2024年5月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

当社グループは、様々なリスクに対して、事前に適正な対応策を検討・準備し、リスク回避のための組織的な対応をとっております。当社グループは、リスク管理体制の重要性を認識しており、その基礎として「リスク管理規程」を定め、代表取締役社長が委員長であるグループリスク管理委員会において、コンプライアンス、環境、災害、品質及び情報セキュリティ等に係るリスク発生時における迅速に対応可能な体制を整えております。また、対応策が検討されていない新たなリスクが生じ、そのリスクの影響が重大である場合にも、速やかに取締役会に報告し、取締役会において責任者を選任することにより、新たなリスクに対して迅速かつ適切に対応可能です。

当社グループの事業等に係るリスクとして、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社グループの事業等及び当社株式への投資に係るリスクをすべて網羅するものではありません。

 

(1)法的規制について

① 「医薬品、医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」といいます。)等による規制について

当社グループは、「医薬品医療機器等法」で定義する医薬品等を販売するにあたり、各都道府県の許可、登録、指定、免許及び届出を必要としております。また、食品、たばこ、酒類等を販売するにあたり、食品衛生法等それぞれ関係法令に基づき、所轄官公庁の許可・免許・登録等を必要としております。今後当該法令等の改正により、当社グループの出店及び商品政策は影響を受ける可能性があります。

 

② 薬価基準の改正及び調剤報酬の改定について

当社グループの調剤売上は、健康保険法に定められた薬価基準に基づく薬剤収入と、同法に定められた調剤報酬点数に基づく調剤技術に係る収入との合計額であります。薬剤収入については、薬価基準の改正によって薬価基準が引き下げられる一方、各医薬品卸売業者との価格交渉により、仕入価格が同程度引き下げられなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、調剤報酬の改定によって調剤報酬点数の引下げ等があった場合にも当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

③ 有資格者の確保について

医薬品医療機器等法により、医薬品販売業務や調剤業務は、医薬品の分類に基づき、薬剤師や登録販売者(2009年6月の旧薬事法の改正により新設)の配置が義務づけられており、薬剤師や登録販売者の確保は重要な課題であると認識しております。そのため当社グループは、積極的な採用活動を繰り広げるとともに、登録販売者の育成に努力しておりますが、薬剤師や登録販売者が十分確保できない場合には、当社グループの出店政策に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 医薬品の販売規制緩和について

当社グループは、医薬品販売業許可及び薬局開設許可等の許可を受けて営業しております。2009年6月の旧薬事法の改正に伴い、リスクの低い医薬品については新設の登録販売者が販売可能となったことや、2014年6月の旧薬事法の改正に伴い、インターネット販売が解禁になったことにより、他業種が医薬品販売に参入する障壁が低くなっております。今後医薬品の販売規制がさらに緩和され、一般小売店における販売の自由化が進展した場合や他業種との競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 出店に関する規制について

当社グループはドラッグストア及び調剤薬局の多店舗展開を行っておりますが、売場面積が1,000㎡超の店舗を新規出店する場合及び増床により売場面積が1,000㎡超の店舗となる場合において、「大規模小売店舗立地法」の規定に基づき、騒音やゴミ処理法等、出店近隣住民の生活を守る立場から、都道府県又は政令指定都市から一定の審査を受けます。当社グループは地域住民や自治体との調整を図りながら、「大規模小売店舗立地法」を遵守していきますが、この審査の進捗状況によっては、新規出店や増床計画の遅延及び変更が生じ、当社グループの出店政策に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業展開について

① 出店政策について

当社グループは、2024年5月20日現在、北陸を地盤に東北、関東から東海近畿に及ぶ24府県においてドラッグストア936店舗(内調剤併設店594店舗)、調剤専門薬局6店舗、スーパーマーケット11店舗を経営しております。今後も北信越5県での新規出店とともに、新しい商圏である東北、関東、東海、関西等に新規での出店を進めて行く予定でありますが、物件確保の状況により、当社グループの出店政策が影響を受ける可能性があります。

また、新しい商圏における出店では一定のドミナントが形成されるまで、ドミナント戦略(店舗間の距離を近づけることでお客様の認知度を高め、広告宣伝費等のコストを低く抑える戦略)のメリットを享受することができません。したがって、物件確保の状況や同業他社との出店競争等により、ドミナントの形成までに時間を要する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 医薬分業率の動向について

医薬分業制度は、医療の質的な向上を図るために国の政策として推進されてきております。しかしながら、当社グループが調剤薬局を展開している北陸3県は、全国平均と比較して医薬分業率の進行度が低いという状況にあり、今後の医薬分業率の進行状況は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報の保護について

当社グループは、メンバーズカードシステムの運用に伴う顧客情報、調剤薬局における顧客の薬歴等、多くの個人情報を有しております。情報管理については、社内規程を定めるなど十分に注意して漏洩防止に努めておりますが、万一個人情報が漏洩した場合には、社会的信用の失墜や訴訟の提起による損害賠償、「個人情報の保護に関する法律」に基づく行政処分等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 調剤過誤について

当社グループは、薬剤師の調剤技術や薬剤知識の向上に取り組んでおり、調剤過誤防止のために調剤室の環境整備や調剤業務の運用において細心の注意を払っております。薬剤交付前には最終鑑査を行い、複数の薬剤師が配置されている薬局では相互チェックを行う等、鑑査体制の充実を図っております。また、万一の場合に備えて、全調剤薬局において「薬剤師賠償保険」に加入しております。しかしながら、将来において調剤過誤による訴訟を受けるようなことがあった場合は、社会的信用の失墜や多額の損害賠償金額の支払等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 食品の安全性について

当社グループは、日配食品、生鮮食品等の食品を販売しております。安心・安全な食品を提供するため、鮮度管理、温度管理等に関するマニュアルの整備と適正な運用に努めております。しかしながら、万一、食中毒や社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 自然災害について

当社グループは、自然災害に対する備えとして災害マニュアルを作成し、従業員等への教育を行い、被害を最小限に抑える体制の構築に努めております。しかしながら、当社グループの店舗等の所在地域において、想定外の大規模な地震や台風等の自然災害が発生し、店舗等設備の物理的損害、物流網の障害、情報システムの障害及び従業員の人的被害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、利益配分につきましては、安定的かつ継続的な配当を実施していくことを基本方針とし、あわせて経営基盤強化のために必要な内部留保の充実を図ってまいりたいと考えております。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当、期末配当ともに取締役会であり、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行う事ができる。」旨を定款に定めております。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり21.5円の配当を実施することを決定しました。なお、当社は2023年11月21日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っており、株式分割前ベースでの年間配当金は1株当たり32.5円であります。

内部留保資金につきましては、経営基盤のさらなる充実・強化のため、新規店舗の出店資金や既存店舗の改装資金等に充当する予定であり、業績向上を図るための有効投資に活用してまいりたいと考えております。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことのほか、「基準日を定めて剰余金の配当をすることができる」旨を定款に定めております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年12月28日

504

16.0

取締役会決議

2024年7月4日

520

5.5

取締役会決議