2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    68名(単体) 13,371名(連結)
  • 平均年齢
    47.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.7年(単体)
  • 平均年収
    7,589,000円(単体)

従業員の状況

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

マツモトキヨシグループ事業

6,534

(8,627

ココカラファイングループ事業

6,207

(4,783

管理サポート事業

630

1,857

合計

13,371

(15,267)

 

(注)臨時従業員(8時間換算)は年間の平均人員を( )に外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

68

(6)

47.0

14.7

7,589

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

管理サポート事業

68

(6)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員(8時間換算)は年間の平均人員を( )に外数で記載しております。

2.当社従業員は、主に連結子会社からの出向者であり、平均勤続年数の算定にあたっては当該会社での勤続年数を通算しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

当社グループには、「マツモトキヨシ労働組合」、「ココカラファインユニオン」をはじめ、各労働組合が組成されております。

なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 連結会社(国内)

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

22.8(21.0)

50.0(42.6)

52.5(50.9)

77.9(75.0)

97.8(93.3)

 

(注)1.指標の算出にあたっては、提出会社と当社の国内連結子会社19社を含めて算出しております。なお、海外子会社は算出に含めておりません。

2.指標の算出にあたっては、各会社の指標を平均して算定しております。

3.( )内は前事業年度の数値を記載しております。

 

 

② 主要な連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

 

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱MCCマネジメント

23.1

(22.5)

62.5

(22.2)

57.1

(22.2)

100.0

(-)

(注1,3)

57.1

(57.5)

72.9

(70.7)

37.1

(41.3)

㈱マツモトキヨシ

23.7

(22.7)

54.9

(46.1)

55.6

(48.6)

0.0

(-)

(注2,3)

53.5

(51.1)

81.9

(81.0)

108.2

(98.7)

㈱ココカラファイン
ヘルスケア

22.3

(20.8)

44.1

(45.5)

43.1

(46.2)

100.0

(-)

(注2,3)

56.9

(54.3)

80.4

(76.7)

113.8

(98.7)

㈱ぱぱす

25.9

(19.7)

40.0

(55.6)

40.0

(50.0)

-

(100.0)

(注2,3)

65.0

(61.5)

79.8

(82.2)

110.0

(94.4)

㈱マツモトキヨシ
東日本販売

17.3

(17.6)

66.7

(20.0)

66.7

(20.0)

-

(-)

(注2,3)

46.8

(45.7)

74.4

(72.0)

100.6

(88.1)

㈱マツモトキヨシ
九州販売

16.2

(12.7)

20.0

(-)

20.0

(-)

-

(-)

(注2,3)

51.0

(48.7)

81.7

(82.2)

104.0

(95.4)

㈱マツモトキヨシ
甲信越販売

20.4

(19.9)

57.1

(16.7)

57.1

(16.7)

-

(-)

(注2,3)

45.6

(47.5)

76.0

(75.5)

109.9

(102.9)

㈱マツモトキヨシ
中四国販売

18.9

(18.3)

37.5

(40.0)

37.5

(40.0)

-

(-)

(注2,3)

46.1

(57.0)

63.1

(76.5)

126.6

(116.1)

㈱岩崎宏健堂

15.3

(17.1)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

(注1,3)

44.9

(39.8)

65.6

(64.1)

73.6

(73.4)

㈱CFIZ

29.6

(23.3)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

(注1,3)

53.4

(52.3)

79.9

(79.1)

88.7

(91.0)

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、「全労働者」については、参考情報として記載しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、「正規雇用労働者」「パート・有期労働者」については、参考情報として記載しております。

3.男性労働者の育児休業取得率の「-」は、対象期間における該当者がいないことを示しております。

4.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

5.( )内は前事業年度の数値を記載しております。

 

③ 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

15.8(15.9)

-(-)

47.7(41.3)

75.4(67.5)

21.1(18.5)

持株会社

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男性労働者の育児休業取得率の「-」は、対象期間における該当者がいないことを示しております。

4.( )内は前事業年度の数値を記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、「持続可能な経営は、未来を見据え、その未来の形成に当社がどのような貢献をしていくのか」という考えのもと、当社グループは、ドラッグストア・薬局としての使命である“社会・生活インフラ”としての役割を果たしつつ、“美と健康”を通して、ライフステージに応じた価値を提供し、常にお客様に寄り添う企業となり、地域社会へより大きな安心と喜びを提供することで、持続可能な社会の実現へ貢献します。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)推進体制(ガバナンス) 

持続可能経営の実践サイクル

 

当社は、持続可能経営の推進を図るため、「サステナビリティ委員会(構成:代表取締役社長(委員長)をはじめ、常勤取締役及び監査役、当社の全部門長、その他委員長の指名者)」を設置し、当委員会を中心に次のように実践します。

① マテリアリティを特定します。

② マテリアリティに紐づくKGI/KPIを設定します。

③ 当KGI/KPIの達成に向けて各部門が執行します。

④ サステナビリティ委員会は、当KGI/KPIの進捗レビュー・モニタリングし、マテリアリティ及び当KGI/KPIを再評価します。

⑤ 上記の持続可能経営の実践サイクルの状況は、サステナビリティ委員会より、定期的に取締役会へ報告・提言します。

 

 


 

 

 

(2)持続可能な社会の実現に向けた価値創造プロセス(戦略・目標)

 

 

当社グループは、人権や地球・環境、社会、ガバナンスにおける課題に対応し、持続可能な経営を実践していくことで、SDGs達成に貢献し、企業価値を創造してまいります。

 

〇当社経営の4つの前提

当社は、グループ理念、グループビジョンの実現に向けた経営の前提として、当社グループの成長を支える基盤となる、「人間性尊重の職場(人間・人権:Human)」、「ガバナンスの充実・強化(ガバナンス:Governance)」、そして、当社グループが更に成長するための戦略となる、「美と健康への貢献(社会:Society)」、「地球環境の保全(地球・環境:Environment)」を特定し、これら「H・E・S・G」のサイクルにより、当社グループの企業価値を創造し、SDGs達成へ貢献してまいります。

 

〇当社の5つのマテリアリティ

当社は、4つの経営の前提を踏まえ、当社グループにおいて優先すべき課題を5つのマテリアリティとして特定しております。そして、それに紐づく、目指す姿・KGI及びKPIを設定しております。

 

 


 

 

 

経営の前提

人間性尊重の

職場

(人間・人権:Human)

ガバナンスの

充実・強化
(ガバナンス:Governance)

美と健康への貢献

(社会:Society)

地球環境の保全
(地球・環境:Environment)

マテリアリティ

従業員の成長

ガバナンス・コンプライアンスの充実

お客様の美と

健康を考える

地域生活を支える医療を考える

地球の健康を

考える

目指す姿・KGI

〈 目指す姿 〉

従業員にとって働きがいがあり、従業員とともに成長する企業グループとして存在している

〈 目指す姿 〉

経営の効率性・透明性や企業モラルを維持・向上し、信頼され続ける企業グループとして存在している。

〈 KGI 〉

グループ売上高1.5兆円、営業利益率7.0%、ROE10%以上を目指し、いつまでも美しく健康であり続けたいを叶える “美と健康”の分野において無くてはならない存在となる。

〈 KGI 〉

2050年度グループ全体でCO2排出量実質0、PB商品環境配慮型比率100%を目指し、エシカル社会に貢献する存在となる

KPI

目標時期

2026年3月期

・従業員意識調査3.94P

・ホワイト500取得

・女性管理職比率25%

・特定保健指導実施率50%

・独立社外取締役比率40%以上

・マツキヨココカラWAY行動評価46.9P

・PB商品リスクの低減

・品質管理CSR監査の実施(委託先企業様の60%)

・マツキヨココカラWAY研修受講率100%

・障がい者雇用率2.7%

・グループ会員数3,000万人

・グループ出店年間150店舗以上

・matsukiyoLAB店舗50店舗

・ヘルス&ビューティーカテゴリ(医薬品+化粧品)75%

・PB商品:売上高構成比 15%

 美と健康に特化、品質重視

・健康サポート薬局250店舗

・地域連携薬局380店舗

・専門医療機関連携薬局20店舗

・地域包括ケアモデル20拠点

・次世代自動車への切替保有車両台数のうち15%

・EV車急速充電器設置自社保有施設2拠点

・2030年度グループ全体でCO2排出量40%削減

・グループ店舗のLED照明導入80%以上

・グループ店舗への太陽光パネル導入20店舗

・PB商品環境配慮型比率40%以上

 

 

(3)TCFD提言(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同

当社は、持続可能な経営の実践に向け、5つのマテリアリティ(重要課題)を設定しており、そのひとつに「地球の健康を考える」を掲げております。気候変動への対応を重要な経営課題として認識し、環境負荷を低減し、地球の健康を維持するため、当社グループだけでなくステークホルダーの皆さまと繋がりながら、低炭素社会への貢献・当社PB商品の環境配慮型へのシフト・事業を通じたエシカル消費の普及など、取組みを進めております。

地球温暖化による気候変動が全世界的な課題である現在、当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、TCFDが推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」について次のとおり設定いたしました。環境負荷低減に継続して取組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります

 

 

① ガバナンス

当社は、事業活動を通じて持続可能な社会への貢献を目指し、代表取締役社長を委員長として、常勤取締役、常勤監査役、全室長が委員として構成するサステナビリティ委員会」(年4回開催を設置しております 

同委員会を中心に次の体制により、気候変動への対応を推進してまいります。

機関及び部門

役割

取締役会

・サステナビリティ委員会の監督
・気候変動にかかる重要方針や事項の審議・意思決定

サステナビリティ委員会

・気候変動対応の執行状況の進捗管理、報告
・取締役会への報告、提言(年4回・必要に応じて適宜)

・気候変動対応にかかる各分析や対策等の審議・評価

総務企画室(同委員会事務局)

及び関係各部

・気候変動に関するリスクと機会の分析
・事業戦略への影響の把握
・気候変動の緩和や適応につながる対策検討及び情報開示

 

 

② 戦略

気候変動に伴うリスク及び機会は、GHG(温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素社会への「移行」に起因するものと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。当社では、これらのリスクや機会による影響を次のとおり整理しております。

当社グループはグループの小売事業を中心にリスクと機会について、IEAのNZEシナリオ及びIPCCが想定するシナリオに基づき、炭素価格の導入や電力価格の上昇による店舗コストの増加、気象災害の激甚化による当社への影響分析を行っております。

主なリスクと機会

財務影響

移行

リスク

炭素価格の導入・引き上げ、GHG(温室効果ガス)排出規制強化

・店舗運営コストの増加

・原材料調達コストの増加

・製造コストの増加

約35億円(年間)

※カーボンプライシング制度導入による影響額を記載しております。

NZEシナリオに基づき炭素価格1t当たり140ドルで算出しております。

電力価格の上昇

・エネルギーコストの増加

・原材料調達コストの増加

・製造コストの増加

フロン規制強化

・店舗のノンフロン設備等への投資コストの増加

約8億円(年間換算)

※対象店舗数に1店舗当たりの平均設備投資額を5百万円として算出しております。

プラスチック規制強化

・プラスチック規制に対応した代替原材料の調達コストの増加

当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される。

消費者思考の変化

・環境配慮への遅れによるブランドイメージの低下

当社グループの事業及び財務への影響が軽微であることが想定される。

物理的

リスク

気象災害の激甚化

・価値創造の源泉となる従業員の被害

・店舗自体への被害、店舗休業による売上の減少

当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される。

平均気温上昇

・店舗における電気使用量の増加

約7億円(年間)

※空調・冷蔵設備の電力使用量に対し、増加率10%で算出しております。

機会

炭素価格の導入・引き上げ、GHG(温室効果ガス)排出規制強化

・低排出量エネルギー源使用による炭素価格増加時の運営コストの削減

約17億円(年間)

※CO2排出量削減率50%及びNZEシナリオに基づき算出しております。

省エネルギー設備投資

・低排出量エネルギー源使用による電力消費の削減

約12億円(年間)

※省エネルギー設備導入可能店舗比率及び使用電力量削減率30%で算出しております。

消費者思考の変化

・環境配慮型商品・サービスの開発による売上の増加

約18億円

※2026年3月期の売上高目標、PB商品売上高構成比及びPB商品環境配慮型比率におけるKPIを全て達成した前提で、かつ売上増加率2%として算出しております。

 

 

 

③ リスク管理

現在、当社における気候関連リスクは、当社のリスク管理の一環で実施するリスクアセスメントの項目に「気候変動リスク対策の遅れ」として組み込み、全社リスクのうちの一つとして統合し管理しております。また、当社は、マテリアリティとして「地球の健康を考える」を特定しており、そのリスクの優先度を高めております。

当社は、戦略欄に記載のリスクと機会を、サステナビリティ委員会の事務局となる総務企画室とその関係する部門にて、引き続き分析を進めてまいります。その結果や対策は、サステナビリティ委員会にて審議し、同委員会より取締役会へ報告します。この結果を踏まえて、必要に応じて社内のリスクアセスメントの項目を更新し、他のリスクと同様に社内のリスクマネジメント実施計画に則り執行するというプロセスを実践してまいります。

 

④ 指標及び目標

当社はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、ガバナンス、戦略、リスク管理について公表しております。当社のマテリアリティ「地球の健康を考える」に紐づく各目標としてKGIを2050年度グループ全体(店舗・オフィス含む)でCO2排出量実質0、PB商品環境配慮型比率100%を目指し、エシカル社会に貢献する存在となります。また、KPIに2030年度グループ全体(店舗・オフィス含む)でCO2排出量40%削減(2021年度比)、2026年3月期を目標として、PB商品環境配慮型比率40%以上、保有車両の次世代自動車への切替え、EV車急速充電器の設置、グループ店舗のLED照明導入、オフィス・店舗への太陽光パネル設置や再生可能エネルギー電力の導入を実施し、サプライチェーン全体での省エネルギー・省資源化を推進してまいります。

評価機関「CDP(気候変動)」に情報開示し、第三者として評価をしていただき、気候変動への取組みは「B」の評価を獲得しました

具体的な対応につきましてはサステナビリティ委員会にワーキンググループとして、タスクチームを設置し、当チームを中心に、気候変動が当社に及ぼす影響を分析してまいります。

 

 

(4)人的資本に関する「戦略」並びに「指標及び目標」

[1]人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社グループは、グループ理念に基づきグループビジョン・グループ経営目標を達成するために組織・人材戦略を経営上の重要テーマと捉え人的資本の価値を最大限にするよう努力しております。なぜならば、事業戦略の実行も、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革するのも全て人が行うものであり、従業員の理解や納得が得られたときに価値を最大限にできると認識しているからです。「美しさと健やかさを、もっと楽しく、身近に。」というグループビジョンに掲げているように当社グループは、美と健康という分野を軸に新しい技術やアイディアを積極的に取り入れ、人々の毎日の生活がもっと楽しさに満ちたものになることを目指しております。そして、人の想いに敏感で身近な存在であり続けることを大切にし、生活や地域に、より大きな安心と喜びをお届けするために挑戦しております。

今回、この情報を開示するにあたり、当社グループの人的資本経営の考え方と変化、そして従業員に対する思いを感じ取っていただければ幸いです

 

[2]人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針についての指標並びに当該指標に関する目標及び実績

多様な人材が多様な活躍ができる環境

男性育児休業取得率

少子化対策への対応であると共に多様な働き方につなげるために推進しております。当社グループの取組みとしてロールモデルの情報発信や育児休業に入る前に面談を実施し、安心して復職することができることを共有しております。この活動により2023年度の取得率は50.0%と前年度から7.4%上昇しております。平均取得日数は38日間と前年度から6日短くなりましたが取得率の増加に表れている様に育児休業を取得することが一般的といった考えが社風として浸透しております。(厚生労働省発表:全国平均取得率46.2%)

引き続き出産を機に夫婦お互いに協力しながら育児するという環境の整備に取組んでまいります

 


※参考情報:厚生労働省発表 全国平均 46.2%

 

 

女性管理職比率

女性の積極的な登用の拡大としてチャレンジ店長制度(注1)の更なる充実とスムーズな運用サポートや女性のためのキャリア研修の開催、メンター制度の実施、社外取締役監修のもと相互情報交換の場を設けております。株式会社マツモトキヨシにおいては1日4時間まで休憩が取得できる「フレキシブル育児・介護休憩制度」や始業・終業時間や休憩時間を一定のルール内で育児に合わせて設定できる「育児スーパーフレックスタイム制度」を導入しておりますので仕事と育児の両立につながっております。幹部職が女性管理職のメンターとなり、成長をサポートするメンタリングプログラムを導入し、経験豊富なリーダーが女性社員にアドバイスを提供できる環境作りが進んでおります。様々な取り組みの影響により2023年度の管理職比率は22.8%と前年度から1.8%上昇しておりマツキヨココカラ&カンパニー発足後、初めて女性部長が誕生しております。

(注1)チャレンジ店長制度:教育担当及び近隣店舗のトレーナー店長によるサポートのもと、店長候補者に店長を実体験させながら店長業務を習得させて店長に昇進させる研修制度

 

女性管理職比率の実績と目標(%

 


※参考情報:2023年度全国平均 12.7%

 

主要な小売事業会社の株式会社マツモトキヨシ、株式会社ココカラファインヘルスケア、株式会社マツモトキヨシ甲信越販売及び株式会社マツモトキヨシ九州販売は女性が能力を発揮しやすい職場環境が整備できていると認められ「えるぼし3段階」(注2)の認定を得ております。2023年度は株式会社愛安住及び株式会社MCCソレイユも「えるぼし3段階」の認定を得ることができましたので、グループ全体に好事例を共有しています。

(注2)女性の活躍推進状況に応じて認定される制度

 


 

男女間賃金差異

社会問題として取り上げられることが多い男女間賃金差異について2023年度の当社グループ実績は全従業員ベースで1,748千円/年、賃金差異は52.5%(前年差+1.6%)でした。以下の円グラフは男性の賃金に対する女性の賃金の割合を表示しており、棒グラフは男女間賃金差異額を表示しております。

優秀な人材の非正規社員から正規社員への登用や管理職への登用は進んでおりますので賃金格差は小さくなる傾向です。働きやすい環境の整備にも力を入れており、指標の一つとして取り上げられることが多い有給休暇取得率について2023年度の当社グループ実績は全従業員ベースで78.1%でした。(退職者の取得は除く)2022年度に導入された特定目的型の週休3日制度により働き方の選択肢が増加したことで、生活の変化に応じた働き方やワークライフバランスの改善につながり多様な人材が多様な働き方で活躍できる環境の整備につながり男女間の賃金格差の是正につながっております

 

男女間賃金差異:全従業員ベース

 


 

 

週休3日制取得イメージ

 


 

障がい者雇用率

障がいの有無に関わらず「誰もが生き生きと働き続けられる企業」を目指し、多様な人材が能力を発揮できる新しいワークスタイルを創造し、企業や社会に貢献できる事業を推進するために特例子会社「株式会社MCCソレイユ」を設立しております。店舗では期限チェック、清掃を行い、本社では経理作業補助、郵便物の仕分けや印刷業務、物流センターで商品仕分け業務を行うなど幅広い業務を受託し、障がい者雇用を促進しております。経営統合した2021年度の雇用率は2.30%でしたが、2023年度は全国3,400を超える店舗網や各本社支社における雇用が進み2.52%(法定雇用率2.30%)に上昇しております。法定雇用率は2026年7月から2.70%に引き上げられますが担える業務の幅を広げながら多様な人材が多様な活躍ができる環境を整備してまいります

 

高年齢者再雇用

株式会社MCCソレイユと同じく機能会社の「株式会社MCCアソシエ」はグループ内における優れた人材を活用することで、持続可能な地域社会の実現に貢献すべく事業を展開しています。一般労働者派遣事業・有料職業紹介事業と共に、グループ内のドラッグストアや薬局、事務スタッフなど定年を迎えた従業員を再雇用してグループ内外の店舗、事務所などへ派遣し、優秀な人材が長く活躍できる環境を提供しています。店舗支援事業ではグループ内の人材を活用し、一部店舗にて業務(主に商品陳列)を請け負っています。2023年4月からデリバリー課が新設され、ドライバーとしての機能を有しており、今後拡大する店舗宅配業務の支援を行っています。

労働者の減少という社会問題の対策として株式会社MCCアソシエは事業の多元化に挑戦し、グループ内外の人材の適材適所に貢献しておりますので2025年度には店舗支援事業において3,000名を超える従業員が活躍できる状態になり、多くの人材が活躍できる環境を整備してまいります

 

 

従業員エンゲージメントの改善・向上

従業員の安全衛生および健康管理に焦点を当て、これらの分野においてより効果的な支援を提供し従業員の健康と幸福に対する取り組みを強化し、グループ全社の健康経営を推進するため2023年12月1日にウエルネスサポートセンターを設立しました。本編においてはウエルネスサポートセンターが取組んでいるウエルビーイングに関する事例をご紹介します。

 

① 健康診断受診率及び特定保健指導実施率

生産性の向上につながるパフォーマンスを発揮するために心身の健康は不可欠ですので健康診断の受診を促しており受診率100.0%と完全実施できております。測定データは健康保険組合の各種データを活用して特定保健指導を実施しており、いわゆるメタボ層の従業員に対して専用アプリを用いて日常生活における運動(歩数、消費カロリー等)や体組成(体重など)、循環(血圧など)、各種データの計測・記録を行い日々の健康状態を管理しております。

当社グループの管理栄養士がバイタルデータや過去のエビデンスデータを活用して特定保健指導を行っており、対象者は少人数のため専任の管理栄養士が指導する環境を整備しております。2022年度の健康診断に対する実施率は37.8%と前年度から2.8%上昇しており従業員の健康維持だけでなく医療費の削減につながるため引き続き「持続可能な生活改善」に重点を置いた支援でリバウンドやリピーターの削減を目指します。なお、グループ外からの保健指導も受託しておりますので展開の拡大と職域の拡大に取組んでまいります

 

特定保健指導実施率の実績と目標(%

 


 

※参考情報:2023年度の健康診断結果を用いた特定保健指導を継続実施しております。

 

ストレスチェック及びプレゼンティーズム

健康状態は身体ばかりでなく心も重要な要素ですので従業員に対してストレスチェックを実施しており100.0%の実施率となっております。

ストレスチェックを行うだけにとどまらず、現在はプレゼンティーズムの結果を踏まえたストレスチェック集団分析結果をもって、各部門・部署にて改善計画を立案して実行しています。出勤しているものの、心身の健康上の問題により、充分な仕事ができない状態を軽減して従業員の健康状態の維持増進だけでなくパフォーマンスの向上につなげています

 

 

③ 健康経営優良法人

従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営の取組みが評価され、マツキヨココカラ&カンパニーは、2020年から5年連続で経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。「従業員の成長」をマテリアリティの一つとして特定し、そのKPIとして「ホワイト500の取得」を掲げ取組んでおります。

 

 

 

 


 

現在、企業経営における「人的資本経営」の重要度は加速度的に高まっています。同時に、企業における取り扱う商品やサービスは同質化が進んでおりますので企業が持つ特徴は、従業員が持つコミュニケーション能力、チームワーク能力、問題解決能力、独創性、ストレス耐性への依存度が高まっています。更には、働く人の仕事に対する意欲が多様化していく中、モチベーションを高め、企業のミッション実現へと導いていくことが、企業の重要な役割へとなってきました。

当社グループは、グループ理念の「未来の常識を創り出し、人々の生活を変えていく」とグループビジョン「美しさと健やかさを、もっと楽しく、身近に。」を理想とする姿として少しでも近づけるよう様々な施策を講じて人的資本経営を後押ししてきました。毎年、人的資本に関する情報をまとめて振り返りを行っておりますが、その都度人的資本経営の目指すべきことは企業としての社会的役割・存続意義の実現であり、そのための源泉は「従業員エンゲージメント(企業と従業員の相互理解)」の向上であることを認識しております。

これからもミッションの実現に向けて様々な変化を起こしていきます。同時に、従業員エンゲージメントの測定を通じて従業員と対話し、相互理解の状態を実現し続けることで、当社グループ一丸となって成長してまいります。

※データは全て連結会社(国内)の実績を使用しております