2026年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書等に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

 また、リスク管理の体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しています。

 

(1)需要・市況変動による影響

 当社グループは、紙・板紙事業、ホーム&パーソナルケア事業及びその他の事業を行っていますが、主力製品である紙・板紙製品及び家庭紙商品の大幅な需要減少、製品市況の著しい下落により販売数量・販売金額の減少が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 紙・板紙事業においては、品種毎の需要変動や市況変動に対し、基幹工場である三島工場・可児工場及び生産子会社にて柔軟な生産品種のシフトを行うといった生産体制の整備・見直しを実施しています。

 また、ホーム&パーソナルケア事業においては、特定の商品カテゴリーにおける需要変動又は市況下落が全体に及ぼす影響を極小化できるよう、衛生用紙から吸収体商品まで幅広い商品ラインナップを持ち、それらを複合的に組み合わせた営業戦略を遂行するとともに、お客様の生活満足度を向上させる商品を提供することを通じて、市況の変動に負けない強い営業スタイルを確立しています。

 

(2)原燃料価格変動、及び為替相場の変動による影響

 当社グループは木材チップ・古紙・薬品・重油・石炭等の原燃料を国内及び海外から購入しており、原燃料価格の変動に加え、外貨建てで取引されている原燃料の調達に関しては為替相場の変動も当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、中東情勢の緊迫化については、2025年度への影響は少ないものの、原材料価格の高止まり及び輸送コストへの影響は今後大きくなると予想されます。

 為替相場変動については、海外への紙・板紙製品及び家庭紙商品の輸出販売や在外子会社での販売活動にも影響を与える可能性があります。なお、当社グループでは為替相場変動による経営成績への影響を軽減する目的で、一部の取引に為替予約を利用したリスクヘッジを実施しています。また、原燃料価格変動に対する取引先を含めた体制強化や調達先の多角化、情報交換の活発化の重要性を踏まえ、「SDGs調達」を推進することで、取引先と一体となってCSRやSDGsに配慮しつつ、公平・公正な取引の実現、品質・技術力の向上、事業継続計画(BCP)の策定による安定供給体制の確保を図っています。

 

(3)海外事業による影響

 当社グループは成長戦略の一つとして、ホーム&パーソナルケア海外事業部が中心となって中国、韓国、東南アジア諸国、ブラジル等での事業展開に取り組んでいますが、海外における事業展開には為替相場の変動や現地政府による規制、外交関係や国民感情の悪化、政治不安等による経済環境の変化等が発生するリスクがあります。また、現下の中東情勢を受けて原材料の調達不安や原燃料等の価格上昇が発生するリスクがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらに対し当社グループでは、グループ各社や日本の担当部署が収集した最新情報を関係者間で共有し、適切に対応することで、リスクの最小化を図っています。

 

(4)自然災害及び感染症等による影響

 当社グループの生産・物流拠点、仕入先等が所在する地域において地震、台風等の自然災害が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断や遅延、物流機能の停止に加え、サプライチェーンの寸断、電力・通信等のインフラ停止、人員不足等が生じ、原材料・製品・商品の滅失や供給停滞、復旧費用の発生等を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、感染症等の拡大が発生した場合には、世界的な景気の悪化による需要減少に加え、工場稼働の制約、人員確保の困難化、物流停滞、原材料価格の高騰及び調達難等の供給面への影響が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 こうしたリスクに対応するため、当社グループでは、災害発生時の被害の極小化及び事業の早期復旧を図るべく、グループ横断的なBCM(事業継続マネジメント)体制の整備を進めており、重要業務の特定、事業継続計画(BCP)の策定・見直し、定期的な訓練の実施等により、その実効性の向上に取り組んでいます。

 

(5)法的規制・訴訟による影響

① 法的規制に関するリスク

 当社グループは、環境規制、知的財産権、製品及び原材料の品質・安全性、商品の表示に関する法令や競争法、労働法令等、国内外の様々な法規制の適用を受けて事業を行っています。

 当社グループでは、在外子会社を含むグループ全体に対して「大王グループ行動規範」の周知・教育を行うなど、コンプライアンスの強化に取り組んでいますが、これらの法規制を遵守できなかった場合、又は法規制の変更・改正への対応が適切に行われなかった場合には、当社グループの事業の継続性、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、当該リスクの低減に向け、リスクの識別及び評価を行うとともに、その重要性に応じた対応策を講じることにより、リスクの顕在化の未然防止及び法規制の遵守に努めています。

 

② 訴訟に関するリスク

 当社グループは、事業活動に関連して、製造物責任、知的財産権、契約関係その他に関する各種の訴訟等に巻き込まれるおそれがあり、その結果によっては、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、訴訟等やレピュテーションに悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、弁護士事務所と連携した対応体制を整備し、迅速な対応を行うとともに、法令等に基づき必要な情報開示を行うなど、当社グループのレピュテーションの維持に努めています。

 

(6)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、サイバー攻撃による事業停止や情報漏洩を重要なリスクと認識しています。このため、ファイアウォールによる不正通信の遮断やAI機械学習等の最新のウィルス対策ソフトの導入、不正アクセスの監視、メールフィルタリング、セキュリティパッチの適用、セキュリティ診断等を実施しており、復旧計画に基づく定期的なシステム復旧訓練も行っています。

 情報漏洩防止に関しては、最新のウィルス対策の導入やクラウドサービスの利用により特に強化を図っています。教育面では、標的型攻撃メール訓練を毎年実施するとともに、「ITセキュリティ管理規則」を制定し、外部デバイスの使用禁止等のセキュリティ対策を社員に徹底しています。また、社内におけるAIの利用についても、会社が使用を許可したツールに限定するとともに、AIが入力情報を学習・外部公開しない設定の下で利用することを徹底しています。加えて、個人情報や機密情報をAIへ入力することを禁止する等、AIの適正利用に関する社内ルールを定め、全社員へ周知・徹底を図っています。

 

(7)人財確保のリスク

 当社グループは、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を実現するため、事業構造転換の推進や成長分野への取組みを進めており、これらを支える人財の確保および育成を重要な経営課題の一つとして位置付けています。

 しかしながら、少子高齢化の進行や労働市場における人財獲得競争の激化により、当社グループが必要とする人財、特に専門的な知識や高度な技術を有する人財の確保が、計画どおりに進まない可能性があります。このため当社グループでは、新卒・経験者採用の強化や多様な採用チャネルの活用等を通じて、人財の安定的な確保に取り組んでいます。

 また、事業環境の変化や事業構造の転換に伴い、当社グループにおいて求められる人財像やスキルが変化する中で、既存人財の育成や適正な配置が十分に進まない場合、事業運営の円滑な遂行や競争力の維持に影響を及ぼすおそれがあります。これに対し、当社グループでは、教育・研修制度の充実や人財育成施策の強化を図るとともに、適材適所の配置を推進しています。

 さらに、人件費の上昇や働き方、処遇に対する社会的要請の多様化に適切に対応できない場合には、人財の定着が進まず、安定的な人財基盤の維持が困難となる可能性があります。このため、働き方改革の推進や処遇制度の見直し等を通じて、働きがいのある職場環境の整備に努めています。

 

(8)金利変動による影響

 当社グループは有利子負債の削減に取り組んでいますが、大幅な金利の上昇が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは金利変動による経営成績への影響を軽減するため、主として固定金利の長期借入にて資金調達を行うことにより、短期的な金利上昇リスクへの対応を図っています。

 

(9)財務制限条項の付された金銭消費貸借契約による影響

 当社グループが金融機関との間で締結している金銭消費貸借契約の一部には、各年度の決算期の末日における連結貸借対照表の純資産の部の金額や、各年度の決算期における連結損益計算書の経常損益等を基準とした財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には借入金の返済を求められ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)投資有価証券の価格変動による影響

 市場価格のない株式等以外のその他有価証券は決算日の市場価格等に基づく時価法により評価するため、決算日の株価によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは政策保有株式の縮減を進めており、保有株式を削減することで価格変動による影響も総額として縮小させていく方針です。

 

(11)固定資産の減損会計による影響

 当社グループは、有形固定資産やのれん等の固定資産を保有していますが、これらの資産については減損会計が適用されており、当該資産から得られる将来キャッシュ・フロー又は当該資産の正味売却価額の何れか高い方の金額によって資産の帳簿価額の回収可能性を検証し、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。しかし、経営環境の著しい悪化により事業の収益性が低下した場合や市場価格が著しく下落した場合等には、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)気候変動に関するリスク

 気候変動に関するリスク内容、対応策については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」に記載のとおりです。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと認識し、業績の状況や内部留保の充実等を勘案しながら安定的な配当を継続することを基本方針としています。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。

 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。

 当事業年度(第115期)は、上記基本方針に基づき1株当たり年14円00銭(うち中間配当7円00銭)の配当を実施する予定です。

 内部留保資金の使途については、成長分野への先行投資、将来の企業競争力を高める設備投資、財務体質の改善など企業基盤の一層の強化を図るべく有効に活用する所存です。

 当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録されている株主又は登録株式質権者に対し、金銭の分配として中間配当を行うことができる」旨を定款に定めています。

 

 なお、第115期に係る剰余金の配当は以下のとおりです。期末配当に関する配当金の総額1,087百万円及び1株当たり配当額7円00銭につきましては、2026年6月29日開催予定の定時株主総会の決議事項となっています。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2025年11月14日

1,173

7.00

取締役会決議

2026年6月29日

1,087

7.00

定時株主総会決議

(予定)

(注)2025年11月14日開催の取締役会決議の配当金の総額には、株式交付信託に係る信託口に対する配当金5百万円が含まれています。また、2026年6月29日開催の定時株主総会決議(予定)の配当金の総額には、株式交付信託に係る信託口に対する配当金5百万円が含まれています。