人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,332名(単体) 12,191名(連結)
-
平均年齢44.0歳(単体)
-
平均勤続年数19.6年(単体)
-
平均年収6,238,116円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
(2025年3月31日現在) |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
紙・板紙 |
4,681 |
ホーム&パーソナルケア |
5,801 |
報告セグメント計 |
10,482 |
その他 |
1,447 |
全社(共通) |
262 |
合計 |
12,191 |
(注) 従業員数は就業人員数です。
(2)提出会社の状況
|
|
|
(2025年3月31日現在) |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
2,332 |
44.0 |
19.6 |
6,238,116 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
紙・板紙 |
1,355 |
ホーム&パーソナルケア |
715 |
報告セグメント計 |
2,070 |
全社(共通) |
262 |
合計 |
2,332 |
(注)1.従業員数は就業人員数です。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3)労働組合の状況
労使関係について特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
|
|
|
|
|
(2025年3月31日現在) |
当事業年度 |
補足説明 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注1) |
男性労働者の 育児休業取得率 (%)(注2) |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注3) |
|||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
|||
2.8 |
83.8 |
66.7 |
67.8 |
87.2 |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。なお、出向者は出向先の労働者として算出しています。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。なお、出向者は出向先の労働者として算出しています。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2024年4月1日から2025年3月31日に支給した年間賃金(通勤費除く、賞与・基準外賃金含む)について、男性平均を100とした場合の女性平均の割合です。なお、出向者は出向元の労働者として集計しています。また、同一労働による賃金体系に違いはありませんが、男女間における平均年齢、在籍年数、等級、職種の違い等により差異が生じています。
② 連結子会社
|
|
|
|
|
|
(2025年3月31日現在) |
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
名称 |
管理職に占め る女性労働者 の割合(%) (注1) |
男性労働者の 育児休業取得 率(%) (注2) |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注3) |
|||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||||
大王パッケージ㈱ |
1.2 |
20.0 |
65.6 |
68.3 |
53.3 |
常時雇用する労働者数が300人超、1,000人以内の国内連結子会社 |
ダイオーミウラ㈱ |
2.0 |
80.0 |
54.1 |
74.9 |
52.5 |
|
エリエール プロダクト㈱ |
0.0 |
45.5 |
62.7 |
73.1 |
69.6 |
|
ダイオーペーパー プロダクツ㈱ |
0.0 |
20.0 |
60.1 |
66.2 |
64.5 |
|
エリエール ペーパー㈱ |
4.8 |
40.0 |
67.0 |
68.2 |
50.7 |
|
ダイオーエンジ ニアリング㈱ |
0.0 |
100.0 |
57.0 |
60.1 |
34.7 |
|
ダイオーロジス ティクス㈱ |
2.1 |
33.3 |
73.6 |
73.7 |
58.2 |
|
エリエール ペーパー テクノロジー㈱ (注4) |
9.1 |
87.5 |
73.4 |
71.6 |
- |
|
エリエール ペーパーテクノ ロジー東海㈱ |
0.0 |
100.0 |
55.5 |
71.1 |
57.3 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。なお、出向者は出向先の労働者として集計しています。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、出向者は出向先の従業員として集計しています。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2024年4月1日から2025年3月31日に支給した年間賃金(通勤費除く、賞与・基準外賃金含む)について、男性平均を100とした場合の女性平均の割合です。なお、出向者は出向元の労働者として集計しています。また、同一労働による賃金体系に違いはありませんが、男女間における平均年齢、在籍年数、等級、職種の違い等により差異が生じています。
4.エリエールペーパーテクノロジー㈱における労働者の男女の賃金の差異 パート・有期労働者は、対象となる女性のパート・有期労働者がいなかったため、数値記載をしていません。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1)大王グループサステナビリティ・ビジョン
大王グループでは、当社グループのサステナビリティ戦略として、2021年5月に「大王グループサステナビリティ・ビジョン」を策定しました。その戦略に沿った取組を推進するため、当社グループは、経営に社会課題解決を織り込んだサステナビリティ活動を進めていきます。
・大王グループサステナビリティ・ビジョン
https://www.daio-paper.co.jp/wp-content/uploads/2021_daio-sustainability-vision.pdf
① ガバナンス
大王グループでは、代表取締役を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティに関する戦略や方針等を議論しています。サステナビリティ戦略である「大王グループサステナビリティ・ビジョン」についても「サステナビリティ委員会」で議論の上、取締役会で策定しました。
「サステナビリティ委員会」の下にサステナビリティを巡る動きやマテリアリティと連動する7つの部会(①地球温暖化対策部会、②TCFD対応部会、③森林・生物多様性対応部会、④環境負荷低減部会、⑤価値共創部会、⑥SDGs調達推進部会、⑦ESG情報開示充実部会)を設置し、具体的なマイルストーンや取組項目を決めて実行しています。
これらのサステナビリティに関する戦略・方針や課題に対する取組状況は、四半期ごとに経営会議に「サステナビリティの取組の進捗状況」として報告され、内容に応じて、経営会議から取締役会に報告しています。
② 戦略
当社グループのパーパスは「誠意と熱意」をもって「3つの生きる(衛生・人生・再生)」を成し遂げ、「やさしい未来」を実現することです。経営理念の4つの柱「ものづくりへのこだわり」「地域社会とのきずな」「安全で働きがいのある企業風土」「地球環境への貢献」を体現するなかで、過去から取り組んできた社会課題解決とSDGsを連動させ、ありたい姿「やさしい未来」を実現していきます。
「やさしい未来」の実現にあたっては、マテリアリティに沿った取組を進めています。マテリアリティについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針」を参照ください。
マテリアリティのうち、「気候変動への対応」「循環型社会の実現」「森林保全と生物多様性の維持」は、「3つの生きる(衛生・人生・再生)」の3つ目の「再生(地球の再生)」に関する重要課題であり、特に「気候変動への対応」は当社グループにとっての最重要課題と認識しています。
また、当社グループは、持続的な企業価値の創造に挑戦する人財を育成していくため、安全で働きがいのある企業風土の構築を目指しています。その実現のために、「人権尊重と人財育成、社員への思いやり」をマテリアリティの一つとしており、人的資本への対応を重要課題と位置づけ、取組を進めています。
③ リスク管理
大王グループでは、サステナビリティに関する総合的な管理は「サステナビリティ委員会」に集約しています。
「サステナビリティ委員会」の体制として、7つの部会(①地球温暖化対策部会、②TCFD対応部会、③森林・生物多様性対応部会、④環境負荷低減部会、⑤価値共創部会、⑥SDGs調達推進部会、⑦ESG情報開示充実部会)を設置し、部会で議論されたサステナビリティに関する取組、国内外の動向や当社グループを取り巻く状況変化、取組のKPIに対する進捗状況などの報告を受け、審議しています。
「サステナビリティ委員会」で審議された事項は、四半期に1回、経営会議に「サステナビリティの取組の進捗状況」として報告され、内容に応じて取締役会にも報告され、当社グループの経営に反映されます。同様に、コンプライアンス違反、不祥事を含む経営に重大な影響を及ぼす恐れのあるリスクの識別・評価は、リスク・コンプライアンス担当の取締役を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」で審議され、経営会議、内容に応じて取締役会にも定期的に報告の上、経営に反映されます。
④ 指標及び目標
大王グループでは、サステナビリティ戦略と連動する以下のKPIを設定しています。上記のガバナンス体制に沿って、各指標の進捗状況を具体的に評価・確認し、目標達成に向け取り組んでいます。
経営理念の 4つの柱 |
マテリアリティ |
貢献するSDGs |
事業戦略・主な取組 |
事業を通じた主な社会課題解決 及び目標とする指標 (2030年度KPI) |
2022年度 実績 (注1) |
2023年度 実績 (注1) |
|
1.ものづくりへのこだわり |
事業ポートフォリオの戦略的変革 |
|
新聞・洋紙事業 ●生産体制・販売構成の見直し ●川下の印刷事業の強化 産業用紙・段ボール事業 ●国内での安定供給の継続 |
●洋紙から板紙への転抄 →マシン稼働継続による雇用維持 |
(注2) |
(注2) |
|
グローバル展開の加速 |
ホーム&パーソナルケア国内事業 ●吸収体事業の国内シェア向上 ●衛生用紙と複合事業モデル確立 ホーム&パーソナルケア海外事業 ●既存事業の基盤強化 ●新規市場の開拓 |
●海外各拠点での地域発展に貢献 →技術・開発能力の向上・雇用維持・創出 |
(注2) |
(注2) |
|||
新規事業の創出 |
新規事業 ●セルロースナノファイバー (CNF) ●バイオリファイナリー |
セルロースナノファイバー商品化分野数 |
7 |
2 |
3 |
||
●RFIDによる業務効率化・働き方改革 |
(注2) |
(注2) |
|||||
●脱プラスチック・減プラスチックによる環境負荷低減 |
|||||||
2.地域社会とのきずな |
地域社会との共生 |
|
●チリ・プランケ市での生活用水・灌漑用水確保のためのインフラ整備 ●介護職員向けの認定資格「アテントマイスター・プロ」の提供 |
- |
(注2) |
(注2) |
|
アテントマイスター・プロ資格認定者 |
22,000名 |
4,787名 |
7,294名 |
||||
持続可能なサプライチェーンの確立 |
●CSR調達:「大王グループSDGs調達ガイドライン」に基づいた調達 |
サプライヤーアンケート回収率 |
100% |
96% |
100% |
||
|
5段階評価で3.5以上の取引先数 |
90% |
61% |
61% |
|||
●森林認証 |
国内外での森林認証の維持継続 |
100% |
100% |
100% |
|||
3.安全で働きがいのある企業風土 |
人権尊重と人財育成、社員への思いやり |
|
(注3) |
||||
公正で透明性の高い経営 |
|||||||
4.地球環境への貢献 |
気候変動への対応 |
|
●バイオマス由来燃料への転換、廃棄物燃料の有効利用など |
化石由来のCO2排出量削減 (対2013年度比)(注4) |
46% |
7.0% |
18.0% |
循環型社会の実現 |
●難処理古紙の利用促進(基幹工場である三島工場板紙への配合率) |
板紙への配合率 |
30% |
14.2% |
17.0% |
||
●ゼロエミッション |
再資源化率 |
100% |
97.1% |
98.3% |
|||
●水の循環・再利用、適正な用排水処理による排水の浄化 |
用水・排水COD売上高当り原単位 |
(対前年度比) 1%/年削減 |
用水10.5% COD 6.0% |
用水 2.8% COD 5.9% |
|||
森林保全と生物多様性の維持 |
●植林活動 |
約28,000haを天然林として維持 |
維持 |
維持 |
|||
植林面積拡大 15,000ha (2050年度までに) |
約200ha |
△約60ha (注5) |
(注1)2024年度実績につきましては未確定のため2023年度までの実績を掲載しています。
(注2)KPIの設定については今後検討していきます。
(注3)取組やKPIにつきましては、「(3)人的資本に対する考え方」を参照ください。
(注4)基準の2013年度以降に当社グループとなった子会社の排出量を含んでいます。
(注5)森林火災の影響で減少しています。
(2)気候変動への対応
当社グループでは、「気候変動への対応」をマテリアリティの1つに掲げ、最重要課題として位置づけ、取り組んでいます。
2021年5月の「大王グループサステナビリティ・ビジョン」の策定と同時にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しており、TCFDの提言に沿った気候変動関連のリスク・機会評価を行い、経営戦略やリスク管理などに反映させ、財務上の影響などの情報開示の充実を進めています。
① ガバナンス
気候変動への対応に関する基本的なガバナンスはサステナビリティ戦略全体のガバナンスに含まれます(詳細は「(1)大王グループサステナビリティ・ビジョン」を参照)。
当社グループでは、特に「気候変動への対応」をマテリアリティのひとつに挙げ、石炭ゼロ化の推進に力を入れています。サステナビリティ戦略全体のガバナンスの中で、気候変動に関する具体的な取組については「サステナビリティ委員会」の下に設置した7部会のうち、「地球温暖化対策部会」「TCFD対応部会」「環境負荷低減部会」「森林・生物多様性対応部会」「価値共創部会」の5部会を中心に検討・推進しています。特に石炭ゼロ化は、生産部門担当の取締役常務執行役員を推進責任者として位置づけ、社内の取締役、執行役員の出席する「生産会議」でも、その取組を報告、モニタリングする体制としています。
② 戦略
大王グループは、国内紙・板紙部門とホーム&パーソナルケア部門において、気候変動による事業への影響を1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオを基に、中期(2030年)、長期(2050年)で分析しました。
各シナリオの前提条件はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)のシナリオなどを参照し、物理的リスクについては、TCFDのガイダンスなどにおいてシナリオ分析のプロバイダーとして紹介されているXDI(Cross Dependency Initiative)社の算定ロジックを基にリスク評価を行いました。
<気候変動におけるリスクと機会>
以下で示す気候変動のシナリオ分析におけるリスクと機会の財務インパクトは、大:150億円以上、中:50億~150億円、小:50億円未満、-:分析中です。
リスク項目 |
事象の詳細 |
2030年1.5℃ |
2050年1.5℃ |
戦略・対応策 |
|
政策・ 法規制 |
CO2排出量削減の義務化 GHG排出量の規制強化 カーボンプライシングの上昇 |
・GHG排出規制とカーボンプライシングの導入 ・エネルギー価格上昇による原価アップ |
大 |
中 |
・太陽光等の再生可能エネルギーの導入 ・2030年までにリサイクルボイラーを設置、石炭ボイラー1缶停止による化石燃料から廃棄物燃料への転換 ・省エネルギー技術導入、投資継続実施 ・LNGへの燃料転換 ・四国中央市カーボンニュートラル協議会等の取組推進 ・リサイクルボイラー・石炭ボイラーでブラックペレット燃焼 ・低炭素燃料(水素・アンモニア・合成燃料等)燃焼技術の導入 ・CCUS (四国中央市カーボンニュートラル協議会等にての取組) ・植林面積の拡大 |
・炭素税導入により、各種資材価格が上昇 |
中 |
大 |
・商品開発段階からGHG排出量がより少ない資材を選定しコスト上昇を抑制 |
||
市場 |
環境対応商品へのシフト |
・環境不対応商品の販売減 ・CFP開示遅れによる販売減 ・エシカル消費による需要減少 |
- |
- |
・環境対応への設計変更 ・CFP表示等の推進、対応 ・再生プラスチック化推進 |
技術 |
商品物流を低炭素 エネルギーへ転換 |
・物流手段の低炭素化の取組として新技術の導入等によるコスト増加 ・燃料転換 |
小 |
小 |
・トラックから内航船・RORO船へのモーダルシフトと輸送距離の短縮の推進、ダブル連結トラック等を推進 ・今後の自動運転や水素・合成燃料トラック等の技術革新にあわせて導入を推進 |
リスク項目 |
事象の詳細 |
2030年4℃ |
2050年4℃ |
戦略・対応策 |
|
急性的 |
台風の多発、 集中豪雨の多発 |
・自然災害による生産活動への影響(洪水) ・道路・鉄道・港湾設備被害によるサプライチェーン寸断、製商品や原材料輸送の停止 |
小 |
小 |
・BCP(事業継続計画)・BCM(事業継続マネジメント)対応の推進 |
慢性的 |
降水・気象パターンの変化や平均気温上昇 |
・植林地、原料調達先が被害を受け、安定調達に影響が出る |
小 |
小 |
・調達先の多角化による調達の安定化 ・植林の推進による原材料の調達量の確保 ・植林する地域・気候に適した樹種の選定、育種開発 |
機会項目 |
事象の詳細 |
2030年1.5℃ |
2050年1.5℃ |
戦略・対応策 |
|
商品とサー ビス |
需要家の品質要求が変化 技術革新による新商品・サービスの開発 |
・環境配慮型商品(FSC商品、脱プラ・減プラ商品)の需要増加 ・環境貢献商品(制汗、防災・避難グッズ商品)の需要増加 ・リサイクルに対する認識の変化 ・産業廃棄物を減らす風潮 ・水資源の節約から節水型商品の増加
|
小 |
小 |
(ホーム&パーソナルケア事業) ・脱プラスチック包装材への転換 ・マスク、衛生用品等の気候変動対応商品の拡大 ・制汗商品、熱中症対策商品の開発、販売拡大 ・トイレに流しやすい商品等の開発、節水支援 (紙・板紙事業) ・脱プラスチック製品、包装機能材の拡大 ・FSC等の認証品拡大 (新素材開発) ・複合樹脂を中心としたCNF素材、RFIDの開発推進、製品拡大 ・製紙素材を利用したバイオリファイナリー事業によるバイオマス化成品・素材の開発、販売拡大 |
廃棄物、余剰の有効利用 |
・バイオ素材・製品の需要増加 |
- |
- |
||
資源効率 |
原料のリサイクル 資材の再利用 |
・原材料のリサイクルシステム構築による費用低減 ・消費者環境政策要求の満足度向上 |
- |
- |
・使用済み紙おむつを回収、リサイクルする仕組みの構築 ・素材を再利用する設備導入 ・環境配慮型商品の発売 |
③ リスク管理
気候変動への対応に関する基本的なリスク管理はサステナビリティ戦略全体のリスク管理に含まれます(詳細は「(1)大王グループサステナビリティ・ビジョン」を参照)。
特に、気候関連リスクの識別・評価においてはシナリオ分析を行い、移行リスク、物理的リスク、機会に分けて網羅的に抽出して、財務に影響を与える項目を整理しました。また、リスクの特定や不確実性の高/低の評価、定性的・定量的な財務インパクトの検討を行っています。
気候変動リスクの識別・評価は、「サステナビリティ委員会」の下に設置した7部会のうち、「地球温暖化対策部会」「TCFD対応部会」「環境負荷低減部会」「森林・生物多様性対応部会」「価値共創部会」の5部会において実施しています。
④ 指標と目標
2021年5月の大王グループサステナビリティ・ビジョンの公表・TCFDへの賛同表明と同時に、事業戦略と連動させる形で、地球温暖化対策の長期ビジョンとして「2050年 カーボンニュートラル」を目指すことを発表しました。そのマイルストーンとして、Scope1+2における「2030年化石由来CO2排出量46%削減(2013年度比)」を掲げ、ロードマップも開示しています。また、Scope3については、国内カテゴリー1、4において2022年度比15%削減の目標を追加設定しました。
・大王グループ統合レポート2024(P55~P56、P67~P68)
https://www.daio-paper.co.jp/wp-content/uploads/pdf/2024/DAIO_2024_all.pdf
ロードマップでは、2050年までに主要工場の三島工場で保有する石炭ボイラー全3缶停止の方針を掲げ、再生可能エネルギーや低炭素燃料(LNGなど)への燃料転換、省エネルギーを推進するとともに、地域における廃棄物等を燃料とするリサイクルボイラー導入により、地域全体でのCO2削減を進めていきます。
さらに、植林拡大によるCO2吸収・固定量増にも取り組み、排出削減と吸収・固定で2050年までにカーボンニュートラルを実現していきます。
Scope3については、2023年度に海外拠点を含むグループ全体のGHG排出量を算出しました。今後、国内カテゴリー1、4において2022年度比15%削減の目標達成に向けて取り組んでいきます。
目標の達成状況
項目 |
2023年度実績 |
2030年度目標 |
化石由来のCO2排出量削減(2013年度比) |
18.0% |
46% |
Scope1,Scope2 GHG排出量削減(2013年度比) |
19.2% |
20% |
Scope3国内カテゴリー1&4排出量削減(2022年度比) |
11.6% |
15% |
(注)1.基準の2013年以降に当社グループとなった子会社の排出量を含みます。
2.2024年度の実績は2025年9月発行予定の当社「統合レポート 2025」をご参照ください。
<四国中央市カーボンニュートラル協議会について>
当社グループは地域全体での脱炭素化に取り組んでいくため、四国中央市カーボンニュートラル協議会に幹事会社の1社として積極的に関わっています。2023年3月に公表したロードマップに基づき、製紙産業においてのカーボンニュートラルを実現するため、多様な関係者が連携した取組を進めています。本協議会は、事業者、自治体、地元地方銀行、地元教育機関、地元業界団体等の結節点として、地域のカーボンニュートラル実現及び地域課題の解決に今後も貢献します。
・四国中央市カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ(当社ホームページ開示資料)
https://www.daio-paper.co.jp/wp-content/uploads/Attachment-Roadmap.pdf
(3)人的資本に対する考え方
経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」の実現を目指すべく、価値創造の源泉を「人財」であると考え、個々の挑戦を促し成長を支える組織風土・企業文化への変革に取り組んでいます。変化や挑戦に前向きな人財が大王グループの新たな価値創造に自律的に取り組み、企業変革を牽引することで企業価値の向上につながると考えています。安心していきいきと働くことができる環境への整備と、個人との対話をコミュニケーションの基軸とし、会社と社員との間に公正かつ共創できる関係性を構築し、心理的安全性の下に個人と会社の相互成長を目指します。
① ガバナンス
大王グループでは、人事担当執行役員を委員長とした「人財戦略委員会」を設置、原則毎月開催し、人的資本に関する議論を行っています。当委員会では、経営戦略の実現に資する人財戦略の基本方針や中長期的な目標とKPI、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下、「DE&I」という。)の方針、また採用や教育、制度改定等の各種人事施策の実施について議論、決定しています。上記の項目について、課題や取組状況を定期的に経営会議に報告し、内容に応じて、経営会議から取締役会に報告をしています。また、サステナビリティに関する項目については「サステナビリティ委員会」と連携を取りながら取組を進めています。
② 戦略
中長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」に基づいた第5次中期事業計画では、経営基盤の再構築のための3年間と定めて3つのテーマである「営業キャッシュ・フロー創出力強化」「将来成長のための厳選した投資の実行」「財務基盤の強化」に取り組むことを掲げています。ビジネスモデルや財務基盤の再構築、カーボンニュートラルの実現に向けた化石由来CO2排出量削減を実行していくことで競争優位性を強化していきます。この経営戦略を実行していくための人財戦略として、「個の成長支援」「多様性を活かす」「変革・挑戦の促進」の3本柱を掲げています。会社が社員に活躍機会を提供し、成長に向けた投資や多様な発想・才能を活かすべく環境整備を行い、さらに社員の挑戦を後押しするため、指示命令型のマネジメントから支援型のマネジメントへと変えていくことで、求める人財像と目指す企業文化が融合し、価値創造につながると考えています。各戦略の概要については下記のとおりです。
<個の成長支援>
個の学びと成長への意欲を活かしてスキル向上と経験値拡大を支援し、さらに意欲を高めて成長を促進することが組織力強化の鍵となります。教育投資を強化するとともに、各自がキャリア形成に積極的になれる環境と制度の充実に取り組みます。
<多様性を活かす>
多くの幅広い才能を活かすことにこだわり、雇用形態や採用経路、勤務時間・場所といった制約条件を超えて能力を発揮してもらえる組織風土づくりと環境整備に取り組みます。
<変革・挑戦の促進>
個々が持つ新たな発想を活かすには、マネジメントの変革が必要であり、各階層間での対話を通してビジョンを共有し、メンバーの変化の促進と挑戦の奨励が習慣化された状態を目指しています。管理職層への役割期待を見直し、教育研修などを通して理解浸透とスキル習得に取り組みます。
<個の尊重、会社と社員の公正かつ共創できる関係性>
当社グループが描く人財戦略の実現には、会社と社員の健全かつ良好で共創できるような信頼関係が不可欠と考えており、安全・安心が担保され社員が自己実現に向けていきいきと働ける職場づくりに取り組んでいます。特に今後は対話をキーワードに、社員の挑戦を後押しできるような組織風土を目指していきます。
これらの人財戦略に紐づく人事施策が効果的かどうかを測るべく、人財戦略ごとに達成目標項目(以下、「KPI」という。)を定めて進捗を確認しています。KPIについては2021年から導入しているエンゲージメントサーベイ(以下、「ES」という。)の質問項目に紐づけ、全体のスコアだけでなく特に重要と考える項目を定めてモニタリングしています。ESでは会社と社員の関係性の状態に加え、ESの結果から読み取れる組織や階層ごとの強みと弱みを分析しています。2024年度のESから分かった課題の一つとして、若手社員のエンゲージメントの低さなどが挙げられます。この結果を受け、これまで実施している目標ごとの人事施策に加え、タウンホールミーティング(2024年度から実施)によりパーパスや経営方針を浸透させ、社員の働きがいを醸成するとともに、上意下達からボトムアップの組織風土への変革を進めていきます。
(a)人財育成方針
社員の学びの意欲と努力によるスキルの獲得が個人と会社双方の成長につながると考えており、意欲・自発性を高める教育・成長機会の提供を人財育成の基本方針としています。社員一人ひとりが画一的ではなく自律的にキャリアを形成できる環境づくりと教育体系の整備を進めています。
ア.自律的学習機会の提供
第5次中期事業計画での教育研修費(当社単体ベース)について、第4次中期事業計画比2.4倍で予算化しました。金額増額に伴い「グローバル人財の育成強化に向けた語学・異文化研修」「役職者層のマネジメント変革研修」「業務・スキル習得の早期化に向けた支援」を主な実行メニューとしています。2024年度は、次世代リーダー育成プログラムの拡充、若手社員を対象とした半年間の海外語学留学プログラム、各階層を対象とした異文化対応力研修の新設を実行しました。「変化や挑戦に前向きな自律人財の育成」を目的に教育体系の整備・拡充を進めていきます。
イ.グローバル人財の早期育成
グローバルに活躍する人財育成の強化を目的として、2024年度はオンラインツールを活用した英語学習費用補助制度の再構築、また若手社員を対象とした海外語学留学制度を新設し、計2名を米国語学学校へ2024年9月末より半年間派遣しました。さらに、語学のみならず異文化対応力を強化するため、若手・中堅・管理職の3階層にて異文化対応力研修を新設し、計95名が受講しました。2025年度も上記施策を継続して実施することで、グローバル人財の早期育成に取り組んでいきます。
ウ.次世代リーダー候補の育成
各事業の中核的役割を担う人財育成を目的として、次世代リーダー育成プログラムを2024年度より拡充しました。「変化や違いを受容しながら、全社の持続的成長を牽引できるリーダー」を求める人財像と定義し、計画的な異動及び外部研修を通じて、広い視野、高い視座をもった人財の育成を進めています。対象は、次期管理職層、課長層、部長層のうち資質要件を満たした選抜者から優先順位を決め、外部研修へ派遣しています。2024年度は、次期管理職層6名、課長層1名、部長層6名の計13名が受講しました。
エ.自律的なキャリア形成支援
社員のキャリア自律を促進する施策として「Daio Career Challenge」(キャリア選択社内公募制度)を2020年より実施し、現在29名がこの制度を利用して異動しています。また、「自己申告制度」(ジョブローテーションなどの希望を申告できる制度)やキャリア面談(担当者各々が自身のキャリアについて考えると共に、上司と共有することで成長に繋がるローテーションを実現していく制度)を導入しており、個々人の適性も考慮してローテーションに活かしています。また、他にも階層別教育として中堅社員対象のキャリアデザイン研修などを実施するとともに、社員の自己啓発を促進する通信教育受講補助制度などの教育制度を導入しています。
(b)環境整備方針
変化や挑戦に前向きなマインドを持つ人財を多く生み出すために、企業の基本姿勢として全体最適に基づく発案を歓迎し、挑戦に報い、積極性を評価する制度の構築やメンバーの意見を積極的に促し傾聴し対話を通して変化・挑戦を支援していくことで「誰かの挑戦を後押しできる企業風土」への転換を進めています。
ア.女性活躍推進の強化
当社の多様性拡大の中心にジェンダーギャップの縮小(女性活躍)を置き、特に、当社グループの成長エンジンであり、女性活躍機会が拡大しているホーム&パーソナルケア部門を中心に、積極的な女性の採用・配置を進めるとともに、全部門で女性リーダー層の育成を目的に、異業種交流研修の実施などを通じた育成支援を行っています。加えて、女性が能力を最大限に発揮できる職場環境の整備にも取り組んでおり、女性特有の健康課題への対応として、生理痛体験会の実施や、生理休暇の名称を当社の生理用製品ブランドに基づく「エリス休暇」への変更などの施策を実施しました。これらの取組が評価され、2024年度には厚生労働省より「えるぼし認定(2つ星)」を取得しました。また、性別に関わらず働きやすい環境を整備する観点から、男性の家事・育児への参画も推進しており、男性の育児休業100%取得及び取得期間の伸長を目標に掲げています。育児休業の計画的取得を促す仕組みとして、子の出生予定の3ケ月前から上司・会社と取得希望を共有する制度を導入し、2024年度における男性社員の育児休業取得率は83.8%、平均取得日数は72日となっています。
女性リーダー※率(総合職) |
男性育休取得率※ |
男性育休取得日数※ |
|
|
|
※女性リーダーとは:役員・管理職ではない総合職の役職者(係長、主任、チーフなどの役職がつく者)。
※男性育休取得率の計算範囲:大王製紙株式会社単体。
イ.ウェルビーイングの推進
2014年度に公表した「大王グループ健康宣言」で、「活力ある健全な企業グループとして永続的に進化・発展していく」を掲げ、心身の健康増進に取り組んでおり、2025年3月には8年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)~ホワイト500~」に選定されました。また、2025年2月には「スポーツエールカンパニー2025」の初認定も受けています。
健康の維持・増進に向け、「ライフ・ワークバランスの推進」「生活習慣の改善」「メンタルヘルスケアの充実」「疾病の早期発見・早期治療」を健康経営の4本柱として、全社員参加の下、実行、推進し、人も企業も健康であることに努めます。
ウ.安全衛生の取組について
「事業所内で働くすべての人の安全を守る」ことを経営の最重要事項の一つとして掲げ、「安全な意識」「安全な環境」「安全な仕事」を3本柱に、「大王グループ安全衛生目標」を設定し、重篤災害につながるリスク抽出と対策を継続実行しています。リスクアセスメントによる職場改善や安全教育の実施、さらに災害時対策訓練などの安全活動を通じて、社員の安全を守ると共に、地域社会からも信頼される事業活動を展開しています。
③ リスク管理
第5次中期事業計画に連動する人財戦略を策定した際に人財戦略委員会にて議論を重ねて、「企業成長に必要な人財獲得・育成」「DE&I推進などによる多様な人財活用」「働き方・組織風土による生産性への影響」のリスクを当社の人財・組織風土に関わるリスクとして特定・管理しています。人事本部を中心に関連部署と連携して顕在化している事例などを検証するとともに対応策を検討し継続的なモニタリングをしながらリスク低減に努めています。
④ 指標と目標
主なKPI |
単体 |
連結 |
対象範囲 |
|
2024年度 実績 |
2024年度 実績 |
2030年度 目標 |
||
女性管理職比率 |
2.8% |
7.2% |
10.0% |
提出会社及び国内・海外の連結子会社 |
男性育休取得率 |
83.8% |
(注1) 67.7% |
100.0% |
提出会社及び男性育休取得率の開示義務がある常時雇用の労働者300名を超える国内連結子会社 |
年次休取得率 |
77.8% |
75.7% |
90.0% |
提出会社及び国内・海外の連結子会社 |
一般社員時間外労働 時間 |
21.1h/月 |
18.2h/月 |
10.0h/月 |
提出会社及び国内・海外の連結子会社 |
障がい者雇用率 |
2.6% |
(注2) 2.5% |
2.8% |
提出会社及び障がい者の雇用義務がある常時雇用の労働者40名以上の国内連結子会社 |
3年後新卒定着率 (総合職) |
76.3% |
(注3) - |
90.0% |
新卒総合職定期採用制を導入している大王製紙単体 ※2020年度~2022年度入社者の平均値を算出 |
(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき提出会社及び常時雇用の労働者300名を超える国内連結子会社にて算出、開示しています。
(注)2.「障害者雇用促進法」(第43条第1項)の規定による雇用義務の対象でない国内連結子会社は、障害者雇用納付金の申告申請手続きをしていないため、集計に含んでいません。
(注)3.連結子会社については、新卒採用が定期に行われないなど採用方針が異なり、一律の設定が困難であるため、指標に関する目標及び実績は提出会社のみを記載しています。