2026年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

   当社グループは、臨床検査薬の製造・販売を主たる事業として、グローバルに事業活動を展開しています。事業活動において存在する様々なリスクに対応するため、当社グループではグループのリスク管理を体系的に定める「栄研グループ・リスク管理規程」を制定するとともに、全執行役を委員とする「リスク管理・コンプライアンス委員会」を設置することにより、リスクマネジメントしています。リスクマネジメントに関する取組は取締役会へ報告され、取締役会がその実効性を監督しています。

   有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

   なお、これらのほかにも現在及び将来において、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性のある様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクは当社グループのすべてのリスクではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)海外事業展開に係るもの

   グローバルに事業活動を展開していく中で、国・地域ごとの経済・景気の変化、パンデミックの発生や地政学的リスク等により、主力製品である便潜血検査用試薬に関して大腸がん検診のスクリーニングプログラムの遅延または実施の中断や中止などがあった場合や新製品の薬事承認の遅延があった場合、また、USAIDの閉鎖に伴うGlobal Fundの資金規模縮小により途上国の医療・試薬関連の需要の減少が長期化した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは海外営業部門が、販売代理店等を戦略パートナーとして国・地域毎の迅速な情報収集・共有に努めるとともに国際機関等との連携を図り、適時適切に対応してまいります。

 

(2)新製品・新技術・新規事業に係るもの

   当社グループは、医療ニーズ及び中長期的なビジョンに基づき新製品・新技術の企画・開発の強化及び新規事業の創出を図っております。しかし、研究開発の不確実性(遅延・中断や中止)により研究開発投資の回収が困難になった場合若しくはそれによる事業化機会の逸失または刻々と変化する市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかなかった場合や新規事業の計画の遅延や中断があった場合には、中長期的な事業計画が影響を受け、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは新技術・新領域を活用した事業ポートフォリオに基づき事業戦略を策定し、新市場及び新需要の創出に取り組むとともに、投資回収の基準を設定し、経営会議、取締役会等で進捗を評価し、適時適切に管理してまいります。

 

(3)医療制度・薬事規制等に係るもの

   当社グループは、国・地域ごとの薬事規制等に従い製品を販売しておりますが、各国の医療制度改革の動向により医療費抑制や薬事規制が強化された場合や大腸がん検診のスクリーニングプログラムの運用に変化があった場合、また、検査用試薬や医療機器への環境規制が強化された場合には、製品価格や製品の使用方法のほか、薬事申請や入札条件等が影響を受け、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは各国の医療制度や薬事規制、環境規制の動向の迅速な把握に努め、適時適切に対応してまいります。

 

(4)製品品質に係るもの

   当社グループは、品質マネジメントシステム(ISO13485認証、MDSAP認証)に基づく品質管理体制のもと製品の品質保証に取り組んでおります。しかし、万一主力製品群、高収益製品群に品質問題が発生し、長期間の製品供給ができなくなった場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは生産技術力の強化による品質の安定化と品質マネジメントシステムの適切な運用及び市場における製品の品質評価の調査・分析により品質のモニタリングと品質保証の強化に取り組んでおります。

 

(5)製品の安定供給に係るもの

   当社グループまたはサプライヤーが、大規模な地震、風水害等の自然災害や火災等の重大な事故、サイバー攻撃により甚大な被害を被った場合やパンデミックの発生または地政学的リスク等により、長期間の操業停止となった場合には、製品の供給維持ができなくなり、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは製品の安全在庫の確保とともに、重要な原材料の在庫量確保や複数社購買などによるリスク回避に努めるほか、事業継続マネジメントにより供給維持が図れるよう対応能力の継続的向上に取り組んでおります。なお、当社は、内閣官房国土強靭化推進室が進める国土強靭化貢献団体認証(レジリエンス認証)を取得しております。

 

(6)ITシステムに係るもの

   当社グループは、業務効率化のため各種ITシステムを導入し、ビジネスプロセスの改善に取り組んでおります。そのため、災害等によるシステム障害、サイバー攻撃による業務の阻害や社外への情報流出等が発生し長期間の対応が必要となった場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは適切な情報セキュリティ対策を構築するとともに、標的型攻撃メール対応やITリテラシー向上を目的とした全従業者向け教育訓練やサイバー攻撃の初動対応や事業継続マネジメントの訓練を定期的に実施しております。

 

(7)原材料価格・エネルギー価格の高騰等に係るもの

   当社グループの製品に使用する原材料の価格は、国・地域ごとの経済情勢の変化、パンデミックの発生や地政学的リスク等に伴う市場価格、輸送コスト、為替等の変化によって変動します。当該価格がこれらの原因等により高騰した場合やアメリカ・イラン戦争が長引き、エネルギー価格が高止まりした場合には、当該製品の原価が上昇し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは製品ポートフォリオの区分に基づき経営資源の配分を行い、また、経営会議にてモニタリングを行い、継続的な生産効率化による製造原価の低減や収益性の向上を図ってまいります。

 

(8)棚卸資産の評価

   当社グループは、2026年3月期連結貸借対照表において棚卸資産として7,992百万円を計上しており、総資産に対する比率は12.8%となっております。急激な需給バランスの悪化等により製商品市況が著しく下落した場合には、棚卸資産の評価減により、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

   このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、DXの推進により需給予測の精度を高めることにより生産計画の精緻化を図るとともに、販売金額等に基づき品目をグルーピングし、グループごとに安全在庫及び発注・生産条件を設定しております。これにより、製品の重要度や市場への影響度に応じた在庫コントロールを実現し、過剰在庫等が発生するリスクの軽減を図っております。また、棚卸資産回転率を資本効率性の指標として定め適正水準の管理を行っております。

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、財務体質の強化と積極的な事業展開による持続的な企業価値の向上を経営目標に掲げるとともに、株主の皆様に対する継続的な利益還元を経営上の最重要施策の一つとして位置付けており、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。具体的には、上記方針を踏まえ総還元性向50%以上の配当を目標といたします。これらの剰余金の配当の決定機関については、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当等を行う。」旨定款に定めております。

当事業年度の期末配当金につきましては、1株当たり29円とさせていただきます。すでに2025年12月1日に1株当たり29円の中間配当金をお支払しておりますので、年間配当金といたしましては1株当たり58円となります。

次期の1株当たり配当金につきましては、普通配当金として、中間配当金29円、期末配当金29円を予定しております。内部留保につきましては、中長期的な視点にたって、経営基盤の強化を目指して研究開発や設備投資及び経営効率の向上のための投資等に有効活用してまいります。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2025年10月30日

取締役会決議

956

29

2026年5月12日

取締役会決議

956

29