2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

石油事業 石油化学事業 石油開発事業 再生可能 エネルギー 事業 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
石油事業 2,445,551 81.2 90,719 57.7 3.7
石油化学事業 361,782 12.0 -7,764 -4.9 -2.1
石油開発事業 127,828 4.2 68,262 43.4 53.4
再生可能 エネルギー 事業 14,307 0.5 2,848 1.8 19.9
その他 61,426 2.0 3,120 2.0 5.1

事業内容

3【事業の内容】

 当社は持株会社として、子会社等の経営管理及びそれに附帯または関連する業務を行っております。当社グループは、子会社47社及び関連会社35社により構成され(2024年3月31日現在)、原油の自主開発から輸入・精製・貯蔵・販売を主な事業の内容としております。その他、一部の関係会社により石油化学製品製造・販売、風力発電、不動産の売買・管理、石油関連施設の工事、保険代理店等の事業も営んでおります。

 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 当社グループの主要な事業内容のセグメントとの関連及び主要な関係会社の当該事業における位置づけは、次のとおりであります。

セグメント

区分

主要な会社

会社数

(社)

石油開発

事業

原油の開発・生産

コスモエネルギー開発㈱、Cosmo E&P Albahriya Limited、

アブダビ石油㈱、合同石油開発㈱、他3社

7

石油

事業

原油・石油製品の輸出入

COSMO OIL INTERNATIONAL PTE. LTD.、COSMO OIL OF U.S.A. INC.

2

石油精製

コスモ石油㈱、他3社

4

潤滑油製造

コスモ石油ルブリカンツ㈱

1

石油製品の販売

コスモ石油マーケティング㈱、コスモ石油販売㈱、

コスモ石油㈱、コスモエネルギーソリューションズ㈱、他19社

23

原油・石油製品の貯蔵

コスモ松山石油㈱、沖縄石油基地㈱、東西オイルターミナル㈱、他3社

6

荷役・運送

コスモ海運㈱、坂出コスモ興産㈱、コスモリファイナリーサポート堺㈱、他14社

17

石油化学

事業

石油化学製品製造・販売

コスモ松山石油㈱、CMアロマ㈱、丸善石油化学㈱、

HD Hyundai Cosmo Petrochemical Co., Ltd.、他11社

15

再生可能

エネルギー事業

風力発電事業

コスモエコパワー㈱、伊方エコ・パーク㈱、

㈱秋田ウインドパワー研究所、他3社

6

その他

不動産売買・管理

コスモ石油㈱、コスモビジネスアソシエイツ㈱、他1社

3

工事・保険他

コスモエンジニアリング㈱、㈱コスモトレードアンドサービス、他6社

8

経理、財務、購買、総務、人事関連業務の受託

コスモビジネスアソシエイツ㈱

1

 

 

石油開発事業

 連結子会社のコスモエネルギー開発㈱、連結子会社のアブダビ石油㈱及び持分法適用関連会社の合同石油開発㈱等は、原油の自主開発及び生産を行っております。

 連結子会社のCosmo E&P Albahriya Limitedはアブダビ首長国 Offshore Block4鉱区における原油の探鉱活動を行っております。

 

石油事業

連結子会社のコスモ石油㈱は産油国、商社、提携先各社及び原油の自主開発を行っている連結子会社のアブダビ石油㈱等から原油を購入し、シンガポールにおいてトレーディング業務を行っている連結子会社のCOSMO OIL INTERNATIONAL PTE. LTD.等を通じて原油及び石油製品を購入しております。

購入した原油をコスモ石油㈱の製油所で石油製品に精製した上で、連結子会社のコスモ石油マーケティング㈱を通じて系列特約店より一般消費者に販売するとともに、一部大口需要家へはコスモ石油㈱及びコスモ石油マーケティング㈱が直接販売しております。販売に伴う国内輸送は、コスモ石油マーケティング㈱及び連結子会社のコスモ海運㈱等が行っております。

なお、石油製品のうち、ナフサ等の石油化学原料に関しては、連結子会社のコスモ松山石油㈱、連結子会社のCMアロマ㈱、連結子会社の丸善石油化学㈱及び持分法適用関連会社のHD Hyundai Cosmo Petrochemical Co., Ltd.等の石油化学関連企業に販売しております。潤滑油に関しては、コスモ石油㈱が潤滑油の原料油を連結子会社のコスモ石油ルブリカンツ㈱に販売し、当該社が加工し需要家に販売しております。また持分法適用関連会社のジクシス㈱は液化石油ガス(LPG)を販売しております。

この原油開発から輸入、精製、販売といった一連の石油事業を補完するため、石油製品の貯蔵を持分法適用関連会社の東西オイルターミナル㈱及び沖縄石油基地㈱等が行っております。

 

石油化学事業
 連結子会社のコスモ松山石油㈱、連結子会社のCMアロマ㈱、連結子会社の丸善石油化学㈱及び持分法適用関連会社のHD Hyundai Cosmo Petrochemical Co., Ltd.等は、石油化学製品製造及び販売を行っております。

 

再生可能エネルギー事業

 連結子会社のコスモエコパワー㈱等は風力発電事業を行っております。

 

その他

連結子会社のコスモ石油㈱及び連結子会社のコスモビジネスアソシエイツ㈱等は、不動産売買、管理を行っております。また、コスモビジネスアソシエイツ㈱は、当社グループの経理、財務、購買、総務、人事関連業務を受託しております。

連結子会社のコスモエンジニアリング㈱は、当社グループの製油所設備の建設、維持補修工事を行っております。また、連結子会社の㈱コスモトレードアンドサービスは、系列給油所向けカーケア用品の販売、保険代理店業等の事業を行っております。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは、第7次連結中期経営計画において、スローガンを『Oil&New~Next Stage~』として、「収益力の確保」「成長に向けたNew領域の拡充」「三位一体の資本政策実現」「経営基盤の変革」の4点を基本方針に、非財務資本の活用による事業戦略の実現と、これによる収益力の向上、資本政策の充実、成長事業の拡大を図り、持続的な企業価値の向上に取り組んでおります。また、当連結会計年度において、ROE及びPER向上の取組を加速し、PBR1倍について早期に達成いたしました。

 こうした経営活動の結果、当連結会計年度の連結経営成績は、売上高は2兆7,296億円(前期比△623億円)、営業利益は1,492億円(前期比△146億円)、経常利益は1,616億円(前期比△29億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は821億円(前期比+142億円)となりました。

 各セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

(石油事業)

 石油事業につきましては、前期比で原油価格が下落したこと等により、売上高は2兆4,456億円(前期比△59億円)となりました。一方、国内市況が良化したこと等により、セグメント利益は907億円(前期比+250億円)となりました。なお、在庫評価の影響を除くセグメント利益は913億円(前期比+472億円)となっております。

(石油化学事業)

 石油化学事業につきましては、前期比で製品市況が悪化したこと等により、売上高は3,618億円(前期比△784億円)、セグメント損失は78億円(前期はセグメント利益38億円)となりました。

(石油開発事業)

 石油開発事業につきましては、前期比で原油販売価格が下落したこと等により、売上高は1,278億円(前期比△102億円)、セグメント利益は683億円(前期比△162億円)となりました。

(再生可能エネルギー事業)

 再生可能エネルギー事業につきましては、前期比で風力発電における風況が良化したこと等により、売上高は143億円(前期比+21億円)、セグメント利益は28億円(前期比+2億円)となりました。

 

 当連結会計年度末の連結財政状態は、総資産は2兆2,119億円となり、前連結会計年度末に比べ911億円増加しております。負債合計は1兆4,852億円となり、前連結会計年度末に比べ278億円増加しております。純資産合計は7,268億円となり、前連結会計年度末に比べ634億円増加しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,055億円となり、前連結会計年度末に比べ437億円増加しております。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、資金の増加は1,779億円(前期は81億円の資金の増加)となり、これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、資金の減少は328億円(前期は812億円の資金の減少)となり、これは主に、有形固定資産の取得による支出等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、資金の減少は1,042億円(前期は811億円の資金の増加)となり、これは主に、コマーシャル・ペーパーの減少等によるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

石油事業

 

1,553,275

82.6

石油化学事業

 

451,792

86.6

石油開発事業

 

12,645

64.4

合計

2,017,713

83.3

(注)1 自家燃料は除いております。

2 委託処理分を含み、受託処理分は除いております。

3 上記の金額にセグメント間の生産高は含まれておりません。

 

b受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

その他

13,091

104.2

12,979

164.0

 

c販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

石油事業

 

2,341,027

100.5

石油化学事業

 

313,115

84.5

石油開発事業

 

39,141

74.4

再生可能エネルギー事業

 

14,156

116.8

その他

 

22,129

78.7

合計

2,729,570

97.8

(注)1 上記の金額にセグメント間の販売高は含まれておりません。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

当連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

キグナス石油㈱

353,336

12.7

363,430

13.3

※販売実績には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりです。

 なお、連結財務諸表の作成に関して、認識している重要な見積りを伴う項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」を参照ください。

 

 

②経営成績の分析

a売上高

 売上高は、前連結会計年度に比べ623億円減少し、2兆7,296億円となりました。これは主に、石油化学事業において製品市況が悪化したこと等によるものです。

 

b売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、前連結会計年度に比べ612億円減少し、2兆4,099億円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、0.2ポイント減少して、88.3%となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ135億円増加し、1,704億円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、0.6ポイント増加して、6.2%となりました。

 

c営業利益

 営業利益は、前連結会計年度に比べ146億円減少し、1,492億円となりました。これは主に、石油開発セグメントにおいて原油販売価格が下落したこと等によるものです。

 

d営業外損益

 営業外損益は、前連結会計年度に比べ117億円改善し、124億円の利益となりました。これは主に、為替差益が88億円増加したこと等によるものです。

 

e特別損益

 特別損益は、前連結会計年度に比べ45億円改善し、67億円の損失となりました。これは主に、受取補償金が64億円増加したこと等によるものです。

 

f親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ142億円増加し、821億円となりました。これは主に、法人税等が前連結会計年度に比べ68億円減少し646億円となったこと及び非支配株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度に比べ57億円減少し83億円となったこと等によるものです。なお、1株当たりの当期純利益は、938.11円となりました。

 

 なお、セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(石油事業)

 国内市況が良化したこと等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ250億円増加し、907億円となりました。

 2024年度は、海外市況の悪化を見込むことにより当連結会計年度比で減益となる見通しとなっております。

(石油化学事業)

 製品市況が悪化したこと等により、セグメント損失は78億円(前連結会計年度はセグメント利益38億円)となりました。

 2024年度は、国内販売数量の増加を見込むことにより当連結会計年度比で増益となる見通しとなっております。

(石油開発事業)

 原油販売価格が下落したこと等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ162億円減少し、683億円となりました。

 2024年度は、操業コストの増加により当連結会計年度比で減益となる見通しとなっております。

(再生可能エネルギー事業)

 風力発電における風況が良化したこと等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ2億円増加し、28億円となりました。

 2024年度は、設備容量拡大に伴うコストが増加することにより当連結会計年度比で減益となる見通しとなっております。

 

 

③資本の財源及び資金の流動性に関する分析

a資金需要

 当社グループの資金需要は主に運転資金と設備投資に関するものです。

 運転資金需要は製品製造のための原材料仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等によるものであり、設備投資需要は競争力強化を目的とした石油・石油化学製品の製造設備、サービスステーション設備や販売促進のためのシステム投資、原油の生産設備、風力発電設備等の取得や維持更新等によるものです。

 

b財務政策

 2023年4月より開始された第7次連結中期経営計画では、株主還元、財務健全性、資本効率を三位一体で実行することで企業価値の最大化を目指しております。財務健全性においては、資産に内在するリスク、求められる資本効率、柔軟な資金調達といった観点を総合的に精査し、自己資本並びにネットD/Eレシオの目標値を設定しております。

 当社は、財務の安全性と効率性を両立させる財務運営を目指しており、短期並びに長期社債による直接金融と金融機関からの借入等の間接金融を機動的に行うことで効率的な資金調達を行っております。また、原油備蓄資金の制度融資も活用しており、市中の金融機関のみならず政府系金融機関とも関係を維持し、調達先の多様化を行っております。また、持株会社である当社が一括して資金を調達し、グループ会社に融通するグループ金融体制を構築しており、資金の集中化並びに効率化を行っております。

 当社は、円滑な資金調達を行うために日本格付研究所(JCR)並びに格付け投資情報センター(R&I)から格付を取得しております。当連結会計年度末において当社の格付は、JCR、R&IともにA-(安定的)となります。

(特定融資枠契約)

 平時における十分な流動性の確保と災害発生等の緊急時に円滑な資金調達を行うために取引金融機関と特定融資枠契約(コミットメントライン契約)を締結しております。なお、当連結会計年度末における当該契約の極度額は1,201億円です。

 

c株主還元方針

 当社グループは、株主の皆様への利益還元を重要な課題の一つとして認識しております。

 第7次連結中期経営計画では、株主還元、財務健全性、資本効率のいずれも欠けることなく、三位一体で実行していくことを資本政策として掲げ、企業価値の最大化を図っており、株主還元方針としましては、総還元性向60%以上(3ヵ年累計、在庫影響を除く純利益に対する比率)、配当1株当たり300円以上としております。

 また、財務健全性が目標値(自己資本6,000億円以上、ネットD/Eレシオ1.0倍)に到達した場合は原則として追加の還元を実施いたします。

 当連結会計年度は、堅調な収益をベースに配当の引き上げを行い、前連結会計年度から150円増配の1株当たり300円の配当を行うとともに、下限配当についても同額の300円に引き上げました。加えて、取得総額230億円または取得株式総数350万株を上限とする自己株式の取得の実施を予定しており、これにより当連結会計年度は単年で総還元性向60%(在庫影響を除く純利益に対する比率)を実現しております。

 引き続き企業価値向上を目指し、収益環境や株価等を見極めながら、柔軟に早期還元実現を検討してまいります。

 

 

d財政状態

 当社グループは、自己資本やネットD/Eレシオといった財務健全性の向上を重要な課題の一つとして認識しております。財務健全性に加え、株主還元、資本効率を三位一体で実行することで企業価値の最大化を目指してまいります。

 

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1兆1,227億円となり、前連結会計年度末に比べ867億円増加しております。これは主に、売掛金が755億円増加したこと等によるものです。固定資産は1兆891億円となり、前連結会計年度末に比べ44億円増加しております。これは主に、有形固定資産が39億円増加したこと等によるものです。

 この結果、総資産は2兆2,119億円となり、前連結会計年度末に比べ911億円増加しております。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1兆76億円となり、前連結会計年度末に比べ50億円減少しております。これは主に、コマーシャル・ペーパーが673億円減少したこと等によるものです。固定負債は4,775億円となり、前連結会計年度末に比べ327億円増加しております。これは主に、社債が186億円増加したこと等によるものです。

 この結果、負債合計は1兆4,852億円となり、前連結会計年度末に比べ278億円増加しております。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は7,268億円となり、前連結会計年度末に比べ634億円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益821億円を計上したこと等によるものです。

 この結果、自己資本比率は27.1%(前連結会計年度末は24.9%)となりました。

 

eキャッシュ・フロー

 当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。営業活動は税金等調整前当期純利益を計上したこと等により1,779億円のプラスとなりました。投資活動は有形固定資産の取得による支出等により328億円のマイナスとなりました。財務活動はコマーシャル・ペーパーの減少等により1,042億円のマイナスとなりました。

 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ437億円増加の1,055億円となりました。

 なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

自己資本比率

14.6%

19.0%

23.5%

24.9%

27.1%

時価ベースの自己資本比率

7.8%

12.9%

11.4%

17.7%

30.4%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

6.1年

3.6年

5.4年

84.5年

3.5年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

11.8倍

23.1倍

16.7倍

1.3倍

38.3倍

(注)1 各指標は、以下の計算式によっております。

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。

4 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている借入金、コマーシャル・ペーパー、社債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中期的な経営の方向性を2025年度が最終年度となる第7次連結中期経営計画にて目標値として定めております。当該連結中期経営計画初年度の評価として、当連結会計年度における客観的指標の実績を示すとともにその達成状況を分析すると以下のとおりとなります。

 

 

 株主還元・財務健全性・資本効率等、多くの指標で2025年度の目標を達成しております。その他の指標につきましても順調に推移しておりますが、引き続き全指標において目標を達成すべく各種施策を実行してまいります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、「石油事業」、「石油化学事業」、「石油開発事業」及び「再生可能エネルギー事業」等を営んでおり、取り扱う製品やサービスによって、当社及び当社の連結子会社別に、各々が独立した経営単位として事業活動を展開しております。

 従って、当社グループは、取り扱う製品やサービス別のセグメントから構成されており、「石油事業」、

「石油化学事業」、「石油開発事業」及び「再生可能エネルギー事業」の4つを報告セグメントとしております。

 「石油事業」は、揮発油・ナフサ・灯油・軽油・重油・原油・潤滑油・液化石油ガス・アスファルト等の生産及び販売をしております。「石油化学事業」は、エチレン・ミックスキシレン・パラキシレン・ベンゼン・トルエン・石油化学溶剤等の石油化学製品の生産及び販売をしております。「石油開発事業」は、原油の開発、生産及び販売を行っております。「再生可能エネルギー事業」は、風力発電による電力の供給販売を行っております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 報告セグメントの利益は経常利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

石油事業

石油化学

事業

石油開発

事業

再生可能

エネルギー事業

その他

(注)1

調整額(注)2、4

連結財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

2,328,298

370,738

52,593

12,119

28,122

2,791,872

セグメント間の

内部売上高又は振替高

123,201

69,435

85,434

106

32,634

△310,813

2,451,500

440,174

138,027

12,225

60,757

△310,813

2,791,872

セグメント利益

65,676

3,825

84,512

2,587

1,488

6,414

164,505

セグメント資産

1,515,212

334,627

302,543

67,881

27,011

△126,511

2,120,763

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

28,722

9,871

13,727

1,861

99

△514

53,768

受取利息

669

129

1,500

284

41

△454

2,171

支払利息

4,273

536

1,974

141

0

△413

6,512

持分法投資利益又は損失(△)

2,959

△5,301

3,208

31

102

1,000

持分法適用会社への投資額

27,408

39,906

14,057

513

553

82,439

資本的支出

19,812

9,605

22,352

19,391

169

610

71,941

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事業、保険代理店業等を含んでおります。

2 セグメント利益の調整額6,414百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社収益・全社費用の純額5,482百万円、セグメント間取引消去420百万円、棚卸資産の調整額436百万円、固定資産の調整額75百万円が含まれております。

3 セグメント利益は連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。

4 セグメント資産の調整額△126,511百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社資産やセグメント間取引消去額等が含まれております。

5 当社は、負債項目についてセグメントごとに配分していないため、開示しておりません。

 

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

石油事業

石油化学

事業

石油開発

事業

再生可能

エネルギー事業

その他

(注)1

調整額(注)2、4

連結財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

2,341,027

313,115

39,141

14,156

22,129

2,729,570

セグメント間の

内部売上高又は振替高

104,524

48,667

88,686

150

39,297

△281,326

2,445,551

361,782

127,828

14,307

61,426

△281,326

2,729,570

セグメント利益又は損失(△)

90,719

△7,764

68,262

2,848

3,120

4,428

161,615

セグメント資産

1,637,666

346,301

314,717

54,732

25,504

△166,979

2,211,942

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

28,226

10,555

14,448

2,461

79

△481

55,290

受取利息

945

224

3,870

333

34

△471

4,936

支払利息

2,705

428

1,746

240

0

△359

4,761

持分法投資利益又は損失(△)

2,143

△5,702

1,815

68

△96

△1,770

持分法適用会社への投資額

28,389

36,725

14,958

305

974

81,353

資本的支出

41,440

9,229

18,926

10,481

360

1,952

82,391

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事業、保険代理店業等を含んでおります。

2 セグメント利益又は損失(△)の調整額4,428百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社収益・全社費用の純額6,395百万円、セグメント間取引消去△1,268百万円、棚卸資産の調整額△918百万円、固定資産の調整額219百万円が含まれております。

3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。

4 セグメント資産の調整額△166,979百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社資産やセグメント間取引消去額等が含まれております。

5 当社は、負債項目についてセグメントごとに配分していないため、開示しておりません。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

日本

アジア

その他

2,490,897

122,796

178,177

2,791,872

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

日本

UAE

その他

699,226

146,958

79

846,264

 

3 主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

キグナス石油㈱

353,336

石油事業

(注) 売上高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する売上高を含めております。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

日本

アジア

その他

2,408,507

145,167

175,894

2,729,570

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

日本

UAE

その他

699,468

150,707

64

850,239

 

3 主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

キグナス石油㈱

363,430

石油事業

(注) 売上高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する売上高を含めております。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

石油事業

石油化学事業

石油開発事業

再生可能

エネルギー 事業

その他

全社・消去

合計

減損損失

224

0

1,046

2,427

3,698

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

石油事業

石油化学事業

石油開発事業

再生可能

エネルギー 事業

その他

全社・消去

合計

減損損失

123

779

902

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

該当事項はありません。