2025年4月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

(1)リスク管理体制

当社グループのリスク管理については、経営戦略リスクについては取締役会が中心となり、オペレーショナルリスク及びハザードリスクについては危機管理委員会が中心となって推進しております。

独立社外取締役が3分の1以上を占める取締役会において、経営戦略リスクに関する協議・検討、商品の品質事故や従業員ホットラインへの通報などコンプライアンス・危機管理に関する情報のモニタリング等を行い、重大な経営リスクの未然防止・早期発見・再発防止を図っております。

また、危機管理室長及び総務部長を事務局とし、執行役員を含む各部門の本部長、品質保証部・広報IR室の責任者等を構成員とする危機管理委員会において、危機管理規程に基づいて、当社グループの経営に重大な影響を及ぼすと想定される大規模災害やサイバー攻撃等におけるリスクの抽出と未然防止策の検討を行うとともに、外部専門家を講師とする勉強会を開催するなど、役員・従業員の危機意識向上に努めております。

 

(2)主要な事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できないまたは問題とされていないリスクの影響を将来受ける可能性があります。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①経営戦略リスク

リスクの概要

主な対策

マーケットの変化

・急激なマーケットの環境変化に対応できないことによる競争力やブランド力の低下

・生活者の変化や食のトレンドを先読みした新価値惣菜の提案

・惣菜の新しい価値を生み出す革新力や商品の企画力・開発力の強化

・顧客視点での店舗環境の改善(買いやすさ、見やすさ、QSC)

出店施策

・急激な外部環境変化への対応等での予測しない退店や業態変更・統合による計画外の多額の費用の発生

・郊外の駅ビル・商業施設、都市部の再開発等に合わせた新規出店

・出店立地に応じたブランドの活用

・軽装備店舗のモデル作りと新たな立地への出店

・オンラインショップ、外販(卸)の取引拡大等、生活者の変化に応じた販売チャネル拡大

人材の確保

・労働人口減少に伴う採用難により、新規出店や生産量の抑制

・時給単価上昇による人件費の増加

・働き方の多様化への対応不足、賃金水準の見劣りによる人材流出

・店舗や生産ラインの生産性向上、機械化・少人化への取り組み

・子育て世帯をサポートする施策の強化等、労働環境の改善や柔軟な働き方を可能にする取り組み

・働きやすく、風通しのよい職場作り

法的規制

・惣菜事業に関係する法的規制の強化、予期しない新たな法的規制の導入への対応コストの増加

・パートタイム労働者の処遇改善等の法改正による人件費の増加や対応の遅れによる法令違反

・気候変動に対する規制強化や温室効果ガスの排出に対する新たな税制の導入に伴う対応コストの増加

・各部門の業務において適用される法改正情報の収集と早期の対応

・食品衛生や環境に関する法定基準に加え、より厳格な自社基準の設定・運用により、新たな法的規制による費用の発生を抑制

・労働関係法令を遵守するための社内体制を整備

・温室効果ガス排出抑制に向けた取り組みの推進(風力発電や太陽光発電の設置、非化石燃料電源やカーボンニュートラルLNGの導入、環境配慮型の包装資材への切り替え等)

 

 

②オペレーショナルリスク(事業遂行リスク)

リスクの概要

主な対策

食の安心・安全の確保

食中毒の発生や表示誤り等、商品の安全性の問題発生による以下の事象

・信頼失墜、ブランドイメージの毀損

・店舗の営業停止に伴う売上・利益の減少、商品回収に伴う費用発生

・品質保証部による社内及び取引先の定期的な監査(衛生管理や表示管理体制)

・購買本部と取引先との連携により、有事に速やかに対応できる協力体制の構築

原材料の調達

以下の事象による商品の生産や供給の停滞

・一次産業における担い手不足

・気候変動による異常気象や自然災害等による農・水産物の収穫量や品質の低下

・契約農家や生産者との信頼関係の維持による良質・安定的な原材料供給体制の構築

・新たな調達産地の開拓や複数の調達ルートの確保

商品・原材料等の配送

・異常気象や自然災害、交通事故等による交通規制を要因とする配送遅延や商品の破損等により商品が店舗に届かないリスク

・ドライバー不足による納品遅延

・人件費高騰による運賃の上昇

・継続的な取引先との連携強化による安定した供給体制の整備

・配送条件等の見直しや積載効率及び運行効率の向上等への取り組み

サプライチェーンにおける人権

・人権問題(ハラスメント等)の発生による訴訟の発生、退職者の増加、顧客及び取引先からの信頼失墜

・従業員相談窓口(ホットライン)、取引先からの通報・相談を受け付ける「お取引先ホットライン」を設置し、受付状況を取締役会に報告しモニタリングを実施。

・「ロック・フィールド人権方針」に基づく人権リスクの予防・軽減・是正の仕組み構築

 

③ハザードリスク(災害・事故リスク)

リスクの概要

主な対策

情報セキュリティ

以下の事象による事業中断、売上減少、企業価値の毀損

・自然災害によるシステム機器の崩壊、停止による内部情報の消失

・サイバー攻撃等による顧客情報を含む内部情報の紛失、漏洩、改ざん

・復旧用サーバーをクラウド環境に設置し、自然災害等によるシステム停止を回避

・サイバー攻撃への対策強化に向けたペネトレーションテスト実施及びセキュリティ対策の強化

・セキュリティポリシーの策定及びポリシーに基づくハード・ソフト対策、教育

自然災害

・原材料の産地における風水害等の発生による供給不安や調達価格の上昇

・当社グループの主要な生産拠点や主要な販売拠点における大規模な自然災害の発生による生産ラインの中断や販売店舗の休業による売上減少

・建物・設備の修繕等に伴うコスト増加

・有事の際には被災したファクトリーの製品を他のファクトリーでも生産できる相互補完的な体制の構築

・オンラインショップや外販(卸)等の強化による販路の多様化

・天候不順等による調達リスクを極小化するための調達産地の分散や原材料の計画的な調達

感染症等によるパンデミックの発生

・感染症の国内での拡大や社内でのクラスター発生による事業所、生産ライン、販売店舗の閉鎖

・感染症の拡大やパンデミックを想定し、危機管理規程に基づく適切な管理体制を構築

・従業員の安全と健康を最優先に考え、適切な対応を徹底することや、感染者が発生した場合の事業継続計画(BCP)の策定

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、利益配分につきましては、中間期末と期末の年2回の剰余金の配当を行うこととし、内部留保に留意しつつ安定的な配当を継続的に行うことを基本とし、経営成績に応じて総合的に決定しております。定款に「取締役会の決議により、毎年10月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定めており、剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。剰余金の配分につきましては、中長期的な事業展開のための内部留保の充実に留意しつつ、事業収益並びにキャッシュ・フローの状況等を勘案して、連結配当性向は40%以上を目処にしたいと考えております。

 上記方針に基づき、当期の期末配当は1株当たり14円とすることを2025年7月25日開催予定の定時株主総会で決議する予定であります。従いまして、当事業年度の配当額は中間配当1株につき9円と合わせて23円となり、連結配当性向は182.5%となります。

 なお、2026年度4月期を初年度とする中期経営計画期間におきましては連結配当性向40%以上に加え、配当の維持もしくは増配を継続的に実施する累進配当を導入いたします。

 内部留保資金の使途につきましては、将来の更なる発展のための店舗開発、ブランド開発等の事業投資や商品開発を目的とした研究開発投資、生産拡大や生産性向上を目指した設備更新等、経営基盤の強化と企業価値の向上に活用する予定であります。

 

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年12月6日

235

9

取締役会決議

2025年7月25日

365

14

定時株主総会決議(予定)