2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    681名(単体) 3,841名(連結)
  • 平均年齢
    43.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.6年(単体)
  • 平均年収
    7,564,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

特殊鋼鋼材事業

903

ばね事業

1,271

素形材事業

910

機器装置事業

460

その他の事業

94

全社(共通)

203

3,841

 

(注) 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出

      向者を含む就業人員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

681

43.5

20.6

7,564

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

特殊鋼鋼材事業

21

ばね事業

331

素形材事業

126

機器装置事業

その他の事業

全社(共通)

203

681

 

(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

  2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は、三菱製鋼労働組合と称し、日本基幹産業労働組合連合会に加盟しております。

なお、労働組合との関係について特記すべき事項はありません。

 

 

 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注)1

全労働者

うち正規労働者

うち非正規労働者

4.9

100.0

77.9

82.8

56.2

(注)3

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.非正規労働者のうち、男性社員は管理職比率が高いため、賃金格差が生じています。

 

従業員の男女間賃金差異に関する補足

 当社においては、男女における賃金体系及び制度上の違いはございません。

       ただし、管理職比率や年齢構成における男女差があり、それに伴う賃金差異が生じております。

    当社人財戦略の軸としている「人材の多様性がもたらす柔軟な創造力」の取り組みを進める中で、女性管理職比 率の向上などの改善を進めてまいります。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注)1

全労働者

うち正規労働者

うち非正規労働者

三菱製鋼
室蘭特殊鋼㈱

100.0

69.1

67.6

(注)3

三菱
長崎機工㈱

1.8

81.8

79.9

82.3

12.0

(注)4

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

    3.女性非正規労働者がいないため、比較できないことを示しています。

    4. 非正規労働者のうち、男性社員は管理職比率が高いため、賃金格差が生じています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前 提に基づいており、実際の結果とはさまざまな要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)サステナビリティ戦略

  当社グループでは、社会課題解決への取り組みを企業が果たすべき重要な責務の一つと認識し、ESG(環境・社会・ガバナンス)をはじめとする諸課題解決に向けた取り組みを進めています。

 また、2023年度~2025年度を対象とする「2023中期経営計画」の基本方針の一つに「サステナビリティ経営」を掲げ、カーボンニュートラルや人的資本等をはじめとしたESG関連の各種取り組みを推進し、持続的成長と企業価値向上を図っていくこととしています。

 

① ガバナンス

当社では、サステナビリティ委員会(委員長:社長執行役員)を原則として3か月に一回以上開催し、サステナビリティに関する事項を審議するとともに、重要事項については取締役会に付議または報告し、サステナビリティに関する重要事項の決定や対応状況のモニタリング等を行っています。

サステナビリティ委員会の下部組織として「地球環境委員会」、「カーボンニュートラル委員会」、事務局として「ESG推進室」を設け、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する評価、管理を含む当社のサステナビリティ推進に向けて、全社横断的に対応できるマネジメント体制としております。

また、2024年4月より、従来の「ESG分科会」を「ESG推進室」として組織化し、事務局としての機能を強化することで、ESG各課題への取り組み強化や情報開示の更なる充実・高度化を図っていく体制としています。


 ② 戦略

三菱製鋼グループは、「経営理念」と「三菱製鋼グループ企業行動指針」「三菱製鋼グループ行動規範」に基づき「サステナビリティに関する基本方針」を策定し、これに即してサステナビリティ活動を推進しています。「事業活動」「コンプライアンス」「情報開示」「社員の尊重」「環境保全」「国際化」の6つの柱からなる「三菱製鋼グループ企業行動指針」で、11項目を明文化するとともに、さらにそれを細分化した「三菱製鋼グループ行動規範」を定めることで、事業を通じた企業価値の向上と、持続可能な健全な社会の実現に向けて取り組むべき姿勢を従業員と共有しています。

(サステナビリティに関する基本方針)

三菱製鋼グループは、いかなる経営環境の変化にも対応できる企業体質を確立することを重要課題と認識し、競争力ある事業の育成を通じて、持続的かつグローバルに発展することを経営の基本方針としております。この方針の下、「経営理念」と「三菱製鋼グループ企業行動指針」「三菱製鋼グループ行動規範」に基づき、自らの社会的使命を果たすことでより信頼される企業を目指し、お客様・お取引先様・株主・従業員・地域社会など各ステークホルダーとの対話を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。

 

 〔Environment(環境)〕

三菱製鋼グループは地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであると認識し、事業活動のあらゆる面で環境の保全に積極的に取り組みます。

 〔Social(社会)〕

三菱製鋼グループは人権、人格、個性と多様性を尊重し、安全で働きやすい職場環境を確保するとともに、人材の育成を通じて企業活力の維持・向上を図ります。

 〔Governance(ガバナンス)〕

三菱製鋼グループはグローバルな事業活動において法令や社会規範を遵守し、公正で透明、自由な競争並びに適正な取引を行うとともに、企業価値の最大化を図るため常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組みます。

 

 また当社は、サステナビリティ経営をより効果的に推進するため、「社内における重要度」と「社外から当社グループへの期待度」を軸としてテーマを洗い出し、5つの重要課題を特定しました。これらの課題は、SDGs(持続可能な開発目標)との関連性を整理しています。

 なお、重要課題については、社会環境や事業環境の変化を踏まえ、適宜再検証・見直しを行っています。今後、これらの活動をより拡大・進めることで、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、当社グループの企業価値向上と持続的成長を目指します。

 


 

③ リスク管理

 当社では、サステナビリティ関連のリスク管理プロセスとして、リスク管理委員会およびサステナビリティ委員会を通じて、全社的な短期・中期・長期リスクの特定、評価、対応策の検討を行っています。またこれに基づき、取締役会にてリスク管理状況の監督を行っています。


 

 ④ 指標と目標

当社が掲げているサステナビリティに関する指標と目標は、以下のとおりです。

[気候変動関連]

   ・CO2削減目標(2030年度削減目標及び2050年度カーボンニュートラル)

   ※詳細は、「(2)気候変動(TCFD提言に基づく情報開示)-④指標と目標」をご覧ください。

 

  [人的資本関連]

   ・有給休暇取得率

   ・女性従業員比率、女性管理職比率

     ・エンゲージメントサーベイ結果

    ※詳細は、「(3)人的資本-④指標と目標」をご覧ください。

 

[役員報酬における非財務項目の導入]

非財務項目の施策に対するインセンティブを目的として、取締役(社外取締役を除く)及び執行役員を対象に、業績連動報酬(賞与及び株式報酬)におけるKPIとして、以下を導入しています。

 

[賞与]

E:CO2削減、S:安全成績(労災件数)、G:取締役会実効性評価(執行役員は担当部門の内部統制・業務監査結果)

[株式報酬]

E:CO2削減、S:エンゲージメントサーベイ、G:取締役会実効性評価(執行役員は担当部門の内部統制・業務監査結果)

 

 

 

(2)気候変動(TCFD提言に基づく情報開示)

  当社は2021年11月に、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明いたしました。

 当社では、このTCFD のフレームワークに基づき、気候変動に起因する事業リスクやビジネス機会とその財務的影響等についての情報開示を行っております。

 

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスについては、サステナビリティ戦略のガバナンスに組み込まれています。詳細は、「(1)サステナビリティ戦略-①ガバナンス」をご覧ください。

また、当社グループでは「ISO14001環境マネジメントシステム」の構築や全社的な体制整備により、環境管理の継続的な改善を図っています。

 

② 戦略

当社は、国内事業を対象とし、2030年、2050年の時間軸にて、今世紀末の平均気温上昇を1.5℃未満に抑えるために、世界的な気候変動対策が成功するシナリオ(気候変動関連規制等により主に「移行リスク」が顕在化する1.5℃シナリオ)と、不十分なままとなるシナリオ(自然災害の増加等により主に「物理リスク」が顕在化する4℃シナリオ)の2つのシナリオを用いてシナリオ分析を実施いたしました。

 

◆リスク・機会と時間軸・影響度


 

 

◆移行リスク・機会への対応策


 なお当社は、シナリオ分析において大きな財務的影響を与える機会への対応策として特定した各製品を、今後育成すべき戦略事業として「2023中期経営計画」へと織り込んでおります。これらの戦略事業の育成を進め、戦略事業構成比率を50%に引き上げることで事業ポートフォリオの変革を進め、サステナビリティ経営を実現してまいります。


 

 

リスク管理

  気候変動に関する主なリスクについては、サステナビリティ戦略のリスクに含めて管理しています。詳細は、「(1)サステナビリティ戦略-③リスク管理」をご覧ください。

  なお、移行リスクはサステナビリティ委員会、物理リスクやその他のリスクはリスク管理委員会で管掌しています。

 また、カーボンニュートラル関連を含む設備投資については、経営企画部を主体とした投融資委員会で事業計画及びリスクを精査し、審議を実施しています。

  BCPについては、リスク管理委員会にて、災害発生時に各部門・事業所・子会社での対応や復旧が滞りなく行われるよう、策定・検証及び見直しを行っています。

 

  ④ 指標と目標

[中長期ビジョン]

  三菱製鋼グループは、以下の中長期環境ビジョンに則り、2050年のあるべき姿に向けて活動してまいります。

 


 

[GHG排出量削減目標 (国内Scope1,2)]


[GHG排出量削減実績]

(単位:㌧-CO2)

 

直接排出(Scope1)

間接排出(Scope2)

サプライチェーン上における排出(Scope3)

ライフサイクル全体の排出量(Scope1+2+3)

2023年度

79,157

107,267

1,744,807

1,931,231

2024年度

70,635

98,340

1,600,419

1,769,394

 

※2023年度の値は第三者保証値です(集計範囲は三菱製鋼とその国内連結子会社)

 なお、2024年度数値についても、今後第三者保証を取得する見込みです。

 

 

[Scope3 カテゴリー別GHG排出量]

(単位:㌧-CO2)

カテゴリー

2023年度

2024年度

備考

1.製品・サービス購入

1,594,553

1,481,721

2.資本財

10,498

11,964

3.エネルギー関連活動

14,449

12,127

4.輸送・配送(上流)

32,376

30,997

5.事業から出る廃棄物

1,952

1,267

6.出張

200

195

7.従業員通勤

653

608

8.リース資産(上流)

非該当

9.輸送、配送(下流)

18,359

16,705

10.販売した製品の加工

37,961

35,025

11.販売した製品の使用

26,183

2,321

12.販売した製品の廃棄

4,047

4,644

13.リース資産(下流)

非該当

14.フランチャイズ

非該当

15.投資

3,576

2,845

合計

1,744,807

1,600,419

 

 

※2023年度の値は第三者保証値です(集計範囲は三菱製鋼とその国内連結子会社)

 なお、2024年度数値についても、今後第三者保証を取得する見込みです。

 

 

 

[インターナルカーボンプライシング(ICP)の導入]

当社は、2022年度下期より国内事業においてICPを用いてCO2削減効果を仮想金額で上乗せすることで、カーボンニュートラル関連の設備投資を推進しております。

- 内部炭素価格:10,000円/t-CO2

- 適用範囲:国内外すべての設備投資

 

 

※「TCFD提言に基づく情報開示」の詳細につきましては、当社ウェブサイト「サステナビリティ」ページ(https://www.mitsubishisteel.co.jp/sustainability/environment/tcfd/)をご覧ください。

 

 

(3)人的資本

  当社グループでは、社員一人ひとりが持つ力を伸ばし、会社の強みとしていく人的資本の活用が、当社グループにとって持続的成長の必須条件であると認識し、人材育成とダイバーシティ、職場環境の改善を重視し、社内におけるサステナビリティ対応として取り組みを進めています。

 

  ① ガバナンス

「(1)サステナビリティ戦略-①ガバナンス」をご覧ください。

 

  ② 戦略

[従業員エンゲージメントの向上]

 当社では、人的資本経営の実現に向けて、毎年以下のサイクルを継続して実施し、経営層が先頭に立って変革を推進していくことで、“すべての社員がその能力を十分に発揮できる環境”をつくり、生産性向上とイノベーションの実現を目指してまいります。

 具体的には、「2030年のありたい姿」の実現に向けて、人的資本経営に向けた各施策を進めつつ、経営トップとの各階層別タウンホールミーティング実施による当社ビジョンや価値観の共有と意見の吸い上げや、エンゲージメントサーベイを通した評価・分析を行うことで、継続的に改善を進めています。

 


 

1.課題達成に向けた計画の立案

 当社グループでは、2023年度~2025年度を対象とする「2023中期経営計画」にて、2030年のありたい姿「人を活かし、技術を活かし、時代の波に乗り続ける企業でありたい」に向けた4つの基本方針の一つとして「人材への投資」を掲げています。

・人を活かす職場環境づくり

・人を活かす仕掛けづくり

・人材の多様性がもたらす柔軟な創造力

に向けた各施策を進めるとともに、人材への投資として、教育・資格取得支援、福利厚生充実等として中計3年間で5億円の予算を設けています。

 

 

2.改善施策・実行

 当社では、中期経営計画で掲げた「人材への投資」の方針のもと、従業員が「働きやすく、やりがいを持って働くことのできる」職場環境づくりに向けて、さまざまな取り組みを実施しています。

 

・エンゲージメントサーベイによる従業員の期待値や評価の可視化・モニタリング

  (詳細は「3.モニタリング・可視化(エンゲージメントサーベイ)」)

・2024年に引き続く高水準の賃金改善や福利厚生・手当の拡充

・等級・評価制度等の制度面の見直しによる「人を活かす仕掛けづくり」を推進中

・教育・研修制度、資格取得支援制度の拡充

・製造現場の作業環境改善や独身寮の新設

・健康増進活動および職場環境の整備に向けた取り組みの成果として、2024年度で当社として初めて「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定される。

 

3.モニタリング・可視化(エンゲージメントサーベイ)

 当社では、従業員の期待値や評価の可視化・モニタリングを目的として、2023年度よりエンゲージメントサーベイを実施しています。

 初回となった、2023年度の調査の結果、主に以下の点が当社の弱みとして明らかになりました。

 

・職場環境(施設・設備面)

・上司と部下のコミュニケーションや部下の育成

 

こうした調査結果の分析をもとに、課題として挙がった項目の改善を中心に、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを進めています(詳しくは「4. さらなる改善に向けた結果の分析と共有」をご覧ください)

 

 また2024年7〜8月にかけて、第2回のエンゲージメントサーベイを実施しました。中計で掲げた「人材への投資」については、質問に対する肯定的回答率が大幅に改善するなど、施策に対して一定の効果が見られました。また、従業員の中にも「声を挙げれば会社も動いてくれる」といった意識が徐々に浸透し、経営と従業員間のコミュニケーションがより深まってきています。

 一方で、全体のスコアも前年比僅かに改善したものの、依然として満足のいく水準とはいえず、さらなる取り組みが必要と考えています。前回明らかになった「職場環境(施設・設備面)」や「上司と部下のコミュニケーションや部下の育成」は、引き続き重要な課題であり、これらの課題解消に向けた施策の実行と定期的な効果の測定を行うことで、持続的な改善を図ってまいります。

 

4.さらなる改善に向けた結果の分析と共有

[結果の共有]

 エンゲージメントサーベイの結果については、経営会議・取締役会で報告を行うとともに、社内広報媒体にて、結果概要の報告を行っています。また管理職については、各拠点にて別途「エンゲージメントサーベイ結果共有会」を実施し、サーベイ結果の読み解き方やそれに対するアクションプランの立て方を外部の専門業者の方から説明いただく機会を設けています。

 さらに各部署で立案・実行したアクションプランの進捗評価として、フォーカスサーベイ(個別の項目に絞った意識調査)を実施するとともに、各部署のプラン推進者を対象とした相談会を開催し、アクションプランの推進における課題や悩みを外部の専門家に相談する機会を設けることで、調査で明らかになった課題の解決に向け、全社レベルだけでなく、各部署単位でも取り組みを進めています。

 

[改善に向けた取り組み]

サーベイで明らかになった課題に対し、現在以下の取り組みを進めています

・職場環境(施設・設備面)

主に各製作所の現場において、夏季の暑さ対策や、駐車場・風呂場等の職場環境の改善の要望が多く挙がりました。これを受け、各事業所における施設環境の改善費用として約5億円の予算を設け、施設環境の改善を進めました。

・上司と部下のコミュニケーションや部下の育成

ロールプレイングを用いた研修を実施し、部下の自律性を促進し、モチベーションを維持するための効果的なコミュニケーションの習得を図るとともに、個々のレベルを測定し課題の抽出を進め、マネジメント層の質の底上げを行うことで、部下育成の強化を進めています。

 

 ●改善サイクルを支える仕組み(会社と従業員の対話の機会) 

 当社では、会社と従業員が対話できる機会を積極的に設けることで、さらなるエンゲージメント向上に向けた改善活動を進めています。 

 従来から、人事部や各事業所と労働組合との対話の機会を定期的に設けているほか、「生活総点検活動」として、従業員の要望を労働組合から書面で会社側に提出する仕組みを構築しています。

  また2022年より、経営トップより当社のビジョンや価値観・ミッションを伝えるとともに、従業員の日頃の困りごとや要望等の“生の声”を吸い上げることを目的に、タウンホールミーティングを実施しています。ここで出た意見や要望は、エンゲージメントサーベイの結果等とあわせて、改善に向けた施策に取り入れることで、より実効性の高い従業員エンゲージメントの向上策につなげてまいります。

 

 

[持続的成長に向けた人材戦略について]

 当社では、2030年のありたい姿を「人を活かし、技術を活かし、時代の波に乗り続ける企業でありたい」と設定し、現行の「2023中期経営計画」では、ありたい姿に向けた土台づくりを進めてきました。

 

(人材育成・教育の強化)

・教育・研修制度、資格取得支援制度の強化等

[1人当たり教育投資額] 105千円(前期比25%増)

・新規事業の創出に向けたイントラプレナーシップ人材の育成(「新規事業創出チャレンジ」)

・デジタル化の進展に対応したDX人材の育成

(中途採用の強化)

・従来の欠員補充から、戦略的な人材確保へ(戦略事業の技術的知見・経験を持つ人材獲得等)

・様々なバックグラウンドや経験による多様性創出

 

 さらに今後は、ありたい姿の実現に向け戦略事業への人材の配置や必要スキルの育成等、「戦略事業を伸ばす人的資本投資」を具体的に加速させ、持続的成長を実現させてまいります。

 

(戦略事業を伸ばす人的資本投資)

・戦略事業に直結した採用・配置計画を明確化し、経営戦略と人材戦略の連動を強化

・高機能素材・デジタル技術など重点分野の専門研修を拡充し、必要スキルを計画的に育成

異動の仕組みを見直し、適材を迅速に戦略事業へ配置できる体制を整備

・「新規事業創出チャレンジ」の取り組みを継続し、成果連動型の評価・処遇で挑戦人材の成長と事業の芽を育む

 

 

 リスク管理

 「(1)サステナビリティ戦略-③リスク管理」をご覧ください。

 

  ④ 指標と目標

(ア)従業員エンゲージメントに関する指標

 当社では、従業員エンゲージメントに関する指標として、「エンゲージメントサーベイスコア前年比改善」を掲げています。

 当社として2回目となる2024年度のエンゲージメントサーベイの結果については、中計で掲げた「人材への投資」の質問に対しては肯定的回答率が大幅に改善した一方で、全体のスコアとしては前年比僅かな改善に留まりました。

 引き続き、調査で明らかになった課題解消に向けた取り組みを進めることで、従業員エンゲージメントの持続的な向上を図ってまいります。(詳細は「3.モニタリング・可視化(エンゲージメントサーベイ)」をご覧ください)

 

(イ)多様性向上に関する指標

 「多様な人材がいきいきと働く環境づくり」に向けて、育児・介護等と仕事の両立に向けた制度の充実やテレワークやフレックスタイム制、時差出勤の活用に加え、2022年度より「年次有給休暇取得75%達成」を目標に掲げ、休日前後の有給休暇を取得しやすくする「プラスONEキャンペーン」を実施するなど、「有給休暇を取得しやすい」職場風土づくりに取り組んでいます。こうした取り組みの成果により、2024年度では昨年に引き続き2年連続で目標達成となりました。

 また「女性活躍の推進」に向けては、女性従業員・管理職の比率を指標として掲げ、管理職向けのダイバーシティ教育に加え、女性社外役員による管理職及び候補層の従業員へのキャリア教育を行う等、取り組みを進めています。なお女性管理職比率については目標に対して大きく未達となっていますが、管理職候補層の女性比率は、2022年度1.8%から2024年度では9.8%と大きく改善しており、次世代管理職の女性人材の育成が進んでいます。

 

項目

目標値

2024年度実績

有給休暇取得率

75

75.2%

女性従業員比率

2025年まで15

13.7%

女性管理職比率

2025年まで10

4.9%