2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    74名(単体) 12,753名(連結)
  • 平均年齢
    45.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.6年(単体)
  • 平均年収
    7,272,000円(単体)

従業員の状況

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

マツモトキヨシグループ事業

6,471

(8,805

ココカラファイングループ事業

5,524

(4,899

管理サポート事業

758

1,118

合計

12,753

(14,822)

 

(注)臨時従業員(8時間換算)は年間の平均人員を( )に外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

74

(2)

45.2

15.6

7,272

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

管理サポート事業

74

(2)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員(8時間換算)は年間の平均人員を( )に外数で記載しております。

2.当社従業員は、主に連結子会社からの出向者であり、平均勤続年数の算定にあたっては当該会社での勤続年数を通算しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

当社グループには、「マツモトキヨシ労働組合」、「ココカラファインユニオン」をはじめ、各労働組合が組成されております。

なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 連結会社(国内)

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

22.9(22.8)

54.1(50.0)

54.1(52.5)

78.8(77.9)

99.7(97.8)

 

(注)1.指標の算出にあたっては、提出会社と当社の国内連結子会社19社を含めて算出しております。なお、海外子会社は算出に含めておりません。

2.指標の算出にあたっては、各会社の指標を平均して算定しております。

3.( )内は前事業年度の数値を記載しております。

 

 

② 主要な連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

 

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱MCCマネジメント

23.8

(23.1)

62.5

(62.5)

62.5

(57.1)

-

(100.0)

(注1,3)

58.8

(57.1)

72.7

(72.9)

36.2

(37.1)

㈱マツモトキヨシ

23.1

23.7

64.2

(54.9)

68.3

(55.6)

0.0

(0.0)

(注2)

55.7

(53.5)

81.6

(81.9)

112.3

(108.2)

㈱ココカラファイン
ヘルスケア

23.1

(22.3)

42.4

(44.1)

43.1

(43.1)

0.0

(100.0)

(注2)

59.7

(56.9)

82.2

(80.4)

116.9

(113.8)

㈱ぱぱす

22.0

(25.9)

57.1

(40.0)

57.1

(40.0)

-

(-)

(注2,3)

62.9

(65.0)

81.4

(79.8)

109.7

(110.0)

㈱マツモトキヨシ
東日本販売

19.7

(17.3)

60.0

(66.7)

66.7

(66.7)

0.0

(-)

(注2,3)

48.1

(46.8)

75.2

(74.4)

104.2

(100.6)

㈱マツモトキヨシ
九州販売

16.7

(16.2)

25.0

(20.0)

25.0

(20.0)

-

(-)

(注2,3)

52.3

(51.0)

82.5

(81.7)

105.1

(104.0)

㈱マツモトキヨシ
甲信越販売

19.2

(20.4)

57.1

(57.1)

66.7

(57.1)

0.0

(-)

(注2,3)

49.7

(45.6)

76.4

(76.0)

120.0

(109.9)

㈱マツモトキヨシ
中四国販売

22.1

(18.9)

66.7

(37.5)

66.7

(37.5)

-

(-)

(注2,3)

59.0

(46.1)

79.1

(63.1)

138.1

(126.6)

㈱岩崎宏健堂

13.7

(15.3)

0.0

(-)

0.0

(-)

-

(-)

(注1,3)

41.5

(44.9)

67.0

(65.6)

77.8

(73.6)

㈱CFIZ

28.8

(29.6)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

(注1,3)

54.2

(53.4)

81.4

(79.9)

98.3

(88.7)

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、「全労働者」については、参考情報として記載しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、「正規雇用労働者」「パート・有期労働者」については、参考情報として記載しております。

3.男性労働者の育児休業取得率の「-」は、対象期間における該当者がいないことを示しております。

4.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

5.( )内は前事業年度の数値を記載しております。

 

③ 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

15.6(15.8)

-(-)

46.9(47.7)

60.6(75.4)

28.7(21.1)

持株会社

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男性労働者の育児休業取得率の「-」は、対象期間における該当者がいないことを示しております。

4.( )内は前事業年度の数値を記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社の企業価値向上に資するサステナビリティは、「①顧客価値の最大化→②経済価値の創出→③適正な還元=社会・環境価値の創出」の好循環により、マテリアリティを解決し、世の中から必要とされる持続的な成長企業となることです。


 

①顧客価値の最大化

当社の事業活動は、お客様への付加価値の高い商品の提供に加え、お客様の「美と健康」を思い、応援している、心のこもった情報の提供や、デジタルを駆使した新たな買い物体験の提供など、人々の「美と健康」に対する課題解決に寄り添うことで、様々な価値を感じていただいております。

 

②経済価値の創出

当社は、そのように人々の「美と健康」に対する課題解決に寄り添うことで、人々に様々な価値を感じていただき、その結果として、経済価値を得ることができています。この価値は、様々なものがありますが、例えば、店舗での接遇で得られた当社従業員の経験や知識、当社グループのファンの証ともいえるグループ会員への登録、国内外を問わず商品やサービス利用者からのコメントなどによる「マツキヨココカラ」の認知度の向上やブランディングの強化、そして、売上・利益となるお金など、様々な対価を経営資源として得ることができています。

 

③適正な還元=社会・環境価値の創出

当社は、こうして得られた経営資源を、お客様、株主・投資家様、従業員、お取引先様、地域社会、地球環境、あらゆるステークホルダーの皆様へ適正に分かち合い、還元することにより、社会・環境価値を得ることができています。

 


 

 

当社は、「人々の美と健康の課題を解決するという本業を通じて、社会に貢献することで、社会と当社、双方の持続可能性を向上させる」一連の好循環が、企業価値向上に資するサステナビリティと考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(1)推進体制(ガバナンス) 

当社は、持続可能経営の推進を図るため、「サステナビリティ委員会(構成:代表取締役社長(委員長)をはじめ、常勤取締役及び監査役、当社の全部門長、その他委員長の指名者)」を設置し、当委員会を中心に次のように実践します。

 

意思決定・監督

① マテリアリティを特定します。

② マテリアリティに紐づく目指す姿やKPIを設定します。

執行

③ 各目指す姿やKPIの達成に向けて各部門が執行します。

管理・報告

④ サステナビリティ委員会は、各目指す姿やKPIの進捗レビュー・モニタリングし、マテリアリティ及び各目指す姿やKPIを再評価します。

⑤ 上記の持続可能経営の実践サイクルの状況は、サステナビリティ委員会より、定期的に取締役会へ報告・提言します。

 

持続可能経営の実践サイクル

 


 

 

 

 

 

(2)持続可能な社会の実現に向けた価値創造プロセス(戦略・目標)

当社は、人々の美と健康の課題を解決するという本業を通じて得た経済価値を、人権や地球・環境、社会、ガバナンスにおける課題解決に向けて、適正に還元することで、社会と当社の双方の持続可能性を向上させる持続可能な経営を実践していくことで、企業価値を創造してまいります。

 

〇当社経営の4つの前提

当社は、グループ理念、グループビジョンの実現に向けた経営の前提として、当社グループの成長を支える基盤となる、「人間性尊重の職場(人間・人権:Human)」、「ガバナンスの充実・強化(ガバナンス:Governance)」、そして、当社グループが更に成長するための戦略となる、「美と健康への貢献(社会:Society)」、「地球環境の保全(地球・環境:Environment)」を特定し、これら「H・E・S・G」のサイクルにより、当社の企業価値を創造してまいります。

 

〇当社の4つのマテリアリティ

当社は、2021年の経営統合時に特定した5つのマテリアリティを、特定から経過した時間と新中期経営計画の策定による未来との整合の観点から見直しました。

その結果、従前のマテリアリティでも重要課題は網羅されており、変更の必要はないことを確認した一方で、未来との整合を踏まえ4つに見直しました。そして、それに紐づく目指す姿と主なKPIを設定しております。

 

<マテリアリティの主な変更点>

主な変更点は次のとおりです。

1つ目は、マテリアリティの発展的統一として、新中期経営計画におけるプラットフォーム構想は、より多くの人々の「美と健康」の課題解決にむけて、接点やつながりを実現し、社会プレゼンスを高める必要があるため、従前の「お客様」や「地域医療」の概念を更に拡げ、「社会の美と健康を考える」へ変更しております。

2つ目は、新たな重点戦略「社会貢献・還元」の実現には、本質的なガバナンスの実践が必須になると考えており、当社の強い意志も反映すべく、「ガバナンス・コンプライアンスの充実」を「ガバナンスの実効性」へ変更しました。なお、「コンプライアンス」は、ガバナンスの構成要素となることを考慮し、言葉としては外れておりますが、ガバナンスの実効性を高めることにより、コンプライアンスを一層強化する位置づけとして整理しております。

 

経営の前提

美と健康への貢献

(社会:Society)

人間性尊重の職場

(人間・人権:Human)

地球環境の保全

(地球・環境:Environment)

ガバナンスの

充実・強化

(ガバナンス:Governance)

マテリアリティ

社会の美と健康を

考える

従業員の成長

地球の健康を

考える

ガバナンスの

実効性

目指す姿

人々の美と健康に対する課題を解決し、地域医療をはじめとする社会に大きな安心と喜びを届ける会社

従業員の身近で大切な人にも、働いてほしいと思ってもらえるような、魅力的な会社

事業活動により排出するCO2排出量を実質ゼロにし、エシカル社会に貢献する会社

規律ある経営を実現するマネジメントシステムを確立し、ステークホルダーと向き合う経営を実践する会社

 

主なKPI

目標時期

2030年度

・グループ会員数4,500万人

・従業員意識調査 3.94P

・CO2排出量40%削減(2021年度比)

・PB環境配慮型比率60%以上

 

・独立社外取締役比率50%以上

主な取組み

・戦略的出店エリアへの選択と集中

・DXによる利便性追求と運営効率化

・連合体構想に向けたM&Aや業務提携

・健康管理と健康投資の充実/労働環境の整備

・人的資本に投じた投資対効果の可視化

・多様な人材活躍に向けた継続的・計画的育成

 

・スコープ1・2の削減計画の実現 ‐次世代車への切替え、再エネ電力の調達

・スコープ3の削減計画の検討・実行

・株主還元の充実/政策保有株式の解消

・IR/SRを経た情報開示の進化

・情報セキュリティ・デジタルリスク対策強化

 

 

(3)TCFD提言(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同

当社は、持続可能な経営の実践に向け、マテリアリティのひとつに「地球の健康を考える」を掲げております。気候変動への対応を重要な経営課題として認識し、環境負荷を低減し、地球の健康を維持するため、当社グループだけでなくステークホルダーの皆さまと繋がりながら、低炭素社会への貢献・当社PB商品の環境配慮型へのシフト・事業を通じたエシカル消費の普及など、取組みを進めております。

地球温暖化による気候変動が全世界的な課題である現在、当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、TCFDが推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」について次のとおり設定いたしました。環境負荷低減に継続して取組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

① ガバナンス

当社は、事業活動を通じて持続可能な社会への貢献を目指し、代表取締役社長を委員長として、常勤取締役、常勤監査役、全室長が委員として構成する「サステナビリティ委員会」(年4回開催)を設置しております。

同委員会を中心に次の体制により、気候変動への対応を推進してまいります。

機関及び部門

役割

取締役会

・サステナビリティ委員会の監督

・気候変動にかかる重要方針や事項の審議・意思決定

サステナビリティ委員会

・気候変動対応の執行状況の進捗管理、報告

・取締役会への報告、提言(年4回・必要に応じて適宜)

・気候変動対応にかかる各分析や対策等の審議・評価

総務企画室(同委員会事務局)

及び関係各部

・気候変動に関するリスクと機会の分析

・事業戦略への影響の把握

・気候変動の緩和や適応につながる対策検討及び情報開示

 

 

② 戦略

気候変動に伴うリスク及び機会は、GHG(温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素社会への「移行」に起因するものと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。当社では、これらのリスクや機会による影響を次のとおり整理しております。

当社は、グループの小売事業を中心にリスクと機会について、IEAのNZEシナリオ及びIPCCが想定するシナリオに基づき、炭素価格の導入や電力価格の上昇による店舗コストの増加、気象災害の激甚化による当社への影響分析を行っております。

区分

リスク

財務影響

移行

炭素価格の導入・引き上げ、GHG(温室効果ガス)排出規制強化

・店舗運営コストの増加

・原材料調達コストの増加

・製造コストの増加

約35億円(年間)

※カーボンプライシング制度導入による影響額を記載しております。NZEシナリオに基づき炭素価格1t当たり140ドルで算出しております。

電力価格の上昇

・エネルギーコストの増加

・原材料調達コストの増加

・製造コストの増加

フロン規制強化

・店舗のノンフロン設備等への投資コストの増加

約8億円(年間換算)

※対象店舗数に1店舗当たりの平均設備投資額を500万円として算出しております。

プラスチック規制強化

・プラスチック規制に対応した代替原材料の調達コストの増加

当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される。

消費者思考の変化

・環境配慮への遅れによるブランドイメージの低下

当社グループの事業及び財務への影響が軽微であることが想定される。

物理的

気象災害の激甚化

・価値創造の源泉となる従業員の被害

・店舗自体への被害、店舗休業による売上の減少

当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される。

平均気温上昇

・店舗における電気使用量の増加

約7億円(年間)

※空調・冷蔵設備の電力使用量に対し増加率10%で算出しております。

 

 

 

区分

リスク

財務影響

機会

炭素価格の導入・引き上げ、GHG(温室効果ガス)排出規制強化

・低排出量エネルギー源使用による炭素価格増加時の運営コストの削減

約17億円(年間)

※CO2排出量削減率50%及びNZEシナリオに基づき算出しております。

省エネルギー設備投資

・低排出量エネルギー源使用による電力消費の削減

約12億円(年間)

※省エネルギー設備導入可能店舗比率及び使用電力量削減率30%で算出しております。

消費者思考の変化

・環境配慮型商品・サービスの開発による売上の増加

約18億円

※2030年度の売上高目標、PB商品売上高構成比及びPB商品環境配慮型比率におけるKPIを全て達成した前提で、かつ売上増加率2%として算出しております。

 

 

③ リスク管理

現在、当社における気候関連リスクは、当社のリスク管理の一環で実施するリスクアセスメントの項目に「気候変動リスク対策の遅れ」として組み込み、全社リスクのうちの一つとして統合し管理しております。また、当社は、マテリアリティとして「地球の健康を考える」を特定しており、そのリスクの優先度を高めております。

 当社は、②戦略に記載のリスクと機会を、サステナビリティ委員会の事務局となる総務企画室とその関係する部門にて、引き続き分析を進めてまいります。その結果や対策は、サステナビリティ委員会にて審議し、同委員会より取締役会へ報告します。この結果を踏まえて、必要に応じて社内のリスクアセスメントの項目を更新し、他のリスクと同様に社内のリスクマネジメント実施計画に則り執行するというプロセスを実践してまいります。

 

④ 指標及び目標

当社はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、ガバナンス、戦略、リスク管理について公表しております。当社のマテリアリティ「地球の健康を考える」に紐づく各目標として目指す姿を2050年度グループ全体(店舗・オフィス含む)でCO2排出量実質ゼロ、PB商品環境配慮型比率100%を目指し、エシカル社会に貢献する会社となります。また、KPIを2030年度グループ全体(店舗・オフィス含む)でCO2排出量40%削減(21年度比)、PB商品環境配慮型比率60%以上、サプライチェーン全体での省エネルギー・省資源化の推進してまいります。

評価機関「CDP(気候変動)」に情報開示し、第三者として評価をしていただき、気候変動への取組みは2年連続で「B」評価を獲得しました。

具体的な対応は、サステナビリティ委員会にワーキンググループとして、タスクチームを設置し、当チームを中心に、気候変動が当社に及ぼす影響を分析してまいります。

 

(4)人的資本に関する「戦略」並びに「指標及び目標」

当社グループは、グループ理念に基づきグループビジョン・グループ経営目標を達成するために、組織・人材戦略を経営上の重要テーマと捉え、人的資本の価値を最大限にするよう努力しております。なぜならば、事業戦略の実行や、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革するのも全て人が行うものであり、従業員の理解や納得が得られたときに価値を最大限にできると認識しているからです。

本編においては、当社グループの人的資本経営の考え方と変化、従業員に対する思いと実績を次の3つに分けて説明させていただきます。

・《人権尊重、多様な人材が活躍できる職場》

・《働きやすい労働環境、働きがいのある会社》

・《従業員等の健康管理、健康投資》

 

 

《人権尊重、多様な人材が活躍できる職場》

① 女性管理職比率

従業員のキャリアサポートを支援する専門部署であるキャリア支援課の責任者に、海外事業会社で代表取締役社長を経験したプロパーの女性従業員が着任しております。キャリアパスが浸透した影響により、本社で勤務する女性従業員が増加しております。キャリア支援課と各部門が一体となり、管理職への育成や登用を進めてまいります。

職場環境の整備も進めており、仕事と育児の両立が図られるように次の制度を導入しております。

・1日4時間まで休憩が取得できる「フレキシブル育児・介護休憩制度」

・始業・終業時間や休憩時間を一定のルール内で設定できる「育児スーパーフレックスタイム制度」

また、当社グループでは女性の積極的な登用を目的として、チャレンジ店長制度(注1)を導入して多くの店長を育成しております。グループ内の調剤薬局の店舗数が、1,000店舗を超える規模に拡大しております。ドラッグストア店舗に限らず、調剤薬局でもチャレンジ薬局長を積極的に登用し、2025年度末にはKPIの25.0%達成を目指しております。

(注1)チャレンジ店長制度:教育担当及び近隣店舗のトレーナー店長によるサポートのもと、店長候補者に店長を実体験させながら店長業務を習得させて店長に昇進させる研修制度

 

女性管理職比率の実績と目標(%)


※参考情報:2023年度全国平均 12.7%

 

当社グループとして、女性をはじめ多様な人材が活躍できる職場環境の整備に取り組んだ結果、次の主要な 小売事業会社で「えるぼし3段階」(注2)の認定を得ています。

株式会社マツモトキヨシ

株式会社ココカラファインヘルスケア

株式会社マツモトキヨシ甲信越販売

株式会社愛安住

株式会社マツモトキヨシ九州販売

株式会社MCCソレイユ

株式会社マツモトキヨシ中四国販売

(2024年度新規取得)

 

 

 

また、「えるぼし2段階」の認定を次の事業会社で得ております。

株式会社マツモトキヨシ東日本販売

(2024年度新規取得)

 

 

 

引き続き、グループ全体に好事例を共有してまいります。

(注2)女性の活躍推進状況に応じて認定される制度

 


 

② 男女間賃金差異

社会問題として取り上げられることが多い男女間賃金差異について、当社グループ実績は全従業員ベースで2023年度52.5%から2024年度54.1%と高まりました。正規雇用労働者、パート・有期労働者ともに高まりましたが、優秀な人材の非正規社員から正規社員への登用や、管理職への登用が進み、賃金差異は毎年高まっています。

2022年度に導入された特定目的型の週休3日制度により、働き方の選択肢が増加し、生活の変化に応じた働き方やワークライフバランスの改善につながっております。多様な人材が多様な働き方で活躍できる環境の整備につながり、男女間の賃金格差の是正につながっております。

 

男女間賃金差異:男性労働者の平均給与を100としたときの女性労働者の割合


 

週休3日制利用人数


 

 

週休3日制利用イメージ


 

③ 障がい者雇用率

障がいの有無に関わらず「誰もが生き生きと働き続けられる企業」を目指し、多様な人材が能力を発揮できる新しいワークスタイルを創造し、企業や社会に貢献できる事業を推進するために特例子会社「株式会社MCCソレイユ」を設立しております。

店舗では期限チェックや清掃、本社では経理作業補助、郵便物の仕分けや印刷業務、物流センターでは商品仕分け業務など、幅広い業務を受託し、障がい者雇用を促進してまいりました。経営統合した2021年度の雇用率は2.30%でしたが、全国3,400を超える店舗網と各本社支社における雇用が進んだ結果、2024年度には障がい者雇用率が2.58%(法定雇用率2.50%)に上昇いたしました。

2026年7月には、障がい者の法定雇用率が2.70%に引き上げられることが決定しています。当社グループでは、全国各地の店舗・薬局において、従業員が営業や接客に集中できる環境を整備するため、店舗運営支援チームを増設し、更なる活躍の場を提供いたします。その一環として、店舗運営支援チームのチームリーダーを社内公募し、厳正な審査を経て計15名を登用いたしました。

引き続き、業務の幅を広げながら多様な人材が多様な活躍ができる環境を、整備してまいります。

 

④ 高年齢者再雇用

株式会社MCCソレイユと同じく機能会社の「株式会社MCCアソシエ」は、グループ内における優れた人材を多方面で活用することで、持続可能な地域社会の実現に貢献すべく事業を展開しています。一般労働者派遣事業・有料職業紹介事業に加え、定年を迎えた従業員を再雇用し、グループ内のドラッグストアや薬局、事務部門などへ派遣し、優秀な人材が長く活躍できる環境を提供しています。働きやすい労働環境と働きがいのある会社を実現するため、グループ従業員との面談も行っています。現場のニーズや課題を正確に把握し、その解決に取り組むことで従業員のやりがいを創出しております。

店舗支援事業では、グループ内の人材を活用し、一部店舗にて主に商品陳列業務を請け負っています。2023年4月には、ドライバーとしての機能を有するデリバリー課が新設され、拡大する店舗宅配業務の支援を行っています。労働者減少という社会課題の解決に直面する中、株式会社MCCアソシエは2025年度には店舗支援事業において3,000名を超える従業員が活躍しています。今後も引き続き事業の多元化に挑戦し、グループ内外の人材の適材適所への貢献を通じて、あらゆる人材が活躍できる環境を整備してまいります。

 

 

《働きやすい労働環境、働きがいのある会社》

① 従業員意識調査

経営統合後における従業員の意識や職場の現状を把握するため、従業員意識調査を毎年実施しています。経営統合1年目の調査では、5.00P満点3.40Pでした。しかし経営統合3年目となる2024年5月の調査では、3.45Pと上昇しております。2024年5月調査では、グループ全体で23,071名から回答を得ており、回答率は98.9%と高い水準を維持しています。

前回調査結果を踏まえ、年度の節目における経営層からのメッセージ配信に加え、賞与支給やベースアップのタイミングにおいてもメッセージを配信することで、従業員の帰属意識や一体感の醸成、そしてモチベーション向上につなげてまいりました。さらに労使共同施策として、グループ各社の経営層と従業員が自由闊達に意見交換できるコミュニケーション集会を都道府県別に実施し、グループ間の垣根を越えた交流を促進しています。

今後、グループ各社の経営層やマネジメント層が積極的に従業員とのコミュニケーションを図り、成功事例を全事業会社に水平展開することで、グループ全体の従業員満足度向上を目指して取り組んでまいります。

 

従業員意識調査結果(5.00P満点)


 

② 男性育児休業取得率

少子化対策と多様な働き方につなげるために、男性育児休業を推進しております。当社グループとして、ロールモデルの情報発信や育児休業前に面談を実施し、安心して復職することができることを共有しております。取組により、2024年度の取得率は54.1%と前年度から4.1%上昇し、平均取得日数は45日間と前年度から7日長くなりました。(厚生労働省発表:2023年度全国平均取得率46.2%)

2025年度を期日とする目標として50%を掲げておりましたが、2年前倒しで達成しております。取得率だけでなく、取得日数も長くなっております。男女問わず育児休業の取得を当たり前とする意識が浸透しております。

引き続き、夫婦がお互いに協力しながら育児できる職場環境の整備に取組んでまいります。

 

男性育児休業取得率(%)


※参考情報:厚生労働省発表 2023年度全国平均 46.2%

補足:2024年度全国平均はまだ公表されておりません

 

③ 身だしなみ基準の自由化

2024年10月から、『身だしなみ基準を自由化』しました。実際の運用開始に先立ち、3ヶ月のトライアル期間を設け、その期間中に寄せられた多くの従業員の声をマニュアルにして周知・開始いたしました。

運用開始以降は、髪型や髪色、髭、化粧・メイク等を通じて、自分らしさを表現する場が広がり多様性がより深化しました。多様性が広がり、従業員がより輝き、前向きに業務に当たることで、お客様・患者様・ご利用者様により良いサービスの提供に繋がっています。

身だしなみ基準の自由化により、多様性を受け入れる環境が促進され、企業価値の向上につながっています。

 

④ アスリート支援プログラム

従業員が健康で働き続けられることは、従業員自身とご家族にとって幸せなことであり、会社の持続的な成長にもつながると考えています。さらに、従業員一人ひとりの才能を活かして、自らの夢と掲げた目標に向かってチャレンジを継続していることが、健康維持・増進や従業員の健康への取組の模範となると考え、社内制度として「個人アスリート支援プログラム」を運用しています。

デフサッカー・デフフットサル日本代表選手をはじめ、ポールスポーツ競技で世界大会出場選手、トレイルランニングで年代別世界ランキング1位の選手、女子ボクシングで2021年東京オリンピック女子フライ級銅メダル獲得の選手と、世界で活躍する総勢4名のスポーツアンバサダーを支援しております。

本年は、東京2025デフリンピックやデフフットサルワールドカップが予定されており、スポーツアンバサダーの更なる活躍が期待されます。

 

《従業員等の健康管理、健康投資》

持続的な成長のためには、従業員の健康が不可欠です。お客様にとって最も親切なお店であるためには、まず働く従業員の健康が前提となります。

 

① マツキヨココカラ&カンパニー健康宣言

「グループ理念」に基づき、お客様の健康のために奉仕し、健康増進をサポートするためには、従業員自身が健康であることが不可欠です。健康でなければ、お客様にとって最も親切なお店になることはできないと考えております。

当社は、会社の成長を支える従業員とご家族の心身の健康を重要な経営資源の一つと考え、健康維持・増進に対する積極的な支援と組織的な健康づくりの推進により、従業員一人ひとりがいきいきと豊かで健康な社会生活を営みながら、地域医療及び経済の発展に貢献する企業を目指します。

 

健康経営の推進体制

 

従業員の健康管理を推進するため、代表取締役社長を責任者とする「健康管理推進タスクチーム」を設置し、健康管理を経営の視点から考えて戦略的に実践しています。

また、2023年12月にウエルネスサポートセンターを設立し、2024年4月には部レベルに組織を変更しました。自社内の保健師を増員したうえで、健康保険組合・安全衛生委員会・労働組合ともさらに連携を強化し、健康経営を推進しております。

 

 


 

 

 

健康経営の取り組みに対する評価

 

当社グループの健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する健康経営の取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に6年連続で認定され、また「大規模法人部門」に認定された3,400法人のうち上位500位内である「ホワイト500」として、初めて認定を受けました。

 

 


 

② 健康診断受診率及び特定保健指導実施率

生産性の向上につながるパフォーマンスを発揮するため、心身の健康は不可欠です。心身の健康状態を知る上で、健康診断は欠かせません。健康診断の受診を促し、受診率は100.0%を達成しております。

また、測定データと健康保険組合の各種データを活用し、特定保健指導を実施しております。いわゆるメタボリックシンドローム該当者またはその予備群の従業員に対して、専用アプリを用いて日常生活における運動(歩数、消費カロリー等)や体組成(体重など)、循環(血圧など)などを計測・記録して、日々の健康状態を管理しております。

日々の健康状態のデータと過去のエビデンスデータを組み合わせ活用した特定保健指導が行えるように、当社グループの管理栄養士に対し、継続的な研修を実施してきました。その結果、2024年度の実施率は49.8%と前年度から12.0%上昇いたしました。従業員の健康維持だけでなく医療費の削減につながるため、引き続き「持続可能な生活改善」に重点を置いた支援を行い、リバウンドや再始動となる方の削減を目指します。なお、当社グループ外からの保健指導も受託しており、管理栄養士の職域の拡大にも取組んでおります。

 

特定保健指導実施率の実績と目標(%)


※参考情報:2024年度の健康診断結果を用いた特定保健指導を継続実施しております。

 

 

ストレスチェック及びプレゼンティーズム

健康状態は、身体ばかりでなく心も重要な要素です。2022年度以降、従業員に対してストレスチェックを実施しており100.0%の実施率となっております。ストレスチェックの実施だけではなく、集中力や意欲といったパフォーマンスが低下する状態を把握すべくプレゼンティーズムを踏まえた集団分析を行っておりますが、2024年度のプレゼンティーズムの結果は23.2%と前年度から0.8%低下しました。

健康維持、増進活動に対する支援の一環として、2024年7月に保健師による健康相談窓口を開設して、心身の不調や健康診断結果に関する疑問や不安など、健康に関する課題に対して相談できる環境を整備しております。健康相談窓口では、電話やオンラインを使用した相談だけではなく、オフィスで対面相談も実施していますので、ストレスチェックとプレゼンティーズムのスコアを確認して従業員が自ら相談できる環境を整備することで健康に対する意識を高めてウェルビーイングの向上を目指してまいります。

 

プレゼンティーズムの実績と目標(%)


 

現在、企業経営における「人的資本経営」の重要度は加速度的に高まっています。同時に、企業における取り扱う商品やサービスは同質化が進んでおりますので企業が持つ特徴は、従業員が持つコミュニケーション能力、チームワーク能力、問題解決能力、独創性、ストレス耐性への依存度が高まっています。更には、働く人の仕事に対する意欲が多様化していく中、モチベーションを高め、企業のミッション実現へと導いていくことが、企業の重要な役割へとなってきました。

当社グループは、グループ理念の「未来の常識を創り出し、人々の生活を変えていく」とグループビジョン「美しさと健やかさを、もっと楽しく、身近に。」を理想とする姿として少しでも近づけるよう様々な施策を講じて人的資本経営を後押ししてきました。毎年、人的資本に関する情報をまとめて振り返りを行っておりますが、その都度人的資本経営の目指すべきことは企業としての社会的役割・存続意義の実現であり、そのための源泉は「従業員エンゲージメント(企業と従業員の相互理解)」の向上であることを認識しております。

これからもミッションの実現に向けて様々な変化を起こしていきます。同時に、従業員エンゲージメントの測定を通じて従業員と対話し、相互理解の状態を実現し続けることで、当社グループ一丸となって成長してまいります。※データは全て連結会社(国内)の実績を使用しております。