2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    4,427名(単体) 11,906名(連結)
  • 平均年齢
    41.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.9年(単体)
  • 平均年収
    7,839,799円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ビニルアセテート

4,432

[83]

イソプレン

1,133

[45]

機能材料

3,037

[282]

繊維

1,655

[73]

トレーディング

433

[-]

その他

961

[767]

全社

255

[5]

合計

11,906

[1,255]

 

(注) 1.従業員数は、就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2.全社は、基礎研究及び管理部門の従業員です。

3.臨時従業員には、契約社員、パートタイマー及び非常勤嘱託を含み、派遣社員を除いています。

 

(2) 提出会社の状況

2023年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

4,427

41.9

17.9

7,839,799

[151]

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ビニルアセテート

1,422

[34]

イソプレン

756

[23]

機能材料

927

[56]

繊維

943

[29]

トレーディング

[-]

その他

124

[4]

全社

255

[5]

合計

4,427

[151]

 

(注)1.従業員数は、就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2.全社は、基礎研究及び管理部門の従業員です。

3.臨時従業員には、契約社員、パートタイマー及び非常勤嘱託を含み、派遣社員を除いています。

4.平均年間給与(税込)は基準外賃金及び臨時給与(賞与)を含んでいます。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 多様性に関する指標

2023年12月31日現在

会社名

管理職に占める女性の割合(%)
(注)1

男性の

育児休業取得率(%)
(注)2

男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)
(注)1、3、4

全従業員

うち正規雇用従業員

うちパート・

有期雇用従業員

㈱クラレ

5.7

83.3

76.2

79.2

109.2

クラレノリタケデンタル㈱

7.3

133.3

45.0

78.9

103.1

クラレテクノ㈱

0.0

11.1

78.8

82.7

107.6

クラレトレーディング㈱

1.1

25.0

59.5

59.8

クラレプラスチックス㈱

4.8

62.5

68.0

70.1

104.1

クラレファスニング㈱

0.0

59.0

59.1

97.3

クラレエンジニアリング㈱

0.0

50.0

61.5

65.4

81.6

クラレ西条㈱

0.0

9.1

71.9

71.7

㈱倉敷国際ホテル

0.0

45.4

64.8

73.5

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

男性の育児休業取得率は、配偶者が出産する時期(年度)と男性労働者が育児休業等を取得する時期(年度)が異なる場合があり、公表年度によっては取得率が100%を超えることがあります。

また、対象者がいない場合は「-」としています。

3.男女賃金差異を生じさせている主要な原因は、資格別の人員構成、世帯を主宰する家計上の主たる責任者へ支給される手当や、交替勤務・時間外手当等の勤務手当額の違いによるものです。

4.「-」は該当する労働者全員が男女のどちらか一方のため、算出できないことを示しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティに関する考え方及び取組

当社グループは創業当時から、事業活動を通じ自然環境・生活環境の向上を目指すことで社会のサステナブルな発展に貢献する経営を行ってきました。サステナビリティを重要な経営戦略の一つと捉え、当社と社会が持続的に発展するための優先すべき重要課題(マテリアリティ)を経営レベルで選定し、課題の解決に全社的に取り組んでいます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

① ガバナンス

当社グループは、2022年1月にCSR委員会に変えて、「サステナビリティ委員会」を設置しました。サステナビリティ委員会は、社長を委員長とする委員会で、サステナビリティ案件に対して、経営レベルで迅速に判断し、タイムリーに対策を立案・実行し、当社グループのサステナビリティ推進を強化しています。またサステナビリティ委員会は、一連の活動を取締役会に報告し、その指示をサステナビリティ推進に反映しています。

 


 

サステナビリティ委員会の傘下には6つのプロジェクトチーム(地球環境・GHG排出削減対策、TCFD推進、サステナビリティ・ポートフォリオ、サステナビリティ・プロキュアメント(調達)、ダイバーシティ・インクルージョン、新規戦略提案)に加え、コーポレートテーマとして取り組んでいるCCUS(Carbon Dioxide Capture, Utilization and Storage)プロジェクトチームを配置し、その進捗状況及び課題を確認・評価して着実な実行に繋げています。新規戦略提案チームは、組織横断的、かつグローバルなメンバーで構成し、サステナビリティに関するグローバルトレンドを分析し、クラレグループに必要な戦略を提案します。プロジェクトチームは固定ではなく、施策の進捗状況等に鑑み柔軟に編制を変えていきます。また、レスポンシブル・ケアに関するPDCAの進捗も本委員会で確認しています。

2023年度に4回のサステナビリティ委員会を開催し、各プロジェクトチームの活動進捗の報告及び施策の審議を実施しました。主な例として、GXリーグへの参画、GHG排出量削減具体策の検討、気候変動シナリオ分析の拡充、クラレPSA(ポートフォリオ・サステナビリティ・アセスメント)システムを活用した自然環境・生活環境貢献製品の拡大推進、サステナブルな調達を実現するためのサプライヤーアンケート調査結果、ダイバーシティとインクルージョンの国内外施策の進捗、欧州サステナビリティ規制動向に関する当社影響と対応、などがあげられます。

 

② リスク管理

クラレグループは、重大な経営リスクの適切な管理、法令順守・企業倫理の徹底、公正な企業活動の実践を目的に、社長直轄のリスク・コンプライアンス委員会を設置しています。グループリスク管理規定に基づき、国内外の各組織においてリスクの自己評価を実施し、リスク・コンプライアンス委員会での審議を経て、社長が重大な経営リスクを特定、リスク毎に統括責任者を選定し、リスクの回避・軽減のための対策を進め、取締役会は対策の進捗を確認しています。

サステナビリティに関連するリスクを含む具体的なリスクに関する認識と管理体制は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

③ 戦略

クラレグループは自社に関わる重要課題をマテリアリティとして特定しています。2019年に「自然環境の向上」「生活環境の向上」「資源の有効利用と環境負荷の削減」「サプライチェーン・マネジメントの向上」「「誇りを持てる会社」づくり」の5分野に見直しました。クラレグループの各組織はマテリアリティの解決に貢献する計画を立案し、それらは中期経営計画「PASSION 2026」の施策と目標に盛り込まれています。

また、以下の手順に従いクラレグループが優先的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。今後、国際社会の動向、事業環境の変化などに応じて定期的にマテリアリティの見直しを実施します。

 


 

 

④ 指標及び目標

中期経営計画「PASSION 2026」で立案したサステナビリティ関連の施策を「サステナビリティ中期計画」としてまとめました。

 

[サステナビリティ中期計画における重点施策]


 

 

(2) 気候変動への取り組み

クラレグループは、気候変動への対応を最も優先的に取り組むべき重要課題の一つとして捉え、2020年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同しました。また2022年度を起点とするサステナビリティ中期計画では、気候変動の緩和策として、温室効果ガス(GHG)の排出量削減と省エネルギーの促進、自然環境の向上に貢献する製品の拡大、サーキュラーエコノミーへの対応などを施策として掲げました。これらの施策を着実に実行すると共に、TCFDが推奨するガバナンス、シナリオ分析に基づく戦略、リスク管理、指標と目標に基づく開示も段階的に充実していきます。

 

   ① 戦略

クラレグループは2021年度に、低炭素社会への移行において生じる事象、及び気候変動により発生する物理的な事象に対するリスクと機会を下表1のとおり選定しました。

 

表1 クラレグループの気候変動によるリスクと機会


2022年度には、国際エネルギー機関(International Energy Agency; IEA)が発行しているWorld Energy Outlook等から、低炭素社会への移行が進む2℃以下シナリオ(含.1.5℃シナリオ)及び気候変動が進む4℃シナリオに基づくシナリオ分析を開始し、2023年度にクラレグループ全体の主要なリスク及び機会の事業インパクト評価を完了しました。結果は下表2のとおりです。

 

 

表2 気候変動シナリオにおけるクラレグループの主要なリスクと機会の事業インパクト


 

2℃以下シナリオにおけるGHG排出及びエネルギー調達に対する炭素価格(注)の影響は大きく、2030年のGHG排出削減対策実施後にクラレグループで約320億円の炭素税賦課額が見込まれ、操業コストが増加する可能性が示されました。この対策として、2050年カーボンネットゼロに向けたGHG排出削減計画を着実に進めると同時に、環境貢献の高い製品が創出する市場価値を製品・サービス価格に反映していきます。

(注)World Energy Outlook 2022より先進国140ドル/トン-CO2、新興国25ドル/トン-CO2[2030年、1.5℃シナリオ]にて計算

今後はシナリオ分析の結果から導き出された主要なインパクトへの対応を進めていくと同時に、環境変化に応じて適時に算定内容を見直し反映していきます。

 

② 指標及び目標

気候変動緩和の長期目標として、2030年にクラレグループでのGHG排出量(Scope1と2)を2019年度比30%削減、2050年にカーボンネットゼロを掲げました。また、サステナビリティ中期計画では気候変動に関わるGHG排出量削減及び自然環境貢献製品の売上高向上目標を下表3のとおり設定しています。

 

   表3 サステナビリティ中期計画の気候変動に関わる施策と目標


 

 

(3) 人的資本、ダイバーシティとインクルージョンの推進に向けた取り組み

   ① 戦略

 (人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)

当社グループは、様々な国籍・背景を持つ人材でなりたち、長期的・持続的な企業価値の向上のためには、それら多様な人材が活躍することが重要です。これを実現するため、グループ共通の人事方針として「クラレグループグローバル人事ポリシー」を制定し、さらに人材の多様性にフォーカスした「クラレグループダイバーシティとインクルージョンに関する基本原則」を定めています。これらの方針に基づき、多様性推進のための人材育成や職場環境の整備に取り組んでいます。

 

  ダイバーシティとインクルージョン

クラレグループでは、ダイバーシティとインクルージョンの目的地を「多様な社員一人一人が生き生きと働き、失敗を恐れずに挑戦することで変化に対応しながらイノベーションを次々生み出し、成長を続けている会社」と定めました。

この実現のために、中期経営計画「PASSION 2026」の期間中は、グループで一貫した人事基盤・人材データを整備した上で、長期視点に基づく人材育成と多様性を促進する人事施策を実施します。個人が能力を発揮でき、かつ、事業の成長を生み出すグローバルな適材適所の配置・登用を進め、各人が多様性を尊重し失敗を恐れずチャレンジする組織風土を醸成します。

国内では、中核人材における多様性推進を目指します。中核人材を管理職(生産事業所を除く)と定義し、管理職における女性・外国人・中途採用者の登用を進め、2021年9月時点で12%の割合を、2030年度までに25%以上にすることを目標とします。

さらに、全社にダイバーシティとインクルージョンを浸透させるため、2024年度からは階層別にその職務内容に合った研修を行います。

 


 

  人材育成

クラレグループでは、一人一人の価値観やキャリアを尊重し、社員・会社がともに成長するために必要なスキル・能力を開発する機会を提供します。クラレの「理念」を再確認し、「価値観」を共有する機会を充実させるとともに、多様な人材がグローバルに活躍できるよう、「英語力向上支援策」や「短期駐在員派遣制度」と並行して、「グローバル人材育成プログラム」を体系的に拡充していきます。また長期視点での「経営幹部候補育成」で事業部長・本部長相当ポジションを担える人材を計画的に育成し、人材プールを構築することで事業運営を強固にします。

加えて、2023年度からは新たに「DX人材育成プログラム」を始動し、Gold, Silver, Bronze の3段階のデジタルリテラシーレベルに応じたクラスの受講目標を設定しています。全社員がBronze classを受講すると共に、各部署で少なくとも1人、Gold class人材(DXを企画・推進できる人材)の育成を目指します。

 


 


 

 

   ② 指標及び目標

  ・サステナビリティ中期計画における指標と目標及び実績

指標

目標

2023年度実績

中核人材の多様性確保(注)1

     25%(2030年度)

     16%(注)2

人材育成に関する指標(注)3
a) グローバル人材育成

部長層のグローバルリーダー研修受講率(注)4

     60%(2030年度)

     40%

b) 経営幹部候補育成

事業部長・本部長相当ポジションの候補者準備率(注)5

    200%(2030年度)

     90%

c) DX人材育成

各クラスのべ受講者数(目標に対する達成率)

 Gold class

 Silver class

 Bronze class

 

 

 

    180名(2026年度)

   1,200名(2026年度)

   5,700名(2026年度)

 

 

 

     44名(24%)

    163名(14%)

   5,114名(90%)

 

 (注)1.「中核人材=管理職」と定義します。管理職の対象は、当社原籍者(生産事業所を除く)に海外関連会社原籍者で当社日本拠点に勤務するものを加えることにより、外国人管理職のインクルージョンの進捗状況を反映させます。また、多様性の要素として「女性・外国人・中途採用者」を一つのカテゴリーとして捉え、管理職における同カテゴリーの合計人数が占める割合を目標として設定します。

2.内数:女性比率7.0%、外国人比率2.2%、中途採用者比率10.6%(各比率間で重複あり)

3.a)及びb)は海外拠点社員を含み、c)は国内グループ会社社員を含んでいます。

4.グローバルで部長層ポジション数を300として算出しています。

5. 事業部長・本部長相当ポジション数に対する経営幹部候補育成プログラムの修了者数とします。

 

  ・人的資本に関する指標と目標及び実績

指標

目標

2023年度実績

新卒採用に占める女性の割合

a) 総合職

b) 一般職

 

  35%以上/年(2026年度まで)

  10%以上/年(2026年度まで)

 

      34%

      23%

男性の育児休業取得に関する指標

a) 育児休業取得率(注)1

b)  14日以上取得者の割合(注)2

 

   100%(2026年度)

    90%(2026年度)

 

      83%

      49%

 

(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

2. 男性の育児休業取得者のうち当該年度の育児休業取得日数合計が14日以上のものの割合とします。