2024年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,506名(単体) 2,759名(連結)
  • 平均年齢
    39.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.8年(単体)
  • 平均年収
    7,197,522円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 2024年2月29日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

医薬品事業

2,701

〔874〕

その他

58

〔49〕

合計

2,759

〔923〕

 

(注) 従業員数は、就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しています。

 

(2) 提出会社の状況

  2024年2月29日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,506

〔274〕

39.4

15.8

7,197,522

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、出向者41名を含んでいません。

2 臨時従業員数には嘱託及びパートタイマーの従業員を含み、〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しています。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

4 当社の事業は、医薬品の製造、販売及びこれらに付随する業務を事業内容とする医薬品事業セグメントのみです。当社の従業員は全て医薬品事業セグメントに属しています。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社の労働組合は久光製薬株式会社従業員組合と称し、1,242人をもって組織され、上部団体には加入していません。

1951年1月5日組合結成以来、労使間はきわめて安定し、円満に推移しています。

なお、連結子会社については、労働組合はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

   提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

7.8

42.0

74.5

74.3

90.0

(注3)

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 正規雇用労働者の男女の賃金差異は、管理職に占める女性労働者の割合が男性労働者より低いことが主な理由となっています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

①サステナビリティに関する考え方

久光製薬グループは「世界の人々のQOL向上を目指す」を経営理念と定め、事業活動を通じて、お客さま・社会をはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまに対する価値の創造に努めます。また、昨今の急激な外部環境の変化に適応し、多様化するお客さまのニーズに応えるために、『「手当て」の文化を、世界へ。』という企業使命のもと、「第7期中期経営方針」およびマテリアリティ(重要課題)を軸に事業活動に取り組んでいます。ESGおよびSDGs(持続可能な開発目標)を重視しながら、これまでにない取り組みに積極的にチャレンジし、変革を実現して、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指していきます。

参考:価値創造モデル https://www.hisamitsu.co.jp/sustainability/model.html

 

(1)久光製薬グループのサステナビリティ方針


 

(2)久光製薬グループのマテリアリティ

2021年に、サステナビリティ方針に掲げる『「手当て」は、笑顔をつくる。』という共有価値を創造するために9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。


マテリアリティの分類・具体的な内容は、WEB サイトに掲載しております。

https://www.hisamitsu.co.jp/sustainability/group-policy.html

 

これらのマテリアリティ(重要課題)は2つに整理・分類しています。

 

①「新たな価値創造により社会課題の解決に貢献するマテリアリティ」

 ・「手当て」の思いにあふれる商品・サービスの創出

 ・「貼る文化」を世界へ広める

②「社会課題の解決、社会からの要請および自社の持続的成長の基盤に関わるマテリアリティ」

 ・環境経営の推進

 ・医薬品・サービス等および情報アクセスの向上

 ・地域社会への貢献

 ・D&Iおよび働き方改革の推進

 ・高品質な商品・サービスの供給

 ・責任あるマーケティング・情報収集活動

 ・コンプライアンス推進とガバナンス強化

 

②サステナビリティ全般のガバナンス・リスク管理

(1)ガバナンス

  当社はサステナビリティに係る基本方針や重要事項等は代表取締役の諮問機関としてグループ全体のサステナビリティ活動の推進を行う「サステナビリティ推進委員会」において審議されています。委員会は取締役をはじめとして執行役員や関連部門の部門長などによって構成され、サステナビリティ推進担当役員がサステナビリティ推進委員会の委員長を務めています。

 サステナビリティ推進委員会は原則四半期ごとに開催され、その審議内容を定期的に取締役会に報告することによって、サステナビリティの取組みとリスク管理に関する監督が取締役会によって適切に図られるよう体制を整えています。


 

(2)リスク管理

当社はサステナビリティに関わる問題を重要な経営課題として認識しており、 「サステナビリティ推進委員会」の中でより詳細に検討しています。具体的にはリスクを識別・評価し、優先順位付けした上で、推進する各部門でサステナビリティ関連問題の取り組みを実行計画に落とし込み、サステナビリティ推進委員会の中で実行計画のモニタリングを行っています。特定したサステナビリティ関連問題の影響は、サステナビリティ推進委員会より取締役会にて報告・提言することで、サステナビリティ関連問題の影響を全社的なリスク運営に関するマネジメント体制に統合しています。

 

 

③人的資本

(1)戦略

(人材育成方針)

第7期中期経営方針~Hisamitsu Transformation2025~で掲げる3つの活動方針(①Expand(拡大する)、②Exceed(壁を超える)、③Enhance(強化する))に基づく経営戦略の実現のためには、「手当て」の文化をいかに世界の人々に広めることができるか、どれだけアイディアを生み出すことができるかが重要であると考えております。そのためには、お客様の声を聞き、具体的な解決策を提示しトライする人材、課題を自分事(じぶんごと)として捉える人材が必要であることから、「相手をいたわることのできる人材育成」、「仕事が自分事となった人材育成」を人材戦略の基本としています。今後、グローバルのフィールドで知識・経験・スキルを積み重ね、今まで乗り越えられなかった壁を乗り越えていくことに挑戦する組織づくりに取り組みます。

 

 

期待する発揮行動

発揮された行動による効用

価値創出

世界の人々が求める「手当て」の思いにあふれる商品・サービスとは何かを常に問い続ける

必要な知識・経験・スキルを主体的に身に付ける

キャリア自律

仕事を通じて何ができるのか、何を実現したいのかを自ら考え、行動する

自己実現に向けての挑戦が成長実感を高める

組織共創

意欲あふれる人材がチーム一丸となって社会課題の解決に取り組む

世界の人々・従業員・会社それぞれに成果が還元される

 

 

 <人材育成にあたっての課題>

 経営戦略に基づく人材育成方針と当社の現状から、以下の点を重要課題と認識しております。

①Expand(拡大する)

サロンパスをはじめとする当社商品の海外展開を進めるにあたり、グローバルで活躍したいと考える次世代リーダー人材の発掘・育成

②Exceed(壁を超える)

当社が持続的に成長するためには、多様な人材の獲得と活躍、自ら課題解決に向けて動き出すことが不可欠であり、従業員一人ひとりの働きがいを高めるための基盤整備

③Enhance(強化する)

当社の事業活動全般において「手当て」の思いをカタチにする組織風土の醸成、専門技術(研究開発、製造、販売)を有する人材、デジタル利活用を通じた価値最大化を企画・推進する人材の確保・育成 

 

 <上記課題に対する主な取り組み> 

(ⅰ)自己申告制度・社内公募制度

従業員一人ひとりの働きがいを高めることが、当社の成長と従業員自身が描くキャリアデザインの実現を両立するとの考えの下、従業員は毎年、キャリアプランや異動配置、会社に理解してもらいたいことなど自らの意思を自己申告として表明しています。また、社員の意欲・熱意を掘り起こし、当社が対応すべき課題解決につなげるために、海外事業部門などを対象とした社内公募を定期的に実施しています。

(ⅱ)社内ベンチャー制度 

従業員自らが「手当て」の思いを新たな事業として企画立案し、事業化実現と組織風土醸成のために実施している社内ベンチャー制度では、年齢や性別、経験年数を問わず、既存事業にとらわれない自由な発想を尊重し、従業員と会社双方の成長機会の創出に努めています。

(ⅲ)グローバル人材の育成

グローバルでの事業展開の推進とともに、競争力を強化し優位性を確保するためには、グローバルのフィールドで知識・経験・スキルを積み重ねていくことが重要です。そこで、語学研修や異文化コミュニケーション、マネジメントスキルなどの習得・向上を目指した研修のほか、国内・海外各社から選抜された意欲ある従業員に対して課題解決方法を学ぶ機会を提供し、人材発掘に取り組んでいます。

 

(ⅳ)専門知識の習得機会の創出

自らが専門知識を身に付け、社会課題・経営課題を解決していく基盤整備に向けての取り組みとして、ITパスポートや語学試験の受検費用負担や、事業運営に必要な資格取得者への職務手当支給、自己学習支援の仕組みの更なる充実を図っています。

 (ⅴ)業績に連動した評価体制

従業員一人ひとりが仕事を自分事化し、目標達成意欲を高め、処遇に還元する好循環を実現するために、 グループ全社の業績、部門ごとの業績を反映する業績評価賞与を導入し、成長実感と組織の一体感を高めるように努めています。

(ⅵ)組織文化を醸成するための活動

「手当て」の文化を世界に広めるための象徴的な活動として、各種スポーツイベント等の場で、薬剤師の立ち合いの下、従業員が当社商品(試供品)を直接お客さまに手渡し、使用していただき、商品の良さを伝える活動をグループ全社で取り組んでいます。直接お客さまと触れ合い、声を聞くことができる人材育成の貴重な場として、今後も継続してまいります。  

 

(社内環境整備方針)

事業活動を通じて個々の能力が発揮され、自己実現を図るためには、個々の経歴や文化的背景、ライフステ ージの違いなどそれぞれの個性を尊重し、多様な人材の活用を促進することが、環境変化に迅速に適応できる組織づくりにつながるものと考えています。そのために、働きやすさの向上、限られた時間内で業務遂行する取り組み、D&Iの浸透などを通じて、働きがいを高めるための基盤整備に取り組んでいます。

 

 <多様な人材の活躍のための主な取り組み>

(ⅰ)女性活躍の推進

当社の管理職に占める女性労働者の割合は7.8%(2023年度)であり、その要因として周りにロールモデルがいないことや、仕事と家庭の両立への不安などが挙げられます。多様な人材の活躍機会の創出のためにも、取り組むべき重要な課題の一つと捉えております。

そこで、女性自身も自らを見つめ直すべく、次期管理職候補者に対してHWL(Hisamitsu Women's
Leadership)研修を実施し、職場での行動変容を促しています。

(ⅱ)キャリア・リターン制度

育児や介護等のライフイベントや自己のキャリアアップのために当社を退職した従業員が、社外での経験を重ねた後、再度入社することができるように2023年8月に制度を整備し、多様な人材の活躍機会の創出のほか、多様性への理解を深める契機の一つとしています。

(ⅲ)在宅勤務・時差勤務

・働き方の選択肢の一つして在宅勤務制度を2021年3月に導入し、従業員が自身の役割を果たすために効果的な働き方のベストミックスを考え実践しています。

・業務の都合に応じて、始業時刻の1時間前から2時間後までの範囲での時差勤務(繰り上げ・繰り下げ)を合わせて活用しています。

(ⅳ)休暇の取得促進

・年次有給休暇を取得しやすい風土づくりの一環として、従業員が自身を支えてくれるご家族やご両親へ感謝するために、従業員の誕生月およびその半年後に取得する「家族の絆を深める日」や、心身のリフレッシュと次への活力を生み出すことを目的として連続3日以上の取得を推奨する「WAKUWAKU連続休暇」を制定しています。

・その他、従業員およびその家族の病気療養や介護等、不測の事態が生じた場合においても、安心して働くことができる年次有給休暇の積立制度も合わせて整備し、個々の事情に対応しています。

 

 (2)指標及び目標

指標

目標(2025年度)

実績(2023年度)

①年次有給休暇取得率

80.0%

71.7%

②自己申告書提出率

100.0%

98.3%

③働きがいスコア ※2

5.0

4.7

④自己研鑽実施率 ※3

50.0%

20.0%

 

※1 提出会社単体の状況を記載しています。

※2 毎年実施するエンゲージメントサーベイのうち、働きがいに関連する項目の平均スコアのことで、

     肯定的な回答の上限値は7.0。

※3 自己研鑽実施率は、リスキリング等に取り組んでいる従業員の割合とし、当社自己啓発援助制度の

   利用者数、ITパスポート受検者数、TOEIC受検者数などを含む。

 

④気候変動

(1)戦略

気候変動に関するリスク・機会については、サステナビリティ推進委員会が中心となり、シナリオ分析を行うと共に、短・中期/長期におけるビジネスインパクト(移行リスク、物理的リスクおよび機会についての財務的影響度)および、これらビジネスインパクトへの対応方針や事業戦略について検討しました。その結果、炭素税および自然災害等に対してリスクがある一方、環境配慮型製品の需要拡大が機会として確認されました。

 

シナリオ分析(リスク)

リスク項目

重要度評価

目標

対策

事業インパクト

炭素税導入の影響

スコープ1、2について2013年度比で2030年度46%削減、2050年度実質ゼロ達成のために再生可能エネルギー源への切り替えや空調設備更新でコストが増加する。

長期

エネルギーの安定調達によるレジリエンスの向上

スコープ1、2について2013年度比で2030年度46%削減、2050年度実質ゼロ達成のため、業種の異なる複数事業者と連携してエネルギーの安定調達によるレジリエンスの向上を進める。

主たる原材料(石油由来)に炭素税が付加され調達コストが増大する。

長期

調達コストの抑制

調達コストを抑制するためにサプライチェーンマネジメントを強化する。

気温上昇に伴う原材料への影響

原料不足、植物の生育が悪くなるなどし、原料価格が上昇する。

長期

原料価格に左右されないサプライチェーン確立

研究開発段階から原材料調達を見据えた部門横断コミュニケーションにより安定調達を図る。

自然災害(サプライチェーンへの影響)

自然災害の深刻化・増加により主力商品の原料に関わるサプライヤーが被災、輸送網の寸断が頻発することにより主力商品の製造ができずに売上が減少する。

中期

原材料の安定調達推進

原材料の在庫確保や調達先との良好なエンゲージメントを図り、原材料の安定調達を進める。

脱炭素技術への対応

環境に配慮した商品開発が進まないことにより、消費者のニーズの変化に応えられず、市場シェアが低下し売上が減少する。

中期

環境配慮型商品の開発推進

環境配慮型商品の開発・導入を進める。

 

※時間軸の定義;短期:~2025年、中期:~2030年、長期:~2050年

 

 

シナリオ分析(機会)

機会項目

重要度評価

目標

対策

事業インパクト

環境配慮型商品の需要拡大

環境配慮の新商品の開発により、需要が拡大し、売上が増加する。

長期

環境配慮型商品の開発推進

環境配慮型商品の開発・導入を進める。

レジリエンス

化石燃料から再生可能エネルギー源へ切り替えることにより、化石燃料の価格上昇によるコストへの影響を回避できる。

長期

化石燃料の価格上昇におけるコスト削減

再生可能エネルギーの導入を図る。

生産設備メーカーと省エネ型設備開発に取り組み、エネルギーコストを低下させることで、レジリエンスを高める。

長期

既存製造設備の効率化

省エネタイプの機器導入を図る。

 

※時間軸の定義;短期:~2025年、中期:~2030年、長期:~2050年

 

(2)指標及び目標

当社グループは、マテリアリティのひとつに「環境経営の推進」を特定し、気候変動に関連するリスクを緩和するための指標として「CO2排出量の削減(スコープ1、2)」を設定しています。日本政府および参画する日本製薬団体連合会の「低炭素社会実行計画」が掲げる目標の達成に貢献すべく、「2050年度までに実質ゼロ」を目指し、中期目標として、「2030年度までに2013年度比で46%削減」を設定しています。なお、この目標は国内のみならず、久光製薬グループの全拠点(CO2排出量算定に与える影響が僅少な拠点は除く)を対象とし、グループ全体でCO2排出量削減に取り組んでまいります。

 

指標

目標

実績(2022年度)

CO2排出量(スコープ1、2)

2030年度:46%削減(2013年度比)

2050年度:実質ゼロ

久光製薬グループ 34,452 t

 17.1%削減(2013年度比)

久光製薬単体 22,140 t

 30.6%削減(2013年度比)