人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数506名(単体) 6,936名(連結)
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平均年齢38.4歳(単体)
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平均勤続年数10.7年(単体)
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平均年収4,331,636円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年2月28日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員(1日8時間換算)を外数で記載しております。
2.その他(飲食事業)として記載している従業員は、飲食事業を展開している株式会社ゼットン等の従業員であります。
(2) 提出会社の状況
2026年2月28日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員(1日8時間換算)を外数で記載しております。
2.平均年間給与には、給与及び賞与のほか、福利厚生費の一部(住宅手当、帰省手当、配転手当)を含めております。
3.当事業年度中において、従業員が4,413名及び臨時雇用者数が5,207名減少しておりますが、主として2025年9月に会社分割を行い、当社が持株会社へ移行したことによるものであります。
4.当社は、アパレル・雑貨関連事業を単一の報告セグメントとしているため、セグメント情報ごとに記載しておりません。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1.管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。提出会社及び常時雇用する労働者が101名以上の主な国内子会社を対象に、2026年2月28日を基準に集計した数値を記載しています。
2.男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業の取得割合を算出したものです。提出会社及び常時雇用する労働者が101名以上の主な国内子会社を対象に、2025年3月1日から2026年2月28日の期間で集計した数値を記載しています。( )内の値は、事業年度末日時点で取得時期が確定している人数を加味し算定したものです。なお、「―」は取得対象者が無いことを示しています。
3.労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき情報公表の求めのある常時雇用する労働者が101人以上の提出会社及び主な国内子会社を対象に、2025年3月1日から2026年2月28日の期間で集計した数値を記載しています。
※男女の賃金の差異について、当社グループでは、男女で同一の等級及び同一賃金の公正な賃金体系を適用しており性別による賃金差異はありませんが、積極的に女性新卒の採用を実施していること、管理監督者の中でもより高い等級において女性の割合が少ないことから、賃金における男女差が発生しています。今後、昇格者や等級毎の男女の割合を定期的にモニタリングし、また、各種取り組みを進めることで、女性管理職比率の向上並びに男女賃金差異の解消を目指していきます。なお、「―」は対象者が無く差異が算出できないことを示しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティへの考え方及び取組
当社グループでは、サステナビリティポリシーに「ファッションのワクワクを、未来まで。」を掲げています。サステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置付け、事業活動を通じて地球規模の課題解決に挑み、持続可能な社会と経済成長の両立を目指してサステナビリティを重視した経営を行っています。
① サステナビリティにおけるガバナンス
グループ全体の非財務戦略の推進強化を目的に、サステナビリティ担当の専務取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。同委員会では、気候変動等の重要課題に関する方針・目標策定や、マテリアリティの進捗管理、リスク・機会の評価などを審議しています。審議内容は定期的に取締役会又は執行会議へ報告・提言され、取締役会による監督の下、サステナビリティ課題への対応と持続的な企業価値向上を両立させるガバナンス体制を構築しています。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティ担当の専務取締役を委員長とし、以下の委員が常任構成員として出席しています。なお、議題に応じて関係部門の責任者等を適宜招集します。
(注)サステナビリティ委員長以下の常任委員は2026年2月期時点
第76期(2026年2月期)サステナビリティ委員会では、以下のような議題を中心に協議し、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関わる経営の基本方針・戦略、事業活動と連動した計画立案や提言を行っています。
② 戦略
1) 中長期経営計画とサステナブル経営
当社グループは、社会環境の変化を背景にサステナビリティを経営の重要課題と位置付けています。中期経営計画の策定に際しては、事業戦略と中長期的なサステナビリティ戦略を再整合させ、マテリアリティに基づくESG目標をより具体的で高い水準へと刷新しました。各重点テーマにおいて当社独自の強みを活かした施策を推進することで、社会的価値の創出と事業成長を高度に統合し、持続的な企業価値の向上を追求していきます。
2) 中期経営計画と連動したマテリアリティの特定
ファッション産業特有の構造的課題(大量生産・大量廃棄、環境負荷、人権問題等)の解決を企業の責務と認識し、産業全体の持続可能性と経営の高度な両立を追求しています。多様なステークホルダーとの接点をもつ事業特性を活かし、広範な対話と透明性の高い情報開示を重視するとともに、個社単独では解決困難な課題に対し、他社やコミュニティとの共創を通じた解決能力の構築に注力しています。マテリアリティの特定にあたっては、ステークホルダーの関心度(縦軸)と当社グループへの影響度(横軸)によるマッピングを策定。サステナビリティ委員会での審議を経て重要課題を特定し、事業環境変化に伴うリスク・機会の分析と優先順位の定期的な見直しを実施しています。さらに、中期経営計画におけるビジネスポートフォリオの拡大と成長を見据え、サステナビリティを成長シナジー創出の重要源泉と位置付けています。網羅的かつ優先順位に基づいた対応を推進し、ステークホルダーとの協業で事業を通じた社会課題の解決を目指します。
3) 環境及び人権に関する考え方と方針
プラットフォーマーとして多様なビジネスを国内外で推進するにあたり、当社グループのサステナビリティに対する企業姿勢が多くのステークホルダーから永続的に共感・支持されるよう、2025年9月、これら課題への取り組み方針や考え方などを明示した「環境に関する考え方」と「人権に関する考え方」を新たに策定・開示しました。
「環境に関する考え方」では、事業が環境・社会や経済に与える影響と企業責任を示すとともに、環境目標の達成に向けて取り組むべき環境課題へのアプローチを定めています。環境に関する考え方は以下のURLにて詳細を開示しています。
https://www.andst-hd.co.jp/sustainability/
「人権に関する考え方」では、ビジネスと人権に関する国際基準に則り、従業員はもとよりお客様やお取引先様など全ての利害関係者に向けて、常に人権尊重が考慮された事業活動を行い、サプライチェーン全体での人権監督・是正や改善活動が行われる企業体制を定めています。人権に関する考え方は以下のURLにて詳細を開示しています。
https://www.andst-hd.co.jp/sustainability/humanrights/
③ 指標及び目標
1) サステナビリティの重点テーマと重点課題及び進捗
当社グループでは、自然資本や人的資本、社会資本に多くを依拠するビジネスを行っていることから、「環境を守る、人を輝かせる、地域と共に成長する」の3つの重点テーマを定め、事業全体で環境・社会課題に真摯に向き合うための指標・目標を定めています。各重点課題における進捗状況は以下のとおりです。
なお、3つの重点テーマにおける取り組みは以下のURLにて詳細を開示しています。
2) 重点テーマの取り組み概要
「環境を守る」に関する取り組み
「事業による環境負荷を低減させ、ファッションの世界をサステナブルにします。」を掲げ、活動ビジョンとして、未来につながるものづくり、環境への配慮と営業活動の両立、ファッションロスのない世界の3つを定めています。
未来につながるものづくりでは、2030年までに全商品のうち半分以上をサステナブルな原料・加工へと切り替えることを目標としています。第76期(2026年2月期)は、商品への独自のサステナブルマークの付与率が13.1%(前期比△4.8%)、付与数が約1,353万枚(前期比△約287万枚)となりました。付与率及び付与数が低下した主な要因として、期中の販売戦略の見直しに伴う素材選択の変更が影響しました。第77期(2027年2月期)においては、サステナブル素材の導入を促進するとともに、新たなサステナブルマーク付与基準及び定義を策定し、付与率の底上げを図ります。
環境への配慮と営業活動の両立では、2050年カーボンニュートラルの実現を目標としています。当社グループでのCO2排出量(国内・海外におけるScope1-3)算定に加え、CO2削減に関する取り組みを実行したことにより、7,671t-CO2(前期比△1.4%)の削減を行うことができました。脱炭素社会への移行に基づく温室効果ガス削減シミュレーションについては、従来までの自社領域(Scope1-2)に加え、新たに自社領域外(Scope3)の削減シミュレーションを策定・開示しました。そのほか、衣料品及び雑貨類における、原材料調達からリサイクルに至るまでの商品ライフサイクル全体を通した各プロセスの温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)平均を算定・開示しました。
ファッションロスのない世界では、衣料品在庫の焼却処分ゼロを継続して達成しています。第76期(2026年2月期)は、グループシナジーが反映される新たな事業構造への転換を進め、サーキュラー事業を展開するグループ会社の株式会社WeOurと連携し、ファッションロス低減と事業収支を考慮した在庫活用・衣料品回収スキームへの見直しを図りました。シーズンアウト品に加えてユーズド商品のラインナップを拡充することで、お客様や社会にファッションの新たな選択肢と魅力を訴求しています。衣料品回収活動については以下のURLにて詳細を開示しています。
https://www.andst-hd.co.jp/playcycle/
「人を輝かせる」に関する取り組み
「お客様も、従業員も、関わる誰もが毎日ワクワクできる環境をつくります。」を掲げ、活動ビジョンとして、自分らしくファッションを楽しめる社会、心身ともに健康で個性や能力を発揮できる組織の2つを定めています。
自分らしくファッションを楽しめる社会の実現に向けては、多様な価値観やライフスタイルに寄り添うインクルーシブファッションの展開やユニセックスラインの拡充等、選択肢の多様化を推進しています。また、多様性への理解を深める社内プログラムを通じて、誰もが自由にファッションを選択し、楽しめる社会の実現に寄与しています。
心身ともに健康で個性や能力を発揮できる組織の構築においては、ダイバーシティ経営を重要な成長戦略の一つに位置付けています。当社グループの従業員は女性が約8割を占め、また顧客層も女性中心であることから、女性の活躍が事業活動の成果に直結すると認識し、2030年2月期を最終年度とする中期経営計画の達成に向け、女性管理職比率目標を上方修正しました。新たな目標として「2030年2月期までに、国内外グループにおける女性の上級管理職比率を30%以上、女性管理職比率を50%以上に引き上げる」ことを定め、経営トップのコミットメントのもと、戦略的な育成・登用及びライフステージに応じた多様なキャリアや働き方を支援する人事制度を拡充しています。今後も、多様な人材の個性と能力を成長の原動力と捉え、人事戦略と連動した施策や健康経営の推進を通じ、働きがいを高め、誰もが最大限に能力を発揮できる組織基盤の強化に取り組みます。
なお、人的資本に係る指標及び取り組みは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本に関する取組」をご参照下さい。
「地域と成長する」に関する取り組み
「地域社会と共生し、ともに新しい価値を創ります。」を掲げ、活動ビジョンとして、出店地域の活性化、生産地域の持続可能な発展の2つを定めています。
出店地域の活性化においては、グローバルな事業拡大に伴い、各地域の文化・風習を尊重した事業運営と法令遵守を徹底しています。創業地である茨城県水戸市でのスポーツ・文化活動支援や、産学官連携による教育支援プロジェクト等を通じ、地域経済の活性化と社会課題解決に寄与するビジネスを展開しています。
生産地域においては、品質向上とサステナビリティの両立を目指し、サプライヤーとの継続的な対話及びCSRモニタリングを実施しています。これにより環境負荷の低減や人権リスクの早期発見・是正を図り、サプライチェーンのレジリエンスを強化しています。また、ビジネス全体の透明性向上を目的にサプライヤーリストを公開しており、第76期(2026年2月期)は特定パートナー47社に関連する60の生産工場に加え、主要取引商社7社及び商社経由の貿易公司18社へと開示範囲を拡大しました。さらに、工場の従業員数、女性比率、労使協定の有無を新たに開示項目へ追加し、労働環境の適正性を監督しています。サプライヤーリストについては、以下のURLで詳細を公開しています。
https://www.andst-hd.co.jp/sustainability/theme/community/supply-chain/
④ リスク管理
当社グループでは、サステナブル経営における重要な環境課題やリスクについて、取締役会、執行会議及びサステナビリティ委員会にて重点課題として議論しています。統合的なリスク管理体制のもと、主管部門であるサステナビリティ推進室が定期的な見直しと協議を行っています。
なお、サステナビリティに関するリスクの内容については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。
(2) 気候変動への対応
当社グループは、気候変動への対応をサステナビリティにおける重要課題の一つとして位置づけ、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指しています。金融庁が2027年から東京証券取引所プライム市場上場企業を対象に、順次SSBJ基準に準拠した有価証券報告書での情報開示要請を表明したことを受け、将来的な義務対象となることを予想し、SSBJが示す開示基準を随時参照しながら情報開示の拡充を進めていきます。
① ガバナンス
気候変動への対応をサステナビリティにおける重要課題の一つと位置づけ、サステナビリティ担当の専務取締役が取締役会に定期的に報告しています。取締役会は、監査等委員でない取締役7名(うち、社外取締役4名)、監査等委員である取締役3名(うち、社外取締役2名)で構成され、代表取締役社長が議長を務め、グループ全体での経営意思決定の最高機関として重要事項を審議・決議しています(注)。また、取締役会での非財務領域での戦略推進をより一層強化することを目的にサステナビリティ委員会を設置し、方針や中長期の目標策定、マテリアリティに対するリスク・機会の分析と進捗管理を行い、定期的に取締役会又は執行会議へ報告・提言を行うことで、実効性のある監督機能を備え、持続的に企業価値を高めています。
(注)取締役会の構成員は2026年2月期時点
② 戦略
気候変動による事業へのリスクを予防・軽減、適切に管理・対応し、将来に渡るビジネスへの財務影響を最小限にすることを目的に中長期的な戦略を策定しています。戦略策定の一環として、売上の約90%を占めるアパレル・雑貨関連事業に関して、2050年までのリスクと機会を2℃シナリオと4℃シナリオに別けて分析しています。特に重要性が高いと評価したリスクと機会については、気候変動による事業及び財務への影響を定量的に試算しています。
2℃シナリオ
4℃シナリオ
気候変動に関するリスク・機会への対応戦略
衣料品の原材料は綿、羊毛、木など自然資本に依存するものが多く、気候変動がサプライチェーンに及ぼす影響とその適応策について、2℃シナリオ、4℃シナリオのそれぞれで明らかにしています。
・2℃シナリオ:21世紀末の世界平均気温が産業革命以前と比べて1.6~1.9℃上昇する世界であり、脱炭素経済活動が活発化し、規律型社会への移行が進みます。各国政府の炭素排出規制が強化されることで、当社の温室効果ガスに関連する排出責任と環境対策がバリューチェーン全体に拡大し、コストの上昇が予想されます。環境意識の高まりが消費者の行動変容につながり、売上にも影響を及ぼすと想定されます。当社は素材開発、生産地域の分散化、省エネ・節水など環境に配慮された生産体系を構築するとともに、ポートフォリオの多様化で持続可能な事業成長を図ります。
・4℃シナリオ:21世紀末の世界平均気温が産業革命以前と比べて3.5~3.9℃上昇する世界であり、地球温暖化が著しく進行します。自然災害の発生頻度の増加とその被害が深刻化し、衣料品や食料の入手が不安定になる可能性が高まります。このような状況の中で、当社グループは安定した事業を継続するため、中国やASEAN諸国を中心とした原材料調達、生産背景、ロジスティクスの分散・多角化を図ることで、強靭なサプライチェーンを構築し事業運営におけるリスクを軽減します。
これらの分析結果を受け、2℃と4℃、どちらのシナリオが現実化した場合においても、事業レジリエンスを保ちながら、持続可能な成長が可能と考えています。
気候移行計画が依って立つ主要な前提及び依存条件
アパレル事業の主要原料である綿花やウールなどの天然素材は気候影響を大きく受けます。また、ポリエステルのような石化由来原料については資源枯渇のリスクに晒されています。例えば、私たちは綿花の栽培で消費される大量の水資源、多量の農薬使用、児童労働、債務労働といった環境・社会リスクが潜在していることを認識しており、地球温暖化や生物多様性への影響、人権問題などに取り組む必要があります。これら原材料は当社グループのビジネスにとって不可欠であり、もしも公正で倫理的な調達活動への対応が遅れた場合、ブランドイメージが毀損し、売上が低下するリスクがあります。そのため、CSRモニタリングを気候移行計画の重要な施策のひとつに位置づけ、レピュテーションリスク発生の防止に取り組んでいます。また、地方や郊外、都心といった地理的格差による購買機会の差異、豪雨や豪雪など局地的な気象変化による購買機会ロスを軽減させることを目的に、EC購買を拡充しています。さらに、気候変動による環境影響への関心の高まりを受けて、環境に配慮した商品やサービスが支持され、売上が拡大すると予測しています。そのため、環境配慮型素材の導入、気温上昇に対応した快適な機能性素材の開発、環境負荷低減を目的とした新技術の活用などを行い、ファッショントレンドはもちろん、機能性・利便性・環境配慮を兼ね備えた商品をスピーディーに生産し市場で展開できるサプライチェーンを構築します。
アパレル小売ビジネスにおいては以下のような依存関係があります。
・サプライヤーとの関係:アパレル事業は、多くのサプライヤーとの関係を有しています。サプライヤーは主に、製品の製造や素材の調達に関与しており、気候変動への対応や持続可能な製造プラクティスのノウハウ導入に協力する必要があります。気候移行計画では、サプライヤーとのコラボレーションや持続可能なサプライチェーンの構築が重要な要素となり得ます。
・エネルギー使用と排出量:製品の製造や輸送において多くのエネルギーを使用し、CO2などの温室効果ガスを排出しています。気候移行計画では、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの導入や排出量の削減策の実施が重要であり、排出量の計測や報告、削減目標・指標を設定します。
・持続可能な素材の使用:アパレル事業では、石油由来の合成繊維や化学物質を多く使用しています。気候移行計画では、持続可能な素材の使用を促進することが重要であり、オーガニックコットンや再生繊維の利用、化学物質の削減や代替品の採用などが挙げられます。
・消費者の意識と需要:消費者の意識や需要も気候移行計画に関連しています。持続可能な製品やブランドへの需要が高まることで、アパレル事業での気候変動対応を促進する契機となり得ます。消費者への情報提供や啓発、持続可能な製品の開発やマーケティングなどを進めます。
気候移行計画の策定に関するリソースとして、以下を想定します。
・専門知識と技術:気候変動や持続可能性に関する専門知識や技術が必要であるため、エネルギー管理や排出量計測の専門家、持続可能な素材の研究開発者、サプライチェーン及び生産技術の知見を有する専門家などを社内外で確保すべきと認識しています。
・データと分析:気候変動の影響や排出量の計測、持続可能な素材の調達などに関するデータシステムと分析が必要であり、これにより現状の評価や目標の設定、進捗のモニタリングが可能となります。
・ファイナンス:気候移行計画の実行には資金が必要であり、資金調達や助成金の活用、持続可能なビジネスモデルの開発などがこれに関連します。
・パートナーシップとコラボレーション:アパレル事業は、サプライヤーや他企業、NGO、政府機関などとのパートナーシップが重要であり、共同プロジェクトの推進、ベストプラクティスの共有などを行います。
財務インパクト評価
[移行リスク]
※算出前提:120米ドル/t-CO2(IEA「World Energy Outlook2021」より試算)、2030年時点
[物理的リスク]
※算出前提:2021年度の浸水店舗の実績を用いてハザードマップ及び国土交通省「治水経済調査マニュアル」より試算
③ 指標及び目標
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、取り組みの指標としてCO2排出量を設定しています。各Scope及びカテゴリにおける年次でのCO2排出量の変化の要因を特定/考察することにより、自社領域及び自社領域外での気候変動あるいはCO2排出量の増減に依存・影響を及ぼすと予想されるリスク/機会を抽出し管理しています。
④ リスク管理
事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、サステナビリティ担当部門を中心とする社内のタスクフォースを通じてシナリオ分析を定期的に行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定した重要なリスク・機会は危機管理担当取締役に報告したうえで、タスクフォースと該当部門が連携しながら、具体的なリスク対策を行っていきます。なお、自然災害に起因する物理リスクへの対応については、危機管理担当取締役を委員長とする危機管理委員会においてBCPをはじめとする事業継続マネジメントの実行体制を整備しています。
当社グループでは、TCFDフレームワーク及びSSBJ気候関連開示基準に基づき、以下のようなリスク/機会分析を行っています。
1.特定(Identify):気候変動に関連するリスクと機会を特定するために、自社のビジネスモデルやサプライチェーンに関する情報を収集し、気候変動による物理的リスク(例:自然災害の影響)や移行リスク(例:規制強化による影響)を特定します。同様に、気候変動による新たなビジネス機会(例:持続可能な製品の需要増加)を特定します。
2.評価(Assess):特定されたリスクと機会を評価するため、定量的及び定性的な分析を行います。リスク評価では、気候変動の影響を受ける可能性のある領域やサプライチェーンの脆弱性を評価します。機会評価では、持続可能な製品やサービスの需要予測や市場動向の分析を行います。
3.管理(Manage):特定及び評価されたリスクと機会に対処するため、適切な管理を行います。リスク管理では、リスクの軽減や回避のための具体的な対策を実施します。例えば、サプライチェーンの持続可能性評価やリスク分散のための原材料調達先の多様化などが含まれます。機会管理では、新たなビジネス機会を追求するための戦略やイノベーションを推進します。これには、持続可能な製品の開発、市場での衣料品回収によるファッションロス削減や環境に配慮したマーケティング戦略などが含まれます。
4.監視・報告(Monitor and Report):リスクと機会の状況を定期的に監視し報告します。監視では、リスクと機会の変化や進捗状況を追跡し、必要に応じて管理策を見直します。報告では、TCFDフレームワークの要件に基づき、気候変動に関連するリスクと機会についての情報を開示します。このような情報開示は、投資家や利害関係者に対してビジネスを通じた気候変動への取り組みを可視化することに役立ちます。当社グループでは、外部専門機関等からの気候変動に関する情報をもとに、短期・中期・長期のリスク及び機会の評価を年に1回以上行っています。具体的には短期、中期(2030年)、長期(2050年)の時間軸で、全バリューチェーン(上流、直接操業、下流)を対象にシナリオ分析を行い、1.5℃(IPCC RCP1.9)、2℃(IPCC RCP2.6)、4℃(IPCC RCP8.5)の各シナリオに対して気候変動に関連するリスクと機会を抽出し、事業への影響度を定量的かつ定性的に検証・評価しています。
(3) 人的資本に関する取組
<人的資本経営の基本方針>
アンドエスティHDグループで働くすべての人が、新しい価値 Play fashion!を創出する
~成長戦略の達成や企業価値を高める組織・人材への投資~
~新しい価値創造へ=最も重要な経営資源は『人材』~
変化するマーケットの中で、当社グループが次のステージへと成長していくためには、経営・ビジネスモデルの変革だけでなく、それを実現する人材と組織が重要です。当社グループの組織の強みはチームワークにあり、仲間が集まって、経験や知識、考えをシェアし、掛け合わせることで新しい価値を生み出してきました。企業規模が拡大する中にあっても、緊密な部門連携により組織力の向上に努めています。
従業員それぞれが成長を実感できる環境を整備することで、働きがいとパフォーマンスの向上に努めています。一人ひとりが失敗を恐れず挑戦を続け、変化を楽しみながら「なくてはならぬ人」として成長することで、ミッションである「Play fashion!」の実現を目指しています。
① ガバナンス
当社グループでは、経営戦略と人事戦略の連動を図るため、重要な人事戦略や施策は、取締役会、執行会議及びサステナビリティ委員会にて、経営課題として議論しています。当社人事部がグループ全体の人的資本経営の推進部門として、グループ各社と連携しつつ、モニタリングと達成状況の評価検証サイクルを通じて、人的資本の増幅を図っています。
<人的資本経営の推進体制>
② 戦略
当社グループでは、従業員一人ひとりが新たな価値を創出できるよう、多様性を重視し、失敗を恐れず挑戦できる環境づくりを行っています。また、社員の成長を支援するため、人材への投資を進め、企業理念である「なくてはならぬ人」の育成に努めていきます。
1) 人材育成方針及び社内環境整備方針
<人材育成方針>
社員一人ひとりの強み・専門性を活かし、多様な個性を集約・成長支援することで、個人と組織の力を最大化することを目指していきます。
<社内環境整備方針>
社員一人ひとりが挑戦を恐れず能力を発揮できるよう、役割期待を明確にし、年齢・性別・世代等関係なく、多様な人材が融合し、イキイキと光り輝き続けられる環境を整備していきます。
2) 当社グループの組織・体制の特長、強み
組織や体制の特長、強みを活かし、
成長戦略の実現、新たな価値創造 Play fashion! へ
当社グループでは、現場起点・現場力を重視しており、店頭のスタッフが捉えたお客様のライフスタイルやファッションの変化を、事業運営に反映する仕組みを構築しています。また、支店営業本部が中心となり、地域内の店舗が連携し、エリアの環境や地域特性に合わせた店舗運営と危機管理対応を実現しています。
また、多様な価値観、各分野での専門性を有する個々の経験や知識をチームで融合し、プラスαの組織力へ発展させるとともに、スピーディーな情報連携と柔軟な部門横断プロジェクトによる、さまざまな施策遂行により、課題解決を進めています。
③ 指標及び目標
当社グループでは、多彩な人材の活躍を支える環境をつくり、事業成長を実現するため、さまざまな施策を講じています。その重点施策の指標及び目標は以下の通りです。
[重点施策の指標及び目標]
■EC拡大とDXを推進するための、DX体制の強化
当社グループの成長を支えるDX推進を加速すべく、DX部門を取締役の直下に専門部署として設置し、デジタル技術やデータ活用に精通した優秀な人材の採用・育成・定着に取り組んでいます。また、国内及び海外のビジネスパートナーとの提携、スタートアップ企業との連携強化、副業人材の活用などにも積極的に取り組み、競争優位性のあるDX推進体制の構築を進めています。
上記のほか、中期経営計画の実現に向けた人事施策として以下の取り組みの強化を図っています。
・グローバル化を推進する人材の採用・育成強化及び関連諸制度の整備
・DX人材のほか、さまざまな高度専門スキルを有する人材の採用強化
・中長期的なDX人材の拡充を目指し、会社の戦略や社風にマッチしたDX人材を新卒採用
・将来を担う経営人材の計画的な育成と教育研修体系の整備
■EC、デジタル接点の拡大に向けたチャレンジ「スタッフボード」
「スタッフボード」データ
(※1) ( )内は当社グループ外からの参加者。
(※2) 総フォロワー数:スタッフボード、Instagram、TikTok、YouTubeほかSNSフォロワー数の延べ総計。
(※3) スタッフボードシェア率:EC売上に占めるコンテンツを経由して商品購入された売上の比率。
1商品購入に対して計測対象は1コンテンツとし、計測対象期間は30日間。
■「キャリアを自分で描いていく」ためのキャリア拡大支援プロジェクト「キャリカク」
店舗で働く従業員がキャリアを自分で考え、挑戦できる機会を生み出すキャリア拡大支援プロジェクト「キャリカク」は、店長の次のキャリアが見えないという販売職特有の課題に対して、自らキャリアについて考えるきっかけをつくることを目的にスタートしました。「地域に根差した活躍ができる」「得意を伸ばす」という2点を軸に、地域に合ったサポートや情報の発信、地域活性化イベントや接客スキル向上などを担う役割があり、販売職プラスαの役割を担うことで入社数年のスタッフにも自分の可能性や成長を感じてもらえる環境を整えています。また、その活動を通して周りのスタッフの成長や売上向上にも繋がっており組織全体へも良い影響を与えています。
今期より「子育て社員アドバイザー」の役割も追加され、店舗の子育て社員のサポートや地域での情報発信など、キャリカクに参加する社員だけでなく組織全体へも良い影響を与えています。「キャリカク」を通して、更なる活躍の場を拡充するとともに、インセンティブ制度も導入し、自ら手を挙げてプラスαの役割を担うことに対する継続的なモチベーションの後押しを進めています。
※SSC:Service Skill Certificationの略で、店頭で働くスタッフを対象としたスキル認定制度です。
「キャリカク」データ
※子育て社員アドバイザーは、2025年2月期からの取組のため、算出データは2025年2月以降のみ記載。
上記のほか、アンドエスティHDグループらしいチャレンジの創出、自律的なキャリア開発・学びの促進に係る施策は以下の通りです。
・自ら手を挙げてチャレンジできる「公募型研修」
・主体的にキャリアを考えチャレンジできる「グループ内公募制度(ポジション公募)」
・店舗勤務の希望者が、普段とは異なる本部での業務を体験できる「インターンシップ」
・アルバイト・パートタイマーから社員へチャレンジできる「正社員登用制度」
・チャレンジ度を重視した人事評価制度
■女性の活躍支援を通じた組織の多様化(女性登用計画、意識改革)
当社グループは店舗社員の84%、本部社員の76%を女性が占めており、女性の活躍が事業活動の成果に直結していると考えています。また、商品のうち約80%が女性向けであり、女性の感性を活かし、多様化するニーズを捉えた商品、サービスや新たな価値を提供しています。
2030年2月期までに、国内外グループにおける管理職比率50%以上、上級管理職比率30%以上を目標に掲げ、より多くの女性が活躍できる会社となるため、経営トップのコミットメントのもと、勉強会や講演会の開催、メンター制度など様々な取り組みを行っています。これらは女性幹部候補の育成と議論の活発化に奏功しており、女性の視点でのカテゴリの開拓・拡張が中長期の企業の成長に貢献しています。
「女性活躍」データ
※2025年2月以降の実績値は、株式会社ゼットンを含む国内グループ会社全体の値です。
(カリマーインターナショナル株式会社を除く)
■育児休業の取得促進(促進、現場サポート)
ジェンダーに関わらず仕事と育児を両立することについて、理解し支援できる環境の整備は、女性がキャリアを中断することなく長期的な活躍に繋がります。当社では、出産後も安心して働き続けることができるように、ママアドバイザーの設置をはじめとする復帰後の勤務支援などの支援制度を整備してきました。現在は、男性の育児休業取得率の向上に向け、配偶者の妊娠が分かった時点で本人・上長・人事部の3者面談を行い、本人の取得希望時期の確認、引継ぎや役割分担等の調整を行っています。男女ともに安心して育児休業が取得できる環境整備に力を入れており、男性及び女性の育児休暇取得率100%を目標にしています。
今後も全ての社員が活躍できる職場、組織、会社を目指し、育児休暇取得の文化醸成と、早期復職支援や柔軟な働き方の推進により、社員の仕事と育児の両立を支援していきます。
「育児休業」データ
※男性の取得者数及び取得率の( )内の値は、事業年度末日時点で取得時期が確定している人数を加味し算定したものです。
※2026年2月以降の実績値は、株式会社ゼットンを含む国内グループ会社全体の値です。
(カリマーインターナショナル株式会社を除く)
■健康経営の推進(ウェルビーイング)
~取組み事例~
女性活躍を支える健康課題への対応
▷ 婦人科がん健診の対象拡大と受診勧奨
▷ 健康に関する上司向けリテラシー教育
疾病予防・健康増進とメンタルヘルス対応
▷ 相談窓口「こころとからだの保健室」「女性の健康相談窓口」の設置
▷ 産業保健職体制構築(産業医、保健師常駐)
▷ 健診リスク者へ2次健診勧奨
▷ 自社健康保険組合と連携して、健康への関心・リテラシー向上のための研修・情報発信
「健康経営推進」データ
上記のほか、全ての人が輝くためのダイバーシティやウェルビーイング施策は以下の通りです。
・障がい者の雇用促進と長期的にかつ自分らしく活躍できる環境の整備
-店舗運営支援業務、物流機能及びバックオフィスのサポート業務に加えて、接客や店舗運営まで任せる取り組みを「OFF STOREエスパル山形店」にて開始し、活躍領域をさらに拡大
・LGBTQ+、インクルーシブの促進に向けた取り組み
-福利厚生の公平な適用に向け、配偶者に同性パートナーを認めるよう規程を改定
-店舗内にレインボーフラッグを掲げる「アダストリアプライドマンス」の実施やオリジナル研修動画を作成し、性的マイノリティへの理解を促進
-インクルーシブファッションプロジェクト「Play fashion! for ALL」を推進
・仕事と家庭の両立、業務効率化に繋がる柔軟な働き方やコミュニケーションが活性化するオフィス環境の改善
■マネジメントメッセージの発信や社員との双方向の対話機会
マネジメントと従業員の双方間で、将来の夢を語り、想いを共有し、また課題に対して共に解決に向けて意見交換する機会を大切にしています。年に1回実施している「タウンミーティング」では、経営層が各地域に出向き、企業理念・ミッションや事業計画などについて想いや方向性を共有するとともに、社員たちと直接対話することで、その場で社員から出た困りごとや改善を求める声を受け止める機会としています。なお、その社員の声に積極的に耳を傾け、速やかに改善を進めています。
また、従業員の家族からの理解を深め、楽しみを共感してもらうことも重視しており、親子で参加できる「A KIDSラボ」や家族参加型のウェルビーイング企画「ウェルネスデイ」などの開催を通じて、当社の良き文化であるファミリー感・風通しの良さを一層高めています。
これら一つ一つの取組みを通して、従業員のモチベーション向上、組織活性化に繋がっています。
当社グループの人的資本への投資効果を測る1つの指標として、従業員満足度調査を毎年実施しています。
2026年2月期からは従業員満足度調査のスコアを役員報酬の評価指標に組み入れ、総合満足度「3.8~4.0」以上(5点満点)の維持を目指しています。毎年実施している従業員満足度調査を通じて従業員の「思い」を把握し、各組織へフィードバックすることで組織活性化に取り組んでいます。
2025年実施の調査では、業績の不調や出社方針の変更の影響もあり、前年度を下回る結果となりました。フリーコメント分析から、店舗においては「人手不足」「評価・報酬制度」、本部においては「評価・報酬制度」「オフィス・働き方」に関する課題が明らかとなり、1つずつ改善に向けた議論・検討を進めています。
今後も、調査結果を会社の取り組みに反映し、より良い組織づくりを目指していきます。
「従業員満足度」データ
※2025年2月以降の実績値は、株式会社ゼットンを含む国内グループ会社全体の値です。
(カリマーインターナショナル株式会社を除く)
※本調査は、非正規労働者(月80時間以上の勤務者)を含む従業員を対象に実施しています。
上記のほか、ファミリー感を裏付ける風通しの良さ(対話の文化)やコミュニケーション活性に係る施策は以下の通りです。
・従業員全員から、会社全体やブランド横断でアイデアを募集する「アイデアポスト」の設置
・お客様からのお褒めやご指摘などのご意見は全社に即時に共有
④ リスク管理
当社グループでは、人的資本経営の推進に向けた重要な人事戦略や施策及び関わる課題やリスクについて、取締役会、執行会議及びサステナビリティ委員会にて、重要課題として議論しています。総合的なリスク管理体制のもと、推進部門である人事部が詳細な検討を行い、全社的な観点で課題やリスクへのモニタリングを行っています。
なお、人的資本に関するリスクの内容については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。