2025年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 国内需要及び市況の変動リスク

当社グループの売上高の8割を占める紙・パルプ製造事業は概ね内需型産業であり、国内景気の影響を大きく受けます。国内景気の浮沈による国内需要の動向や市況価格の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。紙の国内需要については既に減少傾向にあり、当該リスクへの対応を喫緊の課題として認識して、「中期経営計画2025」で既存事業の構造転換を計画し、家庭紙分野への新規参入やパルプの増産、販売強化に取り組んでおります。

② 原材料購入価格の変動リスク

当社グループはチップ、重油、古紙、薬品などの諸原燃材料を購入しておりますが、それぞれの国際市況、国内市況の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 地球環境に対するリスク

当社グループは、気候変動対策を目的に、化石燃料使用の規制強化やそれに伴うコストの増加、紙をつくる上で、重要な原材料である木材の持続可能ではない調達の規制強化により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 地域環境汚染に対するリスク

当社グループは、環境規制遵守ができないことによる環境保護に関する風評リスク(地域社会との関係悪化に伴う反対運動の発生など)により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 為替レートの変動リスク

当社グループは輸出入取引をしており、このため当該国との取引通貨が為替変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 金利の変動リスク

当社グループは、従来よりグループファイナンスによる資金の効率化に取り組んでおりますが、今後の金利の変動によっては経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 災害リスク

天変地異などの自然災害、テロなどの人的災害などによって、当社グループの生産設備に多大な被害を被ることにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。

⑧ 感染症に関するリスク

新型コロナウイルス感染症に代表される未知の感染症が流行した場合には、感染症拡大による需要減少、当社グループ従業員が感染した場合や、政府・地域行政機関からの要請等により生産活動を一時的に停止した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、流行期における基本的な感染対策の推奨等、感染拡大防止に取り組みながら事業活動を継続しております。

⑨ 訴訟リスク

当社グループの事業活動の遂行に当たっては、様々な法規制の適用下にあって、それらによる訴訟等のリスクにさらされる可能性があり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 偶発債務

当社グループは、上記以外の項目に関しても偶発債務に起因する損失が発生するリスクがあり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題と位置づけ、現在の業績状況や今後の事業展開等を勘案しながら株主資本の一定の水準を維持するとともに、収益を加味した安定配当を継続して実施することを基本方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、株主の皆様への利益還元の更なる充実のため、期末配当金は前事業年度と比べて5円増配の1株当たり35円00銭として、2025年6月25日開催予定の定時株主総会で決議して実施する予定であります。これにより、当事業年度の年間配当金は前事業年度から10円増配の70円00銭となる予定であります。

内部留保資金につきましては、安定的な経営基盤の確保と今後の事業展開に向けた投資などに役立てる予定であります。

現段階において、経営責任の明確化と経営の透明性を確保するためにも株主総会において、剰余金の配当等の決議を諮ることが適切であると考えておりますので、当社は、定款に会社法第459条第1項に規定する剰余金の配当等を取締役会の決議により行う旨の定めを設けておりません。

なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款で定めております。

これからも株価の動向や財務状況を考慮しながら適切に対応してまいります。

 

なお、第109期の剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額
(百万円)

1株当たり配当額
(円)

2024年11月12日

取締役会決議

453

35.00

2025年6月25日

定時株主総会決議(予定)

439

35.00