2024年12月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 これらのリスクが顕在化した場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性がありますが、当社といたしましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応として、代替する事業計画を機動的に策定し、その遂行に努める方針であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境の変化について

当社グループは主に合成樹脂事業、新規材料事業、建材事業を通じて広範な産業に製品を供給しており、需要動向の変化や技術革新による市場環境の変化により、当社グループの製品に対する需要減退や製品価格の下落等が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 合成樹脂事業の経営成績が、原料価格の変動等により影響を受ける可能性があることについて

当社グループの合成樹脂事業で製造するフィルムの主原料は石油化学製品であるため、原油価格や為替の変動が原料価格動向に大きく影響し、価格変動分を製品価格に転嫁できなかった場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 住友化学株式会社への依存度が高いことについて

当社の新規材料事業における光学機能性フィルム関連製品の過半は住友化学株式会社へ販売しておりますが、将来にわたり当社製品が同社に採用される保証はありません。予期しない契約の打ち切りや販売数量の大きな減少があった場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。ただし、財務諸表上の売上高は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第103期の期首から適用しており、第103期以降減少しております。

 

(4) 建材事業の経営成績が、新設住宅着工戸数の増減により影響を受ける可能性があることについて

当社グループの建材事業の製品は、主に住宅の建築資材となっているため新設住宅着工戸数の減少による需要の減少及び価格競争の激化が起こった場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 保証債務について

当社は、関連会社のオー・エル・エス㈲に対し、資金調達を円滑に行うための債務保証を行っております。当連結会計年度末現在の保証債務の合計は2億3千8百万円であります。

今後、同社(非連結)の業績動向により債務履行又は引当を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 固定資産の減損について

産業用途向けなどの一部の製品分野においては、技術革新のスピードが速く、市場環境が急激に変化し続けているため、これまでに投資した設備について、資金回収が終わらないうちに稼働率が著しく低下した場合、減損損失などの特別損失が発生し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 製品の品質について

当社グループは品質管理に留意して製品の生産を行っておりますが、当社グループの製品に欠陥があった場合、賠償責任を負い当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは当該リスクに対する取り組みとして、コーポレートセンターにおいて品質に関するリスク等の様々なリスクに対する予防活動及びクライシス発現時の緊急対応準備に努めております。また、製造物責任賠償については生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しています。

 

(8) 災害・感染症・事故等について

当社グループの合成樹脂事業の生産設備は香川県、埼玉県、静岡県、滋賀県、岡山県、熊本県に分散させておりますが、新規材料事業、建材事業の生産設備は香川県に集中しております。地震、台風、津波等の自然災害、感染症、事故、火災、停電、戦争、テロ等により、当社グループの事業拠点における生産設備の損壊や、国内外の経済活動の著しい停滞等が生じ、当社グループの事業活動に甚大な影響を及ぼした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは当該リスクに対する取り組みとして、香川県内の臨海部にある生産設備を津波の心配がなく地盤が安定している内陸部の山側へ分散させることにより、事業停滞の影響を最小限にするように努めております。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主還元を経営上の最重要課題の一つと考え、業績や事業の将来展開に必要な備えなどを総合的に勘案し、安定的な配当を行うことを基本方針とし、毎期の配当額は、「連結自己資本配当率(DOE)」3.0%以上(安定した利益配分の指標)かつ、配当性向30%以上(業績変動利益配分の指標)の継続を目指しております。また、配当の回数につきまして、当社として基本的な方針を定めておりませんが、配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会の決議によって行うことができる旨を定款に定めております。

なお、当社は剰余金の配当(期末配当)の基準日を毎年12月31日、中間配当の基準日を毎年6月30日とする旨を定款に定めております。

当事業年度の配当につきましては、この基本方針のもと、1株当たり160円(中間配当55円、期末配当105円)と決定いたしました。これにより、当連結会計年度の連結自己資本配当率につきましては3.0%、連結配当性向につきましては44.0%となっております。

内部留保資金につきましては、新たな成長につながる研究開発及び戦略投資に充当し、企業価値の増大に努めてまいる所存であります。

また、中期経営計画(2027)では資本効率性の向上と株主還元の拡充を更に強化するため、DOE0.5%相当の特別配当を実施いたします。これにより、中期経営計画(2027)期間の3年間は、普通配当と合わせてDOE3.5%水準の配当を行います。

次期の配当予想につきましては、上記の株主還元方針に従い、1株当たり195円(中間配当95円、期末配当100円)を予定しております。

 (注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額
(百万円)

1株当たり配当額
(円)

2024年8月9日

取締役会決議

665

55.00

2025年3月26日

定時株主総会決議

1,221

105.00