組んでおります。その他、現重要投資先で核酸医薬品の開発を行う米国Wave Life Sciences Ltd.も、TR事業を起源とした企業です。

メディポリス事業では、環境に配慮したバイナリ―式地熱発電(注6)事業を実施するとともに、人々の健康の実現(Wellbeing)をメインコンセプトとした2つのホテル宿泊施設(ヒーリングリゾートホテル「別邸天降る丘」及びメディポリス指宿に隣接する一般社団法人メディポリス医学研究所メディポリス国際陽子線治療センターと連携した患者専用宿泊施設「HOTELフリージア」)を当社及びその子会社で運営するホスピタリティ事業を展開しています。

香港の新日本科学(亜州)有限公司はアジアにおける事業を統括し、当社の持分法適用関連会社である中国本土の安凱毅博(肇慶)生物技術有限公司(旧 肇慶創薬生物科技有限公司)及び当社子会社であるカンボジア王国のSHIN NIPPON BIOMEDICAL LABORATORIES(CAMBODIA)LIMITEDでは、実験用NHPの繁殖育成と検疫輸出を行っています。

 

(注1)非臨床試験:臨床試験に着手する前に、実験動物や細胞・細菌を用いて開発中の医薬品等の有効性と安全性を確認する試験です。

(注2)治験:臨床試験のうち、厚生労働省から新薬の製造・販売承認を得るために実施する試験です。

(注3)経鼻投与基盤技術:既に市販されている薬剤の剤型に工夫を施し、鼻から投与し、鼻粘膜から吸収させ、治療するシステムのことです。

(注4)臨床開発:ヒトに対する薬の有効性と安全性を確認するための試験を実施するにあたり必要となる開発業務です。

(注5)アジュバント:ワクチンの効き目を増強させる成分のことであり、ワクチンに添加することで、ワクチンに含まれる抗原の量やワクチン接種の回数を減らしたりすることができます。

(注6)バイナリー式地熱発電:バイナリー発電方式とは、加熱源により沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回す方式です。加熱源系統と媒体系統の二つの熱サイクルを利用して発電することから、バイナリーサイクル発電と呼ばれています。

 

(2) 医薬品開発のプロセスにおける当社グループの事業領域について

製薬企業は、医薬品を開発し、最終的に販売するまでには薬機法に基づく様々な試験を実施し、有効性と安全性を確認します。厚生労働省に新薬承認申請を行う際には、それらの試験の成績を添付し、同省諮問機関の専門家による厳密な審査を経て承認が得られるシステムになっております。

医薬品開発のプロセスにおける当社グループの事業領域については、次のとおりです。

 

(3) セグメントについて

 報告セグメントは、当社と連結子会社27社、持分法適用関連会社5社により、次のとおりCRO事業(非臨床事業・臨床事業)・トランスレーショナルリサーチ事業・メディポリス事業・米国不動産事業及びその他事業に区分されております。

セグメント

主な事業の内容

主な構成会社

CRO事業

(非臨床事業)

製薬企業等の委託者が開発中の医薬品等について、実験動物や細胞・細菌を用いてその有効性と安全性を確認する事業

(臨床事業)

ヒトにおける有効性と安全性を

確認するための試験実施に関する開発事業

当社

株式会社新日本科学イナリサーチセンター

株式会社CLINICAL STUDY SUPPORT

SNBL U.S.A., Ltd.

University Medicines International, LLC.

新日本科学(亜州)有限公司

SHIN NIPPON BIOMEDICAL LABORATORIES

(CAMBODIA) LIMITED

メディポリスNHP株式会社

ANGKOR PRIMATES CENTER INC.

株式会社新日本科学PPD(注1

安凱毅博(肇慶)生物技術有限公司(注1

トランスレーショナルリサーチ事業

経鼻投与基盤技術等の開発及び大学、バイオベンチャー、研究機関などにおける基礎研究から派生してくる有望なシーズ技術や新規物質を発掘して、医薬品などの評価・承認に必要な非臨床試験や臨床試験を行いながら、付加価値を高めて事業化する事業等

当社

SNBL U.S.A., Ltd.

株式会社Gemsekiインベストメント

株式会社SNLD

NDP Pharmaceuticals,Inc.

SGG Management Services,LLC.

Ruika Therapeutics, Inc.

Satsuma Pharmaceuticals, Inc.

メディポリス事業

宿泊施設運営及び地熱発電事業等

当社

AMAFURU&Co.株式会社

株式会社メディポリスエナジー

Green Hydrogen株式会社

米国不動産事業(注3

米国子会社SNBL USA, Ltd.が保有する敷地内に建設した多目的産業用ビルを賃貸する事業

SNBL U.S.A., Ltd.

その他事業

事務業務受託等

当社

株式会社新日本科学グループ

株式会社メディポリス

SNBLアセットマネジメント株式会社

ふれあい・ささえあい株式会社

トランクソリューション株式会社

株式会社新日本総合建設

FREESIA HD,INC.

株式会社新日本科学Tasso(注1,2

株式会社JRMPC(注1

株式会社NANA(注1

(注1)持分法適用関連会社

(注2)当連結会計年度中に連結子会社として設立されましたが、当連結会計年度末日に持分法適用の関連会社

となったため、年度中の取引については連結子会社としての処理を行っております。

(注3)米国不動産事業は、事業の重要性が高まったため、前連結会計年度から遡及し、報告セグメントとして

    新たに区分表示しております。

 

 当社及び連結子会社のセグメント系統図並びに会社別事業内容は、次のとおりであります。

<セグメント系統図>

<会社別事業内容>

 

セグメント

当社(事業部)

及び主な連結子会社

所在地

事業内容

当社

CRO事業

安全性研究所

鹿児島

非臨床試験を行っております。また、臨床試験の試料分析を行っております。

薬物代謝分析センター

和歌山

非臨床試験及び臨床試験の試料分析を行っております。

トランスレーショナルリサーチ事業

TR事業本部

東京・鹿児島

経鼻投与基盤技術等の開発を行っております。また、大学等と共同研究の推進、バイオベンチャー等の支援を行っております。

メディポリス

事業

別邸天降る丘

鹿児島

ホテル宿泊施設を運営しております。

発電事業部

鹿児島

地熱発電事業等を行っております。

主な

連結

子会社

CRO事業

株式会社新日本科学イナリサーチセンター

長野

非臨床試験を行っております。また、臨床試験の試料分析を行っております。

SHIN NIPPON BIOMEDICAL LABORATORIES (CAMBODIA) LIMITED

カンボジア王国プノンペン都

実験動物の繁殖・育成・検疫等を行っております。

トランスレーショナルリサーチ事業

株式会社Gemsekiインベストメント

東京

投資事業・ファンド運営を行っております。

株式会社SNLD

東京

TR事業本部のリソースを用い、経鼻製剤の開発を行っております。

Satsuma Pharmaceuticals, Inc.

米国 ノースカロライナ州

経鼻製剤の開発を行っております。

メディポリス

事業

株式会社メディポリスエナジー

鹿児島

地熱発電事業を行っております。

 

米国不動産事業

SNBL U.S.A.,Ltd.

米国 ワシントン州

保有する敷地内に建設した多目的産業用ビルを賃貸する事業を行っております。

 

(4) 非臨床事業について

非臨床試験とは、製薬企業等が開発中の医薬品等(被験物質)の有効性と安全性について、実験動物や細胞・細菌などを用いて調べる試験です。非臨床試験は、その後に続く、ヒトによる臨床試験や製造販売後、診療の場における患者さんへの危害を未然に防止するために不可欠であり、その実施は薬機法等で定められております。当社グループで実施する非臨床試験には、安全性試験(単回・反復投与毒性試験、生殖発生毒性試験等)、薬理試験(安全性薬理試験等)、薬物動態試験があります。各試験の種類や試験内容は次のとおりです。

非臨床試験の種類

説明

安全性試験

単回投与毒性試験

被験物質を単回投与し、その毒性を質的量的に明らかにする試験です。

反復投与毒性試験

被験物質を繰り返し投与したとき、明らかな毒性変化を示す用量とその変化の内容及び毒性変化の認められない用量を求める試験です。

生殖発生毒性試験

被験物質の生体への投与が、生殖・発生の過程において何らかの悪影響を及ぼすかどうかの情報を得ることを目的とした試験です。

抗原性試験

被験物質がヒトに対して免疫反応に関与する副作用を起こす可能性があるかどうかを調べる試験です。

皮膚(光)感作性試験

皮膚外用剤として用いる被験物質の皮膚での接触感作性、皮膚光感作性のリスクを予測するための試験です。

遺伝毒性試験

細胞や細菌を用いて、被験物質の遺伝子突然変異誘発性や染色体異常誘発性を推定する試験です。

がん原性試験

被験物質が、がん原性を示すかを調べる試験です。

局所刺激性試験

被験物質を局所に適用し、その刺激性を調べる試験です。

吸入毒性試験

吸入装置を用いて、被験物質を全身に暴露した場合、あるいは口や鼻から吸入した場合の毒性を調べる試験です。

TK試験

被験物質を投与した際の血漿あるいは血清中の薬物の濃度を測定し、全身的暴露量を経時的に調べる試験です。

特性試験

被験物質の特性として、純度、含量や性状等を調べる試験です。

安定性試験

被験物質の安定性を調べる試験です。

依存性試験

被験物質の薬物依存性を調べる試験です。

薬理試験

安全性薬理試験

被験物質の薬理作用又は副作用の観察を目的として、ヒトでの安全性を予測するために行われる試験です。

薬効試験

被験物質の有効性を評価することを目的として行われる試験です。

薬物動態試験

被験物質投与後の生体内での被験物質及びその代謝物の時間経過に伴う吸収、分布、代謝、排泄等について調べる試験です。

 

非臨床試験は、厚生労働省が管轄する薬機法の下、GLP(注1)に従い実施しております。具体的には、運営管理者(注2)が指名した試験責任者(注3)の指揮監督の下で、試験計画書(注4)及び標準操作手順書(SOP)(注5)に従って適切に実験を実施し、その成績を最終報告書(注6)としてまとめ、委託者へ報告しております。なお、試験がGLPに従い適切に実施されていることについて、信頼性保証部門(注7)が試験全般にわたって客観的に調査することがGLPに定められております。

委託者による試験依頼から最終報告書に至る試験の流れは、次のとおりであります。

非臨床試験を実施するにあたっては、以下の要件が必要不可欠となります。

・GLPの厳格な適用

・専門知識と高い技術力を備えた人材の確保

・清浄度の高い飼育施設の維持管理

・試験成績の収集・測定・分析・解析等を行う専用機器の具備

・資料保管施設等が充分に整った環境

・高品質の実験動物の確保

多様な試験を迅速に開始できる体制を整えるべく、経験豊富で高い技術力を備えた研究者の確保、容易に各種実験動物を準備できるだけの検疫施設及び飼育・繁殖体制の整備、研究施設の諸設備の充実等を図っております。

当社では、ヒトとの遺伝子的類似性が高いことから医薬品の安全性と有効性を調べるのに有用性が高いとされている実験用NHPを用いた試験の実施が可能です。実験用NHPを用いた試験は、他の実験動物に比べて取扱いが困難であります。当社では自社開発した保定器具(国際特許取得)を用いることにより、安全に試験を実施できることに加え、動物にストレスを与えない状態で試験データ取得が可能で、信頼性の高い試験を実施できます。実験用NHPの取扱いは、輸入、検疫、飼育及び繁殖に関する基礎技術・ノウハウを保持している必要があります。加えて、当社敷地内には、農林水産大臣の指定を受けた検疫施設(保税倉庫)があり、実験動物としての品質や安定的数量を確保しております。

(注1)GLP:Good Laboratory Practiceの略語で、「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準」のことです。医薬品等の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち、動物による安全性試験データの信頼性を確保するために、試験実施施設が遵守しなくてはならない事項を定めたものです。1979年6月に世界で最初に米国においてGLPが実施され、これを契機として各国において各種のGLPが制定されました。我が国においては、1983年4月に実施された医薬品GLPが始まりで、現在では1996年の旧薬事法等の一部改正に伴い厚生省令として定められ、1997年4月より施行されました。なお、国内では医薬品GLPの他7種類のGLPが施行されています。

(注2)運営管理者:試験施設の運営及び管理について責任を有する者です。

(注3)試験責任者(SD:Study Director):運営管理者によって試験毎に指名され、当該試験の計画、実施、記録、報告等について責任を有する者です。

(注4)試験計画書(Protocol):試験の目的を達成するのに必要な試験方法、操作方法が確実に行われるようにするため、試験責任者が試験毎に作成した文書です。

(注5)標準操作手順書(SOP:Standard Operating Procedures):試験が恒常的に適正に実施されるように試験の操作、動物の飼育管理、機器の維持管理等について、実施方法及び手順を記載した文書です。

(注6)最終報告書(Final Report):試験責任者が、試験毎に試験成績を最終的に報告書として作成した文書です。

(注7)信頼性保証部門(QAU:Quality Assurance Unit):信頼性保証部門は、試験の信頼性を保証するための個人又は組織です。信頼性保証部門責任者は運営管理者によって、試験の担当者以外の者から指名されます。さらに、信頼性保証部門責任者は信頼性保証部門担当者を指名し、この信頼性保証部門責任者及び担当者は、客観的な目で試験全般にわたって調査しています。必要に応じて、試験の過程で見られた試験計画書等に従わなかったこと等について指摘、改善を勧告する役割を負っています。その活動の記録、報告は全て文書によって保存されています。

(5) 臨床事業について

非臨床試験の次の段階である臨床試験(治験)は、ヒトにおける治験薬の有効性と安全性を確認する試験となります。これは、製薬企業等が実施するものと位置付けられておりますが、ヒトでの試験であることから、製薬企業等は医療機関(医師を含む)に治験への参画を依頼することとなります。即ち、製薬企業等が医療機関に治験の実施を依頼し、医療機関がそれを受託することにより実施されます。

実施にあたって、製薬企業等(治験依頼者)は、治験の実施準備として、今までの非臨床試験を含めた成績をまとめて評価し、治験実施計画書(注1)案を作成し、その治験実施計画書案に従った治験ができる医師を選び、医師が所属する医療機関に治験の依頼手続きを行います。依頼を受けた医療機関は、治験実施計画書案が倫理的、科学的、医学的妥当性及び当該医療機関における実施可能性の観点から評価するために、治験実施の可否について治験審査委員会(IRB)(注2) に諮り、実施の承認を得て治験の契約を行います。その後、被験者の同意(インフォームド・コンセント)(注3) を得た上で、GCP(注4) 、治験実施計画書、標準業務手順書(SOP)(注5) 及び薬機法に従って治験を実施します。治験の結果は、症例報告書(注6)として作成され、治験終了通知書(注7)と共に治験依頼者に提出されて治験が終了します。これらの医療機関での治験の実施に関して、治験依頼者は治験がGCP及び治験実施計画書等に従って実施されていることを確認します。以上のように、治験は、製薬企業等と医療機関との間における様々な専門的な管理・運営の下で行われています。

当社では、関連会社である株式会社新日本科学PPDが、主に製薬企業等から臨床試験の管理を受託し、製薬企業の代わりに医療機関に訪問して治験の進捗を管理する事業(CRO事業)を行っております。

 

医薬品開発がグローバル化する中で国際競争を展開する製薬企業は、開発のスピードアップを重点課題としており、開発業務をアウトソーシングする動きが活発化し、医療機関では治験体制の整備に関するニーズが高まっております。近年、CRO業界においては、新規参入が相次ぎ競争が激化してきております。当社グループのCROは非臨床事業と共に築き上げた製薬企業等との強い信頼関係を活かして積極的な展開を行っております。当社は、1999年に臨床開発事業本部(後に臨床事業部と改称)を開設してから、これまでの国内に限定した臨床試験の実施から多国間で同時に行う国際共同試験(以下「グローバル試験」) や日本を含むアジア周辺の複数国で同時に行うアジア試験にトレンドが移りつつある中で、グローバル試験の受注には、世界で同時に臨床試験を運営・管理・実施できる多国間のグローバルネットワークの構築が必須であると判断し、グローバルCRO(注8)であるPharmaceutical Product Development, LLC. ( 以下「PPD」) と2015年4月1日に国内での合弁会社を設立致しました。両社の日本における臨床事業を統合することで、当社は、グローバル試験の国内実施体制の基盤が強固となり、PPDのグローバルネットワークを活用して、日本国内の臨床試験の受託のみならず、グローバル臨床試験を含む幅広い試験の受託が可能となります。なお、株式会社新日本科学PPDは、当社の持分法適用会社であります。

当社CRO事業における治験支援業務の種類及び業務内容は、次のとおりです。

 

業務の種類

業務の内容

治験薬概要書の作成支援

非臨床試験成績及び先行して実施された臨床試験成績に基づいてまとめた的確

な治験薬概要書の作成を支援しております。

治験実施計画書の作成支援

治験の目的、デザイン、方法、統計学的な考察及び組織について記述した文書

の作成を支援しております。

同意説明文書の作成支援

被験者から治験の参加に関する同意を得るために用いる文書の作成を支援して

おります。

治験責任医師の選定

治験実施医療機関の選定

治験を適切に実施できる治験責任医師及び実施医療機関を選定する業務です。

治験薬割付

治験薬の評価にバイアスを避けるために治験薬が特定できないようにする業務

です。通常、記号と算用数字を組み合わせて、あるいは算用数字で表示しま

す。

治験の依頼・契約

医療機関への治験の依頼及び契約をする業務です。

モニタリング

治験依頼者により指名されたモニターが、治験の進行状況を調査し、GCP及び治験実施計画書、標準業務手順書に従って、実施、記録及び報告されていることを保証する業務です。

品質管理

治験の品質管理を目的として行う点検業務です。

データマネジメント(DM:Data

Management)

治験データの確認業務のことで、DM業務担当者は、モニターが治験責任医師から入手した症例報告書の内容を確認して、治験実施計画書に定める事項からの逸脱、記入漏れ、不整合等を発見し、モニターを通じて治験責任医師にフィードバックします。データを固定後、統計解析業務担当者に提供する業務です。

統計解析業務

データマネジメント業務を通じて作成されたデータベースを用いて治験実施計

画書に定めた統計手法に基づき有効性、安全性の統計解析を行う業務です。

総括報告書の作成支援

治験の終了後、治験の目的、方法及び成績等をまとめた治験に関する報告書の

作成を支援しております。

電子申請支援

各種申請を支援しております。

官公庁への申請書類提出支援

官公庁への各種申請書類の作成や手続きを支援しております。

薬事コンサルティング

新薬の開発から申請、承認、製造販売後までにわたる様々な薬事コンサルティ

ング業務です。

 

(注1)治験実施計画書(Protocol):治験依頼者(製薬企業等)が治験責任医師と協議の上作成するもので、治験の目的、デザイン、方法、統計学的な考察及び組織について記述した文書です。

(注2)治験審査委員会(IRB:Institutional Review Board):治験を実施する医療機関に設置される委員会で、医学、薬学、看護学、法律学、倫理学等の専門家により構成されています。その医療機関が依頼を受けた治験を実施すべきかどうか等について、独立した立場で審査します。

(注3)インフォームド・コンセント(Informed Consent):被験者が、治験の目的や方法等、あらゆる角度から十分な説明がなされた上で、自由な意志によって治験への参加に同意し、書面によってそのことを確認することです。インフォームド・コンセントは、被験者の記名捺印( 又は署名) と日付が記入された同意書をもって証明されます。

(注4)GCP:Good Clinical Practiceの略語で、「医薬品の臨床試験の実施の基準」のことです。即ち、医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料収集のために行われる臨床試験(治験)を、十分な倫理的配慮のもとに科学的かつ適正に実施するための手順を定めたものです。1989年10月に厚生省薬務局長通知として公表され、翌1990年10月から実施に移されました。その後、より適正な臨床試験の実施と国際調和のために内容を見直された新GCPが、1997年3月に厚生省令として制定、1998年4月から本格施行され、以降適宜改正されております。

(注5)標準業務手順書(SOP: Standard Operating Procedures):治験に係る各々の業務が品質を確保する目的で、恒常的かつ適正に実施されるよう手順を標準化したものです。

(注6)症例報告書(CRF:Case Report Form):治験の成績等を治験依頼者に報告するために、治験実施計画書において規定されている各被験者の全ての情報を記録したものです。

(注7)治験終了通知書:治験終了後に医療機関が作成し、治験依頼者に提出するものです。

(注8)グローバルCRO:世界を網羅的にとらえて臨床試験を運営・管理・実施する多国間ネットワークを構築している国際的規模のCROのことを言います。

 

(6) トランスレーショナルリサーチ(TR)事業について

トランスレーショナルリサーチ(TR: Translational Research)とは、一般的には、基礎研究の領域と臨床応用の領域を繋ぐ橋をかけて、基礎研究の成果を臨床の現場で実証し、さらに臨床での成果を基礎研究の場にフィードバックさせる研究のことを言いますが、当社では基礎研究の成果を臨床における成果へと進展させ、更にそれを事業化することとして位置付けております。当社は、CRO事業において、非臨床試験から臨床試験に至る医薬品開発全般の支援業務を長年実施してきた実績を通じて、医薬品開発に関するノウハウが蓄積されたことに加えて、新規技術や候補物質の評価やそれを事業化するためのノウハウも蓄積されており、さらには人材面・資金面・経営面で支援を行うことも可能になりました。当社TR事業本部は、当社CRO事業によって培われた医薬品開発に関わる様々なリソースをフル活用して、自ら医薬品開発に取り組んでおります。TR事業本部は、独自の経鼻製剤技術と投与デバイス技術から成る経鼻投与基盤技術(SMART)の研究開発を実施しており、より効果的な全身作用を企図した鼻からの薬物吸収に関する応用、中枢作用を企図した鼻から脳への薬物送達に関する応用、及び感染防御を企図した鼻粘膜上の免疫に関する応用の、3応用領域において創薬を指向しております。その全体像を下図に示しました。これまでにTR事業本部から、経鼻片頭痛治療薬を米国Satsuma Pharmaceuticals, Inc.に、パーキンソン病の経鼻治療薬を国内株式会社SNLDにライセンスアウトしており、TR事業としてこれらの開発支援も行っています。2025年4月(米国時間)には、Satsuma社の経鼻片頭痛治療薬「AtzumiTM」(開発名:STS101)が当社技術に基づき開発されFDA承認を受けた第1号となりました。また、ワクチン事業に関しては、免疫学のオピニオンリーダー常駐のもとに、経鼻粘膜ワクチン研究開発センターにて遮断免疫作用を有する新規経鼻ワクチンの研究開発を推進しております。効果を高めるため至適抗原の選定/経鼻免疫に適したデバイス開発/アジュバントを加えた製剤化、などの各要素をシステムとして統合し、安全かつ有効なワクチンに仕上げる研究開発が進んでおります。TR事業本部とSNLDでは、臨床試験遂行のため、GCPに準拠した組織を構築しております。

 

 

(7) メディポリス事業について

メディポリス事業では、発電事業並びにホスピタリティ事業を運営しています。前者では、純国産エネルギーの創出推進という国のエネルギー政策をうけて、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の施行により、自社保有するメディポリス指宿敷地内に環境に配慮したバイナリ―式地熱発電所(1500kW級)を建設し、売電事業を行っております。加えて、既存のホテル泉源の余剰蒸気を活用した温泉発電所が2025年4月10日に稼働を開始しております。ホスピタリティ事業では、Wellbeingをテーマとし、お客様の利用目的に応じてメディポリス指宿の自然を堪能できる2つのホテル、「別邸 天降る丘」とよび「HOTEL フリージア」を運営しております。「HOTEL フリージア」は、一般社団法人メディポリス医学研究所メディポリス国際陽子線治療センターと連携し、医療とリゾートを融合させた新しい形のリゾートを提供しています。

(8) 米国不動産事業について

米国不動産事業は、米国子会社SNBL USA, Ltd.が保有する敷地内に建設した多目的産業用ビルを賃貸する事業を行っています。

(9) その他事業について

連結子会社となる特例子会社「ふれあい・ささえあい株式会社」は、身体が不自由な方や精神発達に遅れが出ている方が「働きたい」という思いを実現するために設立した会社です。新日本科学グループ内の業務支援として、清掃、事務、社内コンビニでの業務、福利厚生(鍼灸師によるマッサージ)などを行っています。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における売上高は32,413百万円と前連結会計年度に比べて5,963百万円(22.5%)の増加となっております。

営業利益は2,985百万円と前連結会計年度に比べて1,177百万円(28.3%)の減少、経常利益は6,450百万円と前連結会計年度に比べて565百万円(8.1%)の減少となり、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産除売却損232百万円、投資有価証券評価損169百万円、減損損失78百万円を計上したこと等から、4,924百万円と前連結会計年度に比べて606百万円(11.0%)の減少となりました。

 

当社グループのセグメント別業績は次のとおりであります。

(a) CRO事業

売上高は31,595百万円と前連結会計年度に比べて5,711百万円(22.1%)の増加となり、営業利益は、7,257百万円と前連結会計年度に比べて234百万円(3.3%)の増加となりました。

 

(b) トランスレーショナルリサーチ事業(TR事業)

売上高は54百万円と前連結会計年度に比べて14百万円(37.5%)の増加となり、営業損失は3,680百万円(前連結会計年度:営業損失2,469百万円)となりました。

 

(c) メディポリス事業

売上高は564百万円と前連結会計年度に比べて4百万円(0.7%)の減少となり、営業損失は422百万円(前連結会計年度:営業損失254百万円)となりました。

 

(d) 米国不動産事業

売上高は45百万円、営業損失は60百万円(前連結会計年度:営業損失20百万円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べて1,569百万円(15.3%)増加して、11,843百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は7,035百万円と前連結会計年度に比べて4,928百万円(233.9%)の増加となりました。

主な内訳は、税金等調整前当期純利益6,013百万円、減価償却費2,496百万円、持分法による投資利益3,513百万円、売上債権の増加額870百万円、前受金の増加額1,399百万円、利息及び配当金の受取額2,474百万円及び法人税等の支払額2,013百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は11,691百万円と前連結会計年度に比べて4,783百万円(69.2%)支出が増加となりました。

主な内訳は、有形固定資産の取得による支出10,853百万円及び投資有価証券の取得による支出925百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は5,914百万円と前連結会計年度に比べて595百万円(11.2%)の増加となりました。

主な内訳は、短期借入金の純増減額2,916百万円、長期借入れによる収入が14,000百万円あったことに対し、長期借入金の返済による支出8,826百万円を行ったこと、及び配当金の支払額を2,100百万円行ったためであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

CRO事業

37,512,536

130.9

トランスレーショナルリサーチ事業

54,161

464.1

メディポリス事業

470,398

98.5

米国不動産事業

45,980

報告セグメント 計

38,083,076

130.6

その他事業

1,317,178

140.7

合計

39,400,254

131.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

 

(b) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

CRO事業

31,842,294

112.2

34,464,895

102.8

トランスレーショナル

リサーチ事業

63,341

542.8

9,180

メディポリス事業

470,398

98.5

米国不動産事業

45,980

報告セグメント 計

32,422,014

112.3

34,474,075

102.8

その他事業

678,616

31.7

1,215,737

140.4

合計

33,100,630

109.5

35,689,813

103.7

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

 

(c) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

CRO事業

31,514,523

122.8

トランスレーショナルリサーチ事業

54,161

464.1

メディポリス事業

470,398

98.5

米国不動産事業

45,980

報告セグメント 計

32,085,063

122.7

その他事業

328,743

109.4

合計

32,413,807

122.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。

(a) 概要

医薬品業界は、国内外において研究開発のスピードアップと費用の効率化並びに規制当局への対応簡素化を期待してCROへのアウトソーシングの動きが引き続き活発化しています。加えて核酸医薬、次世代抗体医薬、ペプチド医薬、遺伝子治療、細胞治療、再生医療などの新規創薬モダリティ(治療手段)の研究開発が本格化してきています。このようなトレンドを受け、新規創薬モダリティの研究開発支援で高い実績をもつ当社は、“オンリーワンのダントツのCRO”としてクライアントから第一に指名される存在になることを目指しており、顧客ニーズを満たす迅速な対応とサービスの向上並びに継続的な品質の向上に注力しております。

(b) CRO事業

CRO事業は、細胞・実験動物等を用いる非臨床試験(または前臨床試験)を受託する非臨床事業と、臨床試験を受託する臨床事業から構成されます。

当社の非臨床事業は、業界では国内最大手であり、実験用NHPを用いた数多くの試験実績から世界的に第2グループの一角と認識されています。2025年3月期の非臨床事業は順調に推移しました。非臨床事業業績の先行指標である受注高の2020年3月期から当連結会計年度までの5年平均成長率(CAGR)は19%となっています。当社がこれまで実施してきた以下の取組みが成果を表してきております。

 

・CROとして世界で唯一構築できている「自社グループ内における実験用NHP繁殖・供給体制」が新たな創薬モダリティの研究開発の本格化等により重要性を増しています。加えて海外でのNHPの入手困難な環境が当社にプラスに働き受注に繋がっています。また、2023年3月期より本格的に国内でのNHP繁殖体制を強化し、輸入リスクの軽減と品質向上を目指しております。当連結会計年度には計画どおり繁殖施設を増築し、既に稼働しております。

・生体試料中の医薬品等開発候補品(被験物質)やバイオマーカーの濃度分析をバイオアナリシスと呼びます。当社は新たな創薬モダリティの有効性・安全性評価に必要な最新鋭装置を導入し、被験物質測定系やバイオマーカー評価系を早い時期から構築してきたことが、上記「自社グループ内における実験用NHP繁殖・供給体制」構築と相乗効果を発揮し、バイオアナリシスの受注増に繋がっております。

・これらの取組みを高く評価いただいた複数の製薬企業とプリファード契約(予め選定したCROに優先的に委託する契約)を締結し、受注増に繋がっております。当連結会計年度は、海外営業人員を増加させ、営業活動を強化しております。海外受注の増加に対応するため、安全性研究所に海外顧客専任チーム(Global Study Team: GST)を2024年11月に新たに組成しました。

・国内大手製薬企業との創薬段階における包括的研究受託契約も顧客数が順調に推移しており、複数の企業から創薬初期段階からの開発研究を受注しております。

・2022年12月から鹿児島本社で進めてきた新社屋研究棟建設(地上8階建・2棟)が2024年5月末に竣工し、6月18日に落成式を行いました。新棟はバイオアナリシス実験室の拡張をはじめ非臨床事業における大型受注に対応できる体制を構築するうえで重要な役割を担っており、2024年9月から本格運用を開始しました。新社屋研究棟には、新規安全性評価システム(New Approach Methodologies: NAMs)として期待されているMPS (Microphysiological System:生体模倣システム)の受託のための専用実験室も設置しております。なお、当社は2025年4月に国内CROとして初めてMPSの受託サービスを開始しております。

 

上記取組みの結果、当連結会計年度における非臨床事業の受注高は32,109百万円と過去最高となり、前年度から4,697百万円(17.1%)の増加となりました。当連結会計年度末の受注残高は34,394百万円となりました(2024年3月末比1,182百万円増)。

臨床事業は、米国に本拠を置くグローバル臨床CROであるPPD, Inc.(以下、PPD社)との合弁会社、株式会社新日本科学PPD(以下、新日本科学PPD)において主に国際共同治験の受託事業を展開しており、2025年4月に設立10年を迎えました。PPD社は、2021年12月に世界的な大手医療機器企業であるThermo Fisher Scientific Inc.グループに加わったことにより、受注シナジーを高めることを目指しております。新日本科学PPDは、PPD社が受託した国際共同治験における日本エリアの実施を主力事業としており、グローバル企業でありながら、当社がこれまで長年培ってきた経営・教育ノウハウを取り入れ定着率の高い職場環境を整えることで、ハイレベルな受注残高を背景に、設立以来高い成長率を実現してきております。

新日本科学PPDの2024年度の売上高は21,898百万円と過去最高を更新し、前年度比3,157百万円(16.8%)増加となりました。営業利益も、10,618百万円と過去最高を更新し、前年度比1,965百万円(22.7%)の増加となりました。新日本科学PPDの当連結会計年度の「持分法による投資利益」は3,272百万円(前年度は2,631百万円)と大幅に増加し過去最高となり、当社の2つ目の成長エンジンとなっています。

CRO事業全体の当連結会計年度の売上高は、31,595百万円と前年度比5,711百万円(22.1%)増加し、過去最高を更新しました。同事業の営業利益は7,257百万円と前年度比234百万円(3.3%)増益、売上高営業利益率は23.0%になっております。

(c) トランスレーショナルリサーチ事業(TR事業)

トランスレーショナルリサーチ事業(TR:Translational Research、以下、TR事業)とは、自社研究開発のほか、国内外の大学、バイオベンチャー、研究機関などにおいて基礎研究から生まれる有望なシーズや新技術を発掘し、付加価値を高めて事業化又は株式上場、あるいはM&Aにつなげる研究開発型の事業です。

1997年以来、TR事業の主軸として探求してきた独自開発の経鼻製剤投与基盤技術(SMART)は、担体組成をベースとした、粉体製剤技術と投与デバイス(医療機器)を組み合わせたプラットフォーム技術です。鼻粘膜での薬物滞留を向上させることで薬剤の速やかで高い吸収を可能にしており、加えて注射に比べて投与が簡易であり、製剤の室温保存も可能という強みがあります。

経鼻製剤投与の事業化は、Satsuma社が経鼻片頭痛薬の臨床試験を終了し、2024年10月30日にFDAに対し新薬承認の再申請を行い、2025年4月30日(米国時間)にFDAより経鼻片頭痛薬「Atzumi™」(開発コード:STS101)に関して販売承認を取得しております。加えて、パーキンソン病のオフ症状治療のための点鼻レボドパ粉体経鼻薬(開発コード:TR-012001)の開発は、当社連結子会社の株式会社SNLD(以下、SNLD社)で進めています。Satsuma社の経鼻片頭痛薬「Atzumi™」は、片頭痛に対して豊富な効果実績を有するジヒドロエルゴタミンを有効成分とし、臨床試験では速やかで持続的な吸収と高い安全性が確認され、使い勝手と携帯性に優れた経鼻剤です。Satsuma社が実施したSTS101の臨床第3相長期安全性試験(試験名ASCEND)の成果に基づく論文は、中枢神経疾患の薬物療法に関して権威のある国際医学専門誌CNS Drugsに掲載されました。この論文の筆頭著者は、米国頭痛学会フェローで、頭痛領域では国際的に著名なStewart J.Tepper博士です。Tepper博士からは、Satsuma社のプレスリリースに「STS101は安全性と忍容性が高く、患者さんが長期にわたって使用しやすいことがデータで実証されたことをうれしく思います。これは、既存の治療法では十分な頭痛緩和効果が得られなかった片頭痛患者と、新しい治療法を求めている治療医の両者にとって非常に重要な情報です。ここ数年でいくつかの新しい薬剤が導入されましたが、経口投与では迅速な緩和が得られない多くの患者さんに新しい非経口治療の選択肢が極めて必要となります」とのコメントをいただいております。

パーキンソン病のオフ症状治療を目的とした経鼻レボドパ薬(TR-012001)について、SNLD社は国内の患者12例を対象とした探索的第2相試験の成績を、2025年4月開催の第77回米国神経学会で発表しました。また、改良開発品(TRN501)は2024年8月に第1相試験の投薬を完了し、現在データ解析と総括報告書の作成を進めています。

もう1つの経鼻製剤開発プロジェクトとして、経鼻粘膜免疫作用を期待した経鼻粉体ワクチンの研究を行っております。当社が開発する経鼻ワクチンは、ウイルス感染そのものを起こさせない(これを「遮断免疫」と言います)効果が期待できる有用性の高いワクチンとなります。本プロジェクト(「粉体噴射型IgA産生誘導経鼻ワクチンシステムの開発」)は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)内に設置した先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の支援対象として採択され、約1億円の補助金を獲得しております。現在はインフルエンザを対象としたProof Of Concept(以下、POC)取得に向けて製剤化研究と非臨床試験を進めています。

1999年以来の米国拠点でのCRO・TR事業の実績と、日米のアカデミア・投資家等とのネットワークを活用し、「SNBL Global Gateway(SGG)」プロジェクトを展開しています。本プロジェクトでは、研究、人材育成、ビジネスインキュベーション、情報発信を通じてグローバルなビジネス創出を推進しています。2024年9月にはSBIグループと共同で、北米のスタートアップ企業を対象としたファンドを設立し、日米ベンチャー企業の市場進出を支援しております。2025年1月にはJ.P.Morgan Healthcare Conference期間中にレセプションを開催し、日米のバイオテック・投資家との連携を強化しました。今後も両社の強みを生かし、事業拡大を図ってまいります。

こうした中、TR事業の当連結会計年度の売上高は、54百万円(前年度:39百万円)となり、Satsuma社の経費2,323百万円が計上(前年度:1,344百万円)されたこともあり、営業損失は3,680百万円(前年度:営業損失2,469百万円)となりました。

 

(d) メディポリス事業

当社は、鹿児島県指宿市の高台に103万坪(3,400,000㎡)の広大な敷地「メディポリス指宿」を保有しており、この自然資本を活用したメディポリス事業を社会的利益創出事業として展開しています。社会的利益創出事業は、「環境、生命、人材を大切にする会社であり続ける」と掲げた企業理念を体現するものであり、経済的利益のみならず、社会や環境課題といった視点からの社会的利益を一体的に創出しています。具体的には、再生可能エネルギーを活用した発電事業や人々のウェルビーイング、つまり全人的な健康の実現をメインコンセプトとしたホテル宿泊施設の運営(ホスピタリティ事業)などを行っております。

発電事業は、2015年2月より1,500キロワット級のバイナリー型地熱発電所を運営しております。地熱発電はCO2排出量がほぼゼロであり、日中夜間を通じて天候に左右されず、年間を通して安定的な発電が可能なベースロード電源として期待されています。また、新規発電プロジェクトとして、ホテルで浴用や床暖房に使用している泉源の余剰蒸気を活用した温泉発電所(年間発電量は400万kWh)が2025年4月に稼働を開始しました。

ホスピタリティ事業は、お客様のニーズに合わせる形でホテル施設を稼働しております。ホスピタリティ事業を行っている意義は主に2点あります。1つは企業価値向上という視点で、人々のウェルビーイングに貢献することです。もう1つは新日本科学における顧客へのおもてなしマインド向上に貢献することです。ホスピタリティ事業を通して、新日本科学グループとしてのおもてなしマインドを一層強化し、それを主力のCRO事業にも還元していくことは、当社が世界で戦っていくうえで重要な役割を果たしています。

メディポリス事業の当連結会計年度の売上高は、564百万円と前年度比4百万円(0.7%)減少となりました。営業損益は、発電事業において発電機の点検・修繕により発電停止が生じたこと等により422百万円の営業損失(前年度営業損失:254百万円)となりました。

 

(e) 財政状態の分析

当連結会計年度における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりとなりました。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ16,114百万円(21.1%)増加し、92,416百万円となりました。流動資産は、「現金及び預金」が1,757百万円(17.1%)増加したことにより、前連結会計年度末に比べ2,102百万円(6.8%)増加して32,939百万円となりました。

固定資産は、設備投資の増加に伴い「有形固定資産」が8,474百万円(32.2%)増加したことや「投資有価証券」が4,526百万円(29.7%)増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ14,012百万円(30.8%)増加して59,476百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べ10,189百万円(24.2%)増加し、52,330百万円となりました。

「短期借入金」が3,951百万円(50.5%)増加したこと、「前受金」が1,399百万円(14.7%)増加したこと、並びに「長期借入金」が4,123百万円(22.7%)増加したことなどによるものであります。

純資産は、前連結会計年度に比べ5,924百万円(17.3%)増加し、40,085百万円となりました。

「利益剰余金」が2,871百万円(16.7%)増加したこと、「その他有価証券評価差額金」が2,387百万円(65.5%)増加したことによるものであります。

(f) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、医薬品開発に係わるGLPやGCPといった法的規制に対する適合性の調査等で高い評価を受けております。しかしながら、クライアントの創薬開発競争が激化し国際化、高度化及び大型化していく中で、当社グループは、サービスの質を継続的に高めていくと共に、グローバル化し複雑化していく顧客ニーズに対し的確に対応しつつ成長を維持していくために、設備、人材面での投資が不可欠となっております。人材の育成には時間を要する部分があり、また施設に対する投資も規模の経済性の観点からも先行的に行う必要が生じます。

とりわけ、日本よりもはるかに巨大な市場を有する欧米等の海外クライアントからのニーズに迅速かつ的確に対応していくためには、海外の規格や法的規制に対応可能な体制を整えることが戦略的に重要であると考えております。海外の規格や基準に適合性をもつためには、十分なる準備や適合性に関する調査への対応が必要であります。

従って、事業のグローバルな競争力の向上と事業規模拡大のためには、これらに継続的に取り組む必要があり、その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(g) 戦略的現状と見通し

CRO事業は、中長期的な視点で国内外の顧客からの要望に対して、確実に応えられる体制構築に取り組んでおります。抗体医薬、核酸医薬、遺伝子治療、再生医療などの新規創薬モダリティ分野の研究支援では、最新装置の導入及び評価系の構築などの投資へも積極的に取り組んでおり、他施設では実施困難な案件を受託できております。また、新型コロナウイルスに対するワクチンあるいは治療薬の研究・開発についても、当社のリードタイム短縮などの取組みを顧客に評価いただき、多くの案件を受託しております。

TR事業は、当社独自の経鼻投与基盤技術(SMART)を用いた既存薬剤の投与経路変更による医薬品開発など、パートナー企業とのアライアンス構築を進めており、特に国外の製薬企業との、複数の候補薬剤ライセンスアウト・共同開発交渉を継続します。また、米国で経鼻片頭痛治療薬「Atzumi™」(開発コード:STS101)の販売承認を取得したSatsuma社に対し、パートナリングに向けた支援をしてまいります。当社連結子会社であるSNLD社では、当社TR事業本部が業務委託契約を結び、ハンズオンで開発をサポートしています。パーキンソン病のオフ症状治療のための経鼻レスキュー薬TR-012001の第2相前期臨床試験は2024年1月に終了しました。更なる利便性向上を企図した、TR-012001の改良開発品(TRN501)についても2024年8月に臨床第1相試験における日本人健康成人への投薬を完了し、データ解析と総括報告書の作成を進めており、国内外での学会発表を計画しています。経鼻粘膜免疫作用を期待したワクチンの研究開発については、経鼻粘膜ワクチン研究開発センターを主体として活動推進してまいります。また、Gemseki事業部において、創薬シーズ・技術に関するライセンス仲介事業をグローバルベースで積極的に展開すると共に、子会社Gemsekiインベストメント社において投資事業を推進してまいります。

メディポリス事業では、従来の地熱発電所に加えて、既存の泉源を活用した温泉発電所の稼働開始に向けた準備を進めております。ホテル事業は、サービスの質のさらなる向上に加え、積極的なインバウンドの受け入れ体制強化にも注力し、より強固なブランディングを通して集客力の強化を行ってまいります。その他、メディポリス指宿の資源を最大限活用すべく、地熱由来の電力を使用したグリーン水素製造を含む様々な取組みを検討しております。

(h) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、ここ数年の世界的な新薬開発における国際化、大型化、高度化等の動向や製薬企業のコスト意識の高まりから製薬業界の経営環境は大きく変化することが考えられ、経営施策を機動的かつ柔軟に展開していくことが要求されております。

CRO事業においては、戦略的に取り組んできた欧米顧客からの引き合いが活発化しています。確立していた実験用NHPのサプライチェーンが功を奏し、新しいタイプの医薬品開発で需要が高まっているNHP試験を他社よりもリードタイムを短く、確実に実施できる点が、差別化のポイントとなっています。さらに、サービスを受けた顧客からは、品質の高さと柔軟性についても高い評価を受けています。今後もサプライチェーンマネジメントの強化施策を実施してまいります。その一環として、カンボジアの当社グループ施設の繁殖体制強化とともに、日本国内での繁殖育成の取組みも強化しております。今後も効率的かつ効果的に各種試験を適切なタイミングで行えるオンリーワンの事業価値を継続して提供してまいります。新たな取組みとしては、新しい安全性評価のアプローチであるNAMs(New Approach Methodologies)のひとつとして近年、注目を集めているMPS(Microphysiological System、生体模倣システム:生体組織や臓器の機能や構造を模倣したシステム)を、国内CROとして受託開始しており、新技術についても製薬企業のニーズをしっかり把握してまいります。

TR事業では、SMARTを用いた医薬品がFDAから販売承認を得たことから、Satsuma社の事業は投資回収を進めます。同時に、SMARTを活用して開発中のパーキンソン病の治療薬やインフルエンザの予防ワクチンの開発については、その事業化の可能性を見極めながら開発に取り組んでまいります。

2024年7月には、当社が米国ワシントン州に保有する施設を活用しバイオベンチャーのインキュベーション事業を行うSNBL Global Gateway (SGG)を開設しています。米国を拠点に日本と米国のバイオベンチャーを研究開発と資金の両面で支援することで、長期的には現在当社の主力であるCRO事業への貢献だけでなく、将来SGG事業を当社の収益の柱の一つとなるよう、成長させたいと考えています。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) 資金需要

当社グループの資金需要は、主に設備投資等の投資及び運転資金等となっております。設備投資等の投資を行うにあたっては、案件ごとに投資の回収可能性や収益向上の点から検討を行い、重要なものについては取締役会での決議を経て決定するなど、社内の所定の手続に従って決定しております。計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画(1)重要な設備の新設等」に記載のとおりです。

(b) 資金の源泉

営業キャッシュ・フローからの収入で賄いきれないものについて、借入により調達しております。また、設備投資の一部についてファイナンス・リースを利用しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物等の残高は11,843百万円となっております。

(c) 有利子負債

 当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は34,606百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定

 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。

以下「連結財務諸表規則」) に基づいて作成しております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営責任者(CEO)が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、医薬品開発のプロセスをもとに事業単位を構成しており、「CRO事業」、「トランスレーショナル リサーチ事業」、「メディポリス事業(社会的利益創出事業)」及び「米国不動産事業」の4つを報告セグメントとしております。

 「CRO事業」は、主に製薬企業等の委託者により創製された被験物質について、実験動物や細胞・細菌を用いてその有効性と安全性を確認する事業であります。「トランスレーショナル リサーチ事業」は、経鼻投与製剤等の開発、大学あるいはバイオベンチャー、研究機関などにおける基礎研究から派生してくる有望なシーズ技術や新規物質を発掘して、医薬品などの評価・承認に必要な非臨床試験や臨床試験を行いながら、基礎理論を臨床の場で実証することにより、付加価値を高めて事業化する事業であります。「メディポリス事業」は、宿泊施設運営及び地熱発電事業であります。「米国不動産事業」は、米国子会社SNBL USA, Ltd.が保有する敷地内に建設した多目的産業用ビルを賃貸する事業であります。なお、「米国不動産事業」は、事業の重要性が高まったため、前連結会計年度から遡及し、報告セグメントとして新たに区分表示しております。この変更により、前連結会計年度の「その他」のセグメント資産および有形固定資産及び無形固定資産の増加額が3,520,873千円減少しており、「米国不動産事業」、「トランスレーショナルリサーチ事業」、「CRO事業」の同項目がそれぞれ2,789,848千円、726,486千円、4,540千円増加しております。前連結会計年度の「CRO事業」のセグメント間の内部売上高又は振替高が、26,155千円減少し、「トランスレーショナルリサーチ事業」の同項目が同額増加しております。前連結会計年度の「CRO事業」のセグメント利益が、24,360千円増加し、「米国不動産事業」、「トランスレーショナルリサーチ事業」のセグメント損失が、それぞれ20,150千円、4,210千円増加しております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項における記載と概ね同一であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

 

CRO事業

トランス

レーショナル

リサーチ事業

メディポリス事業

米国不動産

事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

25,660,795

11,670

477,550

-

26,150,016

セグメント間の

内部売上高又は振替高

222,826

27,712

91,527

-

342,066

25,883,621

39,382

569,078

-

26,492,082

セグメント利益

又は損失(△)

7,023,314

△2,469,596

△254,432

△20,150

4,279,134

セグメント資産

38,751,685

1,942,443

2,161,806

2,789,848

45,645,782

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

1,374,924

14,845

177,057

-

1,566,827

持分法投資利益

又は損失(△)

2,752,023

-

-

-

2,752,023

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

4,481,341

998,763

137,584

2,789,848

8,407,535

 

 

 

 

(単位:千円)

 

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

外部顧客への売上高

300,452

26,450,468

-

26,450,468

セグメント間の

内部売上高又は振替高

1,106,929

1,448,996

△1,448,996

-

1,407,382

27,899,465

△1,448,996

26,450,468

セグメント利益

又は損失(△)

88,246

4,367,380

△205,021

4,162,359

セグメント資産

2,999,833

48,645,616

27,656,730

76,302,347

その他の項目

 

 

 

 

減価償却費

207,496

1,774,323

-

1,774,323

持分法投資利益

又は損失(△)

△214

2,751,809

-

2,751,809

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

118,085

8,525,620

-

8,525,620

 

(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり建設事業等を含んでおります。

2.セグメント利益又は損失の調整額△205,021千円は、セグメント間取引消去△78,087千円、各報告セグメントに配分していない全社費用△126,934千円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。セグメント資産の調整額27,656,730千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産は、主に余資運用資金(現金及び預金等)、長期投資資金(投資有価証券等)であります。

3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

 

CRO事業

トランス

レーショナル

リサーチ事業

メディポリス事業

米国不動産

事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への

売上高

31,514,523

54,161

470,398

45,980

32,085,063

セグメント間の

内部売上高又は振替高

80,587

-

94,536

-

175,124

31,595,111

54,161

564,934

45,980

32,260,188

セグメント利益

又は損失(△)

7,257,733

△3,680,520

△422,318

△60,500

3,094,393

セグメント資産

43,916,452

3,114,273

2,087,360

6,223,891

55,341,979

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

1,956,418

51,592

182,550

43,294

2,233,856

持分法投資利益

3,512,519

-

-

-

3,512,519

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

7,731,073

216,781

68,983

2,973,302

10,990,140

 

 

 

 

(単位:千円)

 

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

外部顧客への

売上高

328,743

32,413,807

-

32,413,807

セグメント間の

内部売上高又は振替高

1,461,538

1,636,662

△1,636,662

-

1,790,281

34,050,470

△1,636,662

32,413,807

セグメント利益

又は損失(△)

△26,611

3,067,781

△82,566

2,985,215

セグメント資産

3,046,649

58,388,629

34,027,878

92,416,508

その他の項目

 

 

 

 

減価償却費

262,998

2,496,854

-

2,496,854

持分法投資利益

663

3,513,182

-

3,513,182

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

400,443

11,390,584

-

11,390,584

 

(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり建設事業等を含んでおります。

2.セグメント利益又は損失の調整額△82,566千円は、セグメント間取引消去31,538千円、各報告セグメントに配分していない全社費用△114,105千円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。セグメント資産の調整額34,027,878千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産は、主に余資運用資金(現金及び預金等)、長期投資資金(投資有価証券等)であります。

3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

日本

アメリカ合衆国

韓国

その他

合計

17,811,980

4,481,908

3,763,365

393,214

26,450,468

 (注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

(2)有形固定資産

(単位:千円)

日本

アメリカ合衆国

その他

合計

17,379,119

8,586,065

392,481

26,357,666

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

日本

アメリカ合衆国

韓国

その他

合計

21,524,370

6,372,363

4,018,865

498,206

32,413,807

 (注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

(2)有形固定資産

(単位:千円)

日本

アメリカ合衆国

その他

合計

22,276,466

11,392,982

1,163,069

34,832,518

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

連結合計又は会社合計

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

 

CRO事業

トランスレーショナルリサーチ事業

メディポリス

事業

米国不動産事業

減損損失

-

32,220

-

-

32,220

2,409

-

34,629

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

連結合計又は会社合計

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

 

CRO事業

トランスレーショナルリサーチ事業

メディポリス

事業

米国不動産事業

減損損失

-

25,982

-

-

25,982

52,150

-

78,132

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

連結合計又は会社合計

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

 

CRO事業

トランスレーショナルリサーチ事業

メディポリス

事業

米国不動産事業

当期償却額

74,741

18,921

-

-

93,662

-

-

93,662

当期末残高

1,364,027

570,391

-

-

1,934,419

-

-

1,934,419

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

連結合計又は会社合計

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

 

CRO事業

トランスレーショナルリサーチ事業

メディポリス

事業

米国不動産事業

当期償却額

74,741

39,497

-

-

114,238

-

-

114,238

当期末残高

1,289,286

594,943

-

-

1,884,230

-

-

1,884,230

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。