リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重大リスクの選定プロセスについて
当社グループでは、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある重大なリスクを、社会的情勢や経営環境及びグループの経営課題などを踏まえて、毎年度網羅的に洗い出し、評価しています。
また、事業個別の重大なリスクについても、所管部署が毎年度洗い出し・評価を行ったうえで、リスク管理委員会を経て決定しています。
なお、重大リスクの選定にあたっては、「発生可能性」と「影響度」に加え、中長期の経営戦略との関連性や投資家の判断への影響の観点も踏まえております。
(2) リスクマネジメント体制について
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、評価・特定された重要なリスクについて、実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については四半期ごとにモニタリングを行い、対応策の進捗確認及び必要に応じた見直しを行っております。
また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています。
(3) 事業等のリスクについて
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
また、各リスクの発生時期については、短期(概ね1年以内)、中期(概ね1~3年)、長期(3年超)を目安として記載しております
① 法令遵守・コンプライアンスに関するリスク
(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:短期~中期)
当社グループでは、事業運営上、建設業法、製造物責任法、JIS法、各種環境関連法、各種労働関連法などの様々な法的規制や認定を受けております。
これらの法令への理解不足や対応不備、または許認可更新時における基準未達等が生じた場合には、行政処分、事業停止、損害賠償等につながる可能性があります。
当社グループの主要な許認可等の概要は、以下のとおりであります。
当社グループでは、法令改正動向の継続的なモニタリング、全従業員向けコンプライアンス研修の実施、品質管理活動の徹底等により遵守体制の強化を図っております。
しかしながら、法令解釈の変更や予期せぬ事象によりコンプライアンス上の問題が発生するリスクを完全に排除することは困難であり、万一当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 自然災害・重大事故・事業継続に関するリスク
(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:短期~中期)
当社グループは全国に営業所や工場を展開しております。大規模な地震・風水害などの自然災害や感染症の拡大等が発生し、これらの事業拠点が被災した場合には、従業員や建物・設備に被害が及び、原材料の調達や製品の供給が停滞または中断することにより、事業活動の継続に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの工場及び製品施工現場では、重大な事故や労働災害が発生するリスクがあります。仮に重大な事故や労働災害が発生した場合には、人的・物的な被害や補償等の費用、生産停止等により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、従業員の安全を確保し、事業活動への影響を最小限に留めるために、本社及び各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定するとともに、災害発生時の初期対応を行うための災害対策本部の設置や、迅速な業務の復旧を可能とするための本社機能のバックアップ体制や設計・開発機能の分散化などの環境整備を進めております。また、設備の保守・点検や安全衛生教育の徹底、定期的な安全パトロールの実施等により、事故・災害の発生防止に努めております。
しかしながら、想定を超える広域災害や長期的な供給制約等が発生した場合には、復旧の長期化により中長期的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 季節的変動のリスク
(発生可能性:高、影響度:中、発生時期:短期)
当社グループの売上高は、公共事業に関連する取引が一定の割合を占めていることから、発注や施工の時期が年度後半に偏る傾向があり、上半期の売上高に比べて下半期の売上高の割合が多くなる季節的変動要因を有しております。
また、期末に予定していた工事の進捗遅延や検収の遅れ等が発生した場合には、売上計上が翌期に繰り越されることにより、当期の業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような季節的変動が、天候不順や公共工事の発注時期の変化等により一段と大きくなった場合には、上半期を中心に四半期ごとの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、民間分野向け製品・サービスの拡大などにより事業ポートフォリオの多様化を進めるとともに、生産・施工体制の平準化を図ることにより、業績の季節的変動の緩和に努めております。
④ 事業ポートフォリオ・需要構造に関するリスク
(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:中期~長期)
当社グループのコンクリート事業、斜面防災事業、セグメント事業においては、売上の相当部分が公共事業に依存しております。当社グループでは、国土強靭化、防災・減災対応のために必要とされる製品や老朽化したインフラのメンテナンスを中心に、社会資本・生活インフラの整備に欠かせない各種製品や材料、工法の供給に経営資源を集中し、厳しい財政状況の中でも優先的に予算が配分される公共事業領域を見定めて事業を展開するほか、建設投資額が大きい都市部近郊における民間需要向けの製品の供給拡大を積極的に推進しております。
しかしながら、今後の公共事業の規模及びその予算の配分内容によっては、当社グループの業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 競争環境・価格動向に関するリスク
(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:短期~中期)
当社グループのコンクリート事業、パイル事業、セグメント事業においては、国内建設需要の構造変化や地域別需給の変動等を背景に、競争環境は厳しい状況が継続しております。そのような中、コンクリート事業及びセグメント事業におきましては、価格競争に晒されにくい高付加価値製品の受注に注力し、その構成比率を高めることにより業績の維持・拡大に努めております。一方、パイル事業におきましては、需要が高まっている高支持力杭工法の一つであるHyperストレート工法主体の営業を強化するほか、当社が強みを有する地域に営業エリアを絞り、採算性の維持・向上に努めております。
しかしながら、製品の機能や施工品質等による差別化が難しい製品群が想定以上の激しい価格競争に晒された場合には、当社グループの業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑥ 原材料価格・物流コストに関するリスク
(発生可能性:高、影響度:中、発生時期:短期)
当社グループのコンクリート事業、パイル事業、斜面防災事業及びセグメント事業の主要原材料であるセメント及び鋼材並びに燃料である石油は、市況性があり、国際情勢、為替動向や需給動向等により価格が大きく変動することがあります。
また、物流業界における慢性的な人手不足や2024年4月に改正された働き方改革関連法の施行等を背景に、当社グループの製品輸送費は年々上昇傾向にあります。
当社グループでは、生産性の改善による原価低減、納入地に近接する工場での生産振替えによる輸送費用の低減、及び売価改定に取り組んでおりますが、今後の市況動向等によって原材料等の価格が上昇し続け、原価上昇分のすべてを価格転嫁しきれない場合には、当社グループの業績に一定程度影響が及ぶ可能性があります。
⑦ 人材・労務に関するリスク
(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:中期)
建設業界における慢性的な人手不足を背景に、生コンクリートの現場打ちと比較して品質・工期面で優れるコンクリート製品の採用拡大の機運が高まっておりますが、一方で当社グループの人材の確保も困難になってきております。当社グループでは、人材採用力の強化、労働時間の短縮やフレックスタイムの導入、育児・介護休業を含む柔軟な休暇制度の充実化、その他多様な人材がそれぞれの事情に応じて柔軟に働くことができる労働環境の整備に努めております。また、生産部門においては生産及び出荷準備工程の省人化に向けた取り組みとして、工程の一部へのロボットの導入にも着手しております。
しかしながら、人材の確保が想定以上に進まず顧客ニーズに応じた対応ができない場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
⑧ 研究開発・新規事業に関するリスク
(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:中期)
当社グループでは、市場のニーズやウォンツを先取りした製品の開発・市場投入に向けた研究開発活動を行っております。現存する技術部門とは別に、2023年4月に技術研究所を立ち上げ、開発テーマの検討、評価、並びに開発の進捗管理をグループ横断的に実施する仕組みを導入し、十分な成果を上げられるよう取り組んでおります。しかしながら、これらの活動のすべてが将来の収益に繋がる保証はなく、研究開発活動の結果次第では、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループでは、コンクリート事業、パイル事業及び斜面防災事業のさらなる成長を図ることと並行して、リスクをコントロールしながらその他事業への取組みや新規事業の探索を行っておりますが、これらの活動が期待する成果を上げられない場合には、投資回収の遅れや追加コストの発生等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
⑨ 知的財産権に関するリスク
(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:中期~長期)
当社グループにおいて、特許権等の知的財産権は、他社との差別化要因の一つであり、重要な経営資源であります。当社グループでは、法令に従い知的財産権の適切な取得保全手続きを行うとともに、知的財産権を含む第三者の権利を侵害することが無いよう細心の注意を払っております。
しかしながら、当社グループの知的財産権が十分に保護されず、もしくは当社グループが第三者の権利を侵害した場合には、収益機会の喪失・減少や損害賠償の支払いなど、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
⑩ 情報セキュリティ・ITに関するリスク
(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:短期)
当社グループは、顧客の機密情報及び営業上・技術上の秘密情報を保有しております。
これらの情報について、サイバー攻撃、不正アクセス、内部不正、情報機器の紛失等により漏洩・滅失等が発生するリスクがあります。近年はサイバー攻撃の高度化・多様化が進んでおり、当社グループを取り巻く情報セキュリティリスクの水準も変化しております。
当社グループでは、情報管理規程の整備、教育の実施、アクセス権限管理、技術的対策等を講じております。
しかしながら、これらの対策をもってしてもリスクを完全に排除することは困難であり、万一当該事象が発生した場合には、損害賠償、信用失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 固定資産及びのれんの減損に関するリスク
(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:中期)
当社グループは、品質の向上または生産性の向上のため設備投資を継続的に行っております。また、事業の成長のため必要に応じてM&Aを実施しております。当社グループでは、投資の意思決定の際には、投資効果を慎重に検討しているほか、M&A投資につきましては、投資後も適切な経営指導やシナジー創出のための積極的な関与・連携を行い、投資価値の維持・向上に努めております。
しかしながら、有形固定資産及びのれんを含む無形固定資産が想定したキャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識する必要性が生じ、結果として多額の減損損失を認識した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績に裏付けられた成果の配分として、安定した配当を継続していくことを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としており、配当の決定機関は株主総会であります。
当期の配当につきましては、2026年6月25日開催予定の定時株主総会にて、1株当たり普通配当35円(通期35円)を決議する予定であります。
また、内部保留金につきましては、長期的な競争力の強化と企業価値の増大を図ることを目的として、今後の事業展開への備えと新製品開発、製造設備等に投資してまいります。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。