2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

USSグループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてUSSグループが判断したものであります。

(公的規制等)

USSグループは、国内において、古物営業法、環境・リサイクル関連法等の法的規制の適用を受けております。USSグループにおきましては、法的手続きによる権利の保全にも万全を期しておりますが、将来において、現在予測し得ない法的規制が設けられる可能性があり、これらの法的規制に係る指摘を受けた場合、USSグループの事業活動が制限されるおそれがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(会員およびオークション参加の勧誘および確保について)

USSグループの事業にとって、新会員の勧誘、既存会員の確保、会員のオークション参加促進は重要な施策となります。しかし、下記の場合などには、これらの施策に支障が生じる可能性があります。

・ 競合他社がUSSグループの提供しないサービス、施設または便益を提供する場合

・ オークション会場での出品台数・成約率が競合他社と比べて低い場合

・ 役員および従業員の行為がUSSグループの評判に悪影響を与える場合

・ 大口出品業者が、何らかの理由で他の販路を選ぶ場合

(出品車両の調達について)

オートオークション事業はオークション出品車両の調達に大きく依存しており、車両の供給が不足する場合には、最適な規模でのオークション開催ができない可能性があります。

現状、出品車両の調達は大口出品業者にある程度依存しており、USSグループはこれらの業者の参加促進のために、手数料の大口割引制度を実施しています。将来USSグループが手数料などの条件を変更した場合には、これらの大口出品業者等の出品台数に影響を与える可能性があります。また、今後とも必要な出品台数を確保できるという保証はなく、これが事業および経営成績に影響を与える可能性があります。

(成約率の低下について)

USSグループは、過去において成約率(オークション出品車両のうち売買契約が締結された割合)の低下を経験しています。成約率の低下は、出品台数に影響を与える可能性があります。

(既存設備拡張の限界について)

USSグループの既存設備における事業拡張については、必要とする駐車スペースの確保等の面で能力に限界があります。駐車スペースの拡張には、土地の購入、賃借または立体駐車場の建設など、大規模な設備投資が必要となります。

(新しい施設に関連するリスクについて)

USSグループはオークション会場の新設ならびに同業者の買収により事業を拡大しておりますが、今後とも事業拡大のために、会場の新設、同業者の買収や提携を進める可能性があります。このような事業拡大には下記のようなリスクをともないます。

・ 新設や買収したオークション会場で十分な量の会員または出品車両を確保できない可能性があります。

・ 買収や合併に際しては、偶発債務もしくは簿外債務、経営上の問題、権利の瑕疵など、不確実な要因が残る場合があります。

・ 事業の拡張によって拡大、複雑化する組織を適切に監督するため、当社の経営負担は増大する可能性があります。

・ オークション会場の拡張や移転をするためには、当局による各種許認可を取得する必要があります。これらの許認可の取得に支障が生じた場合には、計画を遅延または中止しなくてはならない可能性があります。

 

(資産の減損)

企業買収などにより取得したのれんをはじめ、USSグループの保有する減損会計の対象となる資産について、将来キャッシュ・フローにより資産の帳簿価額を回収できないと判断される場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することになります。保有資産に係る将来キャッシュ・フローの見込みにより、減損損失を計上することとなった場合、USSグループの事業展開、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(市場全体の成長の限界について)

現在、日本における自動車流通市場は成熟しており、成長の余地は大きくはないものと考えられます。USSグループの事業は、オートオークションの利用者にとって有益な自動車流通システムを開発し、これを浸透させることが重要でありますが、USSグループが競合他社を凌ぎ、市場シェアを拡大することができない場合には、収益の減少、成長率の低下等に結びつく可能性があります。

これまでUSSグループは各営業地域のオークション会場において高いシェアを確保してきました。しかし、競合他社が積極的な事業の拡大を行ったり、合併や提携を進めた場合、これらの企業がUSSグループにとって対抗できない大規模な施設、サービス、その他便益を提供する可能性があります。一方、自動車メーカー等がその系列販売会社の流通網を活用し、新たな中古自動車の流通形態を構築したときには、強力な競争相手となり得ます。競争の激化はUSSグループの成長性、収益性に悪影響を与えかねません。またUSSグループが設定する手数料および各種料金は、常に競合他社よりも低水準であるという保証はありません。

(急激な技術革新について)

現車オークション、専用回線およびインターネットを通じたオークション情報提供に関しては、急激な技術革新と顧客の需要の変化が市場の特徴となっており、USSグループの将来の成功は、急激な技術革新、サービス競争の激化、需要レベルの高度化に対応していくことができるか否かによって決まります。しかしながらこれらの変化に順応できない場合、USSグループの事業、財政状態および業績は影響を受ける可能性があります。さらに競合するオークション会場が一層高度な電子商取引技術等を広範に取り入れた場合、USSグループはその対応のために相当な出費を余儀なくされる可能性があります。これらの出費はUSSグループの財源を圧迫し、事業計画の変更や、財政状態および業績に影響を与えるということもあり得ます。また、USSグループがこれらの技術を利用した競争力のあるサービスの提供を行うことができるという保証はありません。

(USSグループの集中管理について)

当社の連結対象子会社の管理業務全般は、当社統括本部にて集中管理をしており、データのバックアップをとるなどの対策を講じているものの、システムに何らかの支障が生じた場合には、業務に影響を与える可能性があります。

(会員情報の管理について)

USSグループのオークションは会員制オークションであり、会員の多くは中古自動車販売業を営んでおります。これらの会員の情報は、個人情報が含まれているため、個人情報保護方針に基づき厳正に管理をしておりますが、万一、漏洩した場合には、USSグループに対する信用の失墜につながり、業績に影響を与える可能性があります。

(自然災害、事故災害に関するリスクについて)

地震、台風、津波等の自然災害や火災等の事故災害が発生し、USSグループの拠点等が被災した場合、その一部または全部の操業が中断し、サービスの提供や販売ができなくなる可能性があります。また、被災した建物、設備等を復旧するために多額の費用が発生するおそれもあり、その結果、USSグループの事業、財政状態および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(パンデミックに関するリスクについて)

USSグループは、オークション会員や従業員の健康と安全確保を最優先とし、事業継続に必要な対策を講じてまいりますが、政府および地方自治体からの要請や指導等によっては、対面サービスをすべて休止し、インターネット等を活用した外部落札型オークションへ切り替える可能性や、オークション運営を休催または停止する可能性があります。

また、新車販売台数の低迷や、中古車輸出の仕向地における国境封鎖などによる中古車輸出台数の減少が国内のオークション取引を急激に縮小させる可能性があります。

併せて、USSグループのオークション会員が感染症の影響により財政状態が悪化し、その結果、事業継続が困難となった場合、安定的に推移していた取引の消失や債権の回収が困難となる可能性があります。

ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、記載した事項以外の予見しがたいリスクも存在します。

配当政策

3【配当政策】

 当社は、適正な利益を確保してこれを株主の皆様に還元することを経営上の最重要政策の一つとして考えており、これまでも安定的な配当の継続を基本にしつつ、業績の推移や財務状況を勘案し、増配あるいは株式分割を実施してまいりました。
 当期は利益配当金を年間7円90銭増配し、年間配当金を1株当たり75円40銭とし、連結ベースの配当性向は55.1%となりました。
 利益配分につきましては、安定的な配当の維持および適正な利益還元の観点から、業績に連動した配当政策として連結配当性向を指標に用いており、現在は連結配当性向55%以上を配当に関する基本方針としております。
 なお、当社は、取締役会決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めております。したがって、当社の剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本方針としております。
 配当の決定機関につきましては、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
 内部留保資金につきましては、事業基盤の強化・拡大のための設備投資、財務体質の強化のための原資として活用させていただく所存であります。

 当期を基準日とする剰余金の配当の取締役会または株主総会の決議年月日は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たりの配当額(円)

2023年11月7日

取締役会決議

8,328

34.70

2024年6月25日

株主総会決議

9,787

40.70