リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループでは、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置することにより、当社グループにおけるあらゆるリスク等への対応および未然防止の体制を構築しております。詳細については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは国内・外の電子部品メーカー向けに製品を製造・販売しているため、その販売先の国又は地域の経済状況、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、および顧客の設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に当社グループは、高い海外売上高比率(2024年6月期は連結売上高に対し、65.8%)となっております。
当リスクへの対応として、販売先の国又は地域の情報収集や、市場環境・受注状況を取締役会等の重要会議における定期的なレビューの実施、また全社的な業務改善活動(PIM活動)の継続的な取り組み等により、予期せぬ需要や景気の変化に対し柔軟に対応できる体制を整備し、リスクの低減を図っております。
しかしながら、世界各地において予期せぬ景気後退による需要の減少および顧客が設備投資凍結や減産などを行った場合には、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)中国リスクについて(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、中国・蘇州に現地法人を置き、製品の生産や営業活動を行っております。近年、中国では米中貿易摩擦、近隣との地政学的な緊張関係、感染症への大幅な政策転換等、経済情勢に大きく影響する事象が続いております。
当社グループでは現地法人を通じ、中国の経済・社会・政治的状況や法規制の動向について情報を収集し、対応が必要な事象が生じた際には、現地法人や専門家等と連携して対処していくことで、リスクの低減を図ってまいります。
しかしながら、現地での法律・規制や租税制度の変更や、予期し得ない経済情勢の悪化等が生じた場合には、追加的な納税義務並びにコストの増加や、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替レートの変動について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの事業には、海外における生産と販売が含まれております。各地域における現地通貨建の取引は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般的に円安は事業に好影響をもたらしますが、円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当リスクへの対応として、当社グループは、為替変動の情報を注視するとともに、為替予約等を行うことにより、リスクの低減に努めております。
しかしながら、予期しない大幅な円高が生じた場合、円換算後の価値が大きく影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)新規事業の開発について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、高機能ヒートシンク用の新素材および製品の開発・製造に取り組んでおりますが、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおります。
当社グループは、開発・実証・認証等の進捗状況について、逐一キャッチアップし毎回の経営会議および取締役会において状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。
しかしながら、これらに大幅な遅れが生じた場合、当該事業への投下資本に対する回収が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保および育成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、将来にわたる持続的な発展のために、優秀な人材の継続的な採用や育成が重要な課題であると認識しておりますが、雇用情勢の変化等により採用難や人材流出が進んだ場合、ベテラン社員の技能やノウハウ等の伝承や、後継人材の育成が適切になされないリスクが潜んでおります。
当社グループは、人材育成により生産性向上と残業時間の抑制を図る取り組み等を継続して行っているほか、一層の技術革新、生産性の向上を進めるための優秀な人材確保と従業員のモチベーション向上を図るべく、積極的な採用活動、人事評価制度の整備、技能の伝承、研修の実施等の施策を講ずることにより、リスクの軽減を図っております。しかしながら、雇用情勢がいわゆる「売り手市場」となった場合、人材が知名度や給与等において優位な他社に流れ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)技術革新について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの製品販売先である電子機器、自動車、航空宇宙、医療、設備産業等の業界においては、技術革新や事業環境の変化が急速に進んでおり、顧客が当社グループに求める技術レベルも高度化してきております。
当社グループは、シルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製品開発をはじめとした、新製品の開発や技術力の研鑽等に積極的に取り組んでいるほか、大学等研究機関との共同開発による産学官連携を積極的に実施するとともに、顧客との密接なコミュニケーションによりニーズの捕捉に努め、高度なニーズに対応し続けることにより、リスクの低減を図っております。
しかしながら、新技術や顧客ニーズへの対応の遅れなどが発生した場合、顧客が求める技術レベルに対応できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)研究開発活動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、新製品開発、製品改良、生産工程の改善等を研究開発活動として、継続的に実施しておりますが、開発の遅れが生じた場合や、開発した製品が顧客ニーズに合致しなかった場合、また、競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、開発コストの回収が困難となる等のリスクが潜んでおります。
当社グループは、大学等研究機関との共同開発による産学官連携の積極的な実施や、開発・実証・認証等の進捗状況について逐一キャッチアップし状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。
しかしながら、当社グループが顧客ニーズを把握しきれず、これに応えるための製品を正しく開発できない場合や、上記(6)にもあるように、新技術等への対応の遅れなどが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)原材料価格の変動及び調達について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、金属、ガラス、非金属、貴金属等を原材料に使用しており、これらの材料価格が変動する懸念や、調達そのものが困難となるリスクも潜んでおります。
当リスクへの対応として、当社グループは、貴金属等の重要な原材料の複数社購買、政策的な在庫の確保、客先の需要見通し情報を仕入先と共有するなど関係強化等の対策を行い安定供給の確立に取り組んでおります。
しかしながら、景気や為替の変動、政情の不安等の社会的混乱、投機筋の動向により、材料価格の大幅な変動や、調達そのものが困難となった場合、価格転嫁や生産活動等への影響により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)サプライチェーンについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、十分な品質の原材料等の提供を社外のサプライヤーより受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。需給動向の変化に伴い調達競争が激化した場合、開発・生産活動に支障が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、当社グループはサプライヤーを複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。
しかしながら、独自の製品・技術等を有するサプライヤーから調達している原材料等の調達競争が激化した場合、代替での調達が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)外部委託先について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、十分な品質の外注加工サービスの提供を社外の委託先より受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部事業者との関係が悪化した場合、開発・生産活動に支障が生じるリスクが潜んでおります。
当社グループは、品質、コスト、生産能力に問題がなければ内製にて対応するのが基本的なスタンスであり、代替可能な領域の一部のみを、社内の稼働に応じて外部委託先を利用するというのが典型的な利用ケースであることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、当社グループは委託先を複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。
しかしながら、独自の技術等を有する外部委託先との関係が悪化した場合、代替での委託が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)公的規制・コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業活動において、国内外の法令や規制に反する事象が発生した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、当社の社会的信用の低下等が発生するリスクが潜んでおります。
当社グループでは、法令遵守および法的要求事項への対応として、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置するとともにコンプライアンスマニュアル・行動規範を策定しております。また、社員に対するコンプライアンス教育と行動規範の周知を行い、法令遵守の徹底に努めています。
しかしながら、法規制の変更等の把握等が漏れ、予期せぬ法規制への抵触が生じた場合には、監督官庁や訴訟への対応、レピュテーションへの影響等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)環境規制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、水質汚濁、劇物・有機溶剤使用、廃棄物等多様な環境問題に対し各種環境法令及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。
当社グループとしては、こうした規制の制改定動向をタイムリーに捕捉し、遵守の徹底に努めるとともに、企業としての社会的責任の観点からも事業活動を通じて地球の環境保全や環境リスク低減に努めて取り組んでおります。
しかしながら、各種環境法令等が大きく厳格化された場合、大幅な追加的義務並びにコスト増加が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)感染症の拡大について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染拡大によっては、当社グループの事業活動において影響が生じる可能性があります。
当社は感染拡大を想定し、リモートワーク制度やWEB会議の活用等により、感染拡大期においても円滑なコミュニケーションを取り、業務を継続できる体制を構築しております。
しかしながら、感染が大きく拡大・長期化した場合には、当社グループ各社や顧客の事業活動が停滞する事態が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)自然災害、人的災害等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、生産拠点を広島県、中国・蘇州、シンガポールの3箇所に構えており、災害等が発生した場合、生産設備への損害、ラインの停止等が発生するリスクが潜んでおります。
ただし、これらの各拠点が、自然災害等により同時に生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。また、当社グループとしては、各拠点における防災設備や防災体制の整備、防災訓練の実施などの対策を行うほか、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。
しかしながら、広島は各製品の開発拠点、蘇州は量産品の生産拠点、シンガポールは高性能ヒートシンク材料の開発・生産拠点と、各工場特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、被害の復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)生産拠点の集中に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、上記(14)のとおり、国内外に計3箇所の生産拠点を構えており、設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生するリスクが潜んでおります。
ただし、これらの各拠点において、同時多発的に設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。当社グループとしては、設備のメンテナンスの定期的な実施、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新、さらに、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。
しかしながら、各工場はそれぞれ特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、中国・蘇州の工場が立地する工業団地「蘇州日本工業村」には再開発計画があり、これにより、移転が求められておりますが、当社グループでは、関係各所とも十分に協議のうえ、近隣地区への移転に向けた生産計画や工事計画を進めており、現工場と移転先工場での操業にブランクが生じる可能性は極めて低いと考えられます。
(16)固定資産の減損について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は開発・生産設備をはじめとする固定資産を多数所有しております。経営環境の著しい悪化等によっては、減損損失を認識する必要が生じるリスクが潜んでおります。
当社グループは過去に必要な固定資産の減損は実施済であり、現時点において遊休資産を含め、収益性の低下を認識すべき資産の保有はなく、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。
しかしながら、予期せぬ急激な経営環境の悪化が生じた場合、固定資産について、さらなる減損損失を認識する必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(17)設備投資について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しないリスクがあるほか、これらの老朽化等に伴う更新が進まなかった場合、現在と同程度の水準の生産設備を維持できないリスクが潜んでおります。また、資金調達や設備納入等に遅れが生じた場合、生産能力の拡大が想定どおり進まないリスクが潜んでおります。
当社グループは、設備投資に際し、事前に収益性や投資回収可能に関する十分な検討や、可能な限り専用設備の導入を避け多用途の汎用設備を導入しているほか、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新を実施することにより、これらのリスクの低減を図っております。
しかしながら、予期せぬ急激な顧客ニーズの変化、経済状況の悪化等が生じた場合、増強した設備による貢献が不十分となる可能性があります。このほか、計画変更による設備更新の停滞や、資金調達・設備納入等の遅れが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(18)知的財産等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの技術・ノウハウを第三者が不正に模倣した場合や、知的財産を巡って紛争が生じた場合には、当社グループの製品の競争力低下等が生じるリスクが潜んでおります。
当社グループでは、特許権その他の知的財産権や機密管理により知的財産の保護を徹底するとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう専門家とも連携しながら細心の注意を払うことにより、リスクの低減を図っております。
しかしながら、予期せず第三者との紛争が発生した場合、多額の訴訟費用が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、知的財産権の保護が不十分な国または地域において模倣等が生じた場合には、当該模倣品が拡販され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)情報の流出について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、事業活動における重要情報や顧客から入手した個人情報、機密情報を保有しています。顧客の情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や当社グループの社会的信用の低下等が生じるリスクが潜んでおります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合もしくは第三者に不正使用された場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じるリスクが潜んでおります。
当社グループは、「情報マネジメント規程」をはじめとする社内規程を制定しているほか、情報管理に関する社内研修を定期的に実施しております。さらに、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐための管理体制を構築し、適切な安全措置を講じております。
しかしながら、予期せぬサイバー攻撃等により当社グループから情報漏洩等が生じた場合や、当社と機密保持契約等を取り交わした第三者が、これに反し、当社に知られず情報を不正使用した場合、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(20)当社の競合環境について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループには国際的な大企業から小規模な企業、国内から海外まで、広範な競合企業が存在することから、競争の激化により新規受注数が減少し、または製品・サービス価格が下落するリスクが潜んでおります。
当社の主力製品であるヒートシンクは新規参入も少なく、特にレーザー用ヒートシンクについては極めて高度な加工精度と品質管理が要求されるもので、これら技術を有する企業は、当社含め限られております。また、当社グループは、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」の5つの加工技術による「クロスエッジ®Technology」を保有するという優位性を存分に活かし、市場における競争力を高めることにより、リスクの低減を図っております。
しかしながら、海外の新興企業をはじめ他社における技術力や営業力等の向上により、技術や価格等において、当社の競争力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(21)大株主の状況に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の代表取締役社長である関家圭三の資産管理会社である合同会社XEホールディングスの当社議決権の所有割合は2024年6月30日現在で54.82%であり、同社の当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性および株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
同社は、今後も引き続き当社株式の継続保有を維持する方針であることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、議決権の行使にあたっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。
しかしながら、同社が、当社株式の保有・処分方針を大きく転換した場合、当該リスクが高まる可能性があります。
(22)有利子負債について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当連結会計年度末において、当社グループの有利子負債は3,968,734千円、総資産に対する割合は41.7%となっており、金融市場、または当社グループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生するリスクが潜んでおります。また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。
当社は、公的優遇制度の活用等の対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持するよう努めており、金利が上昇した場合の影響は極めて限定的と考えております。また、当座貸越枠の積極的な活用により適切なタイミングでの調達を図るとともに、当社グループ内の資金融通を適時柔軟に行うこと等により資金効率の向上に努めております。
しかしながら、予期せぬ急激な金利変動や経営環境の悪化が生じた場合、資金調達方法の制限や、財務状況の悪化による借入金の即時の返済により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づきながらも内部留保を充実させるため実施しておりません。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術・製造開発体制を強化し、さらには、グローバル戦略の展開を図るために有効投資してまいりたいと考えております。
なお、当社は、取締役会の決議により、毎年12月31日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。