2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,126名(単体) 1,522名(連結)
  • 平均年齢
    38.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.2年(単体)
  • 平均年収
    6,702,701円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    6.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループの人的資本経営の取組みは下記の通りです。

 

 ガバナンス

 当社グループは、人財こそが企業価値向上の源泉であり、持続的な競争優位を実現するための重要な経営資本であると位置づけています。マテリアリティの一つとして「働く楽しさを実感できる組織づくり」を掲げ、総務人事本部長を責任者とする人財戦略の推進体制を構築しています。人財に関する主要な施策については、経営会議において定期的に討議・決議を行うとともに、人的資本に関する各種指標や施策の進捗状況について継続的なモニタリングを実施しています。

 また、健康経営の推進においては、医師資格を有する代表取締役社長(CEO)が最高健康責任者(CHO)を兼務し、専任部署である健康管理課および総務人事本部を中心に健康増進施策を展開しています。健康経営に関する重要事項や従業員の健康データについては、常勤役員を含む課長級以上の管理職が出席する「経営理念会議」において毎月共有されており、必要な施策を迅速に講じる体制を整えています。

 

 戦略

 当社グループは、「人材」を社会の財産である「人財」とするために、人財戦略Vision「社員と会社が共に成長し、幸せの連鎖を創造する組織」を掲げています。従業員一人ひとりの個性を尊重し、生きがい・働きがいの向上を通じて、自律的かつ主体的に挑戦・成長できる組織づくりを推進しています。また、多様な人財が互いを尊重し、それぞれの適性を活かして能力を発揮できる組織風土の醸成に取り組んでいます。

 

 

 当社グループの競争力の源泉は、顧客から高く評価される質の高いサービスを提供できる高度専門人財にあると認識しており、「優秀な人財の確保と育成」を重要な経営課題として位置づけています。このため、新卒採用の強化に加え、社内教育機関「SNBLアカデミー」を中心とした体系的な教育・研修体制を構築しています。SNBLアカデミーでは、新入社員から管理職・経営人財候補まで、職種・職位に応じた多様な教育プログラムを展開しています。また、次世代経営人財の育成に向けては、将来を見据えた選抜型研修制度を構築し、経営者候補、管理職候補、チームリーダー候補等の人財プール形成を進めています。また、人財育成に関する取組みの実効性を把握するため、2026年3月期より人的資本投資額のモニタリングを開始しました。人的資本投資額は、SNBLアカデミーの運営費等の教育研修に係る直接費用に加え、従業員および取締役の研修参加時間に基づく機会費用を含めて算定しており、2026年3月期の人的資本投資額は298,934千円となりました。

 

 

 

<企業理念の浸透>

 当社グループは、「感謝と尊敬」の精神に基づく組織文化の醸成と、企業理念の浸透を重要な人財戦略の一つとして位置づけています。毎週月曜日には社長自らが従業員向けにビデオメッセージを配信するとともに、毎月開催される「経営理念会議」には常勤役員および部長級以上の管理職が参加し、理念共有と組織課題の確認を行っています。

また、2001年からは「出来事・気づき・教訓・宣言」の4項目を記録する「My理念実践(四行日記)」に全社員で取り組んでいます。加えて、感謝の気持ちを可視化する社内アプリ「Thanks Gift」を活用し、理念に根ざした組織風土の醸成を推進しています。

 

<健康経営の推進>

 当社グループは、「みんなが幸せに楽しく働ける会社」の実現に向け、従業員の健康維持・増進を重要な経営課題として位置づけ、健康経営を推進しています。

 ヘルスリテラシー向上施策として「健康づくり支援制度」を導入し、健康診断結果や生活習慣改善への取組みに応じた健康支援費を支給しています。また、全社員の模範となる健康づくりを実践した社員を表彰し、その取組内容を社内共有することで、健康意識の向上を図っています。

 女性の健康支援にも注力しており、子宮頸がん・乳がん検診の実施や、女性特有の健康課題に関するヘルスアップセミナー等を開催しています。

 

<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進>

 当社グループは、多様な人財がそれぞれの能力を最大限に発揮できる組織づくりを推進しており、DE&Iを重要な経営戦略の一つとして位置づけています。

 特に、女性活躍推進を重要テーマと認識し、管理職候補者の早期発掘や計画的な人財育成を進めています。昇進・登用においては、ライフイベント等による一時的な制約の有無にかかわらず、能力を重視した公正な選抜を実施しています。

 また、新入社員研修や管理職研修においてDE&I教育を実施するとともに、「アンコンシャスバイアス研修」を導入し、多様性を尊重する組織文化の醸成に取り組んでいます。さらに、女性社員の意見を組織運営へ反映する仕組みとして「働くなでしこ委員会」を設置し、職場改善活動を推進しています。

 加えて、当社の総務人事担当役員が2023年度より鹿児島市の「女性活躍アドバイザー」に4期連続で就任し、地域社会や関連企業・サプライチェーンにおけるDE&I推進にも積極的に貢献しています。「出産育児とキャリア」をテーマとした大学での講演や、地域の企業担当者を対象とした「管理職育成 女性活躍セミナー」への登壇などを通じ、当社の知見と取組みを外部へ広げています。

 

 男女間賃金の差異の解消にも取り組んでいます。当社においては、同一労働に対する賃金の差はなく、格差は主に以下の要因によるものです。

 1. 女性の方が育児休業や短時間勤務の取得期間が長く、総労働時間に差が生じていること

 2. 女性管理職比率が相対的に低いこと

 なお、当社の女性社員比率は近年50%前後で安定しており、雇用率は男女で同等です。管理職における男女間の賃金差異(男性の賃金を100%としたときの女性の賃金)は90%以上で、育休取得者や年齢構成を踏まえると実質的な格差はほぼ解消しています。

 男女賃金格差是正の一環として、育児休業から早期復職する社員への保育料補助や、看病による欠勤時の支援金など、子育てと仕事の両立を支援する制度も整備しています。加えて、女性管理職比率40%の達成を目標に掲げ、取組みを継続しています。

 

<従業員の給与(賞与を含む)その他の給付の額および内容の決定に関する方針>

 当社グループは、「労働対価の原則」「生活保障の原則」「労働力の市場価格の原則」「内部公平性および外部公平性の原則」を踏まえ、財務状況および事業環境に応じた競争力のある報酬水準の実現を目指しています。また、事業活動を行う各国・地域において適用される法令を遵守するとともに、従業員が安心して働くことができる適切な処遇の実現に努めています。

 当社グループの報酬体系は、「基本給」「賞与」「福利厚生」の3つを柱として構成されています。

 基本給については、年功序列的な賃金体系を見直し、従業員一人ひとりの役割、能力、専門性、成果等をより適切に反映できる制度への転換しています。また、資格手当制度を充実させており、高度な専門資格や難易度の高い資格への挑戦を推奨するとともに、その成果を報酬へ適切に反映しています。

 賞与および評価制度については、2022年度より、「理念の実践(コンプライアンス)」「予算の達成」「個人の挑戦」の3つの視点を柱とした評価制度を導入しています。従業員一人ひとりの挑戦、創造、革新を促進するとともに、多様な人財が公正に評価される制度設計を進めています。従業員に対する評価フィードバックについては、定期的な1on1面談を通じて活動目標の進捗確認や軌道修正を行うとともに、成果、強み・課題、キャリア形成等について対話を実施しています。評価結果については四半期ごとにフィードバックを行い、賞与を含む報酬へ適切に反映しています。

 また、同一または同等の価値を有する労働に対しては、性別、ジェンダーアイデンティティ、人種、国籍等にかかわらず、公正かつ公平な報酬を提供することを基本方針としています。不合理な男女間賃金格差の是正に継続的に取り組むとともに、女性管理職比率の向上や、育児・介護と仕事の両立支援制度の充実を進めています。

 福利厚生については、従業員が能力を最大限発揮し、長期的に安心して働くことができる環境整備を重要な人的資本投資と位置づけ、働きやすさと働きがいの両立を図るため、在宅勤務制度、フレックスタイム制度、短時間勤務制度、時差出勤制度、時間単位有給休暇制度等を整備し、多様な働き方を支援しています。

 さらに、育児・介護との両立支援として、事業所内託児所の設置、保育料補助制度、子供の看病による欠勤時の支援制度等を整備しています。保育料補助制度では、出産前後の総休日数が一定日数未満で早期復職した社員に対し、子供が満3歳となるまで保育料補助金を支給しています。また、子供の看病による欠勤時には、有給休暇残日数の有無にかかわらず支援金を支給する制度を導入しています。

 従業員の健康維持・増進に向けては、35歳以上の社員を対象に人間ドック受診費用の一部補助を実施しています。また、自律的な成長支援として、資格取得にかかる受験料に加え、通学講座・通信講座等の費用補助制度を整備しています。

 加えて、嘱託再雇用制度、自社株投資会制度、慶弔金制度、福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」の提供等を通じて、従業員の生活支援および資産形成支援にも取り組んでいます。

 

 

 リスク管理

 当社グループは、人財・組織に関するリスクの早期把握と適切な対応を図るため、毎年「従業員満足度調査」および「従業員エンゲージメント調査」を実施し、組織の健全性を継続的に把握しています。調査結果については、経営会議および執行役員会議において報告・討議を行い、必要な改善策を各事業活動へ反映することで、組織運営上のリスク低減につなげています。

 また、長時間労働による従業員の健康リスクやエンゲージメント低下を重要な経営課題の一つと認識し、長時間労働の是正に取り組んでいます。DXやロボット化による業務効率化、人員増強による業務負荷軽減、教育研修強化等を推進するとともに、労働時間および時間外労働について適切な管理を徹底しています。「残業時間」や「1on1面談の実施状況」などの主要指標については、常勤役員を含む課長級以上の管理職が出席する「経営理念会議」において毎月詳細に共有されており、必要に応じて人員配置の見直しや業務改善等の是正措置を迅速に講じる体制を構築しています。

 DE&I推進においては、女性活躍やダイバーシティ推進に関する取組み状況を、管理職および担当役員の評価指標の一つとして位置づけ、マネジメントにおける責任の明確化と推進力の強化を図っています。

 

 指標と目標

 人的資本経営に関する指標については、従業員エンゲージメント、従業員満足度、女性管理職比率、男女間賃金差異、男性育児休業取得率、研修時間、健康関連指標等を重要指標として管理しています。また、女性管理職比率については、2029年3月までに40%達成を目標として掲げています。

 サステナビリティ関連指標については、現時点において主として当社単体の実績値をもとに記載しておりますが、将来的には連結ベースでの開示に向けて、情報収集体制およびガバナンス体制の整備を進めています。なお、連結範囲での実績開示が可能となった指標については、順次開示対象を拡大していく方針です。

 

<人的資本経営に関する主要な指標>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2025年3月期の実績となります。

 

 

*1 全従業員に受講機会が与えられている社内研修のみで算定

*2 年間読書量7冊以上の社員割合

 

<健康経営に関する主要な指標>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2025年3月期の実績となります。

 

 

<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の指標>

 女性活躍の推進をダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの最重要課題と認識し、2028年度までの目標値を設定の上、その達成に向けた各種施策を実施しています。

(ⅰ)管理職に占める女性の割合を40%以上(既に係長職は40%以上が女性)

(ⅱ)女性の育児休業取得率 100%、男性の育児休業取得率 100%

 

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2025年3月期の実績となります。

 

 

(2)【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

CRO事業

1,225

〔317〕

トランスレーショナルリサーチ事業

46

〔1〕

メディポリス事業

29

〔16〕

米国不動産事業

0

〔0〕

報告セグメント計

1,300

〔334〕

その他

46

〔13〕

全社(共通)

176

〔26〕

合計

1,522

〔373〕

 (注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の〔 〕内は外書きで、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算による人員)であります。

3.全社(共通)は、管理部門等の非研究従事者の従業員であります。

4.前連結会計年度末に比べ従業員数が86名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴う定期採用者及び期中採用者が増加したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,126

〔294〕

38.5

10.2

6,702,701

6.9

 

セグメントの名称

従業員数(人)

CRO事業

902

〔265〕

トランスレーショナルリサーチ事業

31

〔1〕

メディポリス事業

3

〔0〕

米国不動産事業

0

〔0〕

報告セグメント計

936

〔266〕

その他

14

〔2〕

全社(共通)

176

〔26〕

合計

1,126

〔294〕

  (注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の〔 〕内は外書きで、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算による人員)であります。

3.平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与については社員を対象とした数値を示しております。

4.全社(共通)は、管理部門等の非研究従事者の従業員であります。

5.前連結会計年度末に比べ従業員数が80名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴う定期採用者及び期中採用者が増加したことによるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係については特記すべき事項はありません。

 

 

(4)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

24.7

100.0

69.5

86.4

41.7

(注)3.

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「労働者の男女の賃金の額の差異」について、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、職位別人数構成の差によるものであります。

 

②連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

㈱新日本科学イナリサーチセンター

21.1

0.0

65.0

82.4

48.4

(注)3.

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「労働者の男女の賃金の額の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率および雇用形態の差異によるものです。

4.連結子会社のうち、常時雇用する労働者が101名以上の国内子会社を記載しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ共通

 当社グループは、「環境、生命、人材を大切にする会社であり続ける」という企業理念を経営判断の根底に据えています。持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現は相互に不可分であるとの認識のもと、サステナビリティを重要な経営課題の一つとして位置付けています。

当社グループの使命である「創薬と医療技術の向上を支援し、人類を苦痛から解放する」の実現を通じて、経済的価値と社会的価値の両立を図り、2028Vision「ステークホルダーに寄り添い、幸せの連鎖を創造する」の達成を目指しています。

サステナビリティの推進にあたっては、「新日本科学サステナビリティ基本方針」に基づき、事業活動を通じた社会課題の解決と持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。

 

<新日本科学サステナビリティ基本方針>

1.マテリアリティの特定と事業を通じた環境・社会課題の解決

自社の財務的影響に加えて、環境・社会的影響を考慮したダブルマテリアリティの考え方に基づき、事業を通じて環境・社会課題の解決に貢献することで、持続的な企業価値の向上を目指します。

 

2.ステークホルダーとの双方向の対話を通じた信頼の獲得

積極的かつ公平な情報開示に努め、ステークホルダーとの双方向の対話を通じて、社会からの要請に応えていくことで、信頼される企業を目指します。

 

3.サステナビリティの社内浸透

社員へのサステナビリティ教育を促進し、社員一人ひとりがサステナビリティ推進を実践しています。

 

 

① ガバナンス

当社グループは、各事業活動の意思決定にサステナビリティに関するリスク・機会を組み込んでいます。グループ全体のサステナビリティへの取組みを中長期的な視野で体系的に拡充し推進させていく目的から、当社取締役会の任意の諮問機関としてSDGs委員会を設置しています。

SDGs委員会は毎月開催され、取締役会の監督のもと、サステナビリティに関するリスクおよび機会、マテリアリティ(重要課題)の特定・見直し、方針および戦略の策定、非財務KPI・目標の設定等について審議しています。

取締役会ではSDGs委員会からの報告を基に、サステナビリティに関する基本方針や重要事項を決定の上、社内の取組みに関する監督が適切に図られるように体制を整えています。また、取締役会にて決定した方針や戦略は、各組織の目標に落とし込まれ、活動の結果が取締役会にフィードバックされる仕組みを構築しています。

 

 

 

② 戦略

2028Visionの達成に向け、当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義しています。マテリアリティの特定プロセスに従って、2022年に「事業を通じた社会課題の解決」と「社会要請に応える経営基盤の強化」の両観点から7つのマテリアリティを特定しています。2028Visionの達成を目指すことはマテリアリティと関連性の深いSDGsの達成にも貢献するものです。

マテリアリティについては、定期的な見直しを実施するとともに、事業環境や社会的要請の変化を踏まえ、継続的にサステナビリティ経営の高度化を図っています。

 

<マテリアリティの特定プロセス>

STEP1 社会課題・社会要請の把握と集約

 各種ガイドライン(SDGs、GRIガイドライン等)や、ESG評価機関の指標、日本政府のガイドラインなどを参考に、事業を通じて解決する「社会課題」および経営基盤の強化に向けた「社会要請」を洗い出し、類似項目の整理や当社への関連性を加味し30項目に集約。

STEP2 重要なステークホルダーの特定

 各事業部を交えて当社の重要なステークホルダーを特定するとともに、ステークホルダーからの期待・要請を整理。

STEP3 優先度の高い課題・要請の抽出

 当社の将来ありたい姿を踏まえて、30項目の「社会課題」および「社会要請」に対する、当社へのリスク・機会を検討の上、優先度の高い課題・要請をマテリアリティ候補として抽出。

STEP4 マテリアリティと機会・リスク・KPIの特定

 抽出したマテリアリティ候補について、機会・リスク・目指す姿を整理の上、重要な7項目をマテリアリティとして特定。

 

<特定した7つのマテリアリティ>

事業を通じた社会課題の解決

マテリアリティ

社会課題

当社の取組み

創薬と医療技術向上の支援

(医薬品アクセスの向上)

製薬企業の研究開発パートナーと成り得るCROの不足

 

世界的な実験用NHPの不足に伴う医薬品開発の遅れ

 

ドラッグラグによる地域間における医薬品アクセス格差

他社では実施困難な技術および評価系を保有し、自社グループ内での実験用NHPの繁殖・供給体制を構築することで、顧客のニーズに迅速に対応できる体制を整えています。

 

世界約50か国に拠点を持つPPDグループとJVを組み、国際共同治験を実施することでドラッグラグの解消に貢献しています。

健康な人生の提供

(ウェルビーイングな

暮らし)

高齢化社会に伴う社会保障費の増加

ウェルビーイングをコンセプトとした2つのホテル事業を通して、ウェルビーイング体験を提供しています。

美しい地球環境の保全

気候変動における世界的な対応の遅れ

 

自然資本喪失に伴う経済的損失の拡大

 

絶滅危惧種ニホンウナギの生態系サービス損失の恐れ

地熱発電所および温泉発電所を運営し、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。

 

当社保有の約100万坪(330ha、指宿市)の森林を保全しています。

 

シラスウナギの人工種苗研究に成功し、ニホンウナギの大量生産にむけた準備を進めています。

社会要請に応える経営基盤の強化

働く楽しさを実感できる

組織づくり

人的資本への投資

 

 

社員の働きがい向上による生産性の向上

 

社員の健康管理と積極的な疾患予防体制の構築

当社独自の人財育成機関であるSNBLアカデミーを設立し、新入社員から管理職候補社員まで幅広い層に向けた育成プログラムを展開しています。

 

LGBTQ+の理解を深め、性別に関係なく誰もが働きやすく活躍できる職場を構築しています。

 

医師でもある代表取締役社長自身が最高健康責任者(CHO)を兼務し社員の健康管理を実践しています。

DX/RPA推進によるビジネスの進化

DX実現による2025年の崖の克服

 

DXを実現する人材の育成

全社横断的にDX人材育成に取り組んでいます。

 

紙原本での品質管理が主流であるCRO業務において、紙記録から電磁的記録への変更、業務工程の見直しにより紙の使用枚数削減を目的としたプロジェクトを実施しています。

ステークホルダー

エンゲージメントの向上

ステークホルダーとの信頼関係・パートナーシップの構築

 

サプライチェーン全体でのサステナビリティの強化

 

株主・投資家との双方向のコミュニケーションの促進

お客様からのフィードバックを活かし、顧客満足度の向上に取り組んでいます。

 

ビジネスパートナー行動規範およびサステナブル調達方針を策定し、取引先との対話を通じて、サプライチェーン全体でのサステナビリティ推進に取り組んでいます。

 

IR広報ブログ、統合報告書、ESGデータブックの発行を通して、当社の取組みを分かりやすい形で発信しています。

企業理念を実現する

ガバナンスの構築

コンプライアンスの強化

 

透明性の高い経営の実現

監査役会、会計監査人の機関を設置し、1/3以上の独立社外取締役を選任することで取締役会の監査・監督機能を強化しています。

 

e-learning形式のコンプライアンス研修を毎月実施することで、社員のコンプライアンス意識の向上を図っています。

 

③ リスク管理

2022年に特定した7つのマテリアリティごとの機会とリスクを整理し、2023年に7つのマテリアリティごとにサブマテリアリティ、指標および目標を設定しました。

 

<マテリアリティごとの主な機会とリスク>

 

<サブマテリアリティ、指標および目標>

マテリアリティごとのサブマテリアリティ、指標および目標の詳細については、「④指標と目標」を参照してください。

 

<リスクマネジメント>

事業活動に関する社内外の様々な不確実性を適切に管理し、経営戦略や事業目的を遂行していく上で、リスクマネジメントが不可欠なものと認識しています。リスクマネジメントにおいては、当社および各ステークホルダーの損失を最小化することを目的に、事業領域および全社共通領域の2つの観点から、経営に著しく影響を及ぼす可能性があると判断された主要なリスクを特定する体制を整えています。リスクが発現した場合には、被害の最小化と速やかな回復を図る措置を講じ、問題の早期解決にあたります。

リスクマネジメントの遂行体制としては、取締役会がリスクマネジメントに関する経営者の職務の執行が有効かつ効率的に行われているか監督・助言する役割と責任を担っています。

経営に著しく影響を及ぼす可能性があると判断された主要なリスクについては、経営会議においてリスクマネジメント方針を策定し、その方針が執行役員会議を通して、全社に共有されます。各担当部門においては、規制・ガイドラインの整備、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行うことで、リスクが顕在化した場合の被害の最小化と速やかな回復を図る体制を整えています。

 

<気候変動分野のリスク管理>

気候変動分野のリスク管理については、「(2)気候変動対応」を参照してください。

 

<人的資本分野のリスク管理>

人的資本分野のリスク管理については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」を参照してください。

 

<動物福祉に係るリスク管理>

「動物福祉への考え方と取組み」を制定し、当社WEBサイト上の専用ページに開示しています。(https://www.snbl.co.jp/esg/policies/

国際的に普及している動物実験の基本理念である「3Rの原則;Replacement(代替法の利用)、Reduction(動物利用数の削減)、Refinement(苦痛の軽減)」に則り、動物の生理、生態、習性などを十分に配慮した適正な動物の飼育・管理を行っています。さらに動物に対する感謝の念をもって科学上の利用に努めています。

IACUC(Institutional Animal Care and Use Committee:動物実験委員会)を設置し、定期的に関連法令、基準、指針、ガイドラインなどへの適合性について、施設および実験の実施状況を調査しています。

職員に対しては、業務従事前の教育訓練に加え、定期的な継続研修を実施し、動物福祉に関する知識・意識の向上に努めています。

第三者評価として、2011年に国際的な認証機関であるAAALAC Internationalによる認証を取得しています。現在、当社グループの動物飼育施設はいずれも定期的に訪問調査を受け、認証を更新しています。

 

 

<AAALAC Internationalについて>

AAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)は、動物のケアと使用プログラムに関して「実験動物の管理と使用に関する指針(the Guide)」等の指針に基づく評価認証を行う、唯一の国際的な第三者機関であり、現在、52の国と地域で1,175以上の組織が同機関の認証を受けています。

 

 

特定したリスクおよび機会については、定期的にモニタリングを実施し、その結果を経営会議、SDGs委員会および取締役会へ報告しています。

 

④ 指標および目標

 

<サブマテリアリティ、指標および目標>

1.創薬と医療技術向上の支援(医薬品アクセスの向上)

サブマテリアリティ

指標

目標

非臨床試験における時間価値の創出

・非臨床試験のリードタイム短縮

・FY 3/2026:最短6週間での最終報告書草案の提出

⇒2026年3月時点でAIを使用した報告書の自動作成システムのPoCを実施済。2027年3月期の本格的な実装へ向けた開発を開始。

ダントツのCROに向けたサイエンス力の向上

・学会/論文発表会

 

・資格の取得

・FY 3/2029:学会発表40回/論文発表13報

・FY 3/2029:DABTの取得人数10名

アンメットメディカルニーズへの

貢献

・経鼻製剤投与プラットフォーム技術を活用した経鼻剤の承認件数

・FY 3/2031:2件以上

バイオベンチャーのサポート

・Gemseki事業での組成ファンド数

・FY 3/2029:3本

* Diplomate of the America Board of Toxicology

 

2.健康な人生の提供(ウェルビーイングな暮らし)

サブマテリアリティ

指標

目標

ウェルビーイングの実現

・従業員満足度調査

・従業員エンゲージメント調査

・実績管理

・実績管理

おもてなしマインドの向上

・顧客満足度調査

・実績管理

 

3.美しい地球環境の保全

サブマテリアリティ

指標

目標

カーボンニュートラルの実現

・Scope1&2&3

・SNBLカーボンニュートラル指標

・CO₂環境効率

・再生可能エネルギー生産量

・実績管理

・FY 3/2031:ネットゼロ

・FY 3/2031:50%改善(FY2020基準)

・FY 3/2029:3,000万kWh

サーキュラーエコノミーへの移行

・水環境効率

・水資源の再利用率

・実績管理

・実績管理

ネイチャーポジティブへの移行

・完全養殖ウナギの生産数

・FY 3/2027:年間10万尾

* 新日本科学単体

 

4.働く楽しさを実感できる組織づくり

サブマテリアリティ

指標

目標

ダイバーシティ・エクイティ&

インクルージョンの推進

・管理職に占める女性の割合

・社員の育児休暇取得率

・FY 3/2029:30%以上

・FY 3/2029:100%の継続

人的資本経営の推進

・一人当たりの研修時間数

・読書週間の浸透※1

・実績管理

・実績管理

健康経営の推進

・SNBL健康経営推進指標(10項目)

・FY 3/2027:各指標の目標達成※2

社員と会社の共成長

・従業員満足度調査

・従業員エンゲージメント調査

・実績管理

・実績管理

*1 年間読書量7冊以上の社員割合

*2 当社ウェブサイト参照 (https://ssl4.eir-parts.net/doc/2395/ir_material5/238989/00.pdf

 

5.DX/RPA推進によるビジネスの進化

サブマテリアリティ

指標

目標

試験データのデジタル化

・紙資源の削減枚数

・FY 3/2024:120万枚削減
(FY 3/2022基準)

⇒目標達成済

 

6.ステークホルダーエンゲージメントの向上

サブマテリアリティ

指標

目標

顧客利益の最大化

・顧客満足度調査

・実績管理

取引先との成長の共有

・評価された主要サプライヤーの

割合

・実績管理

株主価値の向上

・投資家ミーティング件数

・実績管理

 

7.企業理念を実現するガバナンスの構築

サブマテリアリティ

指標

目標

取締役会の機能向上

・取締役および監査役の取締役会

出席率

・実績管理(80%以上を維持)

公正な事業活動の推進

・コーポレートガバナンス・コードへの適合

・実績管理(100%以上を維持)

コンプライアンスの遵守

・コンプライアンス行動指針研修の実施回数

・実績管理

 

 

(2)気候変動

① ガバナンス

各事業活動の意思決定にサステナビリティに関するリスク・機会を組み込んでいます。グループ全体のサステナビリティへの取組みを中長期的な視野で体系的に拡充し推進させていく目的から、当社取締役会の任意の諮問機関としてSDGs委員会を設置し、毎月開催しています。

環境に関するリスク・機会については、SDGs委員会の下部組織である環境委員会で議論しています。環境委員会の委員長はサステナビリティ担当役員が務めており、気候変動分野における取組み状況や課題、投資判断などを、持続的成長に欠かせない重要なテーマと位置付けて審議しています。審議内容はSDGs委員会に報告されるとともに、SDGs委員会から必要に応じて取締役会へも報告されています。

非財務目標の一つとしてGHG排出量目標を設定すると同時に、事業年度毎に予実管理を行っています。集計した各拠点における環境パフォーマンスデータを分析し、PDCA管理に活用しています。

 

② 戦略

環境関連リスクおよび機会の特定/評価は、当社取締役会の任意の諮問機関であるSDGs委員会の下部組織である環境委員会が中心となって実施しています。環境委員会の委員長はサステナビリティ担当役員が務めています。

 

 

<気候変動のシナリオ定義>

IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)第6次報告書で報告された2つのSSP(共通社会経済経路:Shared Socio-economic Pathways)シナリオの中で、SSP3-7.0(4シナリオ)およびSSP1-1.9(1.5シナリオ)を参考にシナリオを作成しています。 その結果、移行リスクと物理的リスクとして以下のリスク・機会を特定しています。

 

<移行リスク>

・2030年に炭素税(130USD/t-CO2)導入による費用の増加

・SBT取得失敗による顧客からの受注の減少

・既存の化石燃料から低炭素エネルギーへシフトするためのインフラ整備コストの増加

・ESG対応に消極的と評価されることによる投資家を中心としたステークホルダーからの評価の低下

 

<移行機会>

・SBT取得など積極的に気候変動課題に対応することで顧客からの受注獲得

・ESG対応に積極的に取組むことでステークホルダーからの評価の向上

 

<物理的リスク>

・平均気温の上昇による農作物の収量低下に伴う、原料調達コストの増加

・降水や気象パターンの変化による井水の水質の悪化

・海面の上昇による操業の一時停止、移転リスク

・気象災害の激甚化による操業の一時停止リスク

・気象災害の激甚化により一定期間、物流やインフラが遮断されるリスク

・サプライヤーの被災による原材料の調達が一時的に停止するリスク

 

③リスク管理

環境関連のリスク・機会は年に1度の頻度で評価しています。取締役会の諮問機関であるSDGs委員会の下部組織である環境委員会が中心となり、各事業および拠点の責任者と共に評価しています。特定されたリスク・機会の影響度はリスクマップに落とし込むことで評価しています。リスクマップは事業への影響度とリスクマネジメントレベルの2軸で策定しています。

特定した機会・リスクを各事業・拠点毎に定量・定性的に評価しています。環境委員会と各事業および拠点の責任者で年に1回の頻度で評価内容を見直しています。本評価は当社の全事業、全拠点を対象として実施しています。

 

 

④ 指標と目標

2021年10月に、パリ協定の目標達成に貢献するため、2030年までに国内単体の自社事業活動におけるScope1およびScope2排出量をネットゼロとする「カーボンニュートラル目標」を策定しました。

その後、M&Aの実施や事業規模の拡大により、当社グループ全体の温室効果ガス排出量を管理・削減していく重要性が高まったことから、従来の単体ベースの目標を見直し、連結ベースでの温室効果ガス排出量削減目標の策定を進めています。

この取組みの一環として、2026年5月にScience Based Targets initiative(SBTi)に対し、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出量削減目標(SBT)の認証取得に向けた申請を行いました。申請中の目標は、2025年3月期を基準年、2035年3月期を目標年とし、自社排出量(Scope1およびScope2)を58.8%削減するものであり、SBTiの1.5℃水準に整合した削減目標として設定しています。

今後はSBT認証の取得を通じて、グループ全体で温室効果ガス排出量の削減を推進し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

 

<当社グループのScope1、2排出量>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2025年3月期の実績となります。

 

対象範囲

単位

2024年3月期

2025年3月期

Scope1

連結ベース

t-CO2

5,452

5,779

Scope2(マーケットベース)

連結ベース

t-CO2

11,895

11,673

Scope1&2

連結ベース

t-CO2

17,347

17,452

算定方法:温室効果ガス排出量=購入電力量×調整後排出係数+Σ(燃料使用量×排出係数)

利用した排出原単位:地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧

 

<当社のScope3排出量>

※この有価証券報告書提出日においては、掲載されている情報は2025年3月期の実績となります。現時点において当社単体の実績値をもとに記載しております。将来的には連結ベースでの開示に向けて、情報収集体制やガバナンスの整備を進めております。

 

 

対象範囲

単位

2024年3月期

2025年3月期

Cat.1 購入した製品・サービス

※1

t-CO2

14,480

15,651

Cat.2 資本財

※1

t-CO2

7,411

38,759

Cat.3 Scope1、2に含まれない燃料及び
エネルギー関連活動

主要7拠点

t-CO2

2,072

2,827

Cat.4 輸送、配送(上流)

※1

t-CO2

400

813

Cat.5 事業から出る廃棄物

単体ベース

t-CO2

23

584

Cat.6 出張

単体ベース

t-CO2

169

181

Cat.7 雇用者の通勤

単体ベース

t-CO2

560

613

Cat.8 リース資産(上流)

連結ベース

t-CO2

0

0

Cat.9 輸送、配送(下流)

連結ベース

t-CO2

0

0

Cat.10 販売した製品の加工

連結ベース

t-CO2

0

0

Cat.11 販売した製品の使用

連結ベース

t-CO2

0

0

Cat.12 販売した製品の廃棄

連結ベース

t-CO2

0

0

Cat.13 リース資産(下流)

連結ベース

t-CO2

1,830

1,830

Cat.14 フランチャイズ

連結ベース

t-CO2

0

0

Cat.15 投資

連結ベース

t-CO2

0

0

Scope3 総量

-

t-CO2

26,945

61,258

  ※1 2024年3月期は単体ベース、2025年3月期からは連結ベースで算定しています。

 

 

(3)人的資本経営

第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」にて記載しています