2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    510名(単体) 625名(連結)
  • 平均年齢
    40.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    11.0年(単体)
  • 平均年収
    7,492,031円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数

システム開発・販売

392

リカーリング

161

(997名)

全社(共通)

72

合計

625

(997名)

 

(注) 1.従業員数は、他社から当社グループへの出向者を含む就業人員数です。

2.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に年間平均人員数を外数で記載しております。
なお、臨時従業員はパートタイマーの人数です。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業分野に区分できない部門に所属しているものです。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与

510

40歳 2ヶ月

11年 10ヶ月

7,492,031

 

 

セグメントの名称

従業員数

システム開発・販売

332

リカーリング

106

(322名)

全社(共通)

72

合計

510

(322名)

 

(注) 1.従業員数は、他社から当社への出向者を含む就業人員数です。

2.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に年間平均人員数を外数で記載しております。
なお、臨時従業員はパートタイマーの人数です。

3.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業分野に区分できない部門に所属しているものです。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

 

 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に占める
 女性労働者の割合
 (注1)

男性労働者の
育児休業取得率
 (注2)

労働者の男女の賃金の差異(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・ 有期労働者

8.4

100.0

36.0

63.8

57.3

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

 

<男女の賃金差異についての補足説明>

①2024年10月以前の当社において、BPO業務に従事する女性パート・有期労働者が全労働者数の約31%を占めていることが要因です。また、週に1日~4日勤務のパート社員が多く在籍していることも全労働者の賃金差異の大きさに影響しています(労働時間による人員換算は行っておりません)。

正規雇用労働者における男女の平均継続勤務年数の差異(男性12.8年、女性7.9年)や、男性社員の残業時間が女性よりも多いことが正規雇用労働者の男女賃金差異の重要な要素となっております。残業時間は男女問わず減らしていくKPIを掲げており、また、育児休暇制度やカムバック制度の整備により、女性がより長く勤務できる体制を強化しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループでは、サステナビリティを巡る課題への対応を重要な経営課題であると認識し、事業を通じて社会課題の解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献することが、当社グループの企業価値の向上につながると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)アイティフォーグループのサステナビリティ全般

① 基本方針

当社は2021年12月に、「地方創生による社会貢献を通してすべての人や企業にサプライズを提供し、持続可能な未来の発展に貢献します」というパーパスのもと、当社ビジネスの主要基盤でもある「地方」や「地域」にフォーカスしたサステナビリティ方針を策定し、持続可能な地域社会の実現に向けて社会的な責任を果たしていくことを発表しました。


当社のサービスは社会の多くの場所で活用されています。それは、決済端末のように社会の人々の目につきやすい製品だけでなく、当社のサービスであると認識されづらい場面においてもさまざまなサービスが活躍しています。それらは、出生、入園、入学から卒業、就職、結婚、出産、そしてセカンドライフなど、人々のあらゆるライフステージを支えています。当社のサービスが社会の皆様に驚きや感動、笑顔を生み出し、地域社会づくりに貢献することで、地球環境や経済システム、社会の発展に貢献し、持続可能な未来を実現することを目指しています。

 

② ガバナンス

当社は、社会の大きな変化やニーズの変化に対応した迅速かつ柔軟な事業展開を目指し、強固なガバナンスの構築に取り組んでいます。

2021年に発表した第3次中期経営計画の基本方針の1つ「ESG経営の進化」に則り、代表取締役社長自らがサステナビリティ委員長を、そして4名の取締役が副委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置、そして2022年12月からは、重要課題に特化した「地方創生推進委員会」「人財推進委員会」「環境推進委員会」の3つの推進委員会を設置し、3名の取締役を推進委員長に任命、委員会メンバーには、各事業部からさまざまな等級の従業員が参画しているだけでなく、メンバー内の女性比率は約3割と、ダイバーシティにも配慮しながら活動に取り組んでおります。これにより、当社の重要課題に対し迅速かつ企業の総合力を発揮し対応することで、サステナビリティの取り組みを拡大・進化させております。

また当社は、グループ全体でサステナビリティを含めた事業活動に取り組み、企業価値向上を図るため、定期的にグループ会社トップによる「ITFORグループ経営会議」を開催しています。当会議は半期に1度開催し、主要テーマに合わせて各社代表によるディスカッションを実施することでグループガバナンスを強化しグループ経営を進めることでシナジーを生み出し、持続的な企業価値向上に努めています。2024年度は6月と11月の2回開催しました。6月は第4次中期経営計画説明、およびグループシナジーを生み出すための取り組み内容の討議、11月は新たなグループ会社の紹介、法令順守に向けたグループ規程の必要性を中心に討議しました。次回は2025年7月に開催予定となります。

なおサステナビリティ委員会の活動を半期に1度取締役会に報告することで、進捗状況の報告のみならず必要に応じて指示を受けることができ、より継続的、有効かつ円滑な取り組みを実現することを可能にしています。取締役会で受けた指示内容は、サステナビリティ委員会を通して円滑に各本部ほかグループ会社に展開し、シームレスに取り組めるようにしています。

 


 <サステナビリティ委員会メンバー構成>

委員長    代表取締役社長

副委員長   代表取締役専務執行役員 技術開発本部長

       取締役常務執行役員 事業本部長

       取締役執行役員 管理本部長

       取締役執行役員 決済ビジネス事業部長

メンバー   技術本部所属社員8名(うち女性2名)

       事業本部所属社員10名(うち女性0名)

       管理本部所属社員6名(うち女性5名)

 

 

③ ESGを考慮したマテリアリティと具体的な取組戦略

当社は、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の視点を取り入れさまざまな角度から検討し、サステナビリティ上のマテリアリティ(重要課題)を5つに特定しました。

 

<5つのマテリアリティと具体的な取り組みの説明>

ESG区分

マテリアリティ

説明

取組概要

環境負荷の低減

温室効果ガス排出量削減に関して、自社での取り組みを促進するだけでなく、お客様の取り組みに対しご支援できるソリューションを提供します。

・気候変動リスクに対する活動の推進

「地方創生」による

社会貢献

事業活動を通じたソリューションを含むオープンイノベーションを活用することで、都市部と地方の格差を是正し、地方経済の活性化を目指します。

・オープンイノベーションによる地方活性化

・地方雇用活性化ソリューションの提供

DX推進による生産性向上、付加価値向上

常に新しく進化するITを活用して団体・企業の生産性向上を支援するとともに、やりがいを持って働くことができる環境構築を支援します。

・新技術を活用した社会インフラの構築、提供

・DXによるディーセント・ワーク推進

人財の深化

多様な価値観・バックグラウンドが尊重され、一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう、人財の活躍推進と育成に取り組むとともに、働きがいのある未来志向の職場環境を創造します。

・人権の尊重

・多様な人財の活動推進と育成

・働きがいのある職場環境の提供

・労働安全衛生・健康経営の継続的な推進

経営基盤の強化
 (経営基盤の強化、

社内インフラの強化)

コンプライアンス経営やリスクマネジメント体制、コーポレートガバナンス体制の強化などの「経営基盤の強化」と、社内DX化促進などの「社内インフラの強化」を推進します。

・経営基盤の強化

・コンプライアンス経営の強化

・リスクマネジメント体制の強化

・コーポレート・ガバナンスの強化

・社内インフラの強化

・社内DX化の推進

・セキュリティ強化

 

上記のうち「環境負荷の低減」と「人財の深化」は、「気候変動」項目と「人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針」項目に関連して、(2)および(3)に別途詳細を記載しています。

 

④ サステナビリティにおけるリスク管理

当社は、リスク管理全体を統括する組織として、社長を委員長、他の取締役4名を構成員とするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しており、情報セキュリティ、環境、労働衛生、製品品質、安全などのリスクの重要度を評価、分析のうえモニタリングしております。また当社および子会社の有事においては社長を本部長とする緊急対策本部が統括して危機管理にあたることとしています。

その中でサステナビリティにおけるリスク管理については、地方創生・人財・環境の各推進委員会が協議した内容をサステナビリティ委員会に報告します。サステナビリティ委員会はリスクの重要度を評価し、リスクが最小となる対応策を協議します。協議結果はコンプライアンス・リスク管理委員会に報告され、必要に応じて社内の関係部署に対応を指示するとともに、最終的に取締役会に報告します。

 

 

(2)気候変動

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスはアイティフォーのサステナビリティ全般についてのガバナンスに組み込まれています。(1)アイティフォーグループのサステナビリティ全般②ガバナンスをご参照ください。

 

② 戦略

気候変動への対応を中長期的な企業価値に影響を与える重要な課題と認識しております。環境推進委員会は、気候変動に関するリスクと機会の分析を行い、その影響の調査に取り組んでいます。移行リスクのうち政策・法規制リスク、市場リスクおよび物理的リスクのうち急性リスクは2℃未満シナリオと4℃シナリオを用い、2050年までを考慮したシナリオ分析を実施しています。その結果、重大な影響はないと予測いたしました。

 

※IPCC第5次報告書におけるRCP2.6/RCP4.5/RCP8.5を使用

 

③ リスク管理

事業部および環境推進委員会でリスクの列挙と分析、重要度の評価を行っています。今後、事業インパクトの評価、対応の定義を行う態勢を整えます。

 

④ 指標と目標

 現金の「発行」「輸送」「管理」に要するCO2排出量の削減が見込まれる、地方公共団体、地方企業のキャッシュレス化推進など、事業活動からの温室効果ガス排出削減、事業活動を通じた気候変動対応の推進の両面から取り組みを進め、社会的責任を果たすとともに、地域社会との協働の機会を創出することを目指しています。

 

SCOPE1およびSCOPE2排出量

2024年3月期実績 716.277t-CO2(グループ全体)

SCOPE3(カテゴリ1、2、4、5、6、7)排出量

2024年3月期実績 17,462.705t-CO2(アイティフォー単体)

 

 

(3) 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針

① 人的資本経営に関する取り組み方針

当社は、「『寄り添うチカラ』で人々の感動と笑顔を生み出す」という経営理念を実現するために、その原動力となる従業員の一人ひとりに寄り添うことで、従業員が活き活きと働き、持てる能力を最大限発揮できる環境づくりを目指しています。

 

② 人財戦略

当社の人的資本経営は、人財の確保や育成に関連する取り組みの一つひとつが、最終的には経営の目指す目標(ROICの向上、第4次中期経営計画最終年度である2026年度は15%に対して2024年度実績14.81%)につながっていくイメージを見える化し、各施策に関係する従業員全員が最終ゴールを意識した活動をすることで、施策の実施効果を最大限上げていくことを狙いとしています。


 

各施策はKPIの設定とモニタリングにより定点観測を行います。KPIについても、企業間比較が可能な指標に当社の独自指標も加え、また、目標を達成するためのマイルストーンとしてのKPIと、当社として常に維持すべき絶対水準を示したモニタリング指標としてのKPIとに分けて管理することにより、目指すべき目標の明確化を図っています。

 

A 社内人財の教育・育成

当社は経営理念・パーパスの具現化に向けHRバリューを主体的に実践できる人財を創出するため、「一人ひとりの主体的な自己研鑽の取り組みをベースに会社は個人の意欲・能力に応じて能力を発揮する場や成長のための機会を提供する」という育成方針に基づき従業員の教育・育成に努めています。経営理念・パーパス具現化のために必要な共通能力は当社の従業員として領域を問わず高めていく能力であることから階層別研修に落とし込んで推進しています。今後においては共通能力向上の補完や一般ビジネススキル向上およびリスキリングのための学習機会の提供として選択型研修やeラーニングを展開、また従業員のキャリア自律の観点から各年代のキャリアに応じた自己成長と組織貢献の両立を促進するために年代別キャリア研修を導入し人財育成体系を進化させていきます。

一方で、近年は新卒採用を強化しており、エンジニア領域では2025年度は33名が入社、2026年度においては60名の採用を計画しており、早期戦力化のため新人エンジニア研修には平均して1,000時間以上の学習時間(研修期間約7ヵ月)を確保しています。その他、従業員の就業時間の5%を自己研鑽の時間に充てる施策を展開するなど、従業員のキャリアアップやスキルアップを積極的に支援しています。

 

当社はこうした教育や育成を通して「自ら学び続ける文化をつくる」ことを目指しており、それが最終的には仕事の高い遂行能力を有する人財の育成につながるとの思いから、KPIでは「納期遅延の極小化」や「見積精度の精緻化」に関連する指標もモニターしております。プロジェクト納期遅延の極小化に関しては、2024年度は前年よりも0.13ポイント、納期遅延の割合を減らすことができました。一方で、プロジェクトの見積精度に関しては、2024年度の実績において、目標値を3.3ポイント上回る88.3%を達成した前年と比較して、品質や納期を重視して、コスト超過となるプロジェクトが多かったことなどにより、25.8ポイントマイナスの62.5%でした。今後は見積精度の向上を図る為、過去のプロジェクトの振り返りにて見積ミスがあったものについては、原因分析・対策を徹底して、改善に取り組んでまいります。

また、資格取得者の割合について、PMP取得者数は順調に増加しており、2024年度は目標値の20%を3ポイント上回る23.0%を達成しました。そして情報処理技術者国家試験資格取得者の割合も増加しており、前年よりも6.9ポイント増加の78.7%となり、目標値80%達成まであと一歩という状況です。

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考※3

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

PMP取得者数(%)

(対象:技術開発本部)

17.3

20.9

23.0

20.0

[比較可能]

[モニタリング]

情報処理技術者国家試験資格取得者(※1)(%)

(対象:技術開発本部)

75.3

71.8

78.7

80.0

[比較可能]

[モニタリング]

当社都合によるプロジェクト納期遅延の極小化(%)

0.52

0.74

0.61

0.50

[独自]

[モニタリング]

プロジェクトの見積精度(※2)(%)

83.6

88.3

62.5

85.0

[独自]

[モニタリング]

 

※1 情報処理推進機構主催のもの。

※2 全プロジェクト件数のうち、見積誤差が10%未満となるISO9001管理対象プロジェクトの割合を85%以上に保つ。

※3 [比較可能]は企業間比較が可能な指標であり、[独自]は当社の独自の取り組みとして作成した指標。

   [マイルストーン]は年ごとの進捗を迫っていく指標であり、[モニタリング]は維持すべき絶対水準。以下同様。

 

B 経験者採用の積極化

当社は新卒者の採用や育成に力を入れる一方で、第4中期経営計画の事業戦略達成に向けた最適な人財ポートフォリオ構築のため経験豊かな即戦力人財を積極的に採用しています。エンジニア領域においては2024年度から2026年度の3年間で45名の採用を計画しており、2024年度では13名のプロフェッショナル人財を採用することができました。しかしながら、エンジニア市場の競争は激しさを増すばかりですが、人事領域の重点課題の一つとして優秀な人財を確保するためにリソースを割きながら様々な施策を積極的に展開していきます。また経験者採用の次なるステージとして、事業ポートフォリオ拡大に向けた新規事業展開を見据えた人財の採用に取り組んでいきます。

なお、2023年4月から導入しました当社を中途退職した元従業員の再雇用制度である「カムバック・アルムナイ制度(※)」では、この制度を利用して2023年度は4名、2024年度は7名と既に11名の従業員が再入社し即戦力として活躍していただいております。

 

※「カムバック・アルムナイ制度」: 出産、介護や配偶者の転勤などの理由により、または自身のキャリアアップなどのために当社を中途退職した元社員(アルムナイ)の再雇用制度。退職前の当社での勤続期間や離職期間は不問。

 

 

C 女性活躍推進

当社は女性の採用も積極的に進めており、新卒採用における女性比率も30%以上を目標に取り組んでいるほか、これまでも上記の「カムバック・アルムナイ制度」の導入や時短勤務、テレワークにより、結婚や出産などを契機に一旦は退職をした女性もライフステージに合わせて活躍できるよう職場環境の整備を行ってきました。そして2024年度は意識醸成の啓発活動として「女性リーダーとしてのキャリア形成とリーダーシップ」「キャリアとの両立の秘訣」「職場での女性の役割とその影響力」をテーマに当社女性社外取締役と従業員との対話を実施しました。

今後の方向性としては、出産・育児に直面する従業員を支援する制度の整備・拡充とともに、キャリア形成やライフイベントを乗り越える従業員の支援に取り組んでいきます。具体的には上司・部下による定期的な1on1(対話)による個別キャリア計画の策定と実行を通じて自律的なキャリア形成に向けた支援策を展開していきます。当社の業務は、男女の格差なく平等に活躍の機会があることから、これらの取り組みにより社内のロールモデルとなる女性従業員の数を更に増やすことにより、将来の管理職候補のすそ野拡大に努めて、最終的には全従業員を対象とした展開へと発展させ、誰もが等しくキャリアを描ける世界を実現したいと考えております。

なお2024年度の実績においては、いずれの指標についても前年と比較して順調に伸びており、引き続き、2025年の目標達成を目指します。

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

女性従業員割合(%)

18.0

20.2

22.0

25.0

[比較可能]

[マイルストーン]

女性管理職比率(%)

4.3

6.7

8.4

9.0

[比較可能]

[マイルストーン]

採用した労働者に占める女性労働者の割合(%)

26.0

29.8

28.1

35.0

[比較可能]

[マイルストーン]

 

 

 

D シニア人材の活躍

当社はこれまで、定年年齢を60歳と定め、本人の希望に応じて継続雇用を行うことで、従業員の多様なニーズに対応してきました。しかしながら労働市場が縮小し高年齢者の活躍促進が求められる中、さらなる事業強化と10年ビジョンである FY2033構想「HIGH FIVE 2033」の実現に向け、正社員の定年年齢を65歳へと引き上げ、2025年度より65歳定年制度の運用を開始しました。これにより60歳以降もいきいきと安心して働ける環境の整備と、貢献に見合う処遇の実現を通じて、人財の定着と更なる戦力化を図ってまいります。制度移行にあたっては、2029年度までの暫定措置として、本人の希望により60歳以降の退職時期を選択できる「選択定年制度」を併用、また定年延長に伴い役職定年制度および賃金体系の見直しも併せて実施いたしました。

今後においても、高齢化社会における企業の責任として、65歳以降の就労環境の整備を進め、持続可能な雇用体系構築に向けた取り組みを強化していきます。

 

グループ会社を含めた社員ピラミッド(正社員ベースと正社員+非正社員ベース)


 

 

 

E 労働環境の改善

近年、物価上昇やライフスタイルの多様化が進む中、企業には従業員一人ひとりの生活基盤の安定と、働きがいのある労働環境の整備がより一層求められています。また、人的資本経営への注目が高まる中、従業員への継続的な投資は、企業の持続的な成長と競争力強化の鍵といえます。当社ではこうした社会的背景を踏まえ、「人への投資」を中長期的な経営の柱のひとつと位置づけ、賃金制度の見直しや処遇の改善を積極的に進めてまいりました。

2024年度においては、3年連続となるベアを実施しました。今回のベアは、1万2千円の月額賃金増(一部雇用区分除く)となり、従来の定期昇給と合わせると、従業員平均で5.35%の賃上げとなります。特に若年層が多い一般社員においては、定期昇給と合わせて6.39%の昇給となりました。さらには企業の成長と従業員の成果を連動させる仕組みとして、当社従業員向けに株式報酬制度を導入し、従業員の中長期的な貢献に報いるとともに、エンゲージメントの向上と企業価値の共創を目指していきます。

また、メリハリのあるワークライフバランス実現のために、有給休暇取得に全社一丸となって取り組んでいます。当社の有休取得率は、2020年度までは毎年60%前後でしたが、有給休暇の取得を促すための諸施策(「アニバーサリー休暇」(自分の誕生日や記念日(My誕生日・My記念日)の属する月の有給休暇取得社員への奨励金支給)、「+1(プラスワン)休暇」(飛び石連休の谷間の日や土日祝日を含んだ3連休の前後に休暇を取得した従業員への奨励金支給))を活用して、2022年度以降の有休取得率は80%以上まで上昇しました。2024年度においては、マネジメント職の有休取得率向上と心身のリフレッシュによる生産性向上、上司の不在時に部下もしくは組織のメンバーがその役割を代行することによりマネジメントスキル育成や緊急時の対応力強化により組織全体の成長を促すことを目的としてマネジメント職の連続休暇取得促進について取り組み、取得率向上に寄与しました。引き続きこの高水準を維持しつつ、新たな施策も講じながら有休取得率85%という目標達成に向けて取り組んでまいります。

同じく、平均残業時間については、2024年度は前年と同様の14時間という結果でしたが、管理者への啓蒙や従業員一人ひとりの意識改革や業務改善による業務効率化、従業員間の労働時間の平準化、勤怠システム機能の活用等を展開し、平均残業時間10時間という目標達成に向けて取り組みを強化してまいります。

また、男性の育児休業の取得促進については、男性育児休業取得ガイドブックを作成し、その対象となるすべての男性従業員に対して個別に法改正や制度内容および社内事例等を丁寧に説明し、取得に向けた相談やフォローをきめ細やかに対応したことにより、2024年度の実績では前年を大きく上回る100%を達成することができました。

これらの成果が評価につながり、「ハタラクエール2025」(※)にて、福利厚生の充実・活用に力を入れている企業「福利厚生推進法人」(愛称「ハタラクエール」法人)として2年連続で認証されました。

 

※ハタラクエール(福利厚生表彰・認証制度):福利厚生の一層の普及・発展を目的に、優れた福利厚生を実施

 する法人、およびこれから福利厚生の充実を図ろうとする意欲ある法人に対する民間の表彰・認証制度。

 年に1回福利厚生の充実・活用に力を入れる企業・団体・自治体を表彰。

  ・公式サイト:https://fukurikosei-hyosyo.com/

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

平均残業時間(時間)

17

15

14

10

[比較可能]

[モニタリング]

有給休暇取得率(%)

83.4

81.4

82.4

85.0

[比較可能]

[モニタリング]

男性の育児休業取得率(%)

44.4

62.5

100

50.0

[比較可能]

[マイルストーン]

 

 

 

 

F 社員の心身および社会的健康の向上

当社は従業員が心身ともに健康で活き活きと働き、エンゲージメントの高い従業員が増えることで、組織全体の活性化や会社の持続的な成長、企業価値の向上につながると考えています。当社の健康経営の取り組みとしては、その基となる健康診断やストレスチェックにおいては受けただけでは終わらない仕組みづくりに取り組んでいます。まずは受診・受検率を高めることで、従業員の健康リスクを早期に把握し必要な対策を取り、さらには診断結果を活用したフォローアップを充実することで、健康管理の意識が高まり生活習慣の改善につながります。2024年度の実施状況については健康診断の受診は目標達成、ストレスチェックの受検は目標には届きませんでしたが96%と前年より5ポイント向上しました。次の取り組みとしては、健康診断二次検診の受診率の向上および健康保険組合との連携による特定保健指導による支援の展開、ストレスチェックにおいても従業員サーベイとリンクさせ会社全体および部門単位での職場環境改善のPDCAをまわしていきます。その他ではメンタルヘルスケアにおけるカウンセリングの質の向上に向けた相談窓口の強化や健康リテラシー(睡眠・栄養・運動・禁煙・飲酒)の向上に向けた諸施策の展開に取り組んでいきます。

一方で、従業員が毎日働く職場を快適な場とすることも重要であると考え、2022年度には本社入居ビルの最上階(12階)のレイアウトを変更し、日々多くの従業員が12階を活用し、新たなイノベーションを生み出す対話が活発に行われるようになっています。2023年度は所沢事業所に展開、2024年3月には九州事業所の移転を機にコンセプトを水平展開したレイアウト変更を行いました。今後も、本社入居ビルの他のフロアや本社以外の事業所の内装工事や増改築などを通じて、全従業員が働きやすく、新たな発想を生み出せる職場環境を目指していきます。

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

ストレステスト受検率(%)

84.0

91.0

96.6

100.0

[比較可能]

[モニタリング]

健康診断受診率(%)

89.0

92.4

100.0

100.0

[比較可能]

[モニタリング]

 

 

G ダイバーシティ/インクルージョンの強化

当社はITによる新たなイノベーションを起こすためには、多様な人財が多様な働き方をすることにより、従業員同士で刺激を与えあう環境が不可欠だと考えています。その一環として上記の通り「経験者採用の積極化」「女性活躍推進」「シニア人材の活躍」「男性の育児休業の取得促進」に取り組んでいます。その他にも「障がい者雇用の促進」においては、法定雇用率2.5%に対して実績4.06%と法定を大きく上回っている状況です。

また、新たな取組みとして、2025年4月より、多様な価値観の尊重、従業員の自律心の向上、新たな価値創造を目的に、年間を通じて各自の判断でTPOをわきまえ、仕事に適した服装を自由に選択し勤務する「セルフビズ」を導入しました。今後においても進化を止めず、柔軟で働きやすい環境を推進し、従業員の主体性を尊重した組織文化を醸成していくとともに、さらなる職場環境の向上に努めていきます。

一方で、ダイバーシティに加えその両輪の片方であるインクルージョンの強化、会社全体としての一体感や連帯感の醸成も必須であると考えています。これまで、新型コロナウイルスの影響により控えていた社内イベントも再開し、2023年度、2024年度と2年連続で社員旅行を実施しました。国内、海外含む10以上の多彩な旅行先を自由に選択できるプランが大変好評で、400名以上が参加し、従業員同士の交流を深めました。このような活動を通して、継続的に従業員のエンゲージメントを高めていきます。


 

H 離職率改善

当社における離職率について以前は6~7%台で推移していましたが、2024年度の実績では3.4%(グループ会社や関連会社への転籍に伴う退職を除く離職率)となり年々離職は低下しています。近年当社では、新卒採用を大きく増やしており、若年層の離職率を増加させないことが課題のひとつであると認識しており、最近の特に若年層の仕事に対する価値観の変化や終身雇用制度のあり方の変化なども相まって、若年層従業員が同一企業で働く割合は年々低下傾向にあります。それに対して当社は、若年層の早期戦力化はもちろんのこと不安解消の場として若年層の研修プログラムを増やし、かつ対面にて実施することにより同期同士のコミュニケーション機会を創出するとともに人事部との接触回数を増やし相談しやすい環境を整備したことにより、2023、2024年入社の退職者はゼロを継続しております。また経験者採用においても入社6ヵ月間で2回のオンボーディングとフォローの実施により離職率逓減につながっております。

IT業界における採用市場は年々厳しくなっておりエンジニアの売り手市場が続いていることから、引き続き従業員の定着率向上に向け、離職防止策のPDCAをまわすとともに新たな施策の実施はもちろんのこと、上記の施策A~Gにしっかり取り組んでいくことが重要であるという認識から、引き続きこの指標を維持・低減が図れるよう愚直に取り組んでまいります。

 

 <指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

自発的な離職率(%)

5.8

5.0

3.4

6.0

[比較可能]

[モニタリング]