2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

ヘルスケア 住宅 マテリアル その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
ヘルスケア 664,236 21.1 83,452 32.7 12.6
住宅 1,088,544 34.6 99,781 39.1 9.2
マテリアル 1,319,922 42.0 68,321 26.7 5.2
その他 71,437 2.3 3,932 1.5 5.5

 

3 【事業の内容】

当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下、当社という)及び関係会社346社から構成されています。その主な事業内容はセグメントの区分のとおりであり、当社及び主な関係会社の当該事業に係る位置付けとセグメントとの関連は次のとおりです。

 

セグメント

主要な事業内容

主要な製品・サービス

主要な関係会社

ヘルスケア

(関係会社74社)

医薬事業

医療用医薬品 等

旭化成ファーマ㈱

Veloxis Pharmaceuticals, Inc.

Calliditas Therapeutics AB

※ ㈱カイノス

ライフサイエンス事業

ウイルス除去フィルター、CRO事業、CDMO事業 等

旭化成ライフサイエンス㈱

Bionova Scientific, LLC.

Asahi Kasei Bioprocess Europe S.A./N.V.

クリティカルケア事業

心肺蘇生関連(AED、医療従事者向け除細動器)、着用型自動除細動器、睡眠時無呼吸症治療・診断機器 等

ZOLL Medical Corporation

 

 

住宅

(関係会社97社)

住宅事業

建築請負(戸建・集合住宅)、不動産関連、リフォーム、その他住宅周辺事業、米国・豪州住宅事業 等

旭化成ホームズ㈱

旭化成不動産レジデンス㈱

旭化成リフォーム㈱

Focus Companies LLC

ODC Operations LLC

Asahi Kasei Homes Australia Pty Ltd.

NEX Building Group Pty Ltd

Erickson Framing Operations LLC 
※ ㈱森組

建材事業

軽量気泡コンクリート(ALC)、断熱材、基礎杭、構造資材 等

旭化成建材㈱

 

 

 

セグメント

主要な事業内容

主要な製品・サービス

主要な関係会社

マテリアル

(関係会社151社)

エレクトロニクス事業

電子材料、電子部品 等

旭化成エレクトロニクス㈱

カーインテリア事業

自動車内装材、人工皮革 等

Sage Automotive Interiors, Inc.

エナジー&インフラ事業

リチウムイオン電池用セパレータ、イオン交換膜、中空糸ろ過膜 等

旭化成バッテリーセパレータ㈱

Asahi Kasei Battery Separator Canada Corporation

Asahi Kasei Honda Battery Separator Corporation

Polypore International, LLC

コンフォートライフ事業

繊維、消費財 等

旭化成アドバンス㈱

旭化成ホームプロダクツ㈱

ケミカル事業(パフォーマンスケミカル事業、エッセンシャルケミカル事業)

樹脂 等

旭化成精細化工(南通)有限公司

Asahi Kasei Plastics Singapore Pte. Ltd.

Asahi Kasei Plastics (America) Inc.

旭化成塑料(上海)有限公司

基礎原料 等

PSジャパン㈱

Asahi Kasei Synthetic Rubber Singapore Pte. Ltd.

Tongsuh Petrochemical Corporation

※ 三菱ケミカル旭化成エチレン㈱※ PTT Asahi Chemical Co., Ltd.

マテリアル共通

Asahi Kasei Europe GmbH

 

 

その他

(関係会社24社)

エンジニアリング事業
各種リサーチ・情報提供事業
人材派遣・紹介事業 等

Asahi Kasei America, Inc.

Asahi Kasei Holdings US, Inc.

旭化成(中国)投資有限公司
※ 旭有機材㈱

 

(注) 1 当社はマテリアルセグメント内の複数の事業を行っています。

   2 一部の関係会社の事業内容は、複数のセグメントに跨っています。

   3 ※は持分法適用会社です。

 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。これらの記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた一定の前提条件や見解に基づくものであり、「3 事業等のリスク」等に記載された事項及びその他の要因により、当社グループの実際の業績はこれらの予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容

① 経営成績

Ⅰ 当社グループ全体

当社グループの当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日、以下、「当期」)における連結業績は、エッセンシャルケミカル事業の定期修理の影響や在庫受払差の影響等を受けた「マテリアル」は減益となりましたが、医薬事業の利益成長が寄与した「ヘルスケア」、国内住宅事業が堅調に推移した「住宅」は増益となったことから、売上高は3兆745億円で前連結会計年度(以下、「前期」)比372億円の増収となり、営業利益は2,312億円で前期比193億円の増益となりました。経常利益は2,304億円で持分法による投資利益の増加などにより前期比370億円の増益となりました。また、前期比で事業構造改善費用は増加しましたが、税金費用が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,588億円で、238億円の増益となりました。その結果、EPS(1株当たり当期純利益)は116.97円と前期比19.03円の増加となりました。

資本効率について、当期のROICは5.9%で前期比0.4%の改善、ROEは8.0%で前期比0.7%の改善となりました。

財務健全性については、有利子負債の減少を受けて、D/Eレシオは0.46となりました。

 

〈当社グループの業績〉

 

経営指標

2023年度

2024年度

2025年度

前期との

差異

収益性

売上高

(億円)

27,849

30,373

30,745

+372

営業利益

(億円)

1,407

2,119

2,312

+193

売上高営業利益率

(%)

5.1

7.0

7.5

+0.5

EBITDA

(億円)

3,229

3,980

4,275

+295

売上高EBITDA率

(%)

11.6

13.1

13.9

+0.8

親会社株主に帰属する当期純利益

(億円)

438

1,350

1,588

+238

EPS

(円)

31.60

97.94

116.97

+19.03

資本効率

ROIC

(%)

5.9

5.5

5.9

+0.4

ROE

(%)

2.5

7.4

8.0

+0.7

財務健全性

D/Eレシオ

 

0.51

0.62

0.46

△0.16

 

 

Ⅱ セグメント別

ⅰ 「ヘルスケア」セグメント

売上高は6,641億円前期比482億円の増収となり、営業利益は835億円前期比194億円の増益となりました

医薬事業は、主力製品の販売量増加や、2024年10月より連結を開始したスウェーデンの製薬会社Calliditas Therapeutics ABの新規連結効果等に伴い、増益となりました。ライフサイエンス事業は、「プラノバ™」の販売量が増加したものの、販管費の増加や血液浄化事業の譲渡影響等により、減益となりました。クリティカルケア事業は、「LifeVest®」の新規患者数の増加や除細動器の新製品上市の効果がありましたが、販管費の増加等により、減益となりました。

 

ⅱ 「住宅」セグメント

売上高は1兆774億円前期比415億円の増収となり、営業利益は998億円で前期比39億円の増益となりました。

建築請負事業は、物件の大型化・高付加価値化による平均単価の上昇等により、増益となりました。不動産開発事業は、分譲マンションの販売戸数は減少したものの、物件の構成差や固定費削減により、増益となりました。賃貸管理・不動産流通事業は、管理戸数及び仲介件数の増加により、増益となりました。また、建材事業も、価格転嫁の進捗等により、増益となりました。

一方、海外住宅事業については、北米事業において住宅需要の落ち込みによる数量減少や価格対応の影響を受け、減益となりました。

 

ⅲ 「マテリアル」セグメント

売上高は1兆3,062億円前期比625億円の減収となり、営業利益は683億円で前期比116億円の減益となりました。

エレクトロニクス事業は、AIサーバーやハイエンドスマホを中心とした半導体・電子機器関連事業の旺盛な需要を背景に、主力製品の販売が伸長し、増益となりました。

一方、エッセンシャルケミカル事業は、在庫受払差の影響や水島製造所における大規模な定期修理の実施により、減益となりました。カーインテリア事業は、欧州での販売が堅調に推移したものの、中国及び北米での販売量減少や固定費の増加等により、減益となりました。

エナジー&インフラ事業は、イオン交換膜法食塩電解事業における電解プラントの販売が増加した一方、セパレータ事業では鉛蓄電池用セパレータ事業の譲渡影響や、ハイポア事業における販管費増加及び経時的な価格対応の影響により、減益となりました。また、コンフォートライフ事業は、繊維事業の販売量減少等により、パフォーマンスケミカル事業は、市況下落による在庫受払差の影響及び定期修理の影響等により、それぞれ減益となりました。

 

 

Ⅲ 生産、受注及び販売の状況

ⅰ 生産実績

当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません

このため、生産の状況については、「Ⅱ セグメント別」における各セグメントの業績に関連付けて示しています

 

ⅱ 受注状況

当社グループは注文住宅に関して受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりです。その他の製品については主として見込生産を行っているため、特記すべき受注生産はありません

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

住宅

430,462

101.0

601,724

106.1

 

 

ⅲ 販売実績

当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売実績(百万円)

前期比(%)

ヘルスケア

664,146

107.8

住宅

1,077,394

104.0

マテリアル

1,306,240

95.4

その他

26,725

159.3

合計

3,074,505

101.2

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。

2 前期及び当期において、主要な販売先として記載すべきものはありません。

 

 

② 財政状態

当期末の総資産は、為替の円安影響や「住宅」における棚卸資産の増加などにより、前期比1,227億円増加し、4兆1,379億円となりました。

流動資産は、現金及び預金が164億円減少したものの、棚卸資産が744億円、受取手形、売掛金及び契約資産が224億円増加したことなどから、前期比959億円増加し、1兆8,654億円となりました。

固定資産は、投資有価証券が281億円、繰延税金資産が153億円、無形固定資産が127億円減少したものの、有形固定資産が405億円、退職給付に係る資産が348億円増加したことなどから、前期比268億円増加し、2兆2,726億円となりました。

流動負債は、未払費用が162億円増加したものの、短期借入金が1,033億円、コマーシャル・ペーパーが870億円減少したことなどから、前期比1,715億円減少し、7,931億円となりました。

固定負債は、社債が300億円、退職給付に係る負債が136億円減少したものの、その他固定負債が386億円、長期借入金が204億円増加したことなどから、前期比425億円増加し、1兆1,792億円となりました。

有利子負債は、前期比1,899億円減少し、9,675億円となりました。

純資産は、配当金の支払544億円や自己株式の取得23億円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を1,588億円計上したことや為替換算調整勘定が1,244億円、退職給付に係る調整累計額が255億円増加したことなどから、前期末の1兆9,139億円から2,517億円増加し、2兆1,656億円になりました。

その結果、1株当たり純資産は前期比170.50円増加し1,539.66円となり、自己資本比率は前期末の46.3%から50.5%となりました。D/E レシオは前期末から0.16ポイント減少し0.46となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

Ⅰ キャッシュ・フローの状況

当期における営業活動によるキャッシュ・フローは3,031億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは1,069億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は1,962億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは2,454億円の支出となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加312億円などがありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前連結会計年度末に比べ180億円減少し、3,721億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加766億円、法人税等の支払488億円、投資有価証券売却益417億円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益2,146億円、減価償却費1,626億円、のれん償却額337億円、前受金の増加286億円、減損損失167億円などの収入があったことから、3,031億円の収入(前期比16億円の収入の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入626億円、投資有価証券の売却による収入489億円、有形固定資産の売却による収入57億円などの収入があったものの、有形固定資産の取得による支出1,937億円、無形固定資産の取得による支出174億円、貸付けによる支出108億円などの支出があったことから、1,069億円の支出(前期比2,743億円の支出の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入831億円、非支配株主からの払込みによる収入180億円などの収入があったものの、短期借入金の減少1,068億円、コマーシャル・ペーパーの減少870億円、長期借入金の返済による支出639億円、配当金の支払544億円などの支出があったことから、2,454億円の支出(前期比3,899億円の支出の増加)となりました。

 

当社グループの連結キャッシュ・フローの推移

(単位:億円)

 

2023年度

2024年度

2025年度

営業活動によるキャッシュ・フロー①

2,953

3,015

3,031

投資活動によるキャッシュ・フロー②

△1,426

△3,811

△1,069

フリー・キャッシュ・フロー③(①+②)

1,527

△797

1,962

財務活動によるキャッシュ・フロー④

△943

1,446

△2,454

現金及び現金同等物に係る換算差額⑤

297

△85

312

現金及び現金同等物の増減額⑥(③+④+⑤)

880

564

△180

現金及び現金同等物の期首残高⑦

2,479

3,335

3,900

連結の範囲の変更に伴う増減額⑧

-

1

0

会社分割に伴う減少額⑨

△24

-

-

現金及び現金同等物の期末残高(⑥+⑦+⑧+⑨)

3,335

3,900

3,721

 

 

Ⅱ 流動性と資金調達の源泉

(資本の財源及び資金の流動性について)

2027年3月31日に終了する連結会計年度においては、各セグメントが安定的なキャッシュ・フローを創出することを見込んでいます。加えて、財務規律の強化や事業ポートフォリオ転換などを通じた収益体質の強化にも取り組み、更なるキャッシュの創出に継続的に努めています。

また、当社グループでは、D/Eレシオ0.7を目安に健全な財務体質を維持しつつ、これを背景に金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行など多様な調達手段により、安定的かつ低コストの資金調達を図ります。同時に資金の年度別返済の集中を避けることで借り換えリスクの低減も図っています。

これらの資金を、経営基盤の強化・変革、持続可能な社会の実現と企業価値の継続的な向上のための戦略的な投資、及び株主の皆様への還元に活用していきます。

なお、当社グループでは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)とグローバル・ノーショナル・キャッシュ・プーリングを導入しており、国内外の金融子会社、海外現地法人などにおいて集中的な資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンスの考え方を基本としています。グローバル拡大への対応とグループ経営の深化の視点から、今後も連結ベースでの資金管理体制の更なる充実と資金効率化を図ります。

 

(2) 重要な判断を要する会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。

当社グループは、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価、訴訟等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。

 

① 棚卸資産の評価

当社グループで保有する棚卸資産は取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により期末における回収可能価額が取得原価よりも下落している場合には、回収可能価額まで棚卸資産の評価を切り下げています。回収可能価額は、商品及び製品については正味売却価額に基づき、原材料等については再調達原価に基づいています。経営者は、棚卸資産の評価に用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、当社グループは、主に「マテリアル」セグメントを中心として市場価格の変動リスクに晒されており、将来、経営環境の悪化等により市場価格が下落した場合には棚卸資産の簿価を切り下げることになります。

 

② 企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価

当社グループは、企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価について、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの合理的に算定された価額を基礎として算定しています。

経営者は、無形固定資産の時価の見積りに用いられた、事業計画に含まれる将来の販売数量の見込みや割引率等についての主要な仮定について合理的であると判断しています。

 

③ 有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の減損

当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の兆候があるものとして、減損損失の認識の判定を行っています。減損の存在が相当程度に確実と判断した場合、減損損失の測定を行い、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としています。使用価値は、将来の市場の成長度合い、収益と費用の予想、資産の予想使用期間、割引率等の前提条件に基づき将来キャッシュ・フローを見積もることにより算出しています。

経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価は合理的であると判断しています。ただし、予測不能な市場環境の悪化等により有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の評価に関する見積りの前提に重要な変化が生じた場合には、減損損失を計上する可能性があります。

 

④ 繰延税金資産の評価

当社グループは、繰延税金資産のうち、回収可能性に不確実性があり、将来において回収が見込まれない金額を評価性引当額として設定しています。繰延税金資産の回収可能性については、課税所得及びタックスプランニングの見積りにより計上していますが、特に課税所得の見積りには将来に関する予測や情報が含まれています。将来の予測や情報に基づき、繰延税金資産の一部又は全部が回収できない可能性が高いと判断した場合には、将来回収が可能と判断される額までを繰延税金資産に計上しています。経営者は、繰延税金資産の回収可能性の判断及び前提となる課税所得やタックスプランニングの見積りは適切であると判断しています。ただし、将来、経営環境の悪化等により、想定していた課税所得が見込まれなくなった場合は、評価性引当額を設定することにより繰延税金資産が取崩される可能性があります。

 

⑤ 退職給付債務及び費用

当社グループは主として従業員の確定給付制度に基づく退職給付債務及び費用について、割引率、昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件を用いた数理計算により算出しています。割引率は測定日時点における、従業員の給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた長期国債利回りに基づき決定し、各前提条件については定期的に見直しを行っています。長期期待運用収益率については、過去の年金資産の運用実績及び将来見通しを基礎として決定しています。

経営者は、年金数理計算上用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、前提条件を変更した場合、あるいは前提条件と実際の数値に差異が生じた場合には、数理計算上の差異が発生し、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。

 

セグメント情報

 

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1  報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

当社グループは、事業持株会社制を導入しており、事業持株会社である当社のもと、製品・サービス別の3つの事業領域を設け、各事業領域の事業持株会社及び事業会社は、取り扱う製品について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。

2025年4月1日に研究開発等の機能の一部を「マテリアル」へ再編したことに伴い、第1四半期連結会計期間より、従来「全社費用等」に含めていた一部の研究組織等を「マテリアル」に含めて表示しています。

なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後のセグメント区分で記載しています。

 

各報告セグメントに属する主要な事業内容及び主要な製品は、次のとおりです。

報告セグメント

主要な事業内容

主要な製品・サービス

ヘルスケア

医薬事業

医療用医薬品 等

ライフサイエンス事業

ウイルス除去フィルター、CRO事業、CDMO事業 等

クリティカルケア事業

心肺蘇生関連(AED、医療従事者向け除細動器)、着用型自動除細動器、睡眠時無呼吸症治療・診断機器 等

 

 

住宅

住宅事業

建築請負(戸建・集合住宅)、不動産関連、リフォーム、その他住宅周辺事業、米国・豪州住宅事業 等

建材事業

軽量気泡コンクリート(ALC)、断熱材、基礎杭、構造資材 等

 

 

マテリアル

エレクトロニクス事業

電子材料、電子部品 等

カーインテリア事業

自動車内装材、人工皮革 等

エナジー&インフラ事業

リチウムイオン電池用セパレータ、イオン交換膜、中空糸ろ過膜 等

コンフォートライフ事業

繊維、消費財 等

ケミカル事業(パフォーマ

ンスケミカル事業、エッセ

ンシャルケミカル事業)

樹脂 等

基礎原料 等

 

 

その他

エンジニアリング事業
各種リサーチ・情報提供事業
人材派遣・紹介事業 等

 

 

2  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、前述の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」注記における記載と同一です。報告セグメントの利益は、営業損益です。

セグメント間の内部売上高又は振替高は、主に第三者間取引価格もしくは原価に適正利益を加味した価格に基づいています。

また、当社は、グループ経営における共通機能の変化に応じて、共通費の応益負担を最適化するため、全社共通費の各報告セグメントへの配賦率を第1四半期連結会計期間から変更しています。当該変更により、従来の方法に比べて、「ヘルスケア」は975百万円、「住宅」は1,578百万円、「マテリアル」は3,844百万円それぞれセグメント利益が減少し、「全社費用等」のセグメント利益は6,397百万円増加しています。

 

 

3  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注) 1

合計

ヘルスケア

住宅

マテリアル

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への
売上高

615,901

1,035,860

1,368,770

3,020,530

16,781

3,037,312

セグメント間
の内部売上高
又は振替高

5

10,036

18,234

28,275

45,549

73,823

615,905

1,045,895

1,387,004

3,048,805

62,330

3,111,135

セグメント損益
(営業損益)

64,026

95,912

79,905

239,843

2,929

242,772

セグメント資産

1,326,101

688,131

1,842,954

3,857,186

123,024

3,980,210

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費
(注) 2

54,736

20,675

65,082

140,493

1,097

141,589

のれんの償却額

25,293

1,875

5,460

32,628

32,628

持分法適用会社
への投資額

1,398

5,091

47,934

54,423

24,335

78,758

有形固定資産及び
無形固定資産の
増加額

42,644

31,493

125,572

199,709

1,787

201,496

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。

     2 減価償却費には、のれんの償却額を含んでいません。

 

当連結会計年度(自  2025年4月1日  至  2026年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注) 1

合計

ヘルスケア

住宅

マテリアル

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への
売上高

664,146

1,077,394

1,306,240

3,047,779

26,725

3,074,505

セグメント間
の内部売上高
又は振替高

89

11,151

13,682

24,923

44,712

69,634

664,236

1,088,544

1,319,922

3,072,702

71,437

3,144,139

セグメント損益
(営業損益)

83,452

99,781

68,321

251,553

3,932

255,485

セグメント資産

1,397,225

800,318

1,893,421

4,090,964

141,149

4,232,113

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費
(注) 2

61,041

20,717

67,314

149,072

1,069

150,141

のれんの償却額

26,160

2,232

5,354

33,746

33,746

持分法適用会社
への投資額

9,895

5,349

50,967

66,212

25,047

91,259

有形固定資産及び
無形固定資産の
増加額

25,158

25,807

164,829

215,794

697

216,491

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。

     2 減価償却費には、のれんの償却額を含んでいません。

 

4  報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

(単位:百万円)

売上高

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

3,048,805

3,072,702

「その他」の区分の売上高

62,330

71,437

セグメント間取引消去

△73,823

△69,634

連結損益計算書の売上高

3,037,312

3,074,505

 

 

(単位:百万円)

利益

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

239,843

251,553

「その他」の区分の利益

2,929

3,932

セグメント間取引消去

23

496

全社費用等 (注)

△30,874

△24,781

連結損益計算書の営業利益

211,921

231,200

 

(注) 全社費用等の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社収益、基礎研究費及びグループ会社の経営モニタリング費用等です。

 

(単位:百万円)

資産

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

3,857,186

4,090,964

「その他」の区分の資産

123,024

141,149

セグメント間取引消去

△483,217

△677,897

全社資産 (注)

518,222

583,726

連結貸借対照表の資産合計

4,015,214

4,137,943

 

(注) 全社資産の主な内容は、当社の資産(余剰運用資金<現金及び預金>、長期投資資金<投資有価証券等>及び土地等)です。

 

(単位:百万円)

その他の項目

報告セグメント計

その他

調整額(注) 1

連結財務諸表

計上額

前連結

会計年度

当連結

会計年度

前連結

会計年度

当連結

会計年度

前連結

会計年度

当連結

会計年度

前連結

会計年度

当連結

会計年度

減価償却費
(注) 2

140,493

149,072

1,097

1,069

11,889

12,457

153,478

162,598

のれんの償却額

32,628

33,746

32,628

33,746

持分法適用会社
への投資額

54,423

66,212

24,335

25,047

78,758

91,259

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

199,709

215,794

1,787

697

9,530

5,833

211,026

222,324

 

(注) 1 調整額は全社資産及びセグメント間取引消去によるものです。

   2 減価償却費には、のれんの償却額を含んでいません。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

「セグメント情報 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報」をご参照ください。

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

(単位:百万円)

日本

米国

中国

その他

合計

1,377,378

597,934

285,571

776,429

3,037,312

 

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

 

(2) 有形固定資産

(単位:百万円)

日本

米国

カナダ

その他

合計

586,706

179,674

25,991

128,241

920,611

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

当連結会計年度(自  2025年4月1日  至  2026年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

「セグメント情報 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報」をご参照ください。

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

(単位:百万円)

日本

米国

中国

その他

合計

1,380,007

653,461

253,951

787,086

3,074,505

 

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

 

(2) 有形固定資産

(単位:百万円)

日本

米国

カナダ

その他

合計

558,102

169,138

105,123

128,718

961,081

 

(表示方法の変更)

 前連結会計年度において「その他」に含めていました「カナダ」は連結貸借対照表の有形固定資産合計の10%を上回ったため、当連結会計年度において独立掲記することとしています。

 この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の「その他」に表示していた154,232百万円は「カナダ」25,991百万円及び「その他」128,241百万円として組み替えています。

 

3  主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)

全社

合計

ヘルスケア

住宅

マテリアル

減損損失

308

22

14,811

15,141

451

15,592

 

(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。

 

当連結会計年度(自  2025年4月1日  至  2026年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)

全社

合計

ヘルスケア

住宅

マテリアル

減損損失

232

18,748

18,980

4

751

19,735

 

(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)

全社

合計

ヘルスケア

住宅

マテリアル

当期償却額

25,293

1,875

5,460

32,628

32,628

当期末残高

278,693

38,887

72,060

389,640

389,640

 

(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。

 

なお、2010年4月1日前に行われた企業結合により発生した負ののれんの償却額及び未償却残高については、該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2025年4月1日  至  2026年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)

全社

合計

ヘルスケア

住宅

マテリアル

当期償却額

26,160

2,232

5,354

33,746

33,746

当期末残高

272,220

39,843

71,743

383,805

383,805

 

(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。

 

なお、2010年4月1日前に行われた企業結合により発生した負ののれんの償却額及び未償却残高については、該当事項はありません。

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

当社の連結子会社であるZOLL Medical CorporationがVyaire Medical, Inc.の人工呼吸器事業を取得したことにより、「ヘルスケア」セグメントにおいて負ののれん発生益を2,218百万円計上しています。

 

当連結会計年度(自  2025年4月1日  至  2026年3月31日)

該当事項はありません。