リスク
3【事業等のリスク】
当社の戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下の通りであります。以下に記載したリスクは、当社の全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。主なリスクは、「各事業領域におけるリスク」と「各事業領域共通のリスク」に分類しています。
なお、本文中における将来に関する事項は、特段の記載がない当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)各事業領域におけるリスク
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
CRO事業 |
◆非臨床事業 ①実験動物を安定的に調達できないリスク ②非臨床試験において、実験動物(特にNHP)を用いた試験の優位性が低下するリスク ③試験施設における感染症等の発生のリスク ④動物福祉に関する法令、指針、基準に反した行動が行われるリスク |
◆非臨床事業 ①実験動物の不足による、試験計画の見直し、試験数の減少 ②競合他社との差別化が十分に図れないことによる、当社の市場優位性の低下 ③感染症の発生による、試験計画の見直し、試験の一時的中断 ④法令による処罰、訴訟の提起、社会的制裁を受け、お客様からの信頼の失墜 |
◆臨床事業 ①被験者に健康被害が生じるリスク |
◆臨床事業 ①治験の中断・中止 |
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主な対策 |
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◆非臨床事業 ①当社はCROとして唯一、自社グループ内における実験用NHPの繁殖供給体制を確立しており、安定的な調達体制を整えています。 ②現状、NHPはヒトとの遺伝子類似性が9割以上もあることから、非臨床試験における優位性は高いとされており、特に抗体医薬品、核酸医薬品や遺伝子治療薬等のバイオ医薬品の非臨床試験における当該需要は拡大する傾向にあるものと考えております。一方で、Microphysiological systems(MPS)をはじめとした動物や人由来の細胞や組織を用いたin vitro試験についても、動物実験の一部を代替する目的で研究が進んでおり、当社においても導入へ向け検討を進めています。 ③GLP基準に基づく研究施設は、試験従事者等の入退出管理を含めて、安全管理・衛生管理には万全の態勢を構築しております。また、当社グループの在外企業においては、所在する各国における関連法律・制度による諸規制を受けておりますが、いずれも国内と同様に、安全管理・衛生管理には万全の態勢を構築しております。 ④当社はGLP基準に適合した業務遂行を行うと共に、実験動物を用いるに際しては「動物の愛護及び管理に関する法律」、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」等の適用法令及び動物実験に関する指針を遵守し、実験動物の適正な管理を行うと共に、実験動物の苦痛の軽減に努め、試験に用いる実験動物数の削減につながる代替法の開発にも注力しております。 |
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◆臨床試験 ①医薬品の開発元であるクライアントとしっかりと連携しながら、GCP基準に準拠した業務遂行を行っております。医薬品の安全性情報について、国内チームだけでなく、グローバル(PPD)の部門とも協働しながら、世界中の医薬品に関する情報を集積し、分析・評価し、適切な安全対策をとることによって、健康被害が生じるリスクの軽減に努めております。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
TR事業 |
①開発パイプラインの期待された有効性有用性の確認ができず、研究開発が中止となるリスク ②被験者に健康被害が生じるリスク |
①費やした多額の費用の回収不能 ②治験の中断、中止 |
主な対策 |
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①現在の開発パイプラインは、既に医薬品として承認された有効成分を用いた新製剤です。そのため、有効成分自身の有効性は担保されています。一方で、新製剤としての有効性については、GCP及び治験薬GMP基準に準拠した業務遂行を行うと共に、当社の非臨床事業と連携して、適切な評価動物の選択や評価方法の選択を含めた非臨床試験の実施による事前評価も行っております。 ②現在の開発パイプラインは、既に医薬品として承認された有効成分を用い新製剤です。そのため、その有効成分を含む既存承認薬の使用実績から、有効成分自身に関する健康被害リスクを予測することができるため、それに基づいた対策を講じております。一方で、新製剤としての健康被害リスクに対しては、GCP及び治験薬GMP基準に準拠した業務遂行を行うと共に、適切な非臨床試験による評価や想定する製品ライフサイクルを踏まえたリスク管理にも努めております。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
メディポリス事業 |
◆ホスピタリティ事業 ①景気動向や海外情勢の影響を受けるリスク ②食品の衛生事故が発生するリスク |
◆ホスピタリティ事業 ①個人消費の低迷や観光需要(訪日外国客の減少など)による稼働率の低下 ②一時的な営業停止、営業許可の取消、お客様からの信頼の失墜 |
◆発電事業 ①生産井の蒸気量が減衰するリスク ②還元井の熱水還元能力が低下するリスク ③発電設備・蒸気熱水処理設備の故障リスク |
◆発電事業 ①、②、③発電量の減少、発電停止 |
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主な対策 |
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◆ホスピタリティ事業 ①国内外それぞれに対してマーケティングを強化し、それぞれに適したアプローチを行うことで、継続的な顧客集客ができる体制を構築している。また、パンデミックのような有事の際は、グループ企業である強みを活かし、人の移動によって人件費のコントロールを行うことでコストの最小化を図ることができる。 ②衛生管理マニュアルを作成、衛生管理責任者を設置し、常にチェックをしている。また、毎月の糞便検査により、感染拡大を未然に防ぐ手段を講じている。感染が発覚した際は、感染者は再検査で陰性になるまで自宅待機としており、該当者が触れた部位に関してはハイクロソフト水で除菌を行っている。 |
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◆発電事業 ①現在のところ、生産井から噴気する蒸気量の減衰は確認されておりません。今後も随時蒸気量をモニタリングし、減衰が確認された場合には、補充井掘削等の必要蒸気量を供給するための対策を検討および実施してまいります。 ②熱水還元能力が低下する主要因としては、熱水に含まれるスケールが析出し、還元井内部を閉塞させていることが考えられます。当社では、定期的に還元井内部のスケール除去工事を実施することで長期的に熱水還元が継続出来るよう努めております。 ③日常点検や発電設備を停止して行う年次点検を基にした予防保全を実施しております。 |
(2)各事業領域共通のリスク
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
人権 |
①当社の事業活動により、サプライチェーンの取引先を含めて、直接または間接的に人権に影響を及ぼすリスク |
①企業に対する社会からの要請に十分に応えられないことによる企業価値の低下 |
主な対策 |
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①当社は、「人権尊重に関するポリシー」を制定しています。「ビジネスと人権に関する指導原則」の理念に賛同し、「国際人権章典」および「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」等の人権に関する国際規範ならびに国内の関連法令などに加え、当社企業理念である「環境・生命・人材を大切にする会社であり続ける」に則った独自の倫理綱領を軸として、役職員、取引先、地域コミュニティ等の全ステークホルダーに対して人権を尊重した事業活動を推進しています。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
環境 |
①気候変動による物理的リスク ②脱炭素社会への移行リスク ③環境対応の不足、遅れによるレピュテーションリスク |
①温暖化による自然災害の激甚化等による一時操業停止 ②対応費用や炭素税などによるコストの上昇 ③企業に対する社会からの要請に十分に応えられないことによる企業価値の低下 |
主な対策 |
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当社は2020年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動に関連する当社のリスクおよび機会を継続的にモニタリングし、TCFD提言に沿った情報開示の拡充に取り組んでいます。 https://www.snbl.co.jp/esg/tcfd/ (※TCFD提言に沿った情報開示は毎年夏頃に見直し・更新しています) |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
サプライチェーン |
①自然災害や感染症、地政学リスクの影響等によりサプライチェーンが分断するリスク |
①原材料の調達が困難となることによる事業活動の一時制限や中断 |
主な対策 |
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①当社は、これらサプライチェーンに係るリスクに備え、サプライヤー行動規範の制定、損害保険の加入、事業継続計画(BCP)の策定、備蓄機能の強化、サプライヤーとの情報共有体制の構築など、安定的なサービス提供のための体制を整備しております。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
法的規制・ コンプライアンス |
①法令違反や社会の要請に反した行動が行われるリスク |
①法令による処罰、訴訟の提起、社会的制裁を受け、お客様からの信頼の失墜 |
主な対策 |
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①当社は企業理念である「環境、生命、人材を大切にする会社であり続ける」に基づいた倫理綱領を制定し、ステークホルダーに対して新日本科学グループの一員として希求される行動規範を「コンプライアンス行動指針」としてまとめ、全役職員に理念手帳を配布し指針の周知徹底を図っています。また、コンプライアンスに関する最新情報や事例について、毎月e-learningによる社内研修を実施しています。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
財務・税務 |
①外国為替相場の変動による円換算後の価値が変動するリスク ②市場金利の変動による支払利息が変動するリスク |
①特に米ドルに対する円高進行が経営成績に悪影響を及ぼす可能性 ②市場金利の上昇に伴う支払利息の増加により金融収支が悪化する可能性 |
主な対策 |
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①必要に応じて為替予約を利用するなどして為替変動リスクを低減しています。 ②長期借入金の大半を固定金利による調達とすることで、金利変動リスクの低減を図っています。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
情報セキュリティ |
①サイバー攻撃、情報セキュリティ事故、情報漏洩等に関するリスク |
①個人情報や重要な営業機密の情報漏洩によるお客様の信頼の失墜や損害賠償の発生、サイバー攻撃による業務の一時停止 |
主な対策 |
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①当社グループでは秘密情報を厳重に管理すると共に、役職員に対しては、個別に秘密情報の保全を義務付ける機密保持契約を締結し、在籍中、退職後を問わず、厳重に機密保持が遵守されるように注力しております。 また、セキュリティインシデントを想定した訓練を定期的に実施するとともに、社内ネットワークへのウイルス拡散を防止するため、パソコン毎にセキュリティソフトウェア製品を導入しております。加えて、ランサムウェア等による情報漏洩対策として、パソコン毎にEDR(Endpoint Detection and Response)製品を導入しております。また、クラウドサービスの利用拡大に対処すべく、当社のセキュリティモデルを従来の境界型セキュリティモデルからゼロトラストセキュリティモデルへ転換し、認証と認可(アクセス権限のポリシー)がより厳密にコントロール可能な状態下でクラウドサービスを利用しております。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
知的財産権 |
①第三者に当社の知的財産権を侵害され、事業活動に不利益が生じるリスク ②当社の事業活動が第三者の知的財産権に抵触するとして指摘を受けるリスク |
①当社技術の保護及び不利益回復のための、警告状の送付、侵害行為の差止請求、損害賠償請求等の訴訟提起等の対応を要する可能性 ②係争によるレピュテーション低下や事業戦略・事業計画の見直し、事業活動の一時制限や中断の可能性 |
主な対策 |
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当社は、「知的財産に関するポリシー」を策定し、その権利を確実に保全することで企業価値の向上に努めています。 有価証券報告書提出日現在、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありませんが、このような問題を未然に防止するため、事業展開に際しては顧問弁理士・弁護士への相談や特許事務所を活用して知的財産権の侵害等に関する事前調査を実施しています。 |
事業分野 |
想定するリスク |
リスクが顕在化した場合の主な影響 |
情報技術 |
①DXの取組みが進まず、競合劣後となるリスク ②DX人財の確保・育成が進まないリスク |
①業務生産性の向上や付加価値の創出が進まないことによる市場競争力の低下 ②DX推進の取組の遅延 |
主な対策 |
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①当社は、持続的な企業価値の向上にはDXによるビジネスモデルの深化が不可欠であると認識し、既存ビジネスモデルの深化と新規ビジネスモデルの創出の両面に取り組んでいます。 主力事業である非臨床事業では、顧客体験価値の向上(Front-End革新)と時間価値の創出(Back-End革新)を同時に実現するDXに取り組んでいます。財務会計や管理会計といった領域におけるDXにも積極的に取り組んでおり、DXを通して、データ連携によるプロセスの自動化・簡素化、専門性を更に高めるナレッジの共有や各事業へのサポート体制の構築を目指しています。AIに専門性を持つチームを立上げ、併せてプロジェクトマネジメントスキルをもつ人材を主要プロジェクトに投入することで、DXプロジェクトの着実な遂行を行っています。 ②DX人財の育成に向けては、社内従業員を対象として、DX人材育成研修を実施しており、社内公募で募ったメンバーに対してe-learning形式のDX研修を実施しています。(※本研修の対象者は全社員)また、社内でDX推進プロジェクトを推進する際は、適宜、参画メンバーを幅広く社内公募で募って推進しています。加えて、AIに専門性を持つチームの立上げとDXプロジェクトの遂行を通じ、社内のDXに対する意識とナレッジを高めています。 |
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への安定的な利益配当を経営上の重要政策の一つとして認識しており、連結配当性向30~40%を目処として、基礎的な収益力やキャッシュ・フローの状況等を勘案の上、決定することを基本方針としております。また、剰余金の配当は中間配当と期末配当の年2回とすることを基本的な方針としております。
2024年3月期の期末配当金につきましては、最近の業績動向、財務状況及び今後の事業展開等と株主の皆様への利益還元を総合的に勘案し、利益剰余金を原資として1株当たり年間配当金50円00銭(うち、11月に実施した中間配当金は20円00銭)とすることを2024年5月24日開催の取締役会において決議いたしました。
なお、当社では、2006年6月29日開催の株主総会において、会社法第459条第1項に基づき、剰余金の配当等を取締役会の決議により行う旨の定款変更を行っております。
内部留保金の使途につきましては、企業の体質強化及び今後の積極的な事業展開に備える予定であります。
一方、2025年3月期の配当につきましては、1株当たり配当金50円00銭(うち中間配当金20円00銭)を予定しております。
当社は連結配当規制適用会社であります。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
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2023年11月7日 |
取締役会決議 |
832,638 |
20 |
2024年5月24日 |
取締役会決議 |
1,248,957 |
30 |