2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    770名(単体) 1,282名(連結)
  • 平均年齢
    46.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    24.5年(単体)
  • 平均年収
    6,355,002円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

紙・パルプ製造事業(発電事業含む)

826

その他

456

合計

1,282

 

(注) 1.従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。

2.発電事業につきましては、紙・パルプ製造事業と兼任しているため、紙・パルプ製造事業に含めて表示しております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

770

46.4

24.5

6,355,002

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

紙・パルプ製造事業(発電事業含む)

760

その他・ナノフォレスト事業

10

合計

770

 

(注) 1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)
であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.発電事業につきましては、紙・パルプ製造事業と兼任しているため、紙・パルプ製造事業に含めて表示しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社及び連結子会社では、下記の表のとおり労働組合を組織している会社が4社あり、これらの労働組合にて「中越紙パルプ労働組合協議会」を組織しております。

 

2025年3月31日現在

 

会社名

労働組合名

組合員数(人)

中越パルプ工業㈱

中越パルプ労働組合

625

三善製紙㈱

三善製紙労働組合

31

中越物産㈱

九州流通労働組合

63

中越ロジスティクス㈱

中越ロジスティクス労働組合

117

 

中越紙パルプ労働組合協議会

836

 

また、中越パルプ労働組合、三善製紙労働組合は、「日本紙パルプ紙加工産業労働組合連合会」に加盟しております。
 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

3.9

80.0

67.4

70.1

52.4

 交替手当や深夜勤務手当のある3交替現場に女性を配属していないこと、女性管理職が少ないことが男性比で賃金が低い要因です。

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

中越ロジスティクス㈱

0.0

100.0

中越物産㈱

0.0

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1. 気候変動

 (1) ガバナンス

当社グループでは気候変動対応を重要課題の一つとして捉えており、気候変動対応を含む環境全般を管掌する環境管理担当取締役の下、環境管理統括部を事務局とし組織横断的なメンバーで構成される気候変動対応推進グループを2022年6月に設置しました。環境管理担当取締役は気候変動対応の責任者として、グループ会社を含めた全社の気候関連問題を管理しています。重要事項は常務会及び取締役会へ付議・報告し、取締役会による全体的な監督を受けています。

 


 

 

 (2) 気候変動に関する戦略

当社グループは、気候変動に関する複数のシナリオを用いて当社の戦略に与えるリスクと機会の影響を分析し、気候関連リスク・機会による事業への影響を評価し、その結果を気候変動戦略として事業戦略に反映することで、気候関連リスクへの対応を進め、また気候関連の機会実現を図っています。当社グループにおける事業戦略への影響または財務的影響をもとに算出した重要なリスク・機会項目は以下のとおりです。

 


 

 

 (3) リスク管理

気候変動対応推進グループ内の各施設・部門において、気候関連リスクの識別、評価を行います。事務局である環境管理統括部がリスクの管理と低減を指示・推進し、取り組み状況を環境管理担当取締役へ報告します。重要なリスクは環境保全委員会及び環境監査委員会に報告されます。環境管理担当取締役は常務会へ年1回以上報告を行い、結果は全社のリスク・マネジメントプロセスへ統合されます。事業存続に大きく関わる重要なリスクは取締役会に付議・報告し対処していきます。

 


 

 

 (4) 指標及び目標

カーボンニュートラル社会の実現に向け、気候関連リスク・機会を評価する指標としてGHG(温室効果ガス)Scope1,2排出量の削減を実施すべく製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2030年度までに2013年度比50%削減する目標を中期経営計画にて掲げています。2024年度にGXリーグに参画し、2050年度までのカーボンニュートラル宣言をしました。2025年度からは、GHG排出量のScope1,2については2050年ネットゼロ、Scope3についてはサプライヤーと協力してGHG排出量の削減を目標として設定し、取組を進めてまいります。

 

化石燃料由来のCO₂排出量

2013年度
基準排出量

[千t-CO₂]

2023年度
実績排出量

[千t-CO₂]

削減割合
[%]

2030年度
目標排出量

[千t-CO₂]

削減割合
[%]

411

260

36.7

205

50.0

 

※化石燃料由来のCO₂排出量は、中越パルプ工業株式会社単体の排出量です。

 

GHG排出量

 

2022年度

2023年度

目標排出量

Scope1排出量

[千t-CO₂]

473

414

2050年ネットゼロ

Scope2排出量

[千t-CO₂]

59

52

 

※Scope1,2は中越パルプ工業グループ全体の排出量です。

 

 

2. 人的資本

 (1) 人的資本の取り組み

当社では経営理念として「愛され信頼される企業に」「環境と社会に貢献する企業に」「向上心あふれる働きがいのある会社に」を示し、永続的に発展していくために、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、強い企業づくりを目指しております。

人材は創造性を発揮し企業価値を高める源泉であり、当社のビジョン2030で示した「既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通した循環型社会の構築と持続可能な未来を実現する」ために、人材の育成と多様な人材の確保を目的に教育や環境の整備を進めております。

 

 ①人材育成に関する方針

「人・もの・心」を大切にする人材育成を行い、森林資源の有効利用を通じた循環型社会を構築し、持続可能な未来を実現してまいります。いかなる情勢の変化にも対応し、リスクを吸収できる創造力豊かな人材を育てるため人的資本への投資を行っております。

具体的には、採用した人材に職位・職能毎に必要なスキル・知識を身につけさせる研修制度だけでなく、担当職場での収益改善提案等の論文研修、従業員の自己啓発のための様々な通信教育コースの提供と受講料の一部負担、会社が選定した資格の取得者へ報奨金の支給も行っております。

 

 ②社内環境整備

継続的に企業価値を向上するためには、多様な人材を確保すること、従業員の個性と能力を十分に発揮できる職場環境を整えていくことが重要な課題と捉えております。

人材の多様性により、様々な視点やアイデアが生まれ、業務の改善や新たな収益基盤創造の可能性が高まると考えております。

労働者不足の対応の観点からも、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、人材が意欲をもって活躍できる生き生きとした組織の構築を進めてまいります。

優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用も積極的に行っております。

従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる様、年に一度、自己申告表(自己評価・希望職場や勤務地・家族を含めた健康状態・今後1年間の目標・会社への要望等を記載)を上司に提出し、上司は部下の1年間の評価表を作成・提示し、部下との1対1での面接で状況の把握と今後1年の目標のすり合わせ等を実施し、自律的なキャリア構築の支援も行っております。

 

  a.安全について

企業価値の向上の大前提には従業員が健やかに働く環境の形成があります。

無事故・無災害を目標に一人ひとりが強い意識を持ち、築き育む安全職場を目指しております。

毎月、安全衛生に関する会議の開催と職場パトロールを労使合同で実施し、労働災害の防止と健康の保持増進を図るとともに快適な職場環境の形成を促進しております。

近年は安全性の確保を目的とした設備改善投資を進めるとともに作業の軽減を図っております。

 

 

  b.コンプライアンスについて

当社グループの行動指針として「企業理念」および「中越パルプ工業グループ企業行動憲章」を定め、全役職員に周知を図るとともに、コンプライアンスがあらゆる企業活動の前提条件であることを明文化しております。

コンプライアンスミーティングをグループ会社含め各職場で毎月行い、ハラスメントは勿論、社会問題になっている案件の他、リスクマネジメント方針に則ったテーマについても討議しております。

最近のテーマとして、2023年度は各職場でBCP手順・ツール類の不備を検証のうえ訓練を実施し、2024年度はメンタルヘルスを重点テーマとし個人の幸福感や生産性の向上に取り組みました。

コンプライアンスミーティングへの参加率はグループ全体で100%を目標に取り組んでおります。

また、討議内容・問題点と改善策を内部統制委員が取り纏めた上で内部監査室に報告し、内部監査室長は必要に応じ内部統制委員会で報告するとともに水平展開を図ることで、風通しの良い職場づくりを行っております。

さらに、内部通報制度を規定し、社内外の通報窓口の設置と通報者や相談者の保護を徹底、不正行為・法令違反行為・その他経営に重大な影響を及ぼす恐れのある行為の早期発見と是正を図り、コンプライアンス経営の強化を図っております。

 

  c.健康増進について

当社は2008年から社長自らが「健康企業中パ」を宣言し、会社・労働組合・健康保険組合が三位一体となって「健康経営」を推進しております。

健康診断の受診率は、再検査の2次検診も含め100%を目標と定め、継続して実現しております。

健康診断でメタボリック症候群と判断された従業員には特定健康指導を積極的に実施し、従業員の健康増進を図っております。

毎年、春の健康診断に合わせてストレスチェックを実施し、分析結果は個人が特定されないように各職場の上長にフィードバックされ、健康リスク指数が全国平均を上回る場合は低減させる対策を計画・実施しており、健康リスク指数は安定しております。

また、高ストレスと判定された社員本人から申し出があれば産業医の面談を実施しております。

 

  d.労働時間について

当社では組合員の1か月の時間外労働を法定時間(45時間)を下回る35時間以下とする労使協定を取り交わし、過重労働の防止に努めております。

また、コアタイムの無いフレックスタイム制度を導入し、柔軟な働き方を促進しております。

更に、毎月全従業員の時間外労働を確認し、長時間勤務者に対し産業医との個別面談を設定し、産業医が面談により把握した健康状態に懸念されることがあれば会社側に改善策を含めて報告を行い、会社側は産業医のアドバイスに基づき早急に対処するなど、会社と産業医が連携し従業員の健康支援を行っております。

 

  e.ワークライフバランスについて

ワークライフバランスの充実のため、コアタイムの無いフレックスタイム制の導入(操業部門を除く常昼管理部門が対象)とともに、年次有給休暇の取得を奨励し、その取得率は80%程度で推移しております。

年休取得の推進として、ゴールデンウィーク、年末年始などの大型連休や飛び石連休の合間の平日の一部を年休奨励日として設定し、長期の連休取得を可能にすることにより、心身ともにリフレッシュし労働生産性の向上を図っております。

また、リフレッシュ休暇制度を設け、勤続年数に応じ休暇の付与と金額の補助を行い、労をねぎらうと共に更なる勤労意欲の醸成を図っております。

 

 

  f.女性活躍の推進について

当社の女性従業員は、家族的な企業風土により、勤続年数は長く、育児休業取得率は100%で推移し、長期的なキャリアを形成しております。

直近5年以内に採用した総合職の約3割を女性が占めており、管理者としての育成を行い、本人の能力や適性を評価した上で、管理職として登用を進めてまいります。

男女間の賃金の公正性・公平性は、各個人の能力・資質に応じた平等性の観点から評価しております。

 

  g.中途採用について

採用環境は、労働人口の減少、景気回復に伴う求人の大幅な拡大により、新卒採用の厳しさが年々増しております。

この環境下でも人材の流動性が一定量あることから、操業維持のために中途採用を進めていくことが重要となっております。

また、中途採用者には、前職で培ったスキルやノウハウを生かし、新しい視点で当社の組織活性化・生産性向上などへの貢献を期待しております。

 

  h.高齢者雇用について

当社は2013年に再雇用制度を導入し、厚生年金受給開始年齢まで本人が希望すれば雇用を継続しておりましたが、2024年4月から65歳までの定年延長制度を導入するとともに再雇用時短勤務制度を制定致しました。

労働人口が減少する中、定年を延長することで働く意欲のある高齢者の雇用条件を改善し、組織パフォーマンスの維持を図っております。

再雇用時短勤務制度は、60歳を機にマイペースで仕事を継続したい人に向けて、働き方を自由に設計できる制度として制定致しました。

 

 (2) 指標及び目標

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に係る指標について、連結グループに属する全ての会社での記載が困難なため、当社における指標と目標および実績について記載いたします。

 

指標

目標

実績
(当連結会計年度)

補足説明

管理職に占める
女性労働者・中途採用者の割合

2033年3月までに25%

16.5%

多様性を進める具体的な目標として、2033年3月までに管理職に占める女性と中途採用の合計割合を25%以上としております。

女性育児休業取得率

2026年3月までに100%

100.0%

女性の育児休業取得率100%を維持しつつ、男性の取得率100%を目標といたします。男性の取得率を上げるため、子の出生が明らかになった際には、必ず当該社員に制度の内容を伝え取得を促しております。

男性育児休業取得率

2026年3月までに100%

80.0%

育児休業取得率

2026年3月までに100%

86.7%

労働者の男女の賃金差異

70.1%

交替手当や深夜勤務手当のある3交替勤務職場に女性を配属していないこと、以前は女性の総合職採用が極端に少なく女性管理職が少数であることにより、男性比で賃金が低くなっております。

コンプライアンスミーティング参加率

100%

99.0%

育児・介護休暇取得者および休職者を除く参加率。

健康診断および2次検診受診率

100%

100.0%

会社として従業員の健康を重視し、2次検診を義務化しております。

 

 

 

3. 人権の取り組み

当社グループでは、「中越パルプ工業グループ企業行動憲章」、「木材原料の調達方針」、「社会・健康・安全方針書」に人権尊重に関する基本指針を掲げ、労働や人権に関する取組を行ってまいりました。

2025年3月、サプライチェーンにおける人権尊重の取組について、当社グループが果たすべき責務を明確にするため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、新たに「中越パルプ工業グループ人権方針」を制定しました。

人権デューディリジェンスの一環として下記取組を毎年継続して実施してまいります。

  ①当社グループの人権方針をすべてのサプライヤーへ案内

  ②サプライヤーアンケートを実施するサプライヤーの選定と質問項目の検討

  ③サプライヤーアンケートの送付と回答の回収

  ④アンケート結果の集計を行い、サプライヤーの人権侵害リスクを把握

  ⑤人権侵害リスクが把握されたサプライヤーに対する教育・改善指導の実施

  ⑥取締役会で人権尊重の取組状況を報告

  ⑦人権尊重の取組の進捗状況について、ウェブサイト等での開示

 

当社グループの全従業員が、「中越パルプ工業グループ人権方針」に基づき、さらに人権尊重に取り組んでいくことで、企業の社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。