2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    267名(単体) 6,675名(連結)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.0年(単体)
  • 平均年収
    11,881,994円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.3%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

(連結会社の運営方針・経営戦略等に関連付けた連結会社の人材戦略)

当社グループは、Vision 2035及び第8次連結中期経営計画において掲げる企業価値向上の実現に向け、人材を競争優位の源泉である重要な経営資本と位置付けています。従業員一人ひとりその価値を最大限に引き出すことが不可欠であると認識し、既存事業の競争力強化と次世代エネルギー領域への展開を支える人材戦略を推進しています。従業員が健康でエンゲージメント高く活き活きと働ける環境を整えウェルビーイングを実現すること、また従業員が積極的な挑戦行動を通じて成長し、個の能力と組織の力を向上させることで、経営戦略の早期達成を目指します。

先々の事業環境が不透明な状況下においても、基本方針として掲げる「人材活用方針」「健康経営方針」に基づき、下記の人材変革を一貫して追求します。

① 何事にも主体的に挑戦し、社員と会社がともに成長する人材集団の形成

② 挑戦・成長の機会を意図的に創出する組織と挑戦しやり抜くことで個を磨き、能力を発揮する社員の育成

③ 究極の生産性向上を実践する人材集団の構築

上記に記載している「究極の生産性向上」とは、単なる業務効率化にとどまらず、従業員一人ひとりが付加価値創出に集中できる業務環境を整備し、デジタル・AIの最大活用により判断の質とスピードを高め、挑戦と学習の積み重ねを通じて、より高い成果を生み出す状態を指します。

これらの実現に向けた取組として、「経営人材の早期育成」、「部下に挑戦行動を促すマネジメント力の

強化」、「社員の自律・主体性の向上を中心とした個の強化」に注力し、成長・育成投資の更なる強化を図っています。従業員の主体的な挑戦行動を以って一人ひとりの生産性を向上し、新たな価値を創出することで事業の収益性及び成長期待値の向上に繋げ、企業価値の向上を実現します。

 なお、当社グループの人材戦略の取組詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本」をご参照ください。

 

(連結会社の従業員の賞与を含めた給与・給付の額、給与の内容の決定に関する方針)

当社グループの人材活用方針に則り、職責・役割・目標をより明確にすることで従業員の意識・行動変容を促し、挑戦・成果・成長に対して、公正に処遇する方針としています。従業員の行動変容及び成長促進を目的として、下記の運用を取り入れています。

① すべての等級における職責・役割の定義・明確化

② 社員一人ひとりに求める「成果」と「行動」の具体化(挑戦を促す目標設定の具体化)

③ 社員一人ひとりの「成果」と「行動」に対してメリハリのある評価と公正な処遇

上記方針に則り、年度における成果評価を賞与、行動評価を基本給の昇降給に反映する仕組みとしています。賞与原資の決定においては第8次連結中期経営計画における業績目標の達成を促すため、業績(当期純利益)連動型の賞与フォーミュラを採用しています。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

石油事業

4,104

(2,708)

石油化学事業

1,146

(187)

石油開発事業

300

(32)

再生可能エネルギー事業

209

(45)

その他

649

(353)

全社(共通)

267

(40)

合計

6,675

(3,365)

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 12月決算の連結子会社については2025年12月31日現在の従業員数を記載しております。

4 全社(共通)は当社の就業人員であります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

267

(40)

42歳

5ヶ月

13年

3ヶ月

11,881,994

3.3

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4 平均勤続年数の算定にあたっては、出向元であるグループ会社における勤続年数を通算しております。

5 当社の従業員はすべて全社(共通)に属しております。

 

③最大人員会社の状況

ア 当事業年度における従業員数が最も多い会社

コスモ石油販売㈱

 

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,593

(2,248)

43歳

7ヶ月

14年

3ヶ月

5,771,904

2.4

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4 当該会社の従業員はすべて石油事業に属しております。
 

イ 上記アの次に従業員数が多い会社

コスモ石油㈱

 

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率(%)

1,543

(296)

37歳

6ヶ月

16年

2ヶ月

9,901,393

3.2

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4 当該会社の従業員はすべて石油事業に属しております。

 

④労働組合の状況

当社グループの労働組合員数は、2026年3月31日現在3,268名であります。

なお、労使関係について特記すべき事項はありません。

 

⑤使用人等のみに対して付与した新株予約権の内容

該当事項はございません。その旨は「1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」をご参照ください。

 

⑥使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

該当事項はございません。なお、当社の取締役及び執行役員に対しては、業績連動型株式報酬制度(役員報酬BIP信託)を導入しております。当該制度の内容については、「1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」及び「4 コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等」をご参照ください。

 

⑦管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1、4

男性労働者の育児休業等取得率(%)

(注)2、4

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、3、4

全労働者(%)

うち正規雇用労働者(%)

うちパート・有期労働者(%)

コスモ石油㈱    (注)6、7

8.4

84

80.0

80.2

78.5

丸善石油化学㈱

4.3

80

69.9

70.1

97.4

コスモ石油販売㈱

0.0

25

66.3

83.6

82.6

コスモエンジニアリング㈱

9.1

93

86.8

86.1

84.4

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。

4 管理職に占める女性労働者の割合は2026年3月31日時点、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は2025年4月1日から2026年3月31日における実績となります。

5 提出会社及び連結子会社で、上記のような多様性に関する指標の一部または全部について「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)において公表義務がない、または選択公表をしていない、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)において公表義務がない、または計算の分母となる男性労働者に該当者がいない場合には、記載を省略しております。全部の記載を省略する場合は会社名も省略し、一部の記載を省略する場合には「―」と表示しております。

6 提出会社のコスモエネルギーホールディングス㈱やコスモ石油マーケティング㈱等の実績は、労働者の出向元であるコスモ石油㈱に含む等、労働者は出向先ではなく雇用元の会社にて集計しております。なお、会社間における重複はありません。

7 コスモ石油㈱において、2029年4月1日時点の女性管理職比率目標12%に対し、2026年4月1日時点の実績が8.9%となりました。今後も継続して、積極的な採用、育成、登用、職域拡大を推進していきます。なお、当実績はコスモ石油㈱が雇用元の基幹職労働者を対象とし、社外への出向者を含んでおります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「私たちは、地球と人間と社会の調和と共生を図り、無限に広がる未来に向けての持続的発展をめざします。」というグループ理念と、このグループ理念の原点に向き合い整理した当社グループのサステナビリティの基本的な考え方に基づき、グループ企業行動指針、各種グループ方針を体系的に整備し、サステナブル経営の実践を図っています。

これらの考え方を事業活動に反映させるため、当社グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に影響を与える重要課題(マテリアリティ)を特定し取組を行っています。

2025年度は、第7次連結中期経営計画における重点施策の一環として、8つのマテリアリティへの取組を推進するとともに、第8次連結中期経営計画策定に向けたマテリアリティの見直しを行いました。2026年度以降は、改訂したマテリアリティに基づき、サステナブル経営を推進していきます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ課題全般について

①ガバナンス

当社グループでは、サステナブル経営を推進するための体制として、2021年度に社長執行役員を議長とするサステナビリティ戦略会議を設置し、当戦略会議において、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する特定・評価、及び第7次連結中期経営計画におけるマテリアリティの活動の実績報告・評価を行い、重要なものを取締役会に報告してまいりました。2025年度からは、サステナビリティガバナンス体制を見直し、サステナビリティ戦略も含めた執行の決議機能を経営執行会議に集約し、新たに経営執行会議を補佐する機関としてサステナビリティ戦略委員会を設置しました。

サステナビリティ戦略委員会は、サステナビリティ推進部担当役員を委員長とし、当社の執行役員、中核事業会社のサステナビリティ担当役員及び常勤監査等委員で構成されています。当委員会において、経営計画の非財務領域における方針・計画、リスクと機会の識別・評価・管理及びマテリアリティへの取組の実績・評価等の審議を行い、重要なものを経営執行会議及び取締役会に付議・報告しています。

このサステナビリティ戦略委員会の実務機関として、サステナビリティ推進部長を事務局長とするサステナビリティコミッティを必要に応じて開催しています。また、中核事業会社(コスモ石油㈱、コスモ石油マーケティング㈱、コスモエネルギー開発㈱)及び準中核事業会社(丸善石油化学㈱)に、それぞれの機能に応じた委員会を設置し、当社のサステナビリティ戦略委員会と連携をとることによりグループ全体の統制を図っています。

2025年度はサステナビリティ戦略委員会を計7回開催し、22件の議題を審議し、そのうち8件の議題を経営執行会議に、9件の議題を取締役会に付議・報告しました。当委員会にて審議された事項は、必要に応じてサステナビリティ連絡会を通じ、グループ各社へ共有しています。加えて、取締役及び執行役員がサステナブル経営を推進していくにあたり、ESG目標への実績評価を役員報酬に反映しています。

 

サステナビリティ推進のガバナンス体制図

 

②戦略(マテリアリティの特定)

2023年度からの第7次連結中期経営計画のスタートに合わせ、当社グループは目指すべき2050年の社会の実現に向け、社会と当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値及び業績に影響を与える重要課題(マテリアリティ)を見直し、以下の8課題を特定しました。

マテリアリティの特定にあたっては、主要なサステナビリティ開示基準・ガイドラインを基に社会課題を整理し、マテリアリティ候補となる社会課題を抽出しました。それらの社会課題について経営層へのインタビューや関連部署との協議を実施し、「自社への影響度」と「社会への影響度」の2軸でそれぞれの社会課題の重要度合をマッピングし、重要課題を選定しました。

8つのマテリアリティは、持続的な価値創造のためのマテリアリティである「気候変動対策」「クリーンなエネルギー・製品・サービスの提供」「収益事業の構造改革」と、事業継続の基盤となるマテリアリティである「安全操業・安定供給」「グループリスクマネジメントの強化」「コンプライアンスと理念・価値観の共有」「人材の活躍推進・健康増進・働きがいの向上」「デジタル変革(DX)」に分類されます。

持続的な価値創造のためのマテリアリティは、連結中期経営計画を社会課題の観点からも推進し、それらを事業継続の基盤となるマテリアリティが支えます。当社グループでは、マテリアリティのあるべき姿の実現に向けたさまざまな取組を実施しています。

 

なお、2025年度には、2026年度からスタートする新たな第8次連結中期経営計画の策定プロセスの中で、社会課題の高度化や事業環境の変化を踏まえてマテリアリティの再評価を実施しました。ステークホルダーの期待といった社会からの要請と事業戦略との整合性を重視し、持続的な価値創造と中長期的な企業価値向上を実現するための重要課題として、2026年6月にマテリアリティを改訂しています。

マテリアリティの特定には、社内だけでなくステークホルダーの声も取り入れました。中長期的な社会課題を網羅的に洗い出したうえで、経営及び関連部署が重要課題を選定し、外部の声も取り入れて妥当性の検証を経たうえで、以下の6項目を特定し、取締役会で決議しました。

 

 

2026年度は、改訂したマテリアリティごとに新たな指標と目標を設定し、企業価値向上に向けた確実な推進を目指しています。

 

③リスク管理

当社グループは、リスクマネジメントをマテリアリティの一つと位置づけ、事業活動を通じて発生するリスク及び機会を把握の上、適切な管理体制を整備し、計画・実践・評価・是正措置のサイクルを構築しています。リスク管理の詳細については「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④指標及び目標

2025年度は、第7次連結中期経営計画時に特定した各マテリアリティのKPI目標に対する進捗管理を行いました。当該KPIの実績は次のとおりです。

マテリアリティ

第7次中計KPI

主なKPI目標

(2025年度末目標)

2024年度KPI実績

2025年度KPI実績

気候変動対策

GHG排出削減率(Scope1、2、削減貢献込)

2030年 30%以上

(2013年度比)

24%

19%

CO₂排出削減量

Scope1、2排出削減

(2013年度比)

1,631千t-CO₂

1,057千t-CO₂

CO₂削減貢献量

630千t-CO₂

468千t-CO₂

637千t-CO₂

クリーンなエネルギー・製品・サービスの提供

バイオETBE供給

240千KL

310千KL

310千KL

廃食用油原料SAF供給

30千KL

2025年3月生産開始

SAF量産化

風力発電設備容量

360MW

320MW

353MW

収益事業の構造改革

新規事業(New)への投資額

1,400億円(3カ年累計)

280億円(2カ年累計)

550億円(3カ年累計)(注)

人材の活躍推進・健康増進・働きがいの向上

女性管理職比率

10%以上

7.7%(2025年4月1日現在)

8.9%(2026年4月1日現在)

新卒学卒女性採用比率

50%以上

51%(2025年4月入社含)

55%(2026年4月1日入社含)

ストレスチェックの受検率(ココロの健康)

95%以上

98.2%

98.4%

特定保健指導実施率(カラダの健康)

40%以上

58.1%(2023年度)

79.8%(2024年度)

従業員の育成・研修に対する投資額(研修費用)

年間18万円/人

年間16万円/人

年間18万円/人

従業員意識調査「仕事のやりがい・誇り」のスコア

60ポイント以上

62ポイント

64ポイント

 

 

マテリアリティ

第7次中計KPI

主なKPI目標

(2025年度末目標)

2024年度KPI実績

2025年度KPI実績

コンプライアンスと理念・価値観の共有

重大コンプライアンス違反件数

ゼロ件

ゼロ件

ゼロ件

従業員意識調査スコア

 

 

 

・コンプライアンス教育

83%以上

83%

84%

・通報窓口の認知度

94%以上

92%

92%

・企業行動指針の理解

72%以上

74%

74%

グループリスクマネジメントの強化

リスクのモニタリング

トップリスクのモニタリング

トップリスク11項目を決定の上、対策を立案し実施

トップリスク11項目を選定の上、対策を立案し実施

各社重点取組リスクのモニタリング

各社重点取組リスクの選定、リスク低減計画・実施評価を実行

各社重点取組リスクの選定、リスク低減計画・実績評価を実行

デジタル変革(DX)

データ活用コア人材の育成

900名以上

980名

1,194名

安全操業・安定供給

重大労働災害件数

ゼロ件

2件

ゼロ件

重大事故件数

ゼロ件

ゼロ件

ゼロ件

環境影響のある重大事故件数

ゼロ件

ゼロ件

ゼロ件

災害時・非常時の供給及び販売体制

24時間以内の再開

BCP発動実績なし

BCP発動実績なし

(注)将来投資については、機能化学品の生産能力拡大等の投資を実行した一方、洋上風力等の一部案件において事業環境の変化を踏まえ投資を見送りました。

 

マテリアリティで特定した課題を踏まえ、当社グループにとって重要なサステナビリティ課題として「気候変動への対応」及び「人的資本」の2つについて以下に詳細を示します。

 

(2)気候変動への対応

当社グループは、気候変動の視点をより一層取り入れた経営計画を策定し実行していくことが、地球や社会、そして私たちの持続的な発展に不可欠であるとの認識から「2050年カーボンネットゼロ」宣言を行い、その実現に向けた取組と工程をとりまとめたロードマップを2022年5月に公表しております。2025年度には、第8次連結中期経営計画策定に際し、脱炭素を取り巻く外部環境変化の不確実性を踏まえた3つの社会シナリオを想定して、自社の排出削減及び社会全体への削減貢献に関する目標を設定する形で、ロードマップの見直しを行い、2026年に改訂いたしました。

 

<当社の温室効果ガス(GHG)排出削減目標>

当社グループは、エネルギー安定供給の使命を果たしつつ、温室効果ガス(Scope1、2)の排出削減施策を推進し、2030年に21%以上(2013年度比)の削減に向けて取り組んでいます。併せて、当社グループが供給するエネルギー製品のCarbon Intensity(CI値)を2040年時点で15~50%(2024年度比)低減することで、Scope3をはじめとするサプライチェーン全体の排出削減を推進します。これらの活動を通じて、2050年には、社会とともにScope3も含めたカーボンネットゼロを目指します。

 

 

①ガバナンス

当社における気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ戦略全体のガバナンス体制に組み込まれています。当社は、サステナビリティ戦略委員会及び経営執行会議において、気候変動関連を含む重要な業務執行や方針に関する事項の審議及び決定を行っています。これらのうち、当社グループ全体に大きな影響を及ぼすと判断した事項については、取締役会に付議・報告することにより、取締役会による適切な監督が行われる体制としています。

サステナビリティ戦略委員会では、気候変動を重要な経営課題の一つとして位置づけ、気候変動問題に関する対応方針、GHG排出量削減に向けた計画及び関連指標等について審議しています。また、複数の気候変動シナリオを想定したうえで、当社グループの事業活動に影響を及ぼし得る気候変動関連のリスク及び機会の認識を行い、事業活動に伴う環境負荷を低減するための施策の推進状況を監督するとともに、気候変動への対応を通じたビジネス機会の創出についても継続的にモニタリングを実施しています。

2025年度は、サステナビリティ戦略委員会において、排出量取引制度への対応方針、排出枠予測による財務的影響リスクの定量的な把握のほか、GHG削減策の進捗について四半期ごとのモニタリング、2050年カーボンネットゼロに向けたロードマップの改訂について審議を行い、重要なものは経営執行会議及び取締役会に付議・報告を行いました。

サステナビリティ戦略委員会において審議された内容は、構成員が担当する部署へ周知するとともに、事務局がサステナビリティ連絡会にて、グループ会社に連絡・報告しています。

 

②戦略

(短期・中期・長期の気候変動関連のリスクと機会及びビジネスへの影響)

当社グループは、社会と当社グループの持続的な発展と中長期的な企業価値に影響を与える重要課題(マテリアリティ)を特定しています。第7次連結中期経営計画においては、気候変動に関連するマテリアリティとして「気候変動対策」「クリーンなエネルギー・製品・サービスの提供」「収益事業の構造改革」に加え、「グループリスクマネジメントの強化」を特定しています。これらのマテリアリティに関する取組の進捗を測る指標として、再生可能エネルギー事業の拡大やGHG排出削減量を設定し、気候変動関連のリスクと機会の視点を取り入れながら、気候変動対策の取組を積極的に推進しています。

2026年度からスタートした第8次連結中期経営計画の策定にあたっては、マテリアリティの見直しを行い、気候変動に関する新たなマテリアリティとして「カーボンニュートラル社会への貢献」「持続的成長戦略」「リスク対応力強化」を特定しました。これらのマテリアリティは、第7次連結中期経営計画におけるマテリアリティの気候変動関連KPIとして設定した再生可能エネルギー供給量やGHG排出削減量を継続して指標に設定し、進捗管理しています。

当社グループの事業活動において想定しうる気候変動リスクと機会について、外部環境による事業環境の変化を想定し、TCFD提言に示されている気候変動リスク項目に基づき重要度を検討しています。

 

当社グループが想定するリスクと機会の主な項目と影響は以下のとおりです。

対象範囲  石油精製/販売、石油化学、石油開発、電力(再生可能エネルギー等)

発生時期(短・中・長期)の考え方 短期:1年以内、中期:1~5年以内、長期:5年~20年

発生時の影響度  小:10億円未満、中:10億円以上~100億円未満、大:100億円以上

 

(シナリオ分析、戦略のレジリエンス)

社会や経済を取り巻く外部要因の変動が一層大きくなることが予想されるなか、予測困難な状況に柔軟に対応していくため、第8次連結中期経営計画の策定にあたり、複数の将来像を描き、3つの社会シナリオを想定しました。複数シナリオにより、急速な環境変化や予期せぬリスクといった不確実性に対応した気候変動への対応戦略を推進します。

Blueシナリオ   :IEAのCPS(現行政策シナリオ/4℃シナリオ)に相当し、日本国内における2040年時

点のCO排出量が2013年度比で50%削減している

Turquoiseシナリオ:IEAのSTEPS(公表政策シナリオ)に相当し、日本国内における2040年時点のCO₂

排出量が2013年度比で62%削減している

Greenシナリオ  :IEAのNZE(2050年ネットゼロエミッションシナリオ/1.5℃シナリオ)に相当し、日本

国内における2040年時点のCO₂排出量が2013年度比で73%削減している

 

 

(気候変動シナリオによる財務的影響評価)

シナリオ分析に基づき、4℃シナリオとしてBlueシナリオ、1.5℃シナリオとしてGreenシナリオにおける財務的影響評価を行いました。

Blueシナリオについては、自然災害による物理リスク、需要減による移行リスクについて試算し、Greenシナリオについては、需要減及び炭素価格による移行リスクについて試算を行いました。

 

気候関連リスクによる財務影響

自然災害:(直近5年程度で最大の豪雨災害被害額×集中豪雨の年間発生率)+(石油・石油化学の保険料×集中豪雨の年間発生率)

需要減 :2028年の想定経常利益×需要変動率(ロードマップのBlueシナリオ、Greenシナリオにおける自社国内取扱量)

炭素価格:2030~2050年の自社想定排出量×炭素価格(単価:国内はGX-ETS上限価格、国外はIEA NZEを参照)を合算

 

 

(主要なリスクへの対応策及び機会の取り込み)

シナリオ分析の結果について、サステナビリティ戦略委員会で審議を行い、2050年カーボンネットゼロの達成に向けたロードマップの見直しや気候変動対策と経営戦略の統合に向けた事業戦略を第8次連結中期経営計画に反映しています。今回のシナリオ分析では、主力事業である石油事業・石油化学事業・石油開発事業・電力事業を対象範囲とし、2030年、2040年、2050年の断面で財務的影響評価を実施しました。

気候変動リスクに対する機会側面として、当社は、Vision 2035において「未来を変えるエネルギー、社会を支えるエネルギー、新たな価値を創造する。」をスローガンとし、事業の方向性の中で「次世代エネルギー・低炭素化への挑戦」「自社電源の拡大・構成最適化を図り電力サプライチェーン全体で電力価値を最大化」を掲げています。今後、これらの事業を中心とした成長領域への投資を拡大させる計画で、機会面のインパクト拡大に取り組む予定です。また、最新のシナリオ分析に基づき、機会の収益見通しを反映させる等の検討を行い、定期的にサステナビリティ戦略委員会で報告する等、TCFD提言に沿った開示と経営戦略を一体化した体制強化に継続的に取り組みます。

 

③リスク管理

当社グループのリスクマネジメントについては「3 事業等のリスク」をご参照ください。

気候変動に関するリスク及び機会については、グループ全社にまたがる重要な経営課題として、サステナビリティ戦略委員会において継続的に議論を行う体制を整え、リスクの把握と対応状況の評価等を実施しています。

 

④指標と目標

当社グループでは、気候変動関連リスクと機会を「気候変動対策」「クリーンなエネルギー・製品・サービスの提供」「収益事業の構造改革」のマテリアリティKPIで進捗管理しています。2025年度の気候変動関連のリスクと機会に関する目標と実績値は、「(1)サステナビリティ課題全般について ④指標及び目標」にある「気候変動対策」のKPIと2025年度実績をご参照ください。

長期のGHG削減目標としては、「2050年カーボンネットゼロ」の実現に向け、「温室効果ガス(Scope1+2)の排出削減に取り組み、エネルギー安定供給の使命を果たしながら、2030年度は21%以上(2013年度比)削減し、2050年度には、社会とともにScope3も含めたカーボンネットゼロをめざす」という方針を掲げています。

2025年度の当社グループの事業活動におけるGHG排出量について、Scope1は6,749千t-CO、Scope2(マーケット基準)は258千t-CO、Scope3は75,420千t-CO(算定対象はカテゴリー1~7,9,11~13,15)でした。

 

2025年度の実績、取組及び評価等の詳細については、2026年9月までに更新予定の当社ウェブサイトの「サステナビリティサイト」をご参照ください。

https://www.cosmo-energy.co.jp/ja/actions/sustainability.html

 

(3)人的資本

Vision 2035では、石油/次世代エネルギー、資源開発及び電力サプライチェーンの3つの柱に注力し、企業価値の向上に取り組みます。人材戦略においても、将来を見据えた成長領域へのチャレンジと既存事業領域の変革を同時に推進するため、何事にも主体的に挑戦し続ける人材集団を形成し、社員と会社がともに成長することを目標としています。これまで以上に経営戦略と人材戦略を一体として捉え経営戦略を実現できる強い組織を作り上げるため、人材の価値の最大化を志向し各種施策や投資を行っています。

年齢、性別、国籍、職種、所属及び職歴等に関わらず、あらゆる役員及び従業員が公正に処遇され、能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めています。

 

①戦略

(人材戦略のありたい姿と基本方針)

当社グループは、人材を経営資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことが重要であると認識しています。従業員が健康でエンゲージメント高く活き活きと働ける環境を整えウェルビーイングを実現すること、また従業員の自律的な成長を促し個の能力と組織の力を向上させることで、経営戦略の早期達成を目指します。

グループ企業行動指針においても、人材の活用及び能力の向上に取り組むことを示していますが、その指針の下、基本方針として「人材活用方針」「健康経営方針」を以下のとおり定めています。

 

a人材活用方針

多様な人材の活躍推進

多様な価値観を尊重し、年齢、性別、国籍、職種、所属及び職歴等に関わらず、あらゆる従業員が公正に処遇され、能力を最大限に発揮できる環境づくりを行います。

ジョブ型志向による能力発揮の促進

それぞれの従業員に求められる役割、職責及び目標を明確にし、能力を最大限に発揮した従業員に報います。

自律的成長の促進

当社グループ全体の収益及び成長に「こだわり」を持ち、自ら課題を設定して課題の解決に取り組むことができる従業員を育成していきます。

個の強化の促進

それぞれの従業員に求められる育成課題に対し、業務目標や行動計画を明確にして自律的キャリアの形成や行動変容を促し、その成長を評価していきます。

 

b健康経営方針

取組体制

当社グループは、役員及び従業員並びにコスモ石油健康保険組合と一体となって、役員及び従業員の心身の健康維持・増進に取り組みます。

自律的な健康管理・増進の促進

当社グループは、役員及び従業員が自らの心身の健康管理に進んで取り組み、健康の維持、増進及び傷病の予防に努めることを促進していきます。

健康リスクの予防及び早期対応等の取組

当社グループは、グループ各社の各事業場における業務内容や勤務体系等に合わせて健康リスクを把握し、疾病及びメンタルヘルス不調の予防、早期対応及び重症化予防並びにそれらの再発防止に取り組みます。

職場環境づくり

当社グループは、役員及び従業員の健康を大切にする職場風土を醸成し、健康で働きがいのある環境づくりに取り組みます。

コミュニケーションと教育

当社グループ及びコスモ石油健康保険組合は、本方針をすべての役員及び従業員に周知するとともに、継続的な教育及び啓発活動によって、役員及び従業員が自らの健康を管理し、維持、増進及び傷病の予防に努める健康意識(ヘルスリテラシー)向上に取り組みます。

 

(第7次連結中期経営計画の振り返り)

第7次連結中期経営計画では、経営基盤変革の一つの取組としてHRX「人が活き、人を活かす人材戦略の実践」を掲げ、人材戦略のありたい姿を実現するために、「人材育成強化」「ダイバーシティ&インクルージョン」「健康経営の推進」「グループ人事基盤の構築」を重点テーマとして取り組んできました。

 

a人材育成強化

育成体系の整備、ジョブ型の人材マネジメントの推進、経営人材の育成及びラインを通じた育成を強化すると

ともに、整備したグループ人材データ基盤をベースに、従業員の自律的キャリア形成意識を促進しています。従業員各人が自身のキャリアを考える「キャリつく(注)」を通じて社員一人ひとりの行動実践を促しています。2025年度は新たに社内部署理解イベントとして「キャリア・フェス」を開催し、社内の多様なキャリアオポチュニティの可視化を通じ、社員の自律的なキャリア選択を促進しています。また、「経営人材」の育成にも注力し、経営層に求める要件に基づいた人材の選抜と育成を行っています。アセスメント等により各人の強み、弱みを分析したうえで人材カルテを作成し、個別の育成方針に基づいた配置、教育を実施しています。タフアサインに資する戦略的な配置転換、役員によるメンタリングや社外研修への派遣を通じて個別の育成を行い、経営者として必要なスキルと高い視座の獲得を目指しています。さらに、2025年度より若手社員の早期育成を目的としたプログラムも開始しています。上記の経営人材の育成に対する重点的な投資及び全社員を対象とした自己啓発施策の拡充により、人材育成投資については1人当たりの教育投資額が18万円となり、2025年度目標を達成しております。

(注)「キャリつく」:充実したキャリアをつくるために、自分について深く知り・考え、キャリアや健康を学

び・調べて、将来について上司と対話し、自己成長や健康増進に取り組むこと。

bダイバーシティ&インクルージョン

勤務地限定制度、テレワーク制度の継続等の制度対応、柔軟な働き方の定着と並行し、従業員の意識改革に注力することで、画一的な価値観・マネジメントスタイルからの転換を図り、多様な価値観・知識・スキルを融合させるよう、取り組んでいます。女性活躍を最重要課題として取り組んでおり、第7次連結中期経営計画では採用にも力を入れ、新卒学卒女性採用比率50%以上を維持しています。また、2025年度は女性取締役による社内セミナーや他社とのクロスメンタリング、マネージャー向けのアンコンシャスバイアス研修を取り入れることで、社員のサポート強化を行っています。エンゲージメント指数は、昨年度に引き続き2025年度目標を達成しています。マネージャーによる部下育成目標の必須化や、1on1ミーティングの量・質の向上を通じて、組織内コミュニケーションの高度化が進んでいます。社員アンケートにおいても、定期的に1on1を実施している社員は、挑戦意欲や働きがいが高い傾向にあることが確認されており、これらの施策がエンゲージメント向上に寄与しています。

c健康経営の推進

健康管理を経営課題として戦略的に捉え、収益・企業価値向上への投資として取り組んでいきます。経営陣のコミットメントやラインを通じたフォロー、健康保険組合と協同したコラボヘルス等を進めています。コスモエネルギーグループ23社(26事業所)が集う「健康経営推進連絡会」を開催し、グループ全体で健康経営を推進しています。各社は、個別に健康増進に向けたプランを策定、PDCAを回す運用を本格的に開始しています。継続的な健康施策実施により、「健康経営優良法人2026」に認定され、2019年から8年連続で認定を獲得しています。

dグループ人事基盤の構築

人事システムを刷新し、人材戦略を実行する環境としてCTP(コスモタレントパレット)を導入しています。グループ内の人材情報を可視化することで、従業員のキャリア自律を促すとともに、経営戦略に応じた適所適材を実現します。2025年度を以って当社グループ会社への導入を完了しました。人事業務の高度化を加速させ、かつグループ人材のスキルを可視化することでグループ横断の適材配置、データに基づく意思決定の実践に取り組んでいます。

 

(第8次連結中期経営計画の重点テーマ)

第8次連結中期経営計画では、Vision 2035の実現に向けて事業成長機会に果敢に挑戦することで、社員と会社がともに成長する人材集団を目指していきます。事業人材/コーポレート人材ともに社員全員がAI・デジタルを最大活用し、究極の生産性向上を実現する人材集団への変革を指向します。

そのために、会社は社員の挑戦や成長機会を創出する組織風土やマネジメント変革を実践し、社員は上司による鍛え抜く育成を通じて主体的に挑戦し、やり抜くことで個の能力を磨き上げ、能力を最大発揮する状態を目指します。そこで人材戦略の5つの柱として「生産性向上」「人材ポートフォリオの最適化」「挑戦・成長サイクルの実践」「成長・育成投資の更なる強化」「多様性推進/心身の健康維持向上」に取り組んでいきます。

 

②指標と目標

第8次連結中期経営計画では、企業価値向上を導くための非財務指標として下記2つの指標を定義のうえ、目標値を設定しています。

 

a 挑戦指数

社員への挑戦機会の提供から実行及び支援、成長実感を一貫して可視化することで、主体的な挑戦行動を

促進し、社員が持続的に成長している状態とする。

b エンゲージメント指数

組織の持続的成長と成果創出に向けて、社員が意欲・活力ともに高く仕事に取り組むことができている状態を

維持向上する。

非財務指標

2028年度目標

2025年度実績

挑戦指数         (注)1、3

80ポイント

60ポイント

エンゲージメント指数   (注)2、3

70ポイント

64ポイント

(注)1 エンゲージメントサーベイにおける「挑戦目標の設定・付与」「挑戦行動の実践・支援」「成長実感・適切なフィードバック」に関する3項目のプラス回答者の割合を指し、当社及び中核事業会社に在籍する従業員のみを対象としています。

2 エンゲージメントサーベイにおける「仕事のやりがい」「能力の発揮」「仕事の誇り」に関する3項目のプラス回答者の割合を指し、当社及び中核事業会社に在籍する従業員のみを対象としています。

3 当社グループの各社において「① 戦略」において記載した方針に基づく取組が行われているものの、各社の業種及び業態によりKPI指標が異なり、各社が一律の目標設定を行っておらず、当社の連結グループ全体に係る指標及び目標については記載が困難です。そのため、対象の範囲は人事関連制度が同一であることから上記のとおりとしております。