2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,046名(単体) 1,436名(連結)
  • 平均年齢
    39.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.4年(単体)
  • 平均年収
    6,266,764円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

CRO事業

1,146

〔282〕

トランスレーショナルリサーチ事業

44

〔2〕

メディポリス事業

25

〔17〕

米国不動産事業

0

〔0〕

報告セグメント計

1,215

〔301〕

その他

42

〔11〕

全社(共通)

179

〔25〕

合計

1,436

〔337〕

 (注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の〔 〕内は外書きで、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算による人員)であります。

3.全社(共通)は、管理部門等の非研究従事者の従業員であります。

4.前連結会計年度末に比べ従業員数が95名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴う定期採用者及び期中採用者が増加したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,046

〔259〕

39.3

10.4

6,266,764

 

セグメントの名称

従業員数(人)

CRO事業

822

〔230〕

トランスレーショナルリサーチ事業

28

〔2〕

メディポリス事業

3

〔0〕

米国不動産事業

0

〔0〕

報告セグメント計

853

〔232〕

その他

14

〔2〕

全社(共通)

179

〔25〕

合計

1,046

〔259〕

  (注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の〔 〕内は外書きで、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算による人員)であります。

3.平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与については社員を対象とした数値を示しております。

4.全社(共通)は、管理部門等の非研究従事者の従業員であります。

5.前連結会計年度末に比べ従業員数が97名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴う定期採用者及び期中採用者が増加したことによるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係については特記すべき事項はありません。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

24.3

107.1

66.4

81.5

40.9

(注)3.

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「労働者の男女の賃金の差異」について、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、職位別人数構成の差によるものであります。

 

②連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

㈱新日本科学イナリサーチセンター

16.2

100.0

69.1

81.6

50.3

(注)3.

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率および雇用形態の差異によるものです。

4.連結子会社のうち、常時雇用する労働者が101名以上の国内子会社を記載しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ共通

「環境、生命、人材を大切にする会社であり続ける」と掲げた企業理念を経営判断の根底としています。企業の持続的成長にサステナビリティ推進の取組みが重要であると強く認識し、持続可能な社会の実現に貢献します。当社の使命である「創薬と医療技術の向上を支援し、人類を苦痛から解放する」ことを念頭に、事業活動を通して経済的価値および社会的価値を創出する会社を目指すことを2028Vision「ステークホルダーに寄り添い、幸せの連鎖を創造する」として掲げています。

サステナビリティの推進にあたっては「新日本科学サステナビリティ基本方針」を基軸とし、社員一丸となって取組みを進めています。

 

<新日本科学サステナビリティ基本方針>

1.マテリアリティの特定と事業を通じた環境・社会課題の解決

自社の財務的影響に加えて、環境・社会的影響を考慮したダブルマテリアリティの考え方に基づき、事業を通じて環境・社会課題の解決に貢献することで、持続的な企業価値の向上を目指します。

 

2.ステークホルダーとの双方向の対話を通じた信頼の獲得

積極的かつ公平な情報開示に努め、ステークホルダーとの双方向の対話を通じて、社会からの要請に応えていくことで、信頼される企業を目指します。

 

3.サステナビリティの社内浸透

社員へのサステナビリティ教育を促進し、社員一人ひとりがサステナビリティ推進を実践しています。

 

 

① ガバナンス

当社グループは、各事業活動の意思決定にサステナビリティに関するリスク・機会を組み込んでいます。グループ全体のサステナビリティへの取組みを中長期的な視野で体系的に拡充し推進させていく目的から、当社取締役会の任意の諮問機関としてSDGs委員会を設置しています。

SDGs委員会は毎月開催され、取締役会の監督・助言のもと、サステナビリティに関するリスク・機会やマテリアリティ(重要課題)の特定、サステナビリティに関する方針および戦略、非財務KPI・目標の設定等について審議しています。

取締役会ではSDGs委員会からの報告を基に、サステナビリティに関する基本方針や重要事項を決定の上、社内の取組みに関する監督が適切に図られるように体制を整えています。また、取締役会にて決定した方針や戦略は、各組織の目標に落とし込まれ、活動の結果が取締役会にフィードバックされる仕組みを構築しています。

 

 

 

② 戦略

2028Visionの達成に向け、当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義しています。マテリアリティの特定プロセスに従って、2022年に「事業を通じた社会課題の解決」と「社会要請に応える経営基盤の強化」の両観点から7つのマテリアリティを特定しています。2028Visionの達成を目指すことはマテリアリティと関連性の深いSDGsの達成にも貢献するものです。

 

 

 

<マテリアリティの特定プロセス>

STEP1 社会課題・社会要請の把握と集約

 各種ガイドライン(SDGs、GRIガイドライン等)や、ESG評価機関の指標、日本政府のガイドラインなどを参考に、事業を通じて解決する「社会課題」および経営基盤の強化に向けた「社会要請」を洗い出し、類似項目の整理や当社への関連性を加味し30項目に集約。

STEP2 重要なステークホルダーの特定

 各事業部を交えて当社の重要なステークホルダーを特定するとともに、ステークホルダーからの期待・要請を整理。

STEP3 優先度の高い課題・要請の抽出

 当社の将来ありたい姿を踏まえて、30項目の「社会課題」および「社会要請」に対する、当社へのリスク・機会を検討の上、優先度の高い課題・要請をマテリアリティ候補として抽出。

STEP4 マテリアリティと機会・リスク・KPIの特定

 抽出したマテリアリティ候補について、機会・リスク・目指す姿を整理の上、重要な7項目をマテリアリティとして特定。

 

<特定した7つのマテリアリティ>

事業を通じた社会課題の解決

マテリアリティ

社会課題

当社の取組み

創薬と医療技術向上の支援

(医薬品アクセスの向上)

製薬企業の研究開発パートナーと成り得るCROの不足

 

世界的な実験用NHPの不足に伴う医薬品開発の遅れ

 

ドラッグラグによる地域間における医薬品アクセス格差

他社では実施困難な技術および評価系を保有し、自社グループ内での実験用NHPの繁殖・供給体制を構築することで、顧客のニーズに迅速に対応できる体制を整えています。

 

世界約50か国に拠点を持つPPDグループとJVを組み、国際共同治験を実施することでドラッグラグの解消に貢献しています。

健康な人生の提供

(ウェルビーイングな

暮らし)

高齢化社会に伴う社会保障費の増加

ウェルビーイングをコンセプトとした2つのホテル事業を通して、ウェルビーイング体験を提供しています。

美しい地球環境の保全

気候変動における世界的な対応の遅れ

 

自然資本喪失に伴う経済的損失の拡大

 

絶滅危惧種ニホンウナギの生態系サービス損失の恐れ

地熱発電所および温泉発電所を運営し、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。

 

当社保有の約100万坪(330ha、指宿市)の森林を保全しています。

 

シラスウナギの人工種苗研究に成功し、ニホンウナギの大量生産にむけた準備を進めています。

社会要請に応える経営基盤の強化

働く楽しさを実感できる

組織づくり

人的資本への投資

 

 

社員の働きがい向上による生産性の向上

 

社員の健康管理と積極的な疾患予防体制の構築

当社独自の人財育成機関であるSNBLアカデミーを設立し、新入社員から管理職候補社員まで幅広い層に向けた育成プログラムを展開しています。

 

LGBTQ+の理解を深め、性別に関係なく誰もが働きやすく活躍できる職場を構築しています。

 

医師でもある代表取締役社長自身が最高健康責任者(CHO)を兼務し社員の健康管理を実践しています。

DX/RPA推進によるビジネスの進化

DX実現による2025年の崖の克服

 

DXを実現する人材の育成

全社横断的にDX人材育成に取り組んでいます。

 

紙原本での品質管理が主流であるCRO業務において、紙記録から電磁的記録への変更、業務工程の見直しにより紙の使用枚数削減を目的としたプロジェクトを実施しています。

ステークホルダー

エンゲージメントの向上

ステークホルダーとの信頼関係・パートナーシップの構築

 

サプライチェーン全体でのサステナビリティの強化

 

株主・投資家との双方向のコミュニケーションの促進

お客様からのフィードバックを活かし、顧客満足度の向上に取り組んでいます。

 

ビジネスパートナー行動規範を策定し、サプライチェーン全体でサステナビリティの実践に取り組んでいます。

 

IR広報ブログ、統合報告書、ESGデータブックの発行を通して、当社の取組みを分かりやすい形で発信しています。

企業理念を実現する

ガバナンスの構築

コンプライアンスの強化

 

透明性の高い経営の実現

監査役会、会計監査人の機関を設置し、1/3以上の独立社外取締役を選任することで取締役会の監査・監督機能を強化しています。

 

e-learning形式のコンプライアンス研修を毎月実施することで、社員のコンプライアンス意識の向上を図っています。

 

 

③ リスク管理

2022年に特定した7つのマテリアリティごとの機会とリスクを整理し、2023年に7つのマテリアリティごとにサブマテリアリティ、指標および目標を設定しました。

 

<マテリアリティごとの主な機会とリスク>

 

<サブマテリアリティ、指標および目標>

マテリアリティごとのサブマテリアリティ、指標および目標の詳細については、「④指標と目標」を参照してください。

 

<リスクマネジメント>

事業活動に関する社内外の様々な不確実性を適切に管理し、経営戦略や事業目的を遂行していく上で、リスクマネジメントが不可欠なものと認識しています。リスクマネジメントにおいては、当社および各ステークホルダーの損失を最小化することを目的に、事業領域および全社共通領域の2つの観点から、経営に著しく影響を及ぼす可能性があると判断された主要なリスクを特定する体制を整えています。リスクが発現した場合には、被害の最小化と速やかな回復を図る措置を講じ、問題の早期解決にあたります。

リスクマネジメントの遂行体制としては、取締役会がリスクマネジメントに関する経営者の職務の執行が有効かつ効率的に行われているか監督・助言する役割と責任を担っています。

経営に著しく影響を及ぼす可能性があると判断された主要なリスクについては、経営会議においてリスクマネジメント方針を策定し、その方針が執行役員会議を通して、全社に共有されます。各担当部門においては、規制・ガイドラインの整備、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行うことで、リスクが発現した場合の被害の最小化と速やかな回復を図る体制を整えています。

 

<気候変動分野のリスク管理>

気候変動分野のリスク管理については、「(2)気候変動対応」を参照してください。

 

<人的資本分野のリスク管理>

人的資本分野のリスク管理については、「(3)人的資本経営」を参照してください。

 

<動物福祉に係るリスク管理>

「動物福祉への考え方と取組み」を制定し、当社WEBサイト上の専用ページに開示しています。(https://www.snbl.co.jp/esg/policies/

国際的に普及している動物実験の基本理念である「3Rの原則;Replacement(代替法の利用)、Reduction(動物利用数の削減)、Refinement(苦痛の軽減)」に則り、動物の生理、生態、習性などを十分に配慮した適正な動物の飼育・管理を行っています。さらに動物に対する感謝の念をもって科学上の利用に努めています。

IACUC(Institutional Animal Care and Use Committee:動物実験委員会)を設置し、定期的に関連法令、基準、指針、ガイドラインなどへの適合性について、施設および実験の実施状況を調査しています。

職員には、業務に従事する前に動物福祉に関する法令や動物の健康管理、取扱いの教育訓練の受講を義務付け、定期的な継続研修を実施しています。

第三者評価として、2011年に国際的な認証機関であるAAALAC Internationalによる認証を取得しています。現在、当社グループの動物飼育施設はいずれも定期的に訪問調査を受け、認証を更新しています。

 

 

<AAALAC Internationalについて>

AAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)は、動物のケアと使用プログラムに関して「実験動物の管理と使用に関する指針(the Guide)」等の指針に基づく評価認証を行う、唯一の国際的な第三者機関であり、現在、52の国と地域で1,140以上の組織が同機関の認証を受けています。

 

 

 

④ 指標および目標

 

<サブマテリアリティ、指標および目標>

1.創薬と医療技術向上の支援(医薬品アクセスの向上)

サブマテリアリティ

指標

目標

非臨床試験における時間価値の創出

・非臨床試験のリードタイム短縮

・FY 3/2026:最短6週間での最終報告書草案の提出

ダントツのCROに向けたサイエンス力の向上

・学会/論文発表会

 

・資格の取得

・FY 3/2029:学会発表40回/論文発表13報

・FY 3/2029:DABTの取得人数10名

アンメットメディカルニーズへの

貢献

・当社の経鼻製剤投与プラットフォーム技術を活用した経鼻剤の承認件数

・FY 3/2031:2件以上

バイオベンチャーのサポート

・Gemseki事業での組成ファンド数

・FY 3/2029:3本

* Diplomate of the America Board of Toxicology

 

2.健康な人生の提供(ウェルビーイングな暮らし)

サブマテリアリティ

指標

目標

ウェルビーイングの実現

・従業員満足度調査

 

・従業員エンゲージメント調査

・実績管理

 

・実績管理

おもてなしマインドの向上

・顧客満足度調査

・実績管理

 

3.美しい地球環境の保全

サブマテリアリティ

指標

目標

カーボンニュートラルの実現

・Scope1&2&3

 

・SNBLカーボンニュートラル指標

 

・CO₂環境効率

 

・再生可能エネルギー生産量

・実績管理

 

・FY 3/2031:ネットゼロ

 

・FY 3/2031:50%改善(FY2020基準)

 

・FY 3/2029:3,000万kWh

サーキュラーエコノミーへの移行

・水環境効率

 

・水資源の再利用率

・実績管理

 

・実績管理

ネイチャーポジティブへの移行

・完全養殖ウナギの生産数

・FY 3/2027:年間10万尾

* 新日本科学単体

 

4.働く楽しさを実感できる組織づくり

サブマテリアリティ

指標

目標

ダイバーシティ・エクイティ&

インクルージョンの推進

・管理職に占める女性の割合

 

・社員の育児休暇取得率

・FY 3/2029:30%以上

 

・FY 3/2029:100%の継続

人的資本経営の推進

・一人当たりの研修時間数

 

・読書週間の浸透※1

・実績管理

 

・実績管理

健康経営の推進

・SNBL健康経営推進指標(10項目)

・FY 3/2027:各指標の目標達成※2

社員と会社の共成長

・従業員満足度調査

 

・従業員エンゲージメント調査

・実績管理

 

・実績管理

*1 年間読書量7冊以上の社員割合

*2 当社ウェブサイト参照 (https://ssl4.eir-parts.net/doc/2395/ir_material5/238989/00.pdf

 

5.DX/RPA推進によるビジネスの進化

サブマテリアリティ

指標

目標

試験データのデジタル化

・紙資源の削減枚数

・FY 3/2024:120万枚削減

(FY 3/2022基準)

 

 

 

 

6.ステークホルダーエンゲージメントの向上

サブマテリアリティ

指標

目標

顧客利益の最大化

・顧客満足度調査

・実績管理

取引先との成長の共有

・評価された主要サプライヤーの

割合

・実績管理

株主価値の向上

・投資家ミーティング件数

・実績管理

 

7.企業理念を実現するガバナンスの構築

サブマテリアリティ

指標

目標

取締役会の機能向上

・取締役および監査役の取締役会

出席率

・実績管理(80%以上を維持)

公正な事業活動の推進

・コーポレートガバナンス・コードへの適合

・実績管理(100%以上を維持)

コンプライアンスの遵守

・コンプライアンス行動指針研修の実施回数

・実績管理

 

 

(2)気候変動

① ガバナンス

各事業活動の意思決定にサステナビリティに関するリスク・機会を組み込んでいます。グループ全体のサステナビリティへの取組みを中長期的な視野で体系的に拡充し推進させていく目的から、当社取締役会の任意の諮問機関としてSDGs委員会を設置し、毎月開催しています。

環境に関するリスク・機会については、SDGs委員会の下部組織である環境委員会で議論しています。環境委員会の委員長はサステナビリティ担当役員が務めており、気候変動分野における取組み状況や課題、投資判断などを、持続的成長に欠かせない重要なテーマと位置付けて審議しています。審議内容はSDGs委員会に報告されるとともに、SDGs委員会から必要に応じて取締役会へも報告されています。

非財務目標の一つとしてGHG排出量目標を設定すると同時に、事業年度毎に予実管理を行っています。集計した各拠点における環境パフォーマンスデータを分析し、PDCA管理に活用しています。

 

② 戦略

環境関連リスクおよび機会の特定/評価は、当社取締役会の任意の諮問機関であるSDGs委員会の下部組織である環境委員会が中心となって実施しています。環境委員会の委員長はサステナビリティ担当役員が務めています。

 

 

<気候変動のシナリオ定義>

IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)第6次報告書で報告された2つのSSP(共通社会経済経路:Shared Socio-economic Pathways)シナリオの中で、SSP3-7.0(4シナリオ)およびSSP1-1.9(1.5シナリオ)を参考にシナリオを作成しています。 その結果、移行リスクと物理的リスクとして以下のリスク・機会を特定しています。

 

<移行リスク>

・2030年に炭素税(130USD/t-CO2)導入による費用の増加

・SBT取得失敗による顧客からの受注の減少

・既存の化石燃料から低炭素エネルギーへシフトするためのインフラ整備コストの増加

・ESG対応に消極的と評価されることによる投資家を中心としたステークホルダーからの評価の低下

 

<移行機会>

・SBT取得など積極的に気候変動課題に対応することで顧客からの受注獲得

・ESG対応に積極的に取組むことでステークホルダーからの評価の向上

 

<物理的リスク>

・平均気温の上昇による農作物の収量低下に伴う、原料調達コストの増加

・降水や気象パターンの変化による井水の水質の悪化

・海面の上昇による操業の一時停止、移転リスク

・気象災害の激甚化による操業の一時停止リスク

・気象災害の激甚化により一定期間、物流やインフラが遮断されるリスク

・サプライヤーの被災による原材料の調達が一時的に停止するリスク

 

③リスク管理

環境関連のリスク・機会は年に1度の頻度で評価しています。取締役会の諮問機関であるSDGs委員会の下部組織である環境委員会が中心となり、各事業および拠点の責任者と共に評価しています。特定されたリスク・機会の影響度はリスクマップに落とし込むことで評価しています。リスクマップは事業への影響度とリスクマネジメントレベルの2軸で策定しています。

特定した機会・リスクを各事業・拠点毎に定量・定性的に評価しています。環境委員会と各事業および拠点の責任者で年に1回の頻度で評価内容を見直しています。本評価は当社の全事業、全拠点を対象として実施しています。

 

 

④ 指標と目標

2021年10月にパリ協定目標に即し、2030年までに国内単体の自社事業活動におけるScope1およびScope2排出量をネットゼロとする「カーボンニュートラル目標」を宣言しました。

なお、温室効果ガス削減目標については、2025年度中にSBT(Science based targets,科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出量削減目標)認証の取得を目指しています。

 

<当社グループのScope1、2排出量>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2024年3月期の実績となります。

 

対象範囲

単位

2023年3月期

2024年3月期

Scope1

連結ベース

t-CO2

5,389

5,452

Scope2(マーケットベース)

連結ベース

t-CO2

9,234

11,895

Scope1&2

連結ベース

t-CO2

14,623

17,347

算定方法:温室効果ガス排出量=購入電力量×調整後排出係数+Σ(燃料使用量×排出係数)

利用した排出原単位:地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧

 

<当社のScope3排出量>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2024年3月期の実績となります。現時点において当社単体の実績値をもとに記載しております。将来的には連結ベースでの開示に向けて、情報収集体制やガバナンスの整備を進めております。

 

対象範囲

単位

2024年3月期

Cat.1 購入した製品・サービス

単体ベース

t-CO2

14,480

Cat.2 資本財

単体ベース

t-CO2

7,411

Cat.3 Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

単体ベース

t-CO2

2,072

Cat.4 輸送、配送(上流)

単体ベース

t-CO2

400

Cat.5 事業から出る廃棄物

単体ベース

t-CO2

23

Cat.6 出張

単体ベース

t-CO2

169

Cat.7 雇用者の通勤

単体ベース

t-CO2

560

Cat.8 リース資産(上流)

単体ベース

t-CO2

0

Cat.9 輸送、配送(下流)

単体ベース

t-CO2

0

Cat.10 販売した製品の加工

単体ベース

t-CO2

0

Cat.11 販売した製品の使用

単体ベース

t-CO2

0

Cat.12 販売した製品の廃棄

単体ベース

t-CO2

0

Cat.13 リース資産(下流)

単体ベース

t-CO2

1,830

Cat.14 フランチャイズ

単体ベース

t-CO2

0

Cat.15 投資

単体ベース

t-CO2

0

Scope3 総量

単体ベース

t-CO2

26,945

 

(3)人的資本経営

① ガバナンス

人財こそが企業価値向上の源泉であり、他社との差別化を実現する基盤であると位置づけています。マテリアリティの一つとして「働く楽しさを実感できる組織づくり」を掲げ、総務人事本部長を責任者とする人財戦略の推進体制を構築。人財に関する主要な施策は経営会議において定期的に討議・決議されています。

また、健康経営の推進においては、医師資格を持つ代表取締役社長(CEO)が最高健康責任者(CHO)を兼務し、専任部署である健康管理課および総務人事本部を中心に健康増進施策を展開しています。健康経営に関する重要事項や従業員の健康データに関する報告は、常勤役員を含む課長級以上の管理職が出席する「経営理念会議」において毎月共有されており、必要な施策を迅速に講じる体制を整えています。

 

② 戦略

「人材」を社会の財産である「人財」とするために、人財戦略Vision「社員と会社が共に成長し、幸せの連鎖を創造する組織」を掲げています。従業員の個性を尊重し、社員の生きがい・働きがいを向上させることで、社員一人ひとりの夢の実現を応援しています。また、社員一人ひとりが会社の一員として連帯感を持ち、それぞれの適性を活かして能力を発揮し、弱みを補完でき感謝し合う組織を構築しています。

当社の理念に共感する多様な人財が集まり、当社で働くことを通して自己実現を達成するとともに、幅広いステークホルダーの皆様への価値を創出する、この好循環を推し進めていきます。

 

 

<働きやすい環境の整備>

すべての従業員がその能力を最大限に発揮し、意欲的に働くことができる環境の整備を重要な経営課題と捉えています。働きやすさと働きがいの両立を図るため、ライフステージやライフスタイル、個々の事情に応じた柔軟な働き方の実現に向け、制度と職場風土の両面から取り組んでいます。

具体的には、在宅勤務制度、フレックスタイム制度、短時間勤務制度を整備し、育児・介護との両立を支援するとともに、配偶者の転勤に伴う勤務地変更への対応や時差出勤制度などにも柔軟に対応しています。

柔軟な働き方を支える制度

テレワーク勤務

フレックスタイム制度

時差出勤

時間単位での有給休暇

事業所併設託児所

保育料補助制度

ランチョンセッションの定期開催

 

キャリア支援制度

複線型人事

職種の転換

勤務地の限定

再雇用(アルムナイ制度)

資格の取得支援

学位取得/海外留学に向けた社内奨学金

昇格要件の公開

 

<成果にバランスする報酬制度>

「労働対価の原則」「生活保障の原則」「市場競争力のある水準」「内部および外部の公平性」の観点を踏まえ、財務状況に応じた競争力ある賃金の実現を目指しています。性別、ジェンダーアイデンティティ、人種等による差別のない処遇を徹底し、同一労働同一賃金を実践しています。すべての従業員は、上司との定期的な1on1面談を通じて活動目標の進捗確認や軌道修正を行い、四半期ごとに評価フィードバックを受けています。面談では、成果の総括、強み・課題、評価結果をもとに、次期の目標設定やキャリア形成に向けた方針を話し合い、その評価は報酬へと適切に反映されています。

 

<企業理念の浸透>

「感謝と尊敬」の精神に基づく組織文化の醸成と、企業理念の浸透を重要な人財戦略と位置づけています。毎週月曜日には、社長自らが社員に向けたビデオメッセージを配信し、毎月1回は常勤役員・部長クラスが「経営理念会議」に出席するなど、トップ自らが理念の共有と浸透をリードしています。2001年からは「出来事・気づき・教訓・宣言」の4項目を日々記録する「My理念実践(四行日記)」に全社員が取り組んでおり、月ごとにマッチングされたメンター社員からのフィードバックを通じて、理念の体得と内省を促進しています。感謝の気持ちを可視化する社内アプリ「Thanks Gift」を活用したコイン贈呈を推奨し、毎月5,000枚を超えるコインが社員間で贈られるなど、理念に根ざした組織風土が日常的に育まれています。

 

<独自の人財育成>

2002年に独自の社内教育機関「SNBLアカデミー」を設置し、専属スタッフ4名を配置しています。SNBLアカデミーでは、新入社員から管理職・経営職候補まで幅広い人材を育成する複数のプログラムを展開しています。経営トップである社長自身も複数の社内教育プログラムを自ら主導し、社員と直接議論・対話する時間を大切にしています。社長と社員の距離感が縮まり、成長を応援してくれる最も身近な存在の一人が社長であることを実感できるのは、当社の人財育成の大きな特徴です。

 

次世代経営人財の育成に向けては、グループ全体の人財を見渡し、将来を見据えて次世代経営人財を計画的に発掘・育成する選抜型研修制度を構築することで、人財パイプラインの構築に取り組んでいます。2013年から将来を見据えた次世代経営者を継続して発掘・育成するために、各階層の候補者を社長自らが育成する選抜型研修を提供しています。経営者候補、管理職候補、チームリーダー候補の3つの階層を対象にそれぞれ選抜的研修を提供しており、各階層の人財プールの構築を図っています。

 

<健康経営の推進>

 ヘルスリテラシーの高い社員育成のための仕組みの一つとして『健康づくり支援制度』を導入し、健康意識向上への動機づけや健康風土に繋げています。「定期健康診断結果で所見が無かった社員」、「定期健康診断結果に基づき、生活習慣改善に3か月以上取り組んだ社員」、「定期健康診断結果に基づき、再検査や精密検査などの二次健診を受け、適切な対応を行っている社員」に対して、実績を確認できた翌月に健康支援費を支給しています。また、1年間を通じて、全社員の模範となるような素晴らしい健康づくりを行った社員をMVPとして選定・表彰し、その取組内容を全社員に紹介しています。

 女性のための健康管理として、2010年度から「子宮頸がん・乳がん検診」を任意健診として、30歳以上の女性社員を対象として実施し、子宮がん・乳がんの早期発見・早期治療に努めています。2023年度からは対象年齢枠を広げ、30歳未満の若い女性社員の子宮頸がん検診も導入しています。さらに、各拠点で社内保健師にて、「女性ホルモンの働き」、「女性の月経周期」、「月経前症候群」、「女性特有の疾病」、「おりものについて」、「健康で美しくなるポイント」等の内容に関して、ヘルスアップセミナーを開催しています。

 

<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進>

多様な人財がそれぞれの力を最大限に発揮できる組織づくりを推進しており、ジェンダー平等な職場環境の実現に向けた取組みを強化しています。

性別を問わず管理職を志向できるよう、管理職向け研修を拡充するとともに、社員が早期からキャリアを意識できる環境を整備しています。新入社員には、入社時研修でDE&Iに関する理解を促し、女性が活躍する職場が経営成果にもつながるという意識の醸成を図っています。女性管理職の登用に向けては、候補者を早期に社内で発掘し、計画的な人財プールの構築を進めています。昇進・登用にあたっては、ライフイベント等により一時的な業務制約があっても、それを理由に不利にならないよう配慮し、能力を重視した公正な選抜を行っています。採用、昇格・昇進、業務配置についても、本人の意向と適性を踏まえ、性別に関係なく適材適所を実現しています。

また、指導的立場への登用についてもジェンダーによる差が生じないよう、行動計画に基づいた取組みを実施しています。たとえば、会社説明会や採用面談では女性管理職がロールモデルとして登壇し、キャリアパスの具体的なイメージを示すことで、入社後の活躍を早期からイメージできるよう工夫しています。

人財育成に関しては、マネジメント研修の専任部門である「SNBLアカデミー」を設置し、随時研修受講が可能な体制を構築しています。無意識の偏見への理解を深めるため、「アンコンシャスバイアス研修」も導入しています。さらに、女性社員の声を組織運営に反映する仕組みとして、2014年より「働くなでしこ委員会」を設置し、これまでに50件を超える職場改善を実現しています。

 

男女間賃金格差の解消にも取り組んでいます。当社においては、同一労働に対する賃金の差はなく、格差は主に以下の要因によるものです。

1. 女性の方が育児休業や短時間勤務の取得期間が長く、総労働時間に差が生じていること

2. 女性管理職比率が相対的に低いこと

なお、当社の女性社員比率は近年50%前後で安定しており、雇用率は男女で同等です。管理職における男女間の賃金差異(男性の賃金を100%としたときの女性の賃金)は90%以上で、育休取得者や年齢構成を踏まえると実質的な格差はほぼ解消しています。

男女賃金格差是正の一環として、育児休業から早期復職する社員への保育料補助や、看病による欠勤時の支援金など、子育てと仕事の両立を支援する制度も整備しています。加えて、2029年3月までに女性管理職比率30%の達成を目標に掲げ、取組みを継続しています。

 

また、当社の総務人事担当役員が2023年度より鹿児島市の「女性活躍アドバイザー」に3期連続で就任し、地域社会や関連企業・サプライチェーンにおけるDE&I推進にも積極的に貢献しています。「出産育児とキャリア」をテーマとした大学での講演や、地域の企業担当者を対象とした「管理職育成 女性活躍セミナー」への登壇などを通じ、当社の知見と取組みを外部へ広げています。

 

③ リスク管理

人財・組織に関するリスクの早期把握と適切な対応を図るため、毎年「従業員満足度調査」および「従業員エンゲージメント調査」を実施し、組織の健全性を継続的に把握しています。調査結果は、経営会議および執行役員会議において報告・討議され、必要な改善策は各事業活動に反映することで、組織運営上のリスク低減につなげています。

ジェンダー関連の取組みにおいては、女性活躍やダイバーシティ推進の実績を、管理職および担当役員の評価指標の一つとして位置づけ、マネジメントにおける責任の明確化と推進力の強化を図っています。

また、「残業時間」や「1on1面談の実施状況」などの主要指標については、常勤役員を含む課長級以上の管理職が出席する「経営理念会議」において毎月詳細に報告されており、必要に応じて迅速な対応が可能な体制を構築しています。

 

④ 指標と目標

 サステナビリティ関連指標は、現時点において当社単体の実績値をもとに記載しております。将来的には連結ベースでの開示に向けて、情報収集体制やガバナンスの整備を進めております。なお、連結範囲での実績開示が可能となった指標については、順次開示対象を拡大していく方針です。

 

<人的資本経営に関する主要な指標>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2024年3月期の実績となります。

 

対象範囲

単位

2023年3月期

2024年3月期

従業員一人当たりの平均研修時間*1

連結ベース

時間

--

60.3

単体ベース

時間

--

51.9

読書習慣の浸透*2

単体ベース

%

45.2

38.1

従業員満足度調査

単体ベース

点数

4.2

4.2

従業員エンゲージメント調査

単体ベース

%

26.4

23.5

*1 全従業員に受講機会が与えられている社内研修のみで算定

*2 年間読書量7冊以上の社員割合

 

<健康経営に関する主要な指標>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2024年3月期の実績となります。

 

対象範囲

単位

2023年3月期

2024年3月期

目標:

2027年3月期

メタボ率

単体ベース

%

13.1

11.3

10.0

糖尿病リスク

単体ベース

%

10.6

8.0

7.0

高血圧リスク

単体ベース

%

10.0

8.5

7.0

脂質リスク

単体ベース

%

27.3

24.4

20.0

運動習慣割合

単体ベース

%

24.0

25.5

28.0

二次健診受診率

単体ベース

%

76.0

83.9

90.0

健診受診率

単体ベース

%

100.0

100.0

100.0

ストレスチェック受検率

単体ベース

%

100.0

100.0

100.0

高ストレス者割合

単体ベース

%

11.9

11.6

8.0

喫煙率

単体ベース

11.0

9.0

7.0

 

<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の指標>

女性活躍の推進をダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの最重要課題と認識し、2028年度までの目標値を設定の上、その達成に向けた各種施策を実施しています。

(ⅰ)管理職に占める女性の割合を30%以上(既に係長職は40%以上が女性)

(ⅱ)女性の育児休業取得率 100%、男性の育児休業取得率 100%

 

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2024年3月期の実績となります。

 

対象範囲

単位

2023年3月期

2024年3月期

男女報酬比

単体ベース

%

74.5

77.8

女性管理職数

単体ベース

39

43

(管理職に占める女性の割合)

(%)

(24.4)

(25.2)

女性の上級管理職数

単体ベース

6

7

(上級管理職に占める女性の割合)

(%)

(20.0)

(29.2)

女性の初級管理職数

単体ベース

10

8

(初級管理職に占める女性の割合)

(%)

(17.5)

(14.3)

新規管理職登用社員数

単体ベース

7

5

(女性の新規管理職登用数)

(人)

(2)

(1)

新規雇用者数

単体ベース

91

179

(うち女性従業員数)

(人)

(50)

(96)