リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクには以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)経済状況等の影響について
当社グループは、中小企業・個人事業主に対し、より良いオフィス環境で事業活動を行って頂けるよう、「オフィス」に特化したサービス・商材の提供を多数展開しております。当社グループが提供しているサービス・商材は、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社が提供している光回線に自社サービスを付加し再販する「オフィス光119」(光コラボレーション)・情報通信機器・LED照明器具・電力サービス等であります。
しかしながら、中小企業・個人事業主は景気動向、経済状況の影響を受けやすく、新たな感染症の発生及び感染拡大の影響による業績悪化等により当社グループが提供するサービス・商材に対する需要動向が悪化した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、顧客満足度向上のため顧客フォローに力を入れており、既存顧客の状況や課題を的確に把握し、クロスセルに繋げるとともに、新サービス・新商材の開発に反映させるよう取り組んでまいります。
(2)「オフィス光119」への依存について
当社グループは、光回線を仕入れ、これに自社サービスを付加し再販する「オフィス光119」(光コラボレーション)の提供を行っており、当社グループにおける売上高のうち、当該サービスに係る売上高の占める割合が当連結会計年度で52.2%と高く、当該サービスに依存しております。当社グループは、事業拡大に向け、当該サービスの提供を引き続き拡大していくことが必要であると認識しております。
しかしながら、競合するサービス・新たなサービスの台頭により「オフィス光119」の提供が計画通り進まない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの成長を牽引する第2のストック型ビジネスである電力小売販売の拡大に注力し、事業環境の動向等に迅速に対応する体制を構築するとともに、顧客フォローにより既存顧客の状況や課題を的確に把握し、クロスセルに繋げるとともに、新サービス・新商材の開発に反映させるよう取り組んでまいります。
(3)特定取引先への依存について
当社グループの基幹事業である「オフィス光119」(光コラボレーション)の提供は、光回線を仕入れ、これに自社サービスを付加し再販するサービスであります。光回線は、全て東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社から仕入れております。当社は東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社との間で、それぞれ「光コラボレーションモデルに関する契約」を締結しており、当社グループの主要な事業活動の前提となっております。当該契約は期限の定めのない契約ですが、双方とも当該契約の終了を希望する日の90日前までに書面で相手方に通知した場合、当該契約は終了するものとなっており、当該契約の継続に支障を来す要因が発生した場合には、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
・電気通信事業者でなくなったとき
・信用、名誉または信頼関係を毀損させる行為をなしたとき
・公序良俗に違反したとき
・破産、民事再生、会社更生の申出があったとき
・手形交換所の取引停止処分、差押または滞納処分を受けたとき
・営業の廃止または解散の決議をしたとき 等
本書提出日現在、当該契約の継続に支障を来す要因は発生しておらず、今後も発生させることがないよう効率的な事業運営とコンプライアンスの強化等に努めてまいります。
(4)競合について
当社グループは、中小企業・個人事業主に対し、より良いオフィス環境で事業活動を行って頂けるよう、「オフィス」に特化したサービス・商材の提供を多数展開しております。
しかしながら、当社グループが提供する光コラボレーション・情報通信機器・LED照明器具・電力サービス等を取り扱う企業は多数存在しており、また、新規参入も比較的容易であり、これら企業との競合が激化した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
今後も顧客フォローに注力し、顧客満足度の向上に努めるとともに、解約率の抑制に取り組んでまいります。
(5)事業に係るインフラについて
当社は、光コラボレーション事業者として、コールセンター、カスタマーセンター及び請求回収部門などを自社で開設、運営しております。「オフィス光119事業」の拡大に伴う、これらのインフラの強化・更新が対応できない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社のコールセンターでは、テレアポ(電話による勧誘)から契約に至るまでを対応しております。アウトバウンド営業(当社からアプローチする営業)の要である営業スクリプト(台本)を確立し、オペレーターが早期に習熟できる体制を構築しております。また、カスタマーセンターでは、顧客からの問い合わせに対し、その場で顧客データベースと照合しながらリアルタイムで対応しております。併せて、顧客データベースを最新のものへと更新しており、今後も対応してまいります。
(6)顧客ニーズに応じたサービス・商材の提供について
当社グループは、中小企業・個人事業主に対しより良いオフィス環境で事業活動を行って頂けるよう、「オフィス」に特化したサービス・商材の提供を多数展開しております。顧客である中小企業・個人事業主のニーズを適確に汲み、常に必要なサービス・商材を提案・提供していくことに努めております。
しかしながら、顧客ニーズに応じたサービス・商材の提供が期待通り行われない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
今後も顧客フォローに注力し、既存顧客の状況や課題を的確に把握し、クロスセルに繋げるとともに、新サービス・新商品の開発に反映させるよう取り組んでまいります。
(7)情報管理について
当社グループは、事業運営に際して、顧客の機密情報や個人情報を取り扱っており、当該情報に係る社内規程に基づき、細心の注意を払って管理に努めております。
しかしながら、万が一、当社グループの関係者等の故意または過失によりこれらの情報が外部に流出した場合には、損害賠償請求を受けるリスクや社会的信用失墜により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、プライバシーマークを取得し個人情報を厳格に管理する体制を構築するとともに、全役職員を対象に情報管理に関する社内研修を年2回以上開催し、情報管理に取り組んでおります。
(8)法的規制等について
当社グループの事業は、「電気通信事業法」、「特定商取引に関する法律」、「保険業法」等の法的規制を受けております。当社グループは、これらの法令等を遵守して、事業を運営しております。
しかしながら、法令違反が発生した場合、予期しない法令等の制定により当社グループの事業が何らかの制約を受けた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは「古物営業法」に定める古物商の許可、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に定める登録電気工事業者の登録を受けております。「古物営業法」で定める許可の取消し事由に該当した場合は許可の取消しまたは営業の停止、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」で定める登録の取消し事由に該当した場合は登録の取消しとなる可能性があります。現状、当該許認可等の取消しとなる事由はありません。
しかしながら、何らかの事情により、許認可等の取消しが生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、全役職員を対象にコンプライアンスに関する全社的な研修を年1回以上開催するとともに、個別の部署においても関連の法令等に関する社内外の研修に積極的に参加し、コンプライアンスの強化に取り組んでおります。
(許認可等の状況)
①当社
許認可等の名称 |
監督官庁等 |
許認可 登録番号 |
有効期限 |
関連法令 |
許認可等の 取消事由 |
該当セグメント |
古物商許可 |
三重県 公安委員会 |
551120076600 |
なし |
古物営業法 |
同法第6条 |
オフィス光119、 オフィスソリューション |
登録電気工事業者 (一般用電気工作物) |
経済産業大臣 |
2023007 |
2028年 7月27日 (5年ごとの更新) |
電気工事業の業務の適正化に関する法律 |
同法第28条 |
オフィスソリューション |
②株式会社岐阜レカム
許認可等の名称 |
監督官庁等 |
許認可 登録番号 |
有効期限 |
関連法令 |
許認可等の 取消事由 |
該当セグメント |
古物商許可 |
岐阜県 公安委員会 |
531021190234 |
なし |
古物営業法 |
同法第6条 |
オフィスソリューション |
登録電気工事業者 (一般用電気工作物) |
岐阜県知事 |
2019069 |
2024年 4月17日 (5年ごとの更新) |
電気工事業の業務の適正化に関する法律 |
同法第28条 |
オフィスソリューション |
(9)災害について
当社グループは、名古屋、新宿、札幌、広島、福岡及び大阪に分散し、支店及び営業所を有しております。
しかしながら、これらの地域及びその周辺で大規模な災害が発生した場合、ユーザーへの対応に支障を来す事態が想定されるとともに、復旧のための多大な費用が必要となり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、防災管理規程、防災対応マニュアルを整備しておりますが、BCP(事業継続計画)の策定及び更新を進め、対応してまいります。
(10)人材の確保及び育成について
当社グループは、事業拡大に際して、優秀な人材の確保・育成が必要であると認識しております。このため、当社グループでは、新卒者及び中途採用者の採用活動の強化による人材の確保に加え、社員の階層に応じた人材育成に向けた研修等を積極的に進めていく方針であります。
しかしながら、こうした人材採用・人材育成が計画通り進まなかった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(11)内部管理体制について
当社グループは、事業拡大を図る上で内部管理体制の強化が不可欠であると認識しております。このため、今後の事業拡大に伴い内部管理体制の一層の強化を図っていく方針であります。
しかしながら、事業拡大に対して適時適切に組織的対応ができなかった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(12)特定人物への依存について
当社の代表取締役社長山本文彦は、当社グループの経営方針、経営戦略の決定及び推進において重要な役割を果たしております。そのため、何らかの理由によって、同氏が当社グループの経営に関与することが困難になった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、役員及び幹部社員への権限の委譲、取締役会や経営会議等における情報の共有等を図り、特定人物に過度に依存しない体制の構築を進めております。
(13)株式価値の希薄化について
当社は、業績向上への意欲を高めることを目的としてストックオプション制度を採用し、当社グループの役員及び従業員に対し新株予約権を付与しております。これらの新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式は181,000株であり、発行済株式総数7,439,100株の2.4%に相当しております(新株予約権による潜在株式の数及び発行済株式総数は、2023年11月1日から本書提出日までの新株予約権の行使を考慮しておりません。)。
(14)役員所有株式に係る質権設定について
当社役員である日比野直人及び直井慎一(以下「対象者」という。)と株式会社三十三銀行(以下、本(14)において「銀行」という。)との間には金銭消費貸借契約が締結されており、当該契約に基づき対象者が保有する株式には、下記表のとおり、対象者が銀行に対して負担する債務の担保として質権が設定されております。
|
保有顕在株式数 |
質権対象株式数 |
日比野 直人 |
235,900株 |
105,500株 |
直井 慎一 |
30,000株 |
30,000株 |
合計 |
265,900株 |
135,500株 |
以下に定めるいずれかの事由が生じた場合には、法定の順序または被担保債務の期限が到来したかどうかにかかわらず、その債務の弁済に充当するために、銀行により質権対象株式の売却が行われる可能性があります。
・対象者について次の事由が一つでも生じた場合
-支払の停止または破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始もしくはその他の法的整理開始の申立があったとき
-手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき
-対象者の預金その他の銀行に対する債権について仮差押、保全差押または差押の命令、通知が発送されたとき
-行方不明となり、銀行から対象者に宛てた通知が届出の住所に到達しなくなったとき
-銀行に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき
-担保の目的物について差押、または競売手続の申立があったとき
-銀行との取引約定に違反したとき
-以上のほか債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき
本書提出日現在、銀行による質権対象株式の総数は135,500株であり、発行済株式総数7,439,100株の1.8%に相当しております。東京証券取引所または名古屋証券取引所における売却またはその他の方法により質権対象株式の売却が実際になされた場合、またはその可能性が顕在化した場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります(発行済株式総数は、2023年11月1日から本書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数を考慮しておりません。)。
(15)新たな感染症の発生及び感染拡大について
当社グループは、コールセンター、カスタマーセンター及び請求回収部門などを自社で開設、運営しており、新たな感染症の発生及び感染拡大により、当社グループの事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、顧客、取引先、従業員及びその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先として、新たな感染症が発生した場合、対応方針・対応内容をWebサイトへ掲載し対策を講じるとともに、感染者が発生した場合は他拠点にて業務が補完できる体制の構築を進めてまいります。
(16)調達価格の変動による解約について
当社グループは、中小企業・個人事業主に対し電力を供給する電力の小売販売を行っております。燃料価格、為替相場の変動、季節・時間帯及び景気動向による需給の変動などにより電力調達価格が上昇した場合でも、売価を調整できるプランを導入しております。しかながら、調達価格が長期に渡り高騰した場合は、顧客による解約が増加する可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
電力小売販売については、再エネプランを導入し価格だけではない当社電力サービスの価値を訴求するとともに、万一に備え、複数の電力調達先を確保し電力調達価格高騰のリスクを低減するよう対策を講じております。
(17)需給バランス調整リスクについて
当社グループを含む小売電気事業者は一般送配電事業者の送電ネットワークを介して電力を供給する際に、一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則に基づき、需要計画と実際の需要量をそれぞれ30分毎に一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っており、事前に計画した需要量と実際の需要量の差分は、インバランス(料金)として一般送配電事業者との間で精算されます。
また、当社グループは需給管理を外部に委託し需給バランスの適正化を図っておりますが、需給管理が適切に行えず需給バランスが大幅に崩れインバランス料金が多額に生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(18)当社の信用リスクについて
当社グループは、サービス・商材を提供する主要な顧客は中小企業・個人事業主であることから、当社グループが保有する債権には多数の小口債権が含まれております。当社グループにおいては、債権を一定の区分に分類し、分類ごとの回収不能見込額として貸倒引当金を算出しております。貸倒引当金の見積りに際しては、算定時点で入手可能な情報及び一定の仮定に基づき見積りを行っております。
しかしながら、当社の取引先の事業及び財政状態は、新たな感染症の発生及び感染拡大や他の将来の不確実な経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、貸倒損失の実際の発生額が見積り額と異なった場合、又は貸倒引当金の追加計上が必要となった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、適切な与信管理体制を構築するとともに、債権の回収状況を定期的に確認し、営業本部と連携することにより、不良債権の発生を抑制するよう取り組んでおります。
配当政策
3【配当政策】
当社グループは、株主への利益配分を経営の重要課題の一つと認識し、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、各期の経営成績及び財政状態等を勘案しながら、継続して安定的に配当を実施する方針であります。
当事業年度(2023年8月期)の利益配分につきましては、継続して安定的に配当を実施する方針により、期末配当を1株当たり1円増配し13円といたしました。
また、翌事業年度(2024年8月期)の利益配分につきましては、将来への投資も含めた成長過程にあることから配当性向等の指標ではなく実質配当を重視し、経営成績、次期以降の見通し、財政状態、経済情勢等を勘案しつつ、1株当たり配当額の安定的かつ継続的な増加を目指してまいります。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、経営基盤の強化及び電力サービス拡大を実現させるための財源として利用し、企業価値の向上に努めてまいります。
当社は剰余金の配当を行う場合、年1回の期末配当を基本方針としており、決定機関は株主総会であります。また、当社は取締役会決議により中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月28日 |
96,701 |
13 |
定時株主総会決議 |