2025年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    7,761名(単体) 31,514名(連結)
  • 平均年齢
    40.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    8,654,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2025年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

[臨時雇用者数(人)]

 

ハイジーンリビングケア事業

8,499

[4,061]

 

ヘルスビューティケア事業

7,521

[2,591]

 

化粧品事業

9,331

[1,270]

 

ビジネスコネクティッド事業

841

[194]

グローバルコンシューマーケア事業

26,192

[8,116]

ケミカル事業

4,068

[252]

全社(共通)

1,254

[287]

合    計

31,514

[8,655]

 

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループ〔当社及び連結子会社〕からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。[ ]内は臨時雇用者数の年間平均人員であり、外数で記載しております。

2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。

3.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。

 

(2)提出会社の状況

2025年12月31日現在

従業員数(人)

平均年令(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

7,761

40.6

16.7

8,654

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

 

ハイジーンリビングケア事業

2,186

 

ヘルスビューティケア事業

1,793

 

化粧品事業

1,256

 

ビジネスコネクティッド事業

163

グローバルコンシューマーケア事業

5,398

ケミカル事業

1,177

全社(共通)

1,186

合    計

7,761

 

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であります。

2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。

 

(3)労働組合の状況

当社の一部の事業所及び一部の連結子会社には、労働組合が組織されております。

労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

 

(4)多様性に関する指標

当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。

①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示

 

管理職に占める
女性従業員の割合(%)

男性の育児
休職取得率

(%)

男女の賃金格差(%)

全従業員

従業員

臨時雇用者

当社

28.7

90.1

90.8

88.7

90.4

花王グループカスタマーマーケティング㈱

20.6

110.2

68.3

63.5

85.6

花王プロフェッショナル・サービス㈱

16.1

112.5

74.7

72.7

67.0

花王ロジスティクス㈱

2.6

53.8

83.3

70.4

花王サニタリープロダクツ愛媛㈱

83.3

77.6

79.1

77.9

花王ビューティブランズカウンセリング㈱

73.8

*

51.6

52.4

*

㈱エキップ

63.3

100.0

62.1

61.9

47.8

花王コスメプロダクツ小田原㈱

13.9

60.0

74.5

77.5

58.2

伊野紙㈱

23.1

100.0

79.5

85.1

88.1

 

(注)1.従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。

2.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3.全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。

4.管理職に占める女性従業員の割合については、女性活躍推進法に基づき算出しております。出向者は出向先の従業員として集計しております。

5.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき育児休業等と育児目的休暇の取得割合として以下の通り算出しております。出向者は出向元の従業員として集計しております。
2025年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2025年に子が生まれた男性社員数 × 100当社は育児休職取得率の算出対象となる取得必須の有給育児休暇制度を導入しており、子が生まれたすべての社員が取得します法律に基づく育児休職取得率の算出においては、事業年度と当該休暇や育児休職の取得期限が異なっていることにより、分子と分母の対象者の範囲が異なるため、必ずしも100%にはなりません。

6.「*」は対象となる男性従業員が無いことを示しております

7.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。

 

②連結会社の状況

 

管理職に占める
女性従業員の割合(%)

男性の育児
休職取得率

(%

男女の賃金格差
(%)

当社及び連結子会社

34.0

*

89.1

当社及び国内連結子会社

27.7

92.7

73.1

 

(注)1従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります

2.管理職に占める女性従業員の割合については、女性活躍推進法に基づき算出しております。出向者は出向先の従業員として集計しております。

3.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき育児休業等と育児目的休暇の取得割合として以下の通り算出しております。出向者は出向元の従業員として集計しております。
2025年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2025年に子が生まれた男性社員数 × 100

4.「*」は海外関係会社の男性の育児休職取得率の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。

5.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。

 

詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」を参照ください。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」

花王は、「2030年までに達成したい姿」である「グローバルで存在価値ある企業『Kao』」を達成するため、経営の中核にサステナビリティの視点を導入しています。環境、社会、ガバナンス(ESG)の領域で取り組む内容を定めた花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」は、生活者のこころ豊かな暮らしの実現を目指す戦略で、19の重点取り組みテーマより構成されています。

KLPに基づき、環境・社会価値の創出を通して、持続的な成長に向けて着実に実践を進めてまいります。

 

① ガバナンス

花王は、グローバルの大きな変化に迅速に対応するとともに、事業の拡大と社会課題解決を目指して、柔軟で強靭なESGガバナンスを構築しています。このESGガバナンスは、花王の経営、事業活動に環境(E)や社会(S)の視点を入れ、取り組みを統括・推進するための体制であり、中期経営計画「K27」とその先の中長期の企業価値向上を支えるものです。この体制では、意思決定を行う取締役会の監督のもと、社長執行役員及び各部門・グループ会社が業務執行を担っています。また、社外取締役や有識者による第三者からの視点を経営判断や新規事業に取り入れることで、的確かつ迅速な実行を可能にし、イノベーションの創出を促進する点が特徴です。

取締役会は、ESGの監督に必要な知識・経験・能力を確保しています。経営全体を多角的な視点から監督するため、専門性のバランスを考慮するとともに、ESGを重要な専門性として位置づけ、ESGに精通した取締役、監査役を選任しています。取締役会は、ESGに関する審議や議論を行うESGコミッティから、年2回の定期報告を受けるほか、方針や戦略から目標、KPIや活動の進捗状況等の報告を受け、執行状況を監督しています。ESGに関するKPIの報酬方針への反映については、取締役・執行役員報酬諮問委員会で審議され、取締役会で決議されます。2024年度からは、代表取締役社長執行役員の報酬について、基本報酬に対する短期・長期インセンティブ報酬比率を1:1:1に改定しました。長期インセンティブ報酬には、KLPの重点目標達成度(ウェイト25%)と主要ESG評価機関による外部評価結果(ウェイト15%)からなる「ESG力評価指標」を組み込んでいます。KLPの重点目標達成度は多角的な評価に基づいており、脱炭素(CO2排出量削減率)、ごみゼロ(プラスチック再資源化率)、女性管理職比率、重大なコンプライアンス違反件数で構成しています。詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要、(4) 役員の報酬等」を参照ください。

ESG全体の業務執行については、代表取締役社長執行役員を議長とするESGコミッティを最高機関としたガバナンス体制を構築しています。このESGコミッティは経営層で構成され、KLPに関する活動の方向性を議論・決定し、その活動状況を取締役会に報告しています。また、社外有識者で構成されるESG外部アドバイザリーボードは、ESGコミッティの諮問に対する答申や提言を行い、有識者による第三者からの視点を経営に反映しています。

さらに、KLPを着実に遂行するため、部門横断で活動するESG推進会議、重点課題について確実かつ迅速に遂行するESGステアリングコミッティを設置しています。ESG推進会議は、ESGコミッティの決定事項に基づき、花王グループ全体におけるESG活動を推進し、各部門の進捗状況を確認します。議長は、ESG部門統括・執行役員が務め、委員は事業部門、リージョン、機能部門、コーポレート部門の責任者で構成されています。ESGステアリングコミッティは、重点課題である脱炭素、プラスチック包装容器、人権・DE&I、化学物質管理のテーマごとに取り組みを推進します。執行役員が各テーマのオーナーとして責任を持ち、一定の決定権を付与されています。このESGステアリングコミッティは、ESGコミッティと連動し、各領域の取り組みを確実かつ迅速に実行に移します。

ESGに関するリスク管理は内部統制委員会(年2回開催、委員長は代表取締役 社長執行役員)で、機会管理はESGコミッティ(年6回開催、議長は代表取締役 社長執行役員)で実施しています。

 


 

各組織体の役割、構成、開催頻度、審議事項等

組織体

役割

構成

※2026年1月時点 

実績 (2025年)

開催頻度

主な審議事項等

ESGコミッティ

花王全社に関わる下記項目の審議・議論、又は報告:

・ESGの基本的な考え方や方針

・ESGに関する方針の展開、戦略、活動、社外コミュニケーション等

・ESG活動の推進に関する投資の決裁

・社会のサステナビリティやESGに関する潮流、課題と機会

・ESGコミッティメンバーによるステークホルダーとの積極的なエンゲージメント

・取締役会へ審議、議論状況を定期報告

議長:代表取締役 社長執行役員
委員:代表取締役 専務執行役員、常務執行役員、執行役員
オブザーバー:社内監査役

年6回

・TCFDに基づく財務影響の定量評価に関する開示内容の審議・承認

・「花王サステナビリティレポート2025」での開示方針、KLPのKPI進捗を含む開示内容の審議・承認

・KLPのKPI追加、見直し、新規KPIの審議・承認

・年間ESG投資予算・投資案件の審議・決裁

・ESG推進に関連する目標設定管理に関する方針・運営の審議、議論

・ESGステアリングコミッティからの提案に関する審議

・ESG外部アドバイザリーボードの答申事項の確認

ESG

外部アドバイザリーボード

・ESGコミッティの諮問に対し社外の高い専門的視点から、答申・提言

・ESGコミッティに対し、世界レベルの計画策定・実行ができるような情報の提供

・外部との協働や連携の機会の提供

・花王のESG活動に対する評価

委員:社外有識者

・末吉 里花氏
 一般社団法人エシカル協会代表理事ほか
専門:エシカル消費等

・Mike Jefferson氏
Director, Verde Research and Consulting Ltd.
専門:廃棄物管理、リサイクルシステム等

・Noémie Bauer氏
CSO, Pernod Ricard
専門:ガバナンス、法律等

年2回

・社会情勢を踏まえた花王への期待とリスク提言

・ESGの進捗に関する評価と課題提言

・マテリアリティ改定に対する提言

・サステナブルな原材料調達推進への提言

・サーキュラーエコノミーとアドボカシー活動への提言

・DE&I、人権に対する考え方や取り組みへの提言

ESG推進会議

・ESGコミッティで決定した方針、提言に基づき、ESG戦略と事業の一体化に向けて具現化

・重要ESGアクション実行へ向けた監督・検証

・各部門、リージョンのESG活動推進の課題を吸い上げ、ESGコミッティへ提案

議長:執行役員 ESG部門統括
委員:事業部門、機能部門、コーポレート部門、リージョンの責任者等

年6回

・KLP中長期目標の見直し KLP各テーマの進捗と今後の計画

・ESGステアリングコミッティの進捗

・ESG投資戦略の策定案

・サステナビリティレポート等の情報開示方向性提案

・各部門、リージョンのESG活動の推進と課題抽出

 

 

組織体

役割

構成

※2026年1月時点

実績 (2025年)

開催頻度

主な審議事項等

E

S

G

脱炭素

・GHG削減計画の策定

・2040年カーボンゼロ達成に向けた脱炭素対応策と緩和・適応のビジネス機会を一元的に議論し、迅速な脱炭素活動を推進

・シナリオ分析結果に基づいた気候変動リスクの適切な管理

オーナー:執行役員 研究開発部門 基盤研究センター長

委員:研究開発部門、購買部門、生産技術部門、ケミカル事業部門、ESG部門の社員

年6回

・GHG削減戦略に関する審議・決定

・脱炭素関連KPIの進捗及び課題に対する対応方針の決定

・炭素の固定化に関する方針の審議・決定

プラスチック包装容器

・循環型社会の実現に向け、KLPアクション「ごみゼロ」の重点課題であるプラスチック包装容器にかかわる活動を一元的に議論し、強力かつ迅速に活動を推進

・脱炭素ステアリングコミッティ・水保全・生物多様性との連動を図りながら活動を推進

オーナー:常務執行役員 研究開発部門統括

委員:研究開発部門、購買部門、グローバルコンシューマーケア部門、ESG部門の社員

年11回

・リサイクルイノベーション活動(回収・再資源化)の方針案策定、活動の審議・決定

・リデュースイノベーション活動(使用量削減、再生材使用)の方針案策定、活動の審議・決定

・「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」への対応

人権・DE&I

・花王人権方針に基づき、人権デュー・ディリジェンスを含む花王グループの人権に関する活動の一元的な推進、管理

・花王グループのDE&I方針に基づく活動の一元的な推進、管理

オーナー:常務執行役員 人財戦略部門統括

委員:人財戦略部門、購買部門、生産技術部門、グローバルコンシューマーケア部門の社員

月1回

・人権方針、DE&I方針に基づく活動の推進

・人権リスクアセスメントにより特定されたリスクの共有、関連部門・子会社での活動促進

・人権及びDE&Iへの理解促進と実践に向けた社員啓発施策の展開

・DE&I実践に向けた社内のグローバル協働体制構築・活動開始

化学物質管理

・GFC*推進委員会 による製品ライフサイクルを通じての化学物質自主管理の推進

・製品原料方針策定会議による、規制動向や科学の進展等を踏まえた製品原料の使用方針、及び、削減計画の策定

・化学物質の使用の考え方や安全性評価結果に関する情報開示、ステークホルダーとのコミュニケーション

*Global Framework on Chemicals - For a Planet Free of Harm from Chemicals and Waste

オーナー:上席執行役員 品質保証部門統括

委員:ESG部門、研究開発部門、品質保証部門の社員

月1回

・EUグリーンディール政策をはじめとする製品原料に関わる規制動向の把握と対象原料・製品の特定

・社会的関心の高い成分のうち、花王の生活者向け製品に不使用の成分に関する公開

・製品ライフサイクルでの化学物質の環境・ヒト健康への影響低減と、その取り組みのわかりやすい発信に向けた議論

・持続可能な開発のための経済人会議(WBCSD)、欧州化学産業評議会(Cefic)への参画と貢献

 

 

 

② 戦略

中期経営計画「K27」において、花王グループは、持続可能な社会に欠かせない企業となることを基本方針の中核に据え、利益あるグローバル成長と中長期の企業価値向上を目指しています。すなわち花王のサステナビリティは、環境・社会価値の創出を事業成長と一体で推進し、経済合理性のもと、持続的な競争優位の確立と企業価値向上につなげる取り組みです。その土台となるESG戦略が「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」であり、ESG視点で「よきモノづくり」を進化させ、中長期の企業価値向上に影響するリスクの低減と機会の創出を通じて、利益ある成長と持続可能な社会への貢献の両立を目指します。

また、価値の最大化と環境・社会負荷の最小化を同時に追求しながら事業成長を促進する考え方として「Maximum with minimum」を掲げ、事業活動全体で実装を進めています。

 

KLPが「K27」を強化する5つの観点

KLPは、以下5つの観点から「K27」の4つの戦略フレームワークを多角的に強化し、利益ある成長と社会課題解決を実現します。

 

①グローバルに将来の生活者ニーズを的確に捉え、事業を強化

多様な生活者ニーズや社会課題の深刻化を踏まえ、社会的有用性の高い市場機会を先取りし、花王ならではの技術や製品の独自性を発揮して競争力を高めます。その結果、新たな付加価値創出と「グローバル・シャープトップ」事業の構築に貢献します。

 

グローバル展開に必要な人財力を強化

多様な生活者課題に応じた価値提案を実現できる人財を育成し、独自技術・製品価値をグローバルで最大限発揮できる組織運営を進め、「グローバル・シャープトップ」な人財力を強化します。

 

グローバルな視点で将来リスクと機会を的確に反映した投資を最適化

ESGに関するリスク低減と機会創出を通じて事業のレジリエンスを高め、社会的有用性が高く花王独自の価値が発揮できる領域に資本を重点的に配分し、「資本効率/収益性の改善」を促します。

 

パートナーとの相互共感を高め、共創を強化

花王だけでは解決が難しい社会課題に対し、産業界・地域・流通等のパートナーと連携し、花王の独自技術・知見を活かした「パートナーとの共創による事業構築」を進めます。

 

⑤バリューチェーンのリスク低減と機会創出を強化

調達・生産・物流・販売・使用・廃棄/リサイクルの各段階でESGに関するリスクを低減しつつ、社会的有用性を高める機会を創出します。これにより、事業全体の持続可能性と供給安定性を高めます。

 


KLPによる「K27」の強化

 

 

 

重点領域、リスクと機会

花王のビジネスモデルやバリューチェーンには以下の特徴があります。

 

花王のビジネスモデルの特徴とサステナビリティに関わる領域

1. 世界中の生活者に向け、グローバルコンシューマーケア事業製品を製造・販売

2. 世界中の幅広い産業の顧客に向け、ケミカル事業製品を製造・販売

3. グローバルコンシューマーケア事業とケミカル事業に共通する鍵となる素材としてケミカルを使用

4. 原材料の製造から製品の販売までグローバル・バリューチェーンを形成しているため、上流に

   は多数の原材料サプライヤー、下流には多数の流通・小売・ビジネスパートナー・顧客が存在

 

KLPの策定に当たり、上記のビジネスモデルの特徴と社会課題を踏まえ、重点領域を「暮らし」「社会」「環境」「事業基盤」の4つに整理し、リスクと機会を特定しています。

 

暮らし:

生活者のニーズに応え、こころ豊かな暮らしの実現を目指す花王ならではの領域であり、ESG戦略の中核をなしています。

 

社会:

グローバルに展開するバリューチェーンやケミカル事業を通じて、多様な産業や社会との幅広い関わりを持つ領域です。

 

環境:

原材料の一部を自然資本に依存し、世界中の生活者に製品を提供し、使用・廃棄されていることから、大きな影響を及ぼしている領域です。

 

事業基盤:

上記3つの領域における取り組みを確実に推進するために、人財開発、人権の尊重・擁護、DE&I活動の推進、化学物質管理等、事業基盤の強化が不可欠です。

 

これらの4つの領域で、リスクと機会を特定し、KLPとして具体的な戦略に落とし込んでいます。さらに、バリューチェーン全体の強靭化を進め、調達リスク管理、代替原材料の活用、再生材の戦略調達等を通じて、環境負荷の軽減と安定供給の両立を目指します。加えて、社会課題起点の価値提案を深化させ、従来の製品提供にとどまらないサービス・ビジネスモデルの可能性も拡張していきます。

 


 

 

 


 


 

サステナビリティへのビジョン

花王はESG活動が「世界の人々のサステナブルな暮らし、さらにはその周りに広がる社会や地球のためにある」という考えのもと、事業活動を通じた持続可能な社会の実現を目指しています。これらの活動の基盤には「正道を歩む」という価値観があります。これは、創業者・長瀬富郎の言葉、「天祐は常に道を正して待つべし」を継承するものです。

 

ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」

上記ビジョンに基づき策定されたKLPは、生活者を主役とした価値創出を通じて、社会・環境課題を解決しながら経済価値の創出を目指しています。

KLPは、「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」の3つの柱と、それらを支える基盤としての「正道を歩む」で構成されています。各柱のもとで、2030年までに達成を目指す「花王のコミットメント(目標)」を設定するとともに、重点的に取り組む19のテーマ「花王のアクション(施策)」を定めています。これらのテーマごとに中長期目標及び指標を設定し、進捗管理を行うことで、実効性のあるESG活動を推進しています。

 

KLPの実践により、財務インパクト及び環境・社会へのポジティブなインパクトの創出に加え、事業運営を支える持続的な成長基盤の形成が可能です。以下の図(KLPの構造と、財務及び環境・社会へのインパクト)は、花王の事業活動において、KLP実践により事業成長に向けた取り組みとリスク最小化に向けた取り組みをどのように推進させるかを示しています。

生活者にとっての価値につながる製品・サービスの提供や、社会課題に応える価値提案の強化は、生活者からの信頼やロイヤリティの向上を通じて、選ばれ続けるブランドとしての競争力を高め、利益ある事業運営を支える基盤となります。一方、環境負荷の低減や社会への負の影響を抑える活動は、規制対応や調達リスクの抑制、サプライチェーンの安定化につながり、事業のレジリエンスを高め、経営基盤の安定性を強化します。

このように、KLPを構成する各テーマは、生活者価値の創造、環境負荷の最小化、社会課題への対応といった多面的なアプローチを通じて、機会創出とリスク低減の双方に寄与します。これらを一体的に推進することで、持続的な事業成長と生活者のこころ豊かな暮らしの実現の両立を目指しています。

 

 


KLPの構造と、財務及び環境・社会へのインパクト

 

KLPの財務インパクト

KLPの推進は①収益性向上・収益機会の拡大、②コスト削減・資源効率の向上、③リスクマネジメントとレジリエンス強化の3つの観点から、「K27」が掲げる構造改革による収益性の改善、コアブランドの競争優位性向上、高付加価値製品のグローバル展開を支えています。

 

収益性向上・収益機会の拡大

  ● 環境配慮型製品や社会課題解決ソリューションの提供による、社会的有用性の高い領域での市場開拓と

   高付加価値化の促進

  ● 生活者の信頼・ブランド価値向上による、適正価格で選ばれ続けるブランド状態の構築

  ● 脱炭素・資源循環等、社会のサステナビリティ潮流に対応した新規ビジネス機会の創出

  ● 排他的独自性を備えた技術・品質・体験価値を軸に、高付加価値製品のグローバル展開を加速し、競争

   優位性を確保

 

コスト削減・資源効率の向上

  ● 環境規制への先行対応及び計画的な設備投資を通じ、将来的な規制対応コストの抑制

  ● 原材料・エネルギー使用量の削減や資源効率化による原料価格変動や供給制約に対する耐性を強化

  ● 外部ESG評価向上やサステナビリティ・リンク・ファイナンスの活用を通じ、資金調達手段の多様化と資
    本コストの抑制

 

③リスクマネジメントとレジリエンス強化

 ● サプライチェーン上の環境・社会リスクの把握・管理による、操業リスクや規制対応コストの最小化

 ● パーム油代替原料の開発・調達や森林リスクの低い原料調達の拡大により、原材料供給の安定化と価格
    変動リスクの低減

  ● 化学物質の安全性情報開示や国際サステナビリティ・イニシアチブへの参画を通じ、レピュテーション
    リスクの抑制とルール形成への貢献

 

 

具体的な財務効果(事例)

KLPに基づく取り組み推進は、環境・社会インパクトの創出に加え、中長期的な事業機会の拡大やリスク低減を通じて企業価値向上に寄与します。

 

事例

取り組み

効果

サステナブル設計による衣料用洗剤の高付加価値化

バイオ由来界面活性剤の採用、再生プラスチック容器・詰替の拡充、容器軽量化・コンパクト化、すすぎ回数削減(使用時の省資源化)、製造段階での再エネ活用等を統合的に実装

高付加価値化により適正価格での販売を実現し収益性を向上

ロイヤリティ向上により安定収益を下支え

食器用洗剤の容器・包装の軽量化と再生材活用によるコスト・競争力強化

詰替容器の軽量化、再生プラスチック・植物由来プラスチックの採用、廃棄しやすさを高める容器設計(行動変容を促す設計)

資材使用量の削減によりコスト構造を強化

環境価値を差別化要因として売上機会の拡大に寄与

気候変動への適応による事業創出

猛暑・高温多湿環境を背景に、暑熱ケア、日やけ止め、汗ケア等のスキンプロテクション事業をBtoB・BtoC両面で展開

売上機会を創出

収益源の多様化とブランド価値向上

社会課題解決を起点としたBtoB導入モデル

職場での常備を促進する仕組み(企業が購入・補充する継続モデル)の展開と啓発の推進

継続補充需要の創出により安定売上を形成

顧客基盤・プレミアム機会を強化

ESG推進に連動する資金調達

サステナビリティ・リンク・ボンド(250億円)、サステナビリティ・リンク・ローン (200億円)、ポジティブ・インパクト・ファイナンス(250億円)、DBJ健康経営格付融資(100億円)

低金利を適用し資金調達コストを低減

 

 

これらの取り組みは、KLPにおける「花王のコミットメント」及び重点テーマである19の「花王のアクション」に基づき、優先順位を付けて推進されています。その結果、環境・社会リスクの低減、供給安定性の確保、生活者・顧客からの信頼向上を通じて、前述の財務インパクト(収益性、コスト、レジリエンス)と一体となった中長期的な企業価値向上を実現しています。

 

③ リスク管理

花王は、柔軟で強靭なESGガバナンスのもと、リスクの低減と事業機会の創出を確実にするため、リスク管理及び機会管理を強化しています。

リスク管理においては、リスクの重要性をリスク・危機管理委員会で定期的にモニタリングし、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクは「コーポレートリスク」として、経営会議でリスクテーマとリスクオーナーを決定し、リスク・危機管理委員会で進捗管理をしています。部門やグループ会社で管理可能なリスクは、各組織が中心となり、対応しています。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照ください。

機会管理においては、花王グループ全体でESGに関連する重点テーマを統合的に管理し、優先順位の設定により、ESG投資を促進する仕組みを構築し、戦略的な事業機会の創出につなげています。

 

④ 指標と目標

花王は、野心的な指標と目標を設定することで、KLPの方向性を明確にし、的確な進捗管理をすることで、KLPを着実に実行しています。花王のKLPの19のアクションごとに指標と目標を設定しています。上記ESGガバナンスにおいて各指標の進捗状況がモニタリングされ、結果に基づき取り組みに反映しています。

 

KLPの19の重点取り組みテーマの中長期目標


◆指標や目標値の変更

 

詳細については2026年6月に発行予定の「花王サステナビリティレポート 2026」を参照ください。

https://www.kao.com/jp/sustainability/pdf/sustainability-report/

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)

気候変動は、現在並びに将来世代がこころ豊かな暮らしを実現することに対する大きなリスクとなっています。「花王ウェイ」において「豊かな共生世界の実現」を使命として掲げる当社グループでは、地球温暖化の緩和と適応の両面から積極的に活動を推進しています。当社グループはTCFDに賛同し、気候変動に関する情報開示を積極的に実施し、投資家との対話を行っています。パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」を実現することが将来の生活者のこころ豊かな暮らしの実現に必要だと認識し、KLPの重点取り組みテーマの一つとして「脱炭素」を掲げ活動を進めています。

※TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース

 

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、ESG戦略のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」 ①ガバナンス」を参照ください。

 

② 戦略

気候変動により平均気温が4℃上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすことから、世界全体が気温上昇を1.5℃に抑えることを目指していることに意味ある貢献をすることが、重要であると認識しています。

花王は1.5℃、4℃シナリオで財務影響評価を実施しています。財務影響は価格転嫁等何も対応しなかった場合の損失金額として算出しています。2050年における移行リスクとして、パーム油価格の上昇による~791億円、炭素税による~254億円、包装容器プラスチック規制による~79億円規模の財務影響が何も対応しなかった場合に発生する可能性を予測しています。パーム油の調達リスクは両シナリオにおいて、需要に対し供給がひっ迫することでコストが上昇すると見込んでいます。このリスクに対し、花王ではバイオIOSといった高機能剤原料開発や代替原材料の開発を進めています。 また、これらのイノベーションによる差別化は、他社に先んじて戦略的に取り組むことで、リスク低減だけにとどまらず、新たなビジネス機会にもつながります。

物理リスクについては、洪水等により~46億円の財務影響の可能性を見込んでいます。緩和に貢献する機会として、グローバルコンシューマーケア事業では節水・節電製品やプラごみ削減製品、ケミカル事業では顧客の気候変動リスク低減に資する製品の需要が高まると予想されます。適応の機会として、地球温暖化に対応するUVケアやセルフタンニング等のスキンプロテクション事業や消毒、洗浄、忌避剤といった感染症リスクを軽減できる製品の需要が高まると予想されます。「花王サステナブル商品開発方針」に沿った商品開発を進めていくことでリスクを軽減し、ビジネス機会を創出します。

 

 

(主な事業リスクと機会)

 

評価項目

評価した
財務影響

2050年における
財務影響
(単位:億円)

※価格転嫁等何も対応しなかった場合の損失金額

花王の対応状況

1.5℃
シナリオ

4℃
シナリオ

リスク

移行

政策・法規制

炭素税の導入・引上げ

炭素税導入・引上げによる操業コスト上昇

-254

-93

・2030年 スコープ1+2 CO2排出量削減目標を設定し、計画的に設備投資を推進

プラスチック規制の導入

化石由来容器包装原料に対する課税

-79

-

・リデュースイノベーション:革新的な包装容器によるプラスチック使用量削減

・製品廃棄物の削減:eコマース強化、AI予測活用による在庫精緻化

再生プラスチック使用義務化によるコスト増

-46

-

・リサイクルイノベーション:品質/コストを両立する、水平リサイクル技術の開発、ステークホルダーとのリサイクルシステムの構築

市場

エネルギー価格の上昇

電力小売価格の変動

-11

-11

・再エネ調達:コーポレートPPA採用による固定価格での長期安定確保等

・太陽光発電設備の導入推進

原材料価格の上昇

化石由来原材料
価格の上昇

-1)

-1)

・製品設計の深化による化石由来原材料削減の検討を継続

パーム油の
調達価格の上昇2)

-791

-761

・限りある資源であるパーム油の最大活用:高機能剤原料開発(バイオIOS)

・代替原材料(藻類由来油脂、未利用バイオマス、CO2等)の利用研究開発促進

物理

急性

異常気象の激甚化

洪水被害額の増加

-4

-46

・BCPを考慮した生産体制の構築

・サプライヤー向けリスク調査の実施

機会

製品・

サービス

<緩和>

グローバルコンシューマーケア事業:エシカル製品(節水・節電・プラごみ削減・第3者認証ラベル品等)事業伸張

・ケミカル事業:顧客の気候変動リスク低減に資する製品の開発・販売

・共通:CCUS(CO2利活用)技術を活用した製品の普及

 

・「花王サステナブル商品開発方針」に沿った商品開発推進

<適応>

・気温が高くても清潔・快適な暮らしに貢献する製品の伸長(洗浄、抗菌、制汗剤、忌避剤等)

・強い日差しから肌を守る製品の伸長(スキンプロテクション事業)

 スキンプロテクション事業(UVケア、セルフタンニング、忌避剤等)の2030年売上目標 1,000億円

・「サステナブルケミカル製品」の販売推進

 

1)調査時点で、地政学リスクの高まりにより既に原材料価格が高騰・高止まりしており、財務影響として現れなかった

2)過去のパーム油/核油の価格推移を参考に、重回帰分析の手法を導入して将来価格を推計

 

③ リスク管理

気候変動に関する主なリスクは、ESG戦略のリスクに含めて管理しています。詳細については「(1)ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」 ③リスク管理」を参照ください。

 

 

④ 指標と目標

2021年、当社グループは「2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブを目指す」という方針のもと、2030年目標を設定・更新しました。

・スコープ1+2 CO2排出量(絶対量)削減率

-55%(対2017年)※1

・使用電力における再生可能電力の比率

100%※2

・ライフサイクルCO2排出量(絶対量)削減率

-22%(対2017年)

・削減貢献量※3、※4

10,000千トン-CO2

 

※1 1.5℃水準に沿った目標として、SBTイニシアティブ(企業が気候変動分野において野心的な活動を促進するために設立されたイニシアティブ)の認定を取得

※2 RE100(企業が自らの事業で使用する電力を再生可能エネルギー100%化することを目指す国際的イニシアティブ)に加盟

※3 気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)及び京都議定書第7回締約国会合(CMP7)で合意された7種の温室効果ガス

※4 当社グループの製品によって社会全体で削減された排出量

 

当社グループのスコープ1及びスコープ2に係るCO2排出量の推移は以下のとおりです。2025年においては、生産拠点を有するフィリピン、ベトナムの各工場における再生可能エネルギー電力の調達推進に加え、スペイン工場においてバイオマスボイラーが稼働したこと等、再生可能エネルギー比率向上に向けた取り組みを進めました。これらの施策等により、2025年時点では2017年比で約47%の削減水準に到達しています。当社グループは、引き続き低炭素設備の導入や再生可能エネルギーの活用を通じて、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでまいります。

 

スコープ1 CO2排出量の推移

 

千トン-CO2e

 

スコープ2 CO2排出量の推移

 

千トン-CO2e

 

2017

2021

2022

2023

2024

2025

 

 

2017

2021

2022

2023

2024

2025

合計

660

611

602

546

509

486

 

合計

408

244

187

154

116

75

日本

278

251

246

 229

213

207

 

日本

178

23

7

4

4

5

アジア

290

264

256

237

221

206

 

アジア

208

213

173

143

109

69

米州

43

45

51

46

41

46

 

米州

14

8

7

5

2

1

欧州

49

50

48

34

35

28

 

欧州

8

1

1

0

1

0

削減率

0%

 -7%

-9%

-17%

-23%

-26%

 

削減率

0%

-40%

-54%

-62%

-72%

-82%

 

※算定範囲の見直しにより、花王グループに属する伊野紙株式会社のスコープ1及びスコープ2排出実績(約1.1万トン/年)を2025年より反映し、2017年まで遡及して過年度データを修正しています。本修正による影響は基準年排出量の約1%程度であり、全体傾向に大きな変更はありません。

 

 


詳細については2026年6月に発行予定の「花王サステナビリティレポート 2026」を参照ください。

https://www.kao.com/jp/sustainability/pdf/sustainability-report/

 

 

当社グループのスコープ3を含む、当社が管理対象としているライフサイクル全体のCO2排出量の推移は以下のとおりです。なお、本ライフサイクル全体のCO2排出量は、スコープ1、スコープ2及びスコープ3のうち、カテゴリー1、4、11、12を対象として算定しています。当社はこれまで、スコープ3排出量の削減に向けて、より少量の原材料で最大限の性能を引き出すとともに、製品価値の向上を図る「Maximum with Minimum」の考え方に基づく製品設計を推進してきました。この考え方は、原材料調達段階及び製品使用段階におけるCO2排出量の低減に加え、高付加価値製品の創出を通じた事業成長にもつながるものと位置づけています。これらの取り組み等が寄与し、2025年時点では2017年比で約17%の削減水準に到達しています。当社グループは、今後も製品設計を通じた低炭素化の推進に加え、サプライヤーや生活者を含むステークホルダーとの協働を通じて、環境価値と経済価値の両立を図りながら、ライフサイクル全体でのCO2排出量削減に取り組んでまいります。

 

ライフサイクルCO2排出量(絶対量)の推移

千トン-CO2e

 

2017

2021

2022

2023

2024

2025

合計

12,275  ※1※2

11,762  ※1※2

11,561  ※1※2

10,813  ※1※2

10,331  ※1※2

10,192

スコープ1

660 ※1

611 ※1

602 ※1

546 ※1

509 ※1

486

スコープ2

408 ※1

244 ※1

187 ※1

154 ※1

116 ※1

75

スコープ3

1. 購入した製品・サービス

4,852 ※2

4,582 ※2

4,434 ※2

4,206 ※2

4,092 ※2

4,053

4. 輸送、配送(上流)

253

245

241

234

238

255

11. 販売した製品の使用

4,687

4,647

4,680

4,349

4,107

4,077

12. 販売した製品の使用者による廃棄

1,415

1,432

1,417

1,324

1,268

1,246

削減率

 

0%※1※2

-4%※1※2

-6%※1※2

-12%※1※2

-16%※1※2

-17%

 

※1 算定範囲の見直しにより、花王グループに属する伊野紙株式会社のスコープ1及びスコープ2排出実績(約1.1万トン/年)を2025年より反映し、2017年まで遡及して過年度データを修正しています。本修正による影響はスコープ1及び2合計の基準年排出量の約1%程度であり、全体傾向に大きな変更はありません。

※2 スコープ3排出量の算定精度向上のため、2025年より一部事業において製品群単位からSKU単位への算定方法へ変更しました。2024年実績はSKU単位で再算定を行い旧手法との差分を算出しています。2017年から2023年までの過年度データについては、当該差分を基に遡及修正しています。

 

 


詳細については2026年6月に発行予定の「花王サステナビリティレポート 2026」を参照ください。

https://www.kao.com/jp/sustainability/pdf/sustainability-report/

 

 

(3)人的資本

当社の最大の強みであり資産でもある「人財」の活力最大化は、中期経営計画「K27」達成に向けた「グローバル・シャープトップ」戦略を支える重要テーマです。多様な人財に公平な機会を提供し、すべての社員の能力を最大限に引き出すとともに、その活力を組織として最大限に活かすことで、個人と企業がともに成長する環境と風土をつくります。

 

① ガバナンス

人財戦略に関しては、取締役会における経営視点での方針の議論を経て、経営トップを委員とする「人財企画委員会」にて具体的な課題や施策(重要な組織の新設・改編、主要ポジションの任免、人員・人件費に関する計画や重要な人事施策の新設・改廃等)に関する検討と決裁、進捗状況の共有を行っています。

また活動を当社グループ全体で推進するために、グローバル共通の仕組みを導入し、活用しています。たとえば、グローバル人財情報システムによる人財情報の活用、グローバル共通のOKR・等級制度・評価制度・教育体系・報酬ポリシーによる人財マネジメント・育成の強化等です。

これらの活動は、人財戦略部門統括を責任者とし、当社グループ各社の人財開発関連部門と連携をとりながら進めています。

また、日本においては主要部門に人事機能を設置するとともに、現場の社員一人ひとりの育成とキャリア開発を担当するキャリア・コーディネーターを配置しています。

主要部門及び国内子会社の人財開発責任者による会議を定期的に開催し、当社グループ全体の人財開発の方針、国内子会社の活動状況等について共有・議論しています。

 

人財開発の推進体制


 

 

② 戦略

「K27」の目標達成に向けて「グローバル・シャープトップ」事業を拡大していくため、社員活力の最大化を目指しています。その実現に向けて、花王の精神と事業目標に沿った人事制度を整え、諸施策を効果・効率的に展開しています。これらの取り組みの前提となる考え方を示すものとして、花王ウェイ及び「花王ビジネスコンダクトガイドライン」に基づいた「人財開発基本方針」を定めています。

 

[人財開発基本方針]

・効果・効率性の追求

花王グループが“よきモノづくり”を行い永続的に発展するために、組織的な創造革新の活動によって、全体としての効果・効率性が常に向上することを目指します。

・人間性の尊重

創造革新の源泉は、限りなく叡智を発揮したいという全社員の熱意にある、という考え方に基づき、個々の人間としての尊厳が尊重され、自主性と多様性が活かされる環境をつくります。

・統合への努力

社員一人ひとりが現場で思う存分叡智を発揮することが、花王グループの発展につながるよう、諸施策の改善に努め、創造革新の活動を通じて組織と個人の統合を図ります。

 

その上で、「平等から公平へ」、「相対から絶対へ」、「画一・形式から多様・自律へ」という基本方針の実現に向けた活動指針を掲げ、人財開発活動を進めています

 

これらの方針、指針に基づき「未来のいのちを守る」というK27のビジョン実現に向けて、その原動力となる人的資本に関しては、「意欲ある人財をとがらせる」「脱マトリックス型組織運営」「挑戦・成果重視の環境創り」と、その基盤となる「公平な機会の提供」を人財戦略上の重要テーマとして定めています。対話を軸としてこれらを進めることで、「グローバル・シャープトップ」な人財/組織運営を実現し、社員活力を最大化します。それにより「よきモノづくり」のプロセスを強力に推し進め、投資して強くなる事業への変革を促進し、持続可能な社会に欠かせない企業へと、さらなる進化を図ります。

 

企業価値向上に向けた価値創造サイクル


 

 

 

K27に向けた人財戦略


 

人財開発活動によるアウトカムの創出


 

それぞれの施策は都度効果を確認するとともに、社員エンゲージメントサーベイを定期的に実施することで社員意識の確認を行っています。当社グループでは、「社員活力の最大化」を実現するために、「社員及び組織の状態を見える化する」こと、「そこから組織運営上の課題を発掘し、効果的な職場改善アクションを策定する」こと、そして「各職場で改善アクションを実施し、それを社員が実感することでエンゲージメントを向上していく」こと、をねらいとして、2023年から「社員エンゲージメントサーベイ(通称:KES)」を実施しています。2025年は、全ての海外子会社を含めたグローバル規模でサーベイを実施した上で、課題の確認と要因分析を全社及び各組織レベルで行い、取り得るアクションプランをスピーディーに実践しました。今後も引き続き、各現場単位での結果確認・検証とそれに対応した改善への取り組みを積み重ねることで、長期目標達成につながる働きやすい仕事環境の実現を目指します

 

a.意欲ある人財をとがらせる:先端教育

花王ウェイをベースとした多様性の理解・連携・協働によって当社グループのポテンシャルを最大限に発揮するアグレッシブな人財の育成を強化しています。社員一人ひとりが自分の強みを磨き、チームとしても強くなっていくことを目指すために、「変革力、専門力、多様性受容力、共創力、正道を歩む力」を磨く各種学習プログラムを整備しています。学習プログラムには、グループ全体の共通学習、各部門単位の専門学習、9,000を超える自己啓発プログラムがあり、自ら学び、お互い学び合い、学び続けることを支援しています。

 

b.意欲ある人財をとがらせる:最適配置

経営戦略と連動した戦略的人財配置に向けた取り組みを行っています。グローバルで成長分野と効率化分野を意識し、スピーディーな人員配置を行うことでビジネスの伸長、イノベーションを促進しています。当社及び国内子会社では、従来から能力・キャリア開発支援とキャリア・コーディネーター制度をベースに、本人のキャリア志向もふまえ、計画的に社員のローテーションを実施しています。これに加え2024年からは、社員が主体的にキャリアを形成できる機会として社内公募制を当社及び国内子会社全社に導入しました。これまでに約540名が応募し、約100名の異動が実現しています。この制度は、経営課題に共感し、その解決に挑戦する意欲を持つ人財をタイムリーに結集させることで、経営戦略の実行力を高めるとともに、社員のキャリア開発を促進し、挑戦を後押しする企業文化の醸成につながっています。

 

c.脱マトリックス型組織運営:権限委譲

事業部門と機能部門の専門性を活かしたマトリックス体制を深化させて、優先される課題に関する対応の最速・最大化を目指した「スクラム型運営」をグローバルに進めています。これらを通して決断実行の現場化を進めています。

 

d.脱マトリックス型組織運営:次世代リーダーの持続的育成

「グローバル・シャープトップ」な人財・組織の実現にむけて、ビジネスリーダーを計画的に育成しています。シニアマネジメント、スペシャリスト等、重要ポジションの将来後任候補となる基幹人財には早期抜擢を含めて計画的な配置任用、課題付与を行っています。また、マネジメント層を対象に、自らのリーダーシップ・マネジメントの強みや弱みを把握するための360度リーダーシップ診断を実施しています。診断後には、自らの行動を振り返るための集合研修の場を提供すると同時に、大志・挑戦・共創に関わる選択学習プログラムを用意し、自律的な学習を促しています

 

e.挑戦・成果重視の環境創り:透明性のある評価

評価につながるOKR(Objectives and Key Results)目標は、中長期の時間軸も加味し、所属する組織の方向性も踏まえた上で設定します。その上で日々の進捗は上長との定期的な対話によって確認します。年度末にはOKRの進捗に加え、基本的に1年間の貢献やプロセスも含めて、多様な挑戦を評価します。また、社員の様々な挑戦について、各職場で共有し認め合う活動(チャレンジ共有会等)を実施することで、チャレンジを推奨する風土を実現しています。年度末の評価は、部門特性・業務実態に応じて「難易度」「創造性」「共創と連携」「効率性」「自律性」等の視点を明確化した上で、個別絶対的な視点で行っています。これにより、フィードバックの対話を行う際のポイントが明確になり、評価の納得性と透明性の向上に寄与しています。

 

f.挑戦・成果重視の環境創り:承認・処遇

多様な挑戦を認めることで、社員一人一人の成長を支援し、最大値を引き出すことを目指しています。当社グループでは、各ポジションの役割責任を明確にし、年次ではなく社員一人ひとりの能力や適性に応じて配置・任用し、その役割の大きさに応じた挑戦と成果を適正に評価したうえで処遇しています。

また当社グループでは、社員の能力開発・業績改善の意欲を育成・刺激し、その取り組みや成果を公正に評価して称えること、そして、社員全員に広く周知し、モデル・目標としてもらうことが重要と考えています。そのため、毎年のグループ事業機能活動から「チャレンジ」「創造性」「貢献度」「部門・職種として重要な視点」といった観点で顕著な成果をあげた団体又は個人の取り組みを選定し、「部門賞」として表彰しています。そしてそれらの部門賞から、「グローバル・シャープトップ」戦略の推進及び「ビジネスにおける特に顕著な貢献」をした活動を厳選し、「CEOアワード(社長賞)」として翌年1月に褒賞するとともに、グループ全体にその活動・貢献を公表しています。こうした活動を通じて、グローバルでさらなる挑戦と脱マトリックス型組織運営への意識と風土を醸成しています

 

g.公平な機会の提供:対話の徹底

社員活力の最大化に向けた人財戦略として様々な活動を進める中で、その実践のベースとなるのが「対話の徹底」です。会社の戦略や方向性の理解、そして社員一人ひとりの日々の活動が企業価値の向上にどのように結びついているのか、ということを、上長や同僚、他部門と頻繁に対話しながら理解を深めることが大切で、その現場での促進に向けて、当社及び国内子会社では毎年「対話フェス」を行っています

 

h.公平な機会の提供:OKR活用

2021年から当社グループ全体に導入しているOKRも実践4年を経て、その理解と活用は進んできています。2025年に実施したレビューにおいても個人と組織の成長に繋がる目標設定と活動実践を行っている社員が8割に近づいており、挑戦する風土醸成は着実に進捗しています。また、2025年からは各部門において重要な経営指標であるROICの視点を踏まえて個人OKRを見直し、像合わせする活動を継続的に進めています。具体的には各部門の活動がROIC向上にどのように結びついているかを示した「ROIC逆ツリー」を作成し、それを活用しながら上長との対話を通じて個人目標を組織貢献に結び付けることを行っています

 

i.公平な機会の提供:DE&I

すべてのステークホルダーと協働し、誰もがありのままの姿で最大限の力を発揮できる、いきいきとした社会を目指すというDE&I方針のもと、社員に向けては「社員一人ひとりが互いを受けとめ共生する、多様性が強みとなっている花王グループの実現」を目指した取り組みを進めています。組織の認知的多様性*を高めること、認知的多様性を組織の強みにすることを目指し、ダイバーシティ&エクイティ推進活動として、多様な人財一人ひとりが働きやすい環境の中で公平に機会を得るための支援と職場環境整備を、またインクルージョン推進活動として、社員全員がDE&Iへの理解を深め、実践できるようにするとともに、一人ひとりが自分らしく力を発揮できるインクルーシブな組織風土醸成に取組みます。

*認知的多様性:ものの見方や判断の仕方等認知に関する内面的な多様性

 

DE&I方針の詳細については、以下を参照ください。

https://www.kao.com/jp/sustainability/walking-the-right-path/inclusive-diverse/dei/

 

〇 体制

人権・DE&Iステアリングコミッティが当社グループ全体でのDE&I推進活動を推進しています。その中で社員に向けては、当社の人財戦略部門が各種人事施策においてDE&I視点を盛り込むとともに、専任組織であるDE&I推進部が当社及び国内子会社全体のDE&I推進活動を計画・実行しています。海外子会社については、現地のDE&I推進責任者が当社のDE&I推進部と連携しながら、それぞれの課題に合わせ各地域で活動を推進しています。

 

〇 DE&I推進活動

<女性活躍推進>

最も多くの人財に関わり、当社グループの成長に不可欠なダイバーシティ要素として、国内を中心に女性活躍推進活動を進めています。意思決定層における女性比率の向上を目指し、そのパイプラインを増やす取り組みとして、2030年までに女性社員比率に対する女性管理職比率を100%にする(花王グループ各社の女性管理職比率を各社の女性社員比率と同じにする)という目標をかかげ、3つの重点アクションに取り組んでいます。

 

[トップマネジメントの女性の状況]

 

2023年

2024年

2025年

2026年

男性

(人)

女性

(人)

女性
比率

(%)

男性

(人)

女性

(人)

女性
比率(%)

男性

(人)

女性

(人)

女性
比率(%)

男性

(人)

女性

(人)

女性
比率(%)

取締役 ※1

7 (2)

2 (2)

22.2

8 (3)

2 (2)

20.0

7 (3)

1 (1)

12.5

6 (3)

3 (2)

33.3

監査役 ※1

4 (3)

1 (0)

20.0

5 (3)

0 (0)

-

4 (2)

1 (1)

20.0

3 (2)

2 (1)

40.0

執行役員※2

28

4

12.5

27

4

12.9

25

5

16.7

22

7

24.1

 

※ 各年1月1日時点

※1 ()の数字は、全体人数のうち社外取締役、社外監査役の人数

※2 取締役兼務も含む

 

 

[女性の状況]

 

2022年

2023年

2024年

2025年

女性

社員

比率
(%)

女性

管理職比率
(%)

女性社員比率に対する女性管理職

比率※1
 (%)

女性

社員

比率
(%)

女性

管理職比率
(%)

女性社員比率に対する女性管理職

比率※1
(%)

女性

社員

比率
(%)

女性

管理職比率
(%)

女性社員比率に対する女性管理職

比率※1
(%)

女性

社員

比率
(%)

女性

管理職比率
(%)

女性社員比率に対する女性管理職

比率※1
 (%)

当社

グループ

52.9

30.5

75.9

53.1

31.1

76.2

53.2

32.6

78.1

53.6

34.0

79.4

当社及び国内

子会社

55.9

22.4

65.9

56.0

24.6

67.3

56.5

26.5

69.7

56.8

27.7

71.4

アジア

44.6

47.6

104.2

44.2

45.9

102.8

44.2

46.0

103.7

44.2

46.3

103.5

欧州

49.9

40.8

82.6

52.4

44.8

86.2

52.5

45.0

83.6

53.7

47.1

81.9

米州

51.2

53.3

95.5

53.0

48.6

94.2

48.6

46.7

97.2

52.5

48.5

99.0

 

※  各年12月31日時点

※  従業員は正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含む

※1 女性社員比率に対する女性管理職比率の達成度を示す指標であり、各エリアにおける花王グループ各社の管理職ポジション数を考慮し、加重平均により算出しております

 


 

「リーダーをめざす、担える人財の育成」に関しては、性別に寄らない選抜研修派遣に加え、管理職手前から経営層候補までの各階層に属する女性人財を選抜し、社外女性リーダー研修へ派遣しています。併せて、女性自身のキャリア意識向上に向け、ロールモデルとなる先輩社員のパネルディスカッションや座談会、イントラネット上へのインタビュー記事の掲載等を行っています。

「意欲高く働くための育児両立支援」に関しては、フレックス制や在宅勤務制度等の柔軟な働き方に関する制度の整備、社員が希望する時期に育休から早期復職するための短時間勤務制度の拡充や、保育所の選択肢の拡充(企業主導型保育所の活用支援)とともに、職場と家庭双方での性別役割分業意識の払拭に向けて有給育児休暇制度の導入等男性育休取得促進を行っています。

「バイアスのない育成や登用を実現する環境創り」に関しては、管理職がダイバーシティマネジメントやアンコンシャスバイアスについて学ぶ機会を提供しています。

これらの取り組みの結果、女性管理職比率は年々向上しており、2025年末時点で当社及び国内子会社の女性社員比率に対する女性管理職比率は71.4%となっています。

当社及び国内子会社の管理職ポジション数に基づく加重平均により算出

 

女性活躍の一つの指標である男女の賃金格差は当社グループ89.1%となっています。当社グループでは、同じ役割であれば男女で賃金の差は設けていないため、この差は、主に日本において給与が高くなる傾向にある勤続年数の長い社員における男性比率が高いこと、また、給与の高い職群における男性比率が高いことによるものと考えています。そのため、女性の定着をさらに向上するとともに、管理職や上級管理職、役員の女性比率を女性社員比率に対して適正に上げる取組みを実行していきます

 

<インクルーシブな組織風土の醸成>

対話を中心とした組織風土づくりに向け、心理的安全性とアンコンシャスバイアスを啓発の重点テーマとしています。組織風土への定着に向け、e-ラーニング「アンコンシャスバイアスの基礎知識」、「心理的安全性の基礎知識」を全社員が繰り返し学ぶ必修プログラムとして展開しています。

これらの取り組みの結果、社員エンゲージメントサーベイにおける「インクルーシブな組織風土」に関するスコアは65(対前年+2)となっています。2027年にスコア70を目標として引き続き活動を展開します。

 

 

j.公平な機会の提供:健康開発

社員の心と身体の健康は、事業活動の源泉であり、人財の成長と組織力の最大化につながる重要な要素です。健康経営®を推進し、社員とその家族が健康支援を公平に受けられる機会を提供するとともに、健康基礎情報の解析とヘルスケア知見から生まれた商品やヘルスケアソリューションを自社の健康開発に取り入れ、社員と家族が参画する実践型の活動を進めています。自社の取り組みのうち優れた事例や知見については、地域・他の職域・生活者に積極的に展開し、すこやかで心豊かな生活の実現を支援しています。

「花王グループ健康宣言」を行い、企業として健康経営®に取り組むことを社内外に公表するとともに、健康中期計画を設定し、その取り組みを推進しています。

※ 「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 

[花王グループ健康宣言]

私たちは、日々いきいきと
健康づくりに取り組むとともに
社内外のエビデンスに基づいた確かなヘルスケアを
社員・家族だけでなく
地域・職域・生活者のみなさまへ展開し
すこやかでこころ豊かな暮らしをともに実現していきます。

 

〇 健康中期計画

健康中期計画では、一人ひとりのより良い状態の実現を通じて、ヘルスケア意識の高い社員と家族が、活気ある職場、社会づくりを推進していくことを目指します。そこでは、主な6つの取り組み(生活習慣病・がん・禁煙・メンタルヘルス・女性・シニア)に加え、治療と就業の両立支援や有害業務者管理とリスクアセスメントにも取り組んでいます。また社員だけでなく家族や友人もともに参画できる健康づくりを提案しています

 

 

〇 健康経営戦略MAP

社員活力最大化と医療費削減実現のため戦略MAPを策定しています


 

 

〇 組織体制

花王健康保険組合と健康開発推進部は連携し、健康施策の立案を行っています。また、事業場・地区に「健康実務責任者」及び「健康実務担当者」を配置し、産業医・看護職とともに担当エリアの健康施策に取り組んでいます。海外子会社へは日本の推進状況を情報共有したうえで、各国・地域の方針に沿った健康施策を推進しています。また、当社グループ内で取り組んだ優良事例を地域へも展開するためGENKIプロジェクトを設置し、社外向けの健康ソリューションの提供を行っています

 

[組織体制]


 

③ リスク管理

人財開発に関するリスクについては短期的な視点だけではなく、中長期における優秀人財の維持・獲得の観点からも確認し、必要な対策を講じています。各種法改正や社会動向の変化も踏まえ、人財に関する統計データにより傾向を把握することに加え、社員懇談会やエンゲージメントサーベイ等によって得られた社員の声、社外有識者の意見等も確認した上で、人財戦略部門で総合的に検討しています。把握したリスクについては、内部統制委員会による確認とともに、人財戦略部門責任者と各部門・各社の人財開発責任者が参加する「人財開発会議」にて対応すべき課題を特定し、その対応策を議論するとともに、全社的に影響の大きい施策については、経営トップを委員とする「人財企画委員会」にて議論し実行に移しています。

 

④ 指標と目標

Ⅰ.人財戦略に基づく重点アクション

2022年

2023年

2024年

2025年

目標値

2027年

社員教育投資(2020年比)

1.42倍

1.53倍

2.02倍

2.03倍

2.5倍

DX人財(2020年比)※2

1.5倍

6倍

10倍

15倍

20倍※6

社内公募による異動者実績(2020年比)※2

-

4倍

16倍

14倍

20倍

全採用数におけるキャリア採用比率※2

48%

56%

60%

51%

50%

KESスコア:公正な評価

-

60※1

61

63

70

KESスコア:対話

-

63※1

64

66

70

KESスコア:働き方満足度

-

60※1

63

65

65

女性社員比率に対する女性管理職比率※4

75.9%

76.2%

78.1%

79.4%

90%

KESスコア:社員活力度

-

59※1

61

62

65

 

 

Ⅱ.めざす人財・組織像

∼グローバル・シャープトップな人財/組織∼

Ⅲ.社員活力の最大化

2022年

2023年

2024年

2025年

目標値

2027年

2022年

2023年

2024年

2025年

目標値

2027年

挑戦志向型人財※2※3

社員エンゲージメント(KES総合スコア)

26%

58%

71%

77%

80%※5

-

63※1

65

68

75

KESスコア:挑戦を推奨する組織風土

KESスコア:職場満足度

-

61※1

63

64

70

-

61※1

62

64

70

KESスコア:スクラム型運営推進度

 

 

 

 

 

-

57※1

58

60

70

 

 

 

 

 

KESスコア:インクルーシブな組織風土

 

 

 

 

 

-

62※1

63

65

70

 

 

 

 

 

 

 

 

Ⅳ.社会インパクト・財務インパクトの創出

2022年

2023年

2024年

2025年

目標値

2027年

インパクト創出の能率化(2022年比)

100%

92%

120%

131%

150%

 

インパクト創出の能率化 = 付加価値 /総労働時間

 

※ 特に記載がない限り、当社グループで集計

※ 従業員は正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含む

※ KESは社員エンゲージメントサーベイを示しております

※1 一部会社を除いて実施

※2 日本の連結対象会社のみ

※3 社員意識調査

※4 女性社員比率に対する女性管理職比率の達成度を示す指標であり、各社の管理職ポジション数を考慮し、

  加重平均により算出しております

※5 目標値を75%から80%に更新しました

※6 目標値を15倍から20倍に更新しました