ストーリー・沿革
サマリ
デクセリアルズは、ソニーケミカル時代から培った電子部品・機能性材料の技術を基盤に、異方性導電膜(ACF)、光学弾性樹脂(SVR)、反射防止フィルム(ARF)、表面実装型ヒューズなどで圧倒的シェアを持つ高機能材料メーカーです。業界トップクラスのブランドメーカーと技術ロードマップを共有し、「デザイン・イン/スペック・イン」により代替困難なシングルソース製品を創出する独自のビジネスモデルが強みです。パーパス「Empower Evolution. つなごう、テクノロジーの進化を。」のもと、フォトニクス事業と自動車事業を成長エンジンに、AI・デジタル化・モビリティ変革を支える素材・デバイスで長期的な価値創造を目指しています。
過去
現在
未来
目指す経営指標
・同期間に、成長領域(フォトニクス事業・自動車事業など)の売上比率30%を目指す。
・EPS208円、ROIC14%程度、ROE25%程度をターゲットとし、資本効率の高い成長を図る。
・中計5年間累計で総還元性向60%めど、配当性向40%めど、DOE7%以上を掲げ、成長投資と株主還元の両立を図る。
・中計5年間累計3,050億円のキャピタル・アロケーションを計画し、そのうち約1,300億円を成長投資、さらに500億円の追加投資枠を確保して、異方性導電膜(ACF)の新工場建設やフォトニクス
・自動車など成長領域への優先投資を進める。
トップメッセージの要約
シングルソース製品
デザイン・イン/スペック・イン
フォトニクス事業と自動車事業
バックキャスト
用語解説
微小な導電粒子を均一に含んだフィルム状の接続材料で、加熱・加圧すると粒子が上下方向(厚み方向)だけ電気を通し、左右には電流が流れにくい特性を持ちます。液晶パネルやタッチパネルと基板など、微細な電極同士を高密度に接続しつつ、隣り合う回路のショートを防ぐために使われます。デクセリアルズは粒子を整列させたタイプなどで高い競争力を持っています。
■光学弾性樹脂(SVR)
ディスプレイパネルとカバーガラスの間の隙間を埋めるために使う透明な樹脂で、デクセリアルズの製品ブランドがSVRです。空気層をなくし、光をまっすぐ通すことで画面の反射やにじみを抑え、屋外でも見やすい表示を実現します。また、衝撃を吸収して割れにくくしたり、曲面ディスプレイなど複雑な形状にも対応しやすくする役割もあります。
■反射防止フィルム(ARF)
ディスプレイ表面に貼ることで、外光の映り込みやまぶしさを抑えるフィルムです。光の反射をコントロールすることで、文字や映像がくっきりと見えやすくなり、車載ディスプレイなどではドライバーの視認性向上や安全性にもつながります。デクセリアルズは高い反射防止性能と耐久性を両立させた製品を展開しています。
■精密接合用樹脂
ディスプレイモジュールなどの部品同士を、非常に薄いクリアランスで正確に貼り合わせるための接着樹脂です。硬さや粘度、硬化後の寸法変化を細かく制御することで、段差の少ないフラットな外観を保ちつつ、振動や熱変化にも耐えられるよう設計されています。大型化・高精細化が進むディスプレイ分野で採用が広がっています。
■表面実装型ヒューズ
プリント基板の上に直接実装するタイプのヒューズ(過電流保護部品)で、電流が一定値を超えると回路を遮断して機器を守る役割を持ちます。小型・薄型でも確実に保護動作を行えるように設計されており、バッテリーや電源系統など安全性が重視される回路に用いられます。デクセリアルズは高い信頼性と実装性を強みに展開しています。
■シングルソース製品
特定の用途や顧客の製品において、「その部材はデクセリアルズからしか調達していない」という状態になっている製品を指します。最終製品の仕様設計段階から入り込み、他社では代替しにくい性能や品質を実現することで、結果的に唯一のサプライヤーとして選ばれ続けているのが特徴です。この状態が、同社の収益性と事業の安定性を高める要因になっています。
■デザイン・イン
最終製品の企画・設計のごく早い段階から、顧客と一緒に最適な材料や構造を考え、自社の部材を組み込んだソリューションとして提案するスタイルを指します。デクセリアルズは、業界トップクラスのブランドメーカーと技術ロードマップを共有しながら、「この機能を実現するにはどんな部材が必要か」をコンセプト段階から議論し、製品化まで伴走することを重視しています。
■スペック・イン
顧客の製品仕様書に、特定の部材として正式に採用・記載されることを意味します。たとえば「ディスプレイ接続用材料はデクセリアルズ製の○○を使用」とスペックに書き込まれるイメージです。一度スペック・インされると、量産時に他社製品へ切り替えるハードルが高くなり、長期にわたり安定的な出荷が期待できます。デザイン・インの結果としてスペック・インにつなげるのが同社の基本モデルです。
■パーパス「Empower Evolution. つなごう、テクノロジーの進化を。」
デクセリアルズグループが自らの存在意義として掲げる言葉で、「技術と人財を磨き、世界に新しい価値となる製品・ソリューションを提供することで、テクノロジーの進化と社会の進化を後押しする」という意思を表しています。単に部材を供給するのではなく、顧客や社会の課題に真摯に向き合い、その解決を通じて未来の姿を形にしていくという姿勢を示したフレーズです。
■フォトニクス事業
光を使って信号を伝えたり、電気信号と光信号を変換したりする「フォトニクス」技術を軸に展開する事業領域です。IoTやAIの進展で急増するデータを、高速かつ省エネルギーでやり取りするために欠かせない光半導体や光デバイスをターゲットにしています。デクセリアルズは、データセンター向けなどのデータ通信分野を中心に、AI時代のインフラを支える成長事業として位置づけています。
■デクセリアルズ フォトニクス ソリューションズ株式会社
光半導体に強みを持つ株式会社京都セミコンダクターを買収し、グループに迎えたうえで改称した子会社です。フォトニクス事業における「光半導体」というミッシング・パーツを補う役割を担い、光センサーや光通信用デバイスなどの技術・製品を通じて、グループ全体のフォトニクス領域での競争力を高めています。
■バックキャスト
「今あるものから何ができるか」ではなく、「将来こうありたい」というゴールを先に描き、そこから逆算して必要な技術や人財、投資を考えるアプローチです。デクセリアルズでは、2030年に目指す事業ポートフォリオや知財の姿を定め、その姿から逆算してどの技術を強化すべきか、どんな人材をどれだけ確保すべきかを検討する際に、このバックキャストの考え方を使っています。
■中期経営計画2028「進化の実現」
2028年度までを対象期間とするデクセリアルズの中期経営計画で、「進化の実現」というテーマのもと、事業ポートフォリオの拡大と変化に強い経営基盤の構築を進める方針を示したものです。フォトニクス事業と自動車事業を成長領域と位置づけ、技術と人財への投資、M&Aや設備投資、株主還元までを一体的にマネジメントしていくロードマップとして機能しています。
■J-ESOP(株式給付制度)
社員に自社株式を給付することで、社員一人ひとりが「働き手」と同時に「株主」の視点も持てるようにする仕組みです。デクセリアルズでは、一定期間ごとに国内の全社員を対象に株式を給付し、株価の動きと自分たちの仕事の成果を結びつけて考えてもらうことを狙いとしています。これにより、企業価値向上への当事者意識やオーナーシップを高めることを目指しています。
■次世代経営人材育成プログラム/変革リーダー輩出に向けたプログラム
将来の経営リーダー候補となる社員を選抜し、経営視点やグローバルな視野、事業を変革する力を高めるための社内教育プログラム群です。海外拠点のメンバーも含めて一緒に学ぶ場を設け、多様なバックグラウンドの人と議論しながら、戦略思考やリーダーシップを鍛える内容になっています。新家社長が大切にしてきた「チャレンジするカルチャー」を次世代につなぐことを目的とした取り組みです。
沿革
2【沿革】
当社(形式上の存続会社)の実質上の事業活動は、1962年3月に東京都品川区北品川にソニー㈱がプリント基板の国産化を目指し、回路基板用接着剤付き銅箔製品、工業用接着剤製品の製造・販売を目的として設立したソニーケミカル㈱に始まります。
従いまして、以下におきましては、当社の事業を2012年9月以前において行っておりました、旧デクセリアルズ㈱及び当社(形式上の存続会社)の沿革につきまして記載しております。
会社設立以後の企業グループに係る経緯は、次のとおりであります。
〈当社(形式上の存続会社)の沿革〉
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年月 |
事業の変遷 |
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2012年6月 |
㈱VGケミカル設立 |
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2012年9月 |
旧デクセリアルズ㈱の全株式を取得し、同社を完全子会社とする |
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2013年3月 |
旧デクセリアルズ㈱を吸収合併し、同日、デクセリアルズ㈱に商号変更 |
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2014年12月 |
障がい者雇用を推進することを目的として、デクセリアルズ希望㈱を設立 |
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2015年7月 |
東京証券取引所市場第一部に株式を上場 |
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2015年8月 |
栃木県下野市において新事業拠点として建屋と土地を取得 |
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2016年10月 |
栃木事業所(栃木県下野市)において生産を開始 |
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2020年10月 |
マイクロデバイス事業を手掛ける連結子会社Dexerials Precision Components㈱を設立 |
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2021年7月 |
本社を栃木県下野市に移転 |
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2022年3月 |
㈱京都セミコンダクターの株式を取得し、同社を連結子会社化 |
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2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行 |
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2024年4月 |
㈱京都セミコンダクターとDexerials Precision Components㈱を統合してフォトニクス事業を手掛ける連結子会社デクセリアルズフォトニクスソリューションズ㈱が操業開始 |
〈旧デクセリアルズ㈱(実質上の存続会社)の沿革〉
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年月 |
事業の変遷 |
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1962年3月 |
東京都品川区北品川にソニー㈱がプリント基板の国産化を目指し、回路基板用接着剤付き銅箔製品、工業用接着剤製品の製造・販売を目的としたソニーケミカル㈱を設立 |
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1963年1月 |
東京都大田区で羽田工場が操業開始 |
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1964年4月 |
羽田工場で回路基板用接着剤付き銅箔製品、接着剤の製造を開始 |
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1977年12月 |
異方性導電膜(ACF)を製造開始 |
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1987年7月 |
東京証券取引所第二部に上場 |
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1994年7月 |
リチウムイオン電池用2次保護素子(SCP)を製造開始 |
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2000年1月 |
ソニー㈱の構造改革により株式上場を廃止し、ソニー㈱の100%子会社化 |
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2002年1月 |
反射防止フィルムを製造開始 |
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2006年7月 |
ソニーケミカル㈱を存続会社としてソニー宮城㈱を吸収合併し、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス㈱に商号変更 |
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2007年4月 |
光学弾性樹脂(SVR)を製造開始 |
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2012年9月 |
ソニー㈱の事業ポートフォリオ改革の一環として、ケミカルプロダクツ関連事業を㈱日本政策投資銀行及びユニゾン・キャピタル㈱がアドバイザー等を務めるファンドが出資した㈱VGケミカルが買収し、㈱VGケミカルの完全子会社となり、旧デクセリアルズ㈱へ商号を変更 |
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2013年3月 |
㈱VGケミカルが旧デクセリアルズ㈱を吸収合併し、消滅会社となる |
関係会社
4【関係会社の状況】
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名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
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(連結子会社) |
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Dexerials America Corporation |
GA, U.S.A. |
4,600 千US$ |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
100 |
光学材料部品の一部を製造販売している他、当社製品を北米中心に販売している。 役員の兼任等 有 資金の借入 有 |
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Dexerials Europe B.V. |
Hoofddorp, Netherlands |
726 千EUR |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
100 |
当社製品を主に欧州中心に販売している。 役員の兼任等 有 資金の貸付 有 |
|
Dexerials (Suzhou) Co., Ltd. |
中国蘇州市 |
21,350 千US$ |
電子材料部品事業 |
100 |
電子材料部品の一部を製造し、主に中国で販売している。 役員の兼任等 有 |
|
Dexerials Korea Corporation |
Seoul, Korea |
1,050 百万KRW |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
100 |
主に韓国で当社製品の販売支援活動を行っている。 役員の兼任等 有 |
|
Dexerials Marketing Taiwan Corporation |
Taipei City, Taiwan |
25 百万NT$ |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
100 |
主に台湾で当社製品の販売支援活動を行っている。 役員の兼任等 有 |
|
Dexerials Singapore Pte. Ltd. |
Singapore, Singapore |
5.5 百万S$ |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
100 |
当社製品を主に東南アジアで販売している。 役員の兼任等 有 資金の借入 有 |
|
Dexerials (Shanghai) Corporation |
中国上海市 |
3,300 千US$ |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
100 |
主に中国で当社製品の販売支援活動を行っている。 役員の兼任等 有 |
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デクセリアルズ フォトニクス ソリューションズ 株式会社 (注)2 |
栃木県下野市 |
100 百万円 |
電子材料部品事業 |
100 |
当社製品の製造、設計、技術、企画管理を行っている。 役員の兼任等 有 資金の貸付 有 |
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その他1社 |
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(持分法適用関連会社) |
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RESTAR DEXERIALS TAIWAN CORPORATION |
Taipei City, Taiwan |
20 百万NT$ |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
49.0 |
当社製品を主に台湾で販売している。 役員の兼任等 有 |
|
RESTAR DEXERIALS KOREA CORPORATION |
Seoul, Korea |
3,950 百万KRW |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
49.0 |
当社製品を主に韓国で販売している。 役員の兼任等 有 |
|
RESTAR DEXERIALS HONG KONG LIMITED |
Kowloon, Hong Kong |
4,300 千US$ |
光学材料部品事業 電子材料部品事業 |
49.0 |
当社製品を主に中国で販売している。 役員の兼任等 有 |
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SemsoTec GmbH |
Garching b. München, Germany |
25 千EUR |
- |
24.9 |
当社と技術協力を行っている。 役員の兼任等 有 |
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SemsoTec Engineering Services & Products GmbH |
Garching b. München, Germany |
33 千EUR |
- |
24.9 |
当社と技術協力を行っている。 役員の兼任等 有 |
|
その他2社 |
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(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。
2. 特定子会社に該当しております。