人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数12,667名(連結)
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平均年齢
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平均勤続年数
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平均年収
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2025年12月31日現在
(注)1.従業員数は,当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.臨時雇用者には、パートタイマーおよびアルバイトを含み、派遣社員を除いております。
3.コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社他8社は、ベンディング事業、OTC事業およびフードサービス事業の業務をセグメント横断的に行っており、セグメント別区分が困難でありますので、セグメント別従業員数は記載しておりません。
(2)提出会社の状況
当社は純粋持株会社であるため、記載を省略しております。
(3)労働組合の状況
当社グループには、コカ・コーラ ボトラーズジャパングループEast労働組合、コカ・コーラ ボトラーズジャパングループウエスト労働組合の他、一部の連結子会社に労働組合が組織されており、2025年12月31日現在の各組合員の総員は10,735人であります。
なお、労使関係は円満に推移しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業等取得率および男女の賃金の差異
連結(提出会社および主な連結子会社)※1
開示が求められる連結子会社の状況 ※6
(注釈)
※1「連結(提出会社および主な連結子会社)」の指標算出にあたっては、提出会社の他にコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社、コカ・コーラ ボトラーズジャパンベンディング株式会社、FVジャパン株式会社、コカ・コーラ ボトラーズジャパンビジネスサービス株式会社、ネオアーク株式会社(2024年より)、コカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィット株式会社、コカ・コーラ カスタマーマーケティング株式会社を含めて算出しております。
※2 管理職に占める女性労働者の割合および男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律64号)の規定に基づき算出、開示しております。
※3 男性労働者の育児休業等取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号に定める方法により算出しております。
男性労働者の育児休業等取得率 = 年度内に育児休業等を取得した男性労働者数 ÷ 年度内に配偶者が出産した男性労働者数
上記の計算式により計算しており、例えば2024年度に配偶者が出産した男性労働者が、初めて2025年度に育児休業等を取得した場合も分子に含むため、取得率が100%を超えることがあります。
※4 パートタイム労働者については、フルタイム労働者の所定労働時間をもとに人員数の換算を行っております。
※5 当社グループは、社員それぞれの役割と成果に応じた評価および報酬制度を導入しており、同等の役割および成果の社員であれば性別による賃金差異が生じることはありません。なお、数値上において差異が生じる主な要因は職種および役割の構成の違いによるものです。
※6 当社は純粋持株会社であり、当社の管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律64号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。また、当社の男性労働者の育児休業等取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております 。
※7 FVジャパン株式会社、コカ・コーラ ボトラーズジャパンビジネスサービス株式会社の男性育児休業等取得率の開示対象者がいない年度は、「-」としております。
※8 ネオアーク株式会社は2024年1月4日に設立されたため、2024年以降の数値のみの開示となります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス
当社グループでは、2023年1月よりサステナビリティ委員会を設置し、非財務目標「CSV Goals」をベースに、気候変動や生物多様性を含むさまざまなサステナビリティ課題について方針・戦略などを定める体制を強化しております。当委員会では、経営陣がサステナビリティ課題について議論を行い、決定した方向性や戦略を速やかに各部門へフィードバックすることで、各部門におけるサステナビリティ活動の徹底と円滑化を図っております。当委員会は、代表取締役社長を議長とし、各本部長を含めたCCBJIグループ全体のマネジメント組織(以下、「ELT」)メンバーで構成され、必要に応じて関係部門も参加します。開催頻度は年4回で、気候変動や生物多様性保全を中心とした幅広い課題を扱います。委員会のもとには各種タスクフォースが設置され、具体的な施策を推進し、委員会に報告しながら各部門と連携して実務を進めます。2025年の当委員会では、環境ポリシーの更新、非財務目標「CSV Goals」の更新、気候変動への緩和と適応などが議論されました。また、取締役会では、当委員会からの報告を受け、サステナビリティ関連のリスクと機会を重視し、経営方針策定においてリスクと機会の選定および成長性を考慮しております。このように、当委員会・タスクフォース・各部門が連携し、取締役会による監督のもと、組織全体でサステナビリティ活動を推進するガバナンス体制を構築しております。
(当社グループにおけるサステナビリティ委員会推進体制図)
(2)サステナビリティ全般に関する戦略
当社グループでは「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造します」というミッションを掲げ、事業成長を通じた経済価値と、社会課題の解決によって生み出される社会価値のこの2つの価値をともに向上させる共創価値(CSV:Creating Shared Value)を経営の根幹として位置付け、当社グループのサステナビリティ戦略の基礎としています。
また、サステナビリティ戦略を推し進める上で、社会環境の変化に適切に対応するため、当社グループは2023年に独自の13のマテリアリティを特定し、その定義を策定しました。マテリアリティマップの作成にあたっては、ESG関連投資家、NGO(非政府組織)、自治体などのステークホルダーへのヒアリングに加え、代表取締役社長を含む当社経営陣へのヒアリングと社員サーベイを実施し、重要度のスコアリングを行いました。スコアリングでは、外部有識者へのヒアリングや各種レポート分析に基づいて「ステークホルダーにとっての重要度」を社会軸として評価し、経営陣ヒアリングおよび社員サーベイの結果をもとに「当社グループにとっての重要度」をビジネス軸として評価しました。スコアリング結果をこれらの2つの軸にプロットして、マテリアリティマップを作成した結果、容器&リサイクル(循環型社会)、気候変動の緩和・適応、人材の育成とウェルビーイングの3点については、ステークホルダーと当社グループの両者にとって特に重要度の高い項目であると認識しています。
特定した13のマテリアリティは、「人」「自然環境」「地域社会」「事業基盤」という4つの枠組みに整理し、SDGs との整合性も意識しながら、課題の解決に優先順位をつけて取り組んでいます。これらのマテリアリティは中期経営計画「Vision 2030」と密接に連動しており、価値創造プロセスと一体となって、持続可能な成長を実現するための戦略として位置付けています。また、取締役会やELT 、サステナビリティ委員会において継続的な議論を行い、外部環境の変化や新たな社会課題に応じて戦略を随時アップデートしています。
(当社グループの13のマテリアリティと定義)
(3)サステナビリティ全般に関するリスク管理
サステナビリティ全般に関するリスク管理については、「3.事業等のリスク(1)当社グループのリスクマネジメント体制」に記載しております。
(4)サステナビリティ全般に関する指標と目標
当社グループは、マテリアリティをベースに、より具体的な非財務目標「CSV Goals」を定め、持続可能な事業と社会、そしてミッションの実現に向けて取り組みを進めています。これまで「CSV Goals」には2025年までの目標項目を設定していましたが、外部環境の変化や社会的要請に対応するため、目標の見直しを行いました。その結果、今後のマテリアリティの解決に向けて、2030年を見据えた中期目標と2035年に向けた長期目標を新たに策定し、非財務目標「CSV Goals」を更新しています。
この更新にあたっては、各部門のタスクフォースがサステナビリティ課題の解決に向けた検討を行い、その内容を踏まえてサステナビリティ委員会で新たな「CSV Goals」の方向性を協議しました。こうしたプロセスを通じて、既存の目標を再設定するとともに、2023年に設定した従来のマテリアリティと「CSV Goals」との整合性を考慮した新たな目標を設定し、全体として一貫性のある目標体系としました。
今後は、各項目の達成に向けてバリューチェーン全体で取り組みを進め、定期的に進捗を確認しながら、着実に目標達成に向けた歩みを続けていきます。
(5)気候変動および自然資本への取り組み
当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同しており、TCFDコンソーシアム、気候変動イニシアティブ、GXリーグへ参画し、GHG削減に向けた取り組みを進めています。これらの取り組みを推進するにあたり、重要度が高いリスク・機会を対象に、中期(2030年)および、長期(2050年)の視点を含むシナリオ分析を実施し、TCFD提言に基づき開示内容を適宜更新しています。また、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の取り組みにも賛同し、TNFDv1.0を参考にLEAPアプローチを用いて自然に関する事業リスクおよび機会の分析を行っています。さらに、水資源や生物多様性に関する優先地域を特定し、関連情報の開示を進めています。
また、当社グループの気候関連および自然関連のリスク・機会の詳細な分析結果や、指標・目標に関するより具体的な情報については、以下の任意開示資料にて公表しています。
-TCFDに基づく開示(気候関連情報):https://www.ccbji.co.jp/csv/tcfd/
-TNFDに基づく開示(自然関連情報):https://www.ccbji.co.jp/csv/tnfd/
① ガバナンス
気候変動および自然資本に関連するガバナンスについては、「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス」に記載しております。
また、当社はTNFD提言にもとづき、地域社会を重要なステークホルダーと位置づけ、「人権に関するポリシー」において事業活動への意見反映のため協働と対話を行うことを定めています。また、サプライヤーには、人権、環境、労働などに関する当社の価値観を反映したサプライヤー基本原則(SGP: Supplier Guiding Principles)を理解し、人権尊重を徹底することを求めています。
② 戦略
1)気候変動に関する戦略については、当社グループにおいて、マテリアリティの1つとして特定されており、詳細な分析が必要と判断し、シナリオ分析を実施しております。分析は当社グループの主事業である飲料事業を対象に、1.5/2℃シナリオ、4℃シナリオの2つのシナリオごとに検討し、それに際して前提としたそれぞれの温度帯の世界観、および参照シナリオは下表の通りです。
シナリオ分析は、2030年および2050年を対象年次として定量分析を実施し、重要リスク・機会を特定しております。主なリスク・機会は下記のとおりです。複数シナリオ下におけるリスクを最小化し、機会を最大化していくためにも、検討した対応策は、経営戦略、中期経営計画「Vision 2030」に反映するとともに、年次計画に落とし込むことで気候変動のリスクの低減・機会の最大化を図っています。
移行リスクとして、カーボンプライシングの導入や省エネ・GHG排出規制、プラスチック関連規制の強化によるコスト増加、さらにお客さまの購買行動の変化に十分に対応できないことによる売上低下、対応が不十分な場合における投資家・金融機関からの評判の低下を、重要度が高いリスクとして特定しています。
これらリスクの対応策として、エネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、プラスチック軽量化の取り組みを推進し、PETボトルの重量削減による資源効率の向上を図っています。さらにPETボトルやアルミ缶の水平リサイクル「ボトルtoボトル」「CAN to CAN」を推進し、100%リサイクルPETの製品や100%リサイクルアルミ素材の製品を展開しています。
物理リスクについては、異常気象による製造効率・製造数量の減少や事業停止などの急性リスク、ならびに原材料調達難や水資源の希少化といった慢性リスクを重要度が高いリスクとして特定しています。急性リスクへの対応策としては、BCP対応の強化に加え、製造拠点、営業・物流拠点およびサプライチェーンにおける風水害リスクの特定と優先順位付けを行い、対応策の強化を進めています。慢性リスクへの対応策としては、調達先の分散化や水資源保全活動に取り組んでいます。
機会として、省エネルギーおよびGHG排出削減に寄与する製品への需要増加、効率的なサプライチェーン構築によるコストおよびGHG排出量の低減、ならびに温暖化に伴う嗜好変化を認識しています。これらを踏まえ、環境に配慮した100%リサイクルPETボトル、ラベルレス製品、100%リサイクルアルミ素材の製品や、熱中症対策および健康飲料製品の展開を行っています。あわせて、製造部門においては、最新技術を搭載した製造機器の導入や、モニタリングを通じた製造プロセスおよび工場設備の継続的な改善を進めています。
移行計画については、再生可能エネルギーのさらなる導入や、サプライヤーエンゲージメントの強化などの施策を推進することで、2030年の削減目標の達成を目指していきます。
2)自然資本に関する戦略については、「持続可能な生物資源の保全」をマテリアリティに位置づけ、TNFD提言に基づき自然関連リスクと機会を評価しています。TNFD推奨のLEAPアプローチを採用し、バリューチェーン全体で潜在的リスクを把握しました。特に水資源に焦点を当て、WRI AQUEDUCTやIBATなどの公開ツールを活用して優先地域を分析し、ERMを含むビジネスレジリエンスプログラムで予防・対応を強化しています。
2023年はシナリオ分析の対象年次を2030年および2050年に拡大、2022年に重要度が低いと判断し、分析の対象外とした項目も対象に含め、定量分析を実施し直し、重要リスク・機会を再特定しました。主なリスク・機会は下記のとおりです。インパクトの開示に際しては、相対的に確度の高い推計ができると捉えたものに対してのみ2030/2050の年次を記載しております。複数シナリオ下におけるリスクを最小化し、機会を最大化していくためにも、検討した対応策は、経営戦略、中期経営計画「Vision 2030」に反映するとともに、年次計画に落とし込むことで気候変動のリスクの低減・機会の最大化を図っています。
重要課題の特定にあたっては、ENCOREで自然への依存と影響を評価し、SBTNリストを参照して主要原材料を選定しました。その結果、水、気候変動、生態系、森林・土地利用、廃棄物の5つを重要課題として特定しました。これらに関連するリスクとして、コスト上昇や供給不安定性が財務に影響する可能性がありますが、現時点で重大な影響は確認されていません。一方で、トレーサビリティ強化や技術開発は、生物多様性保全に寄与する機会となります。
当社は、水を含む5つの重要課題に関連するコスト上昇や供給不安が財務計画へ影響を及ぼす可能性を検討した結果、現時点で事業や戦略に直ちに重大な影響を与えるリスクは確認されませんでした。一方で、トレーサビリティの強化や高度な技術開発、環境配慮型製品の提供を通じて、生物多様性保全に貢献しうる機会も把握しています。
重要度が高い移行リスクとして、森林破壊やプラスチックおよび水資源に関する規制の導入・強化、環境汚染への対応などによる調達コストの上昇、ならびに干ばつ・水質汚染等による原材料供給の不安定化を特定しています。また、環境負荷の低い技術開発や設備投資に伴うコスト増加に加え、水資源利用や生態系への配慮が不十分な場合には、消費者・社会からの批判、ダイベストメントを含む投資家評価の低下や損害賠償の発生などにつながる可能性もあることから、重要なリスクとして認識しています。
物理的リスクとしては、洪水や浸水による有害物質の漏えいや工場停止など、自然災害の増加に伴う影響を、重要度が高いリスクとして特定しています。
一方、機会としては、原材料トレーサビリティの強化等による効率化ソリューションの普及や、国際ガイドラインに沿った戦略構築を通じたESG評価向上を認識しています。さらに、サステナブルファイナンスの活用によるR&D資金調達や、エシカル消費需要の獲得により、収益機会の拡大やブランド価値の向上が見込まれます。
特定した5つの重要課題のうち、当社事業にとって最も重要である「水」を対象にバリューチェーンのロケーション分析を実施し、課題を深掘りしました。ロケーション分析では、水資源の利用と環境中への排水について、公開ツールを用いて調達国や事業拠点の水・生物多様性に関するリスクを評価することで、優先地域を特定しました。バリューチェーン下流においてはリスクが確認されなかったため除外とし、直接操業および上流において分析を実施しました。水に関する詳細分析では、国内17工場の水資源利用を評価した結果、高リスクは確認されませんでしたが、重要生態系に近接する10拠点で水管理強化を検討しています。また、主要原材料であるトウモロコシとサトウキビについて水ストレス地域を評価し、気候変動の影響も考慮しました。さらに、島嶼部でのサトウキビ栽培では肥料や農薬の流出によるサンゴ礁への影響を評価し、保全地域を特定しました。
③リスクとリスクインパクト管理
気候変動、自然資本に関連するリスク管理については、「3.事業等のリスク(1)当社グループのリスクマネジメント体制」に記載しております。
④指標と目標
気候変動の緩和と適応、自然資本に関係する持続可能な生物資源の保全についての指標と目標は、「(4)サステナビリティ全般に関する指標と目標」に記載しております。
自然資本においては、当社グループは、製品の主要原料である「水」を最も重要な自然資本と位置付け、地域社会の健全な水循環と生態系の維持が事業の継続性に不可欠であるとの認識のもと、水資源保全を非財務目標「CSV Goals」の重点分野としています。水使用量の削減(Reduce)、排水管理(Recycle)、そして水源涵養(Replenish)の3つを柱とし、2015年比で2030年までに30%、2035年までに35%の水使用量削減を目標に掲げ、2025年時点で24%削減を達成しています。また、全17工場の周辺流域で自治体・森林組合等との協定に基づき約8,000ヘクタールの水源域で涵養活動を行い、2025年末には水源涵養率391%を達成し、使用した水の約4倍を自然環境に還元しています。さらに、全工場で源水の科学的調査と脆弱性評価を実施し、結果に基づく保全計画を策定しています。これらの取り組みにより、当社は自然資本としての水資源の持続可能性を確保し、事業レジリエンス強化と地域社会との協働を推進しています。
(6)人事戦略の考え方および取り組み
当社はこれまでの中期経営計画に続き「Vision 2030」においても、「人的資本の強化」を重要な基盤として位置付けています。「人的資本の目指す姿」を実現するために、「人材・組織の強化」と「ウェルビーイングを促進するカルチャーの醸成」を両輪として推進していきます。
まず「人材・組織の強化」においては、全社横断で進めるビジネスプロセスの最適化やデジタライゼーションに伴う組織、業務プロセス、働き方の変化に対応し、変革を推進することで持続的なビジネス成長に貢献します。そのために、社員一人ひとりが必要となる新たなスキルを自律的に習得できるよう支援し、個人の成長と会社の目標達成の両立を目指します。一方で、年齢、人種、国籍、障がい、性別、性的指向、性自認、性表現、働き方、などの属性によらず、すべての社員が能力を最大限に発揮できる環境を作るためには「ウェルビーイングを促進するカルチャーの醸成」が不可欠です。多様な価値観・経験・属性を持つ人材が、それぞれの違いを尊重しながら協働し、一人ひとりの幸せと成長を実現することが、会社の持続的な成長の原動力になると考えています。
①ガバナンス
「Vision 2030」の達成に向けて人的資本を強化するために、ELTによる定例会議の約4分の1の時間を人的資本の議論に充当しております。また、執行役員の目標に、人的資本の強化に関わる4つのKPI(女性管理職比率、配偶者・パートナー育児休業等取得率、経営層サクセッサーの育成計画達成度、エンゲージメントスコアの改善率)を設定しました。経営層が人事戦略にコミットし、全社一丸となって施策を推進しております。
②人事戦略の注力領域
当社は「Vision 2030」の達成に向けて、2024年度より現在の人事戦略を推進しています。
2025年度は、特に重要度の高い6つの領域に取り組んでおります。
a. 多様な人材の採用・定着
b. パフォーマンスを重視するカルチャーの徹底
c. 人材育成
d. エンゲージメントの向上
e. ウェルビーイングの推進
f. DE&Iの推進
<2025年の取り組み>
a.多様な人材の採用・定着
国内における労働人口の減少および高齢化が深刻化するなか、当社においても社員の高齢化、さらにジェンダーバランスの不均衡は課題となっています。「Vision 2030」の達成に向けて、多様な人材の獲得と定着支援を推進しています。
・多様な人材の採用強化
ビジネスの持続的成長を支えるため、若手や女性、外国人など多様な人材の採用を加速しています。2025年は、新卒一括採用に加えて、経験にとらわれず意欲ある人材に門戸を開放する「第二新卒採用」を開始しました。また、新卒・中途採用において女性採用を拡大し、2025年入社者における女性採用比率は29.4%(前年比+10.4ポイント)となりました。さらに、国籍を問わず優秀な人材を確保するため、バックオフィスや営業部門を中心に外国籍人材の採用を行っており、今後も製造現場において「特定技能制度」を活用した海外人材の採用を継続的に拡大していきます。
・中途採用者の定着支援の強化
2025年は、採用した人材が早期に組織に適応し、能力を発揮できるよう、定着支援施策の対象を中途採用者にも拡大しました。具体的には「サポーター制度」を見直し、相談しやすい体制を整備するとともに、入社後のサポートを強化したオンボーディングプログラムを導入しました。また、AIを活用した中途採用者向けのサーベイを実施し、社員のコンディションを適時に把握しセルフケアにつなげることで、定着促進と早期戦力化に取り組んでいます。今後も、多様な人材が能力を発揮し、長期的に活躍できる環境整備に取り組んでまいります。
b. パフォーマンスを重視するカルチャーの徹底
人材と組織を強化し、ビジネスの持続的な成長を実現するために当社では、社員が能力開発とキャリアについて自律性をもって行動することを支援し、パフォーマンスを重視する評価・報酬制度運用の徹底により、個人の成長と会社の目標の両方の達成を実現します。
そのための施策として、評価と育成の責任を担う全管理職を対象とした研修を大幅に刷新しました。本研修では、評価や昇格において個人のバイアスや従来の慣行の影響を排除し、公正な評価を実現することを目的に、アンコンシャスバイアスを正しく理解し、適切に対処するためのケーススタディを実施しています。あわせて、上司が公正な評価に基づき、社員のパフォーマンス発揮を最大限支援できるよう、フィードバックスキル向上を目的としたセッションを取り入れています。
また、社員自身が、自身の業績がどのように報酬に反映されているかを正しく認識し、パフォーマンス最大化に向けて意欲をもって取り組めるよう、給与・賞与・福利厚生等の総報酬を社員にわかりやすく示す「総報酬ステートメント」「賞与ステートメント」を発行しています。
当社は今後も効果的なパフォーマンスマネジメントの運用を通じ、公正で透明性の高い評価と成果に基づく昇格・報酬を実現してまいります。社員一人ひとりが努力と成果を公正に評価されたと感じ、成長と貢献を実感できるような環境を整備することで、組織パフォーマンスの最大化を追求していきます。
c. 人材育成
「Vision 2030」の達成に向けた「人材と組織の強化」を実現するため、当社では経営上重要な変革推進を担う人材パイプラインの拡充と、社員一人ひとりの自律的なキャリア構築を推進しています。
・次世代の経営を担うパイプラインの拡充と育成加速
2025年は、将来の経営層候補の人材を確保・育成するための継続的かつ体系的な取り組みとして、各部門の人材会議およびアセスメントに基づき、パフォーマンスのみならず将来のポテンシャルを重視して、将来の経営人材候補を特定しました。選抜された候補に対し、本人と育成責任者が強みと課題を共有した上で個別の育成計画を策定・実行しています。今後はさらに、育成において効果的な学習比率とされる「70:20:10の法則」に基づく体系的なアプローチを強化します。具体的には、業務を通じたタフアサインメント(70%)、メンタリング等による他者からの学び(20%)、変革リーダー育成プログラム(コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ))や英語学習等の研修(10%)を戦略的に組み合わせ、経営を担う人材の早期育成を加速します。
・自律的なキャリア構築の促進と環境整備
変化する事業環境やDXの推進に柔軟に対応できる人材・組織を実現するため、社員一人ひとりが高い自律性を持ち、自ら必要なスキルを習得するカルチャー醸成に注力しております。2025年は、CHROによる全社メッセージ配信やキャリア自律に関するE-learningを実施し、意識改革を徹底しました。また、管理職によるメンバーのキャリア構築支援のための知識・スキル向上を目的に、管理職研修を充実し、キャリア支援・能力開発支援ガイドを展開しました。さらに、自律的なキャリアの実現を後押しするため、社内公募制度の応募要件を緩和した結果、社内公募求人数は1.7倍に増加しました。今後も、社内公募制度のプロモーション施策等を展開し、自律的キャリア実現の支援を推進します。
d. エンゲージメントの向上
当社では、変革を進めていくなかで組織の現状を把握し、取り組むべき最適な施策を実行することを目的として、エンゲージメントサーベイを刷新しました。エンゲージメントサーベイとは、社員のモチベーションや会社への愛着、仕事へのやりがい、上司や職場環境への意識などを測定し、組織の状態を可視化して改善につなげるための調査です。
初年度の取り組みとして、エンゲージメントサーベイの結果に基づいて各部門の改善アクションの立案と実行を開始しました。2025年11月の全管理職向けの研修において、サーベイ結果から自組織の課題を読み解き、部下との対話を通じて改善アクションを立案・実行するための実践的な演習を行いました。さらに、管理職の行動変容を継続的に測定するためにパルスサーベイを活用しています。加えて、エンゲージメントスコアの改善率を役員評価の指標として設定し、経営層のコミットメントを一層明確にしています。これらの取り組みを通じて、全社のエンゲージメント向上を実現していきます。
e. ウェルビーイングの推進
当社のミッションを実現するためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、働きがいをもって活躍できる状態、すなわちウェルビーイングの向上が欠かせません。当社は、社員自身がハッピーであることが、製品やサービスを通じて社会にポジティブな価値を届ける原動力になると考えています。これまで、ウェルビーイングは主に心身の健康に焦点が当てられてきましたが、当社ではウェルビーイングを構成する5つの要素として、フィジカルに加え、キャリア、ソーシャル、ファイナンシャル、コミュニティのウェルビーイングを新たに定義しました。さらに、これらを親しみやすいデザインで表現し、「ハッピーウェルビーイング」と名付け、会社が支援できることと、社員一人ひとりが主体的に取り組むべきことを整理しています。
・フィジカルウェルビーイング
社員の心身の健康と働きやすい環境の両立を図るため、健康促進および柔軟な働き方に関する施策を実施しています。2025年より、年次有給休暇取得における全社目標として、付与日数の70%の取得を設定し、有給休暇取得率は78.6%(前年比+7.0ポイント)を達成しました。また、2025年には、フレックス制度の最低労働時間を見直し、実質的に週休3日が可能な制度とするとともに、海外ワーケーション制度を導入し、柔軟な働き方を促進しています。さらに、ウォーキングイベントや禁煙施策を継続し、生活習慣改善と疾病予防を推進しています。
・キャリアウェルビーイング
社員が自分らしく挑戦し、成長を実感できるよう、キャリア形成支援を強化しています。取り組みの詳細については、c. 人材育成にて記載しています。
・ソーシャルウェルビーイング
信頼に基づくチーム力を高めるため、相互理解を進める施策を展開しました。取り組みの詳細については、f. DE&Iの推進にて記載しています。
・ファイナンシャルウェルビーイング
社員が将来にわたって安心して働き続けられるようにするため、当社は長期的な資産形成を自律的に社員が選択できる仕組みの強化を進めています。2025年は、職場つみたてNISAの導入と世代別マネープランセミナーを実施しました。
・コミュニティウェルビーイング
企業ブランドを通じた協働を強化し、社員のウェルビーイングを高めています。2025年は、DE&Iイベントやキャリアイベントを通じて社外ステークホルダーとの連携を推進しています。さらに、社員が社会貢献活動に参加できる環境を整えるために、ボランティア休暇制度を導入しています。
f. DE&Iの推進
人的資本の強化に向け、当社は、違いに関わらずすべての社員がポテンシャルを最大限発揮できる組織づくりを進めています。労働人口の減少、共働き世帯の増加、価値観の多様化が進む中、多様な人材が持続的に活躍できる環境の整備は必要不可欠です。当社はDE&I推進を人事戦略の重点領域と位置づけ、「社員のウェルビーイングを促進するカルチャーの醸成」を進めています。2025年も引き続き、ジェンダー、共働き・共育て支援、障がい者の活躍、LGBTQ+とアライの取り組みを進めました。
・ジェンダー
女性活躍に関する重要な指標である女性管理職比率は、2025年目標である10%を0.4ポイント上回る水準で達成しました。2030年度の女性管理職比率20%の実現に向けて、採用・育成・定着の各段階でパイプライン強化に取り組んでいます。優秀な女性社員の獲得に向けて、当社で活躍している女性社員のキャリアストーリーの発信や女子中高生を対象としたSTEM教育支援イベントを実施しています。また、女性管理職および候補者を対象とした選抜研修を継続し、職場での活躍を支えるために上司向けの研修も併行して実施しています。さらに、女性のキャリア挑戦を後押しする取り組みとして、国際女性デーに合わせた社内外発信や、2025年12月に社員主体で活動を行う女性活躍推進ネットワークを発足しました。
・共働き・共育て支援
性別を問わず育児とキャリアを両立できる環境の実現に向けた取り組みを強化しています。配偶者・パートナー出産休暇の取得義務日数を3日間から5日間へ拡充し、当社独自の目標である5日以上取得率は98.9%となりました。なお、政府目標である男性育児休業等取得率1日以上取得率は100.6%となり、2025年度の目標を達成しました。 また、育児と社員のキャリア形成の両立を支援するため、育休から早期復帰(出産後6ヵ月以内)した女性社員を対象に、育児・家事負担を軽減する支援策を導入しました。
・障がい者の活躍
法定雇用率の上昇に伴い人材確保の競争が激化している中、特性に応じた職務設計と環境整備を行うことで、人材の確保・定着を進めています。各事業所における特性を生かした業務の配置に加えて、本社六本木オフィスに設置した「ゆにらぼ」は、PCスキルを活かした業務支援を担う専門チームとして、生産性の向上に寄与しています。こうした取り組みにより、2025年度の障がい者雇用率は2025年12月31日時点で2.57%となりました(障がい者法定雇用率算定基準日2025年6月1日時点2.56%)。また、国際障がい者デーに合わせて、障がいのある方々への理解を深め、関心を高めるためのDisability Weekを実施しました。
・LGBTQ+とアライ
当社は、性的指向・性自認・性表現に関わらず誰もが安心して自分らしく働けるインクルーシブな環境づくりのため、LGBTQ+アライの輪を広げる活動を推進しています。プライドウィークに代表される、社内の啓発・対話イベントを継続するとともに、顧客企業との共同企画を通じて社内外のネットワークを拡大しました。また、性別・性自認に違和感を抱える社員を対象とした、ホルモン療法にかかる費用の一部を補助する制度を導入しました。これらの取り組みの結果、職場におけるLGBTQ+への取り組み指標「PRIDE指標2025」にて飲料業界初の4年連続「レインボー」認定を獲得しています。
③指標および目標
・女性管理職比率:2030年度女性管理職比率20%の目標達成に向けて、前述のとおり、女性管理職の育成・採用計画を推進し、2025年度には10%の目標を達成しました。
・男性育児休業等取得率:2025年度は当初目標の1日取得100%を達成しました。2026年度は引き続き100%の達成を目指します。また、前述のとおり、配偶者・パートナー出産休暇(有給)取得を3日間から5日間に拡充することで、より多くの取得を推奨してまいります。
・障がい者雇用率:当社では、2026年7月の法定雇用率の改定を見据えて、前述のとおり、雇用機会の拡充を進めてまいります。
・研修および能力開発の平均金額(正社員1人あたり): 当社では、経営戦略の推進および変革をリードする人材の計画的育成に向け、企業内大学「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」を中心に研修を充実させています。また、社員の自律的な学びを支援するプラットフォーム「ナレッジモール」を通じて、キャリア形成・能力開発を促進しています。
・時間当たり生産性:当社では、持続的な企業価値向上、多様な働き方の推進および業務の効率化を測る指標として時間当たり生産性を、以下の方法にて算出しはじめました。
時間当たり生産性=グループ連結事業利益÷グループ従業員の総労働時間(所定労働時間+所定外労働時間-年次有給休暇等の休業・休暇)
人事戦略を刷新した2024年度を基準年(100)とした場合、2025年度の時間当たり生産性は223になりました。
・有給休暇取得率:政府目標である、2028年度までの有給休暇取得率70%に沿って、当社も、付与日数の70%の取得を目標として設定し、年次有給休暇を取得しやすい職場環境の整備を進めています。
(注釈)
※1 表示数値は、第1企業の概況5.従業員の状況にある「(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業等取得率および男女の賃金の差異」の「※1、2、3」の記載に基づき算出しております。
※2 2025年度に公共職業安定所長宛に提出した「障害者雇用状況報告書」(2025年6月1日時点)の数値を記載しております。
※3 研修および能力開発金額にはコンサル費用などを含みます。(2023-2025年度)
④リスク管理
人的資本に関連するリスク管理については、「3.事業等のリスク(1)当社グループのリスクマネジメント体制」に記載しております。