事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
CGS事業 NJSS | 3,245 | 48.1 | 1,405 | 89.8 | 43.3 |
CGS事業 fondesk | 982 | 14.6 | 165 | 10.6 | 16.8 |
CGS事業 フォト | 836 | 12.4 | -57 | -3.7 | -6.9 |
CGS事業 その他 | - | - | -76 | -4.8 | - |
BPO事業 | 1,629 | 24.2 | 137 | 8.8 | 8.4 |
クラウドソーシング事業 | 48 | 0.7 | -10 | -0.6 | -20.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
1.当社グループについて
当社グループは「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というコーポレートビジョンのもと、「労働力不足解決のリーディングカンパニー」を目指し、様々な領域において労働力の代替ソリューションとなる事業をSaaSを中心に複数展開し、上記社会課題の解決に向き合ってまいりました。
当社グループは、「在宅ワークのスタンダード化」を目指して2003年11月に企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO(Business Process Outsourcing)((注)1.)事業を開始いたしました。その後、受託する業務量の増加に伴うニーズの多様化を受け、より効率的に運営を行うことを目的として当社グループを経由せずに案件をマッチングさせる体制を整えるため、2007年2月にクライアントと主に主婦のクラウドワーカー((注)2.)の業務受発注のマッチングサービスであるクラウドソーシング事業として「シュフティ」を開始。さらに、BPO事業で培われたノウハウやクラウドソーシング事業が持つリソースをかけ合わせることで、当社グループ自身がクラウドワーカーを活用して新たなサービスを創出するCGS(Crowd Generated Service)((注)3.)事業として、現在も売上高及び利益の大半を占める主力サービスである官公庁等の入札情報を提供する入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」を2008年9月に開始いたしました。その後、2014年10月に幼稚園・保育園向けの写真販売管理システム「えんフォト」、2019年2月にクラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス「fondesk」を開始。また2020年12月にはえんフォトとのシナジー創出を目的に出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」を運営するOurPhoto株式会社の全株式を、2023年1月にはNJSSとの連携を目的に入札情報検索サービス「nSearch」を運営する株式会社ブレインフィードの全株式をそれぞれ取得して完全子会社化した後、グループ経営の更なる効率化のため、2025年4月1日を効力発生日として、OurPhoto株式会社、株式会社ブレインフィードの両社を吸収合併し、現在の事業構成へと至っています。「NJSS」・「fondesk」・「えんフォト」はいずれもSaaS(Software as a Service)であり、現在ではSaaS事業が当社グループの成長の基盤となっております。
CGS事業では、「シュフティ」を活用することで、これまで機械やソフトウェアのみを活用してきた作業にクラウドワーカーによる人力作業を付加し、システムのみでは提供できない付加価値を有したサービスを創出・提供しております。例えば、「NJSS」においては、システムクローラー((注)4.)だけでは情報の収集が難しいスキャニングされたPDFデータ等の入札・落札情報について、クラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」のクラウドワーカーを活用して情報を収集することで網羅性のあるデータベースの提供を図っております。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社1社で構成されており、セグメントはCGS事業 NJSS、CGS事業 fondesk、CGS事業 フォト、CGS事業 その他、当社の100%子会社である株式会社うるるBPOにて運営するBPO事業及びクラウドソーシング事業の6つとしております。
(注) 1.BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業運営上の業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することを指します。
(注) 2.クラウドワーカー(Crowd Worker)とは、クラウドソーシング・プラットフォームに登録し、クラウドソーシング・プラットフォームを介して仕事の受注・遂行・納品等を行うワーカー(働き手)のことを指します。
(注) 3.CGS(Crowd Generated Service)とは、クラウドソーシング・プラットフォームに登録するクラウドワーカーの労働力を活用して生み出されたサービスを指します。
(注) 4.システムクローラー(System Crawler)とは、ウェブ上の文書や画像などを周期的に取得し、自動的にデータベース化するプログラムを指します。
2.当社グループのビジネスモデルについて
当社グループでは、CGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業の3つの事業を運営することで、「深刻化する労働力不足を解決する企業」として労働力の代替ソリューションを提供しております。
CGS事業では、直接「シュフティ」のクラウドワーカーへ業務を発注し、その納品物を集約・加工することでサービスを創出し、クライアントへ提供しております。例えば、主力CGS事業である入札情報速報サービス「NJSS」では、当社がクラウドワーカーへインターネット上に公示される官公庁等の入札・落札案件情報の収集を発注し、当社が当該情報を集約して入札・落札案件情報のデータベースを構築し、クライアントへ提供しております。このデータベースは、従来型のサービスではシステムクローラーによるテキスト情報の収集が主であり、必要な情報が取得できない、または不要な情報が混ざってしまうことが多々ありましたが、「NJSS」ではクラウドワーカーが手作業で収集を行うことにより、不要な情報の除去が可能となっている他、画像情報のテキスト化が可能となり、システムクローラーのみでは作成困難なデータベースの構築を図っております。他にも、クラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス「fondesk」においては、「シュフティ」のクラウドワーカーへ在宅での受電業務を発注することで、地代家賃等の固定費を抱えることがなくコストを抑えられ、比較的安価でクライアントに電話受付代行サービスを提供でき、保育園・幼稚園向けの写真販売管理システム「えんフォト」においては、クラウドワーカーであるフォトグラファーを園へ派遣し、写真撮影業務を発注することで全国の園に写真撮影サービスを提供しております。
BPO事業では、「シュフティ」のクラウドワーカーや国内・国外協力会社といった当社グループが有する複数のリソースを活用して、クライアントのアウトソーシング・ニーズに対して、その規模を問わず、ニーズに適合するリソースを適切に指示・管理することで、クライアントへソリューションを提供しております。
クラウドソーシング事業では、業務をアウトソーシングしたいクライアントと、在宅等で時間や場所の制約なく仕事をしたいクラウドワーカーをマッチングするサービスであるクラウドソーシング・プラットフォームである「シュフティ」を提供しております。
当社グループのビジネスモデルの特徴は、①これまで機械やソフトウェアのみを活用してきた作業にクラウドワーカーによる人力作業を付加することで、システムのみでは提供できない付加価値の創出を図るCGS事業を運営していること、②クラウドソーシング事業やBPO事業において、クライアントの相談を受けることで市場のニーズを把握し、新規CGS事業のアイディアが生まれること、③クラウドソーシングのプラットフォームを自社で保有しており、外部環境に依存せずにCGS事業を運営することができ、またクラウドワーカー活用のノウハウを蓄積し続けていること、④CGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業という3つの事業を有することで、収益基盤の安定化を図れることが挙げられます。
有価証券報告書提出日現在における当社グループ全体の事業系統図は、以下のとおりです。
3.各事業の概要
(1) CGS事業
① サービスの概要
CGS事業では、当社グループが「シュフティ」に登録するクラウドワーカーへデータ入力やデータ収集といった様々な業務を直接発注し、クラウドワーカーから納品されたデータ等を当社が集約・加工することでサービスを創出し、クライアントへ提供しております。
CGS事業で提供するサービスの主な特徴は、以下のとおりです。
ⅰ.「シュフティ」には全国各地に点在する約47万人(2025年3月末時点)のクラウドワーカーが登録されているため、地域固有の業務の提供やデータの継続的な収集を行うことができる
ⅱ.在宅等の勤務により業務時間・場所に制約のないクラウドワーカーを活用することで、サービスの提供を常時行うことができる
ⅲ.クラウドワーカーを活用する際に、採用、勤務場所、設備投資等などに係る費用がかからないため、初期投資費用を抑えることができる
② 展開しているサービス
当社グループがCGS事業で展開している主なサービスは、以下のとおりです。
なお、代表的なCGS事業である入札情報速報サービス「NJSS」の事業フローは、以下の図のとおりです。
(2) BPO事業
① サービスの概要
BPO事業は、当社100%子会社である株式会社うるるBPOが運営しております。本事業では、業務コスト削減や業務速度を早めたい、作業品質を高めたい、コア業務へ集中したい等といったアウトソーシングニーズがある企業へ株式会社うるるBPOが保有する社内施工部門である徳島センター・大分センター、「シュフティ」のクラウドワーカー、国内外の協力会社といった社内外のリソースを活用して、ソリューションを提供するサービスを展開しております。具体的にはデータ入力・スキャニング等に加え、システム開発受託、電子化総合アウトソーシング、メーリングサービス、キャンペーン事務局代行等の総合型アウトソーシング受託業務を行っております。受注後、案件の内容、規模、納期、クライアントの要望等に応じて発注先を選択しております。
このほか、AI-OCRと人力をかけ合わせたSaaS型データ自動化サービスである「eas(イース/Entry Automation System)」も展開しております。
当社グループでは2003年より、自社ウェブサイトを経由して新規・継続顧客から業務を受注し、累計約5,779社のクライアントを有しております。
② BPO事業の特徴
BPO事業では、クライアントのニーズに対して、社内施工部門、「シュフティ」のクラウドワーカー、中国を中心とした国外協力会社及び国内協力会社といった社内外のリソースを活用して、株式会社うるるBPOがワンストップでクライアントへソリューションを提供できることが特徴となっております。
クライアントと株式会社うるるBPO及びそのリソースとの関係については、以下の図のとおりです。
(3) クラウドソーシング事業
① サービスの概要
クラウドソーシング事業とは、当社がインターネット上で提供するクラウドソーシング・プラットフォーム「シュフティ」で、業務を発注したいクライアントと、在宅で時間や場所の制約なく仕事をしたいクラウドワーカーをマッチングするサービスとして2007年2月にリリースいたしました。「シュフティ」に登録されているクラウドワーカー数は2025年3月末時点で約47万人となっており、CGS事業にリソースを供給するためのプラットフォームとして、ユーザー利便性向上のためのサービス改修や安定的運営のためのカスタマーサポート改善に継続的に取り組んでおります。
② サービスの特徴
「シュフティ」の特徴は以下のとおりです。
ⅰ.クラウドワーカーは、業務時間・場所に制約なく、仕事をし、報酬を得ることができる
ⅱ.クラウドワーカーは、仕事内容を選ぶことができ、自身のスキルを活かすことができる
ⅲ.クライアントは、業務を依頼したいときのみ、業務の発注を行うこととなるため、費用を変動費化でき、また採用等の初期投資費用を抑えられる
ⅳ.クライアントは、業務時間・場所に制約のない多数のクラウドワーカーが存在する「シュフティ」を利用するため、常時役務の提供を享受できる
「シュフティ」で登録されている業務の特徴として、「シュフティ」にアクセスできる環境さえあれば誰でも簡単にできる業務が多いことが挙げられます。パソコンやスマートフォン等でできる業務が多く登録されていることから、育児の合間や電車で移動中の時間といったすき間時間に仕事をすることが可能となります。
「シュフティ」におけるクライアントとクラウドワーカーの一連の取引フローは、以下の図のとおりです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
《経営成績等の状況の概要》
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
会計年度は、前中期経営計画後の新たな経営方針として掲げた「ULURU Sustainable Growth」のもと、人的資本投資を中心とした基盤整備を行いつつ、事業運営をしてまいりました。その結果、当連結会計年度における売上高は6,701,255千円(前期比12.9%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額(以下同様))は1,002,552千円(前期比33.9%減)、営業利益は762,923千円(前期比42.4%減)、経常利益は761,983千円(前期比40.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は458,072千円(前期比36.4%減)と、売上高は業績予想比で未達となりましたが、「NJSS」・「fondesk」・「えんフォト」・「nSearch」といったSaaSのARR(年間経常収益)を合計した全社ARRは52億円を超えるなど成長しており、利益目標であるEBITDAは、計画通りに着地いたしました。
2024年5月14日に公表いたしました業績予想との対比は以下のとおりです。
各セグメントの業績は、次のとおりです。
① CGS事業 NJSS
CGS事業の主力SaaSである「NJSS」については、有料契約件数が2025年3月末時点で7,073件(2024年3月末比506件増)と増加いたしました。有料契約件数をベースにした12ヶ月平均の解約率は1.50%となり、ARR(年間経常収益)が33億円を突破するなど、成長を続けております。また、当期初から契約獲得・更新時の単価を引き上げる方針に変更したことで、当連結会計年度第4四半期のNJSS ARPU(有料契約一件当たりの日割り売上高)は1,210円に上昇しています。一方で経営方針である「ULURU Sustainable Growth」のもと、人的資本投資を中心に各種成長投資を実施したため、コストは増加いたしました。このほか、「nSearch」とのシナジー創出や、入札資格管理サービス「入札資格ポータル」や公的機関向けに提供する購買調達サービス「調達インフォ」の運営など、周辺サービスの展開による入札マーケットの拡大にも継続的に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 NJSSの売上高は3,244,681千円(前連結会計年度比12.9%増)となり、セグメントEBITDAは1,545,829千円(前連結会計年度比2.3%減)、セグメント利益は1,404,898千円(前連結会計年度比5.9%減)となりました。
(注) 1.ARR:「年間経常収益」。各四半期末時点のMRRに12を乗じて算出。当連結会計年度第1四半期より、「nSearch」「GoSTEP」等の周辺サブスクリプションビジネスも含めたMRRに12を乗じた数値
2.ARPU:有料契約一件当たりの日割り売上高。入札BPO ARPUは、スポット売上高も含む。
3.解約率:前月末有料契約件数に対する当月解約件数の割合。上表は12か月平均の数値。
4.LTV:「顧客生涯価値」。ARPU×1/解約率×粗利率90%で算出。
5.従業員数:臨時雇用者(パートタイマー、人材会社からの派遣社員)を含む。臨時雇用者数は、年間の平均人員を換算。同定義でブレインフィードを含む。
② CGS事業 fondesk
CGS事業におけるSaaSである「fondesk」は、2025年3月末時点で有料契約件数が5,589件(2024年3月末比795件増加)と増加いたしました。そのうえ、UI・UX改善のためのシステム改修を行うなどユーザー利便性向上に継続的に取り組んできた結果、有料契約件数をベースにした12ヶ月平均の解約率は1.2%(2024年3月末の同解約率は1.3%)と最低水準となり、ARR(年間経常収益)は約10億円となっております。一方で、経営方針である「ULURU Sustainable Growth」のもと、成長投資として主にマーケティング施策に注力したため、コストは増加いたしました。このほか、2024年12月にリリースした、誰でも簡単に使える電話自動応答サービス「fondesk IVR」の拡大にも注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 fondeskの売上高は982,116千円(前連結会計年度比17.8%増)となり、セグメントEBITDAは166,148千円(前期は269,539千円)、セグメント利益は165,030千円(前連結会計年度は268,586千円の利益)となりました。
(注)1.ARPU:有料契約一件当たりの月割り売上高。
2.解約率:前月末有料契約件数に対する当月解約件数の割合。上表は12か月平均の数値。
3.ARR:「年間経常収益」。各四半期サブスクリプション売上高と各四半期リカーリング売上高の合計に4を乗じて算出。
4.従業員数:臨時雇用者(パートタイマー、人材会社からの派遣社員)を含む。臨時雇用者数は、年間の平均人員を換算。
③ CGS事業 フォト
CGS事業におけるSaaSである「えんフォト」は、写真販売単価の高いカメラマン派遣比率の上昇等により園当たり売上高が47,661円(前連結会計年度第4四半期は45,397円)と伸長したうえ、2025年3月末の契約園数は5,139園(2024年3月末比414件増加)と増加した結果、ARR(年間経常収益)は約10億円となるなど、成長しております。併せて、経営方針である「ULURU Sustainable Growth」のもと、成長投資として主に人的資本投資を実施したため、コストは増加いたしました。このほか、出張撮影マッチングサービス「OurPhoto(アワーフォト)」との連携や機能拡充にも継続的に注力してきました。
この結果、当連結会計年度におけるCGS事業 フォトの売上高は835,946千円(前連結会計年度比15.0%増)となり、セグメントEBITDAは△44,685千円(前期は70,305千円)、セグメント損失は57,406千円(前連結会計年度は37,246千円の利益)となりました。
(注)1.ARR:「年間経常収益」。各四半期リカーリング売上高に4を乗じて算出。
2.従業員数:臨時雇用者(パートタイマー、人材会社からの派遣社員)を含む。臨時雇用者数は、年間の平均人員を換算。
④ BPO事業
BPO事業におきましては、人力とテクノロジーを最適に組み合わせた業務構築力と、自社グループのSaaS事業運営ノウハウを活用して展開するBPaaS業務が好調に推移いたしましたが、事業規模拡大に伴う人員増等によりコストが増加いたしました。
この結果、当連結会計年度におけるBPO事業の売上高は1,614,741千円(前連結会計年度比9.4%増)となり、セグメントEBITDAは209,704千円(前期比13.6%減)、セグメント利益は137,235千円(前連結会計年度比26.9%減)となりました。
(注)従業員数:臨時雇用者(パートタイマー、人材会社からの派遣社員)を含む。臨時雇用者数は、年間の平均人員を換算。
⑤ クラウドソーシング事業
クラウドソーシング事業におきましては、「シュフティ」に登録されているクラウドワーカー数は2025年3月末時点で約47万人となっており、CGSにリソースを供給するためのプラットフォームとして、ユーザー利便性向上のためのサービス改修や安定的運営のためのカスタマーサポート改善に継続的に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度におけるクラウドソーシング事業の売上高は23,769千円(前連結会計年度比10.3%減)となり、セグメントEBITDAは△9,283千円(前期は△10,134千円)、セグメント損失は9,646千円(前連結会計年度は10,414千円の損失)となりました。
(注)従業員数:臨時雇用者(パートタイマー、人材会社からの派遣社員)を含む。臨時雇用者数は、年間の平均人員を換算。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ184,766千円減少し、3,405,101千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、651,913千円となりました。(前連結会計年度は1,474,943千円の増加)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益696,286千円の計上、減価償却費194,502千円の計上、のれん償却額45,126千円の計上、賞与引当金の増加37,096千円、契約負債の増加189,947千円、前払費用の増加60,076千円、長期前払費用の増加56,710千円、法人税等の支払額577,223千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は553,082千円となりました。(前連結会計年度は441,288千円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出142,559千円、無形固定資産の取得による支出373,479千円、投資有価証券の取得による支出10,000千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は283,597千円となりました。(前連結会計年度は160,107千円の増加)となりました。この主な要因は配当金の支払による支出241,886千円、長期借入金の返済による支出40,004千円等によるものです。
(3) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注状況
BPO事業において受注が発生するものの、受注から納品までの期間が短く見込納品額は変動するケースがあるため、受注額の掲載を省略しております。
c.販売実績
最近2連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(単位:千円)
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
《経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容》
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態及び経営成績等)
「《経営成績等の状況の概要》 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
(経営成績等に重要な影響を与える要因)
当社グループのCGS事業は、いずれもストック型・サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、その有料契約件数及び一有料契約当たりの総契約額が経営成績等に重要な影響を与えます。
CGS事業の主力サービスである「NJSS」においては、過去に営業体制とプロダクトが抱える課題によって成長が鈍化していたという認識があります。具体的には、営業体制に関しては、組織構造及び重視するKPI等が適切ではなかったことにより各社内部門が部分最適に陥っておりました。また、プロダクトに関しては、抜本的システム改修がなされていなかったことにより顧客利便性が不十分となっておりましたが、営業体制については人員強化を図ったうえプロダクトに関しては2021年7月にフルリニューアル第一弾を実施いたしました。その後、LTVをコントロールしつつ、契約件数を伸長させることによる売上高の拡大を優先していましたが、今後は新規契約の獲得ペースを維持しつつ、ARPUを向上させることによる売上高の拡大を目指してまいります。このほか、「nSearch(エヌ・サーチ)」とのシナジー創出や、公共機関の事業(予算)情報や公開・統計情報、入札データからみる自治体の傾向・特徴、アプローチに必要な組織情報を一括検索・管理できる情報支援ツール「GoSTEP」の展開、NJSSで蓄積された入札関連ノウハウと、うるるBPOが保有する案件履行にかかるノウハウを掛け合わせたBPaaS「入札BPO」の展開等により更なる成長を図ってまいります。他のCGS事業である「fondesk」や「えんフォト」においても、各サービスのフェーズ・環境に応じた施策の実施により成長を図ります。
BPO事業においては、紙の電子化需要などにより引き合いが好調に推移しております。好調な引き合いに対応すべく、2024年10月には渋谷地下街株式会社より「徳島つるぎ町事業所」を譲受するなど、拠点の整備も行っております。引き続き各拠点における強固且つ多様な施工体制を土台に、各種ニーズへの対応やSaaSの裏側のサポート等を通じて、継続的な成長と利益率の向上を図っていくことが重要であるという認識でございます。
クラウドソーシング事業については、CGS事業のためのプラットフォームとしての位置付けであり、当面横ばいの業績を見込んでいることから経営成績等への重要な影響を与える要因はないという認識です。
その他の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)
キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益696,286千円の計上や有形固定資産の取得による支出142,559千円、無形固定資産の取得による支出373,479千円、配当金の支払による支出241,886千円などを行った結果、現金及び現金同等物は184,766千円減少いたしました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は3,405,101千円となっており、利子負債控除後のネットキャッシュの金額は3,246,772千円となっており、手元流動性には懸念がないものと認識しております。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは、2017年3月の東証マザーズ上場時に第三者割当増資によって約13億円の資金調達を行いました。また、主力事業であるNJSSにおいて、原則として契約金額全額を顧客から前払いで受領していることにより、契約が増加すればするほど貸借対照表上の契約負債が増加していくため、正常運転資金は基本的に発生しない財務構造となっております。このような財務構造により、財務の健全性に懸念はないものの、今後発生しうる人的資本投資やM&A等の成長投資において手元資金を充当することを想定し、2024年3月15日に長期借入金2億円を調達いたしました。
これらの要因により、当連結会計年度末時点において、現金及び預金が約34億円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも約32億円と、当社の資金の流動性は当面十分であると考えております。
上記資金は、今期についてはこれまで掲げていた5か年の中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)以降の新たな経営方針である、「ULURU Sustainable Growth」のもと、人的資本投資を中心とした規律ある成長投資やM&Aに投下していく予定です。
(3) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成の基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
(1)報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「CGS事業 NJSS」は、クラウドワーカーを活用した官公庁等の入札情報速報サービス「NJSS」と入札情報検索サービス「nSerch」を提供しております。
「CGS事業 fondesk」は、クラウドワーカーを活用した電話受付代行サービス「fondesk」を提供しております。
「CGS事業 フォト」は、幼稚園・保育園向け写真販売管理システム「えんフォト」と出張撮影マッチングサービス「OurPhoto」を提供しております。
「CGS事業 その他」は、「CGS事業 NJSS」、「CGS事業 fondesk」、「CGS事業 フォト」のいずれにも属さないCGSサービスを提供しております。
「BPO事業」はデータ入力やデータスキャンを中心にクライアントのノンコア業務を幅広く受託するアウトソーシングサービスを提供しております。
「クラウドソーシング事業」は、業務を発注したいクライアントとクラウドワーカーをマッチングするプラットフォーム「シュフティ」を提供しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.セグメント利益又は損失の調整額△610,403千円は、セグメント間取引消去120千円、各報告セグメントに配分していない全社費用(主に販売費及び一般管理費)△610,523千円です。
2.減価償却費の調整額13,176千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用13,176千円です。
3.セグメント資産の調整額4,095,308千円には、セグメント間の債権の相殺消去等△16,886千円、各報告セグメントに配分していない全社資産4,112,194千円であります。全社資産は、余資運用資金(現預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等であります。
4.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.セグメント利益又は損失の調整額△801,331千円は、セグメント間取引消去392千円、各報告セグメントに配分していない全社費用(主に販売費及び一般管理費)△801,934千円です。
2.減価償却費の調整額11,854千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用11,854千円です。
3.セグメント資産の調整額4,066,510千円には、セグメント間の債権の相殺消去等△9,099千円、各報告セグメントに配分していない全社資産4,075,610千円であります。全社資産は、余資運用資金(現預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等であります。
4.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しておりますので、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高であって、連結損益計算書の売上高の10%を占めるものがないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【報告セグメントごとののれん償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。