2025.10.02更新

コーポレートストーリー

価値創造に関する情報ソースがAIによって要約されています。 情報ソース: 統合報告書2025

サマリ

日本カーボン(5302)は、創業1915年の総合炭素製品メーカー。半導体・太陽電池の製造装置で使う「炭素繊維断熱材」「C/Cコンポジット」「特殊炭素材料」などのファインカーボン、製鋼用「人造黒鉛電極」、EV等の「リチウムイオン電池負極材」、航空機の先端複合材に用いる炭化けい素繊維「ニカロン」を展開。新中計「GO BEYOND 2030」で収益性とサステナビリティを同時に高める方針です。

目指す経営指標

年率10%前後の売上拡大(「GO BEYOND 2030」期間)

エネルギー原単位の削減:1%/年(GHG低減の指標)

女性管理職数:2030年に2021年度の倍を目標(女性活躍)

安定的な配当と機動的な株主還元(自己株式取得等)の継続方針(定量KPIは資料記載なし)

専門用語

■人造黒鉛電極
電炉で鉄スクラップを溶かす際にアーク(電気の火)を発生させる製鋼用の電極。約1,500℃でも溶けにくく、衝突に耐える強度を持ち、循環型の製鋼を支える基盤素材です。

■ファインカーボン製品
半導体や太陽電池などの製造装置部材として用いられる高機能炭素材料の総称。事業の柱として拡大し、成長分野に向けてシェア拡大と投資・コスト最適化を進める位置づけです。

■C/Cコンポジット(C/C複合材)
炭素繊維を炭素マトリクスで固めた耐熱・耐摩耗性に優れた複合材料。同社は「CCM」の量産を進め、炭素繊維断熱材とともに生産能力を拡大してきました。

■炭素繊維断熱材
高温環境での断熱用途に使う炭素系の断熱材。同社は量産化し、ロケットノズルなど宇宙分野でも採用実績が示されています。

■リチウムイオン電池負極材
リチウムイオン電池の「負極」に用いる炭素系材料。同社は富山工場で量産を開始し、エネルギー機器分野の事業基盤の一つとなっています。

■炭化けい素繊維「ニカロン」
高温大気中でも安定し、高い強度と弾性率を持つ同社のSiC繊維ブランド。セラミックスや金属との複合化で航空機エンジン部品などに採用され、軽量化と耐久・燃費性能向上に寄与します。

■不浸透黒鉛「レスボン」
化学プラント向けに開発された、薬液が染み込みにくい(不浸透)黒鉛材料のブランド。国産第1号の塩酸吸収塔にも使われたと記載されています。

■ニカフィルム
黒鉛の特性と柔軟性を併せ持つ可とう性黒鉛シール材。同社は工業化を進め、シール用途での耐熱・耐薬品性ニーズに応えています。

■「GO BEYOND 2030」
2030年を最終年度に据えた新中期経営方針。収益性向上・サステナビリティ経営・株主還元強化を基軸に、AI/5G・データセンター・xEV等の市場で年率約10%の売上拡大を目指す方針です。

■「BREAKTHROUGH 2024」
2022~2024年の中期経営方針。事業構造改革と企業体質の改善を進め、次の方針「GO BEYOND 2030」策定の基盤になったと説明されています。

■「電極バブル」
人造黒鉛電極の需給バランスが崩れて市場価格が一時的に高騰した局面を指す、トップメッセージ上の表現。これを契機に事業ポートフォリオ見直しの意志が強まったと述べられています。

■「愛と科学の社会」
「愛と科学の社会を目指す、夢と技術のある会社」という同社の経営理念。新方針でもこの理念の具現化を礎に、ESGやDXを加速する方針が示されています。

■電炉/高炉
「高炉から電炉への切り替え」が外部環境として挙げられており、スクラップを溶かして鉄をつくる電炉の比重が高まる流れを前提に、電極材事業の最適生産やコスト削減を進める方針です。

■パワー半導体関連製品
新規事業領域として示される対象。DX/GXの産業拡大を背景に、同社は事業化を掲げています(将来計画の位置づけ)。

■テクニカルセンター
同社グループの研究・評価機能を担う拠点として、環境・生産関連データの対象範囲にも明記される施設。研究開発のハブとして位置づけられています。