2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

環境・リサイクル 製錬 電子材料 金属加工 熱処理 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
環境・リサイクル 180,142 22.7 14,967 36.1 8.3
製錬 266,355 33.6 17,142 41.4 6.4
電子材料 164,861 20.8 310 0.7 0.2
金属加工 128,798 16.2 5,939 14.3 4.6
熱処理 33,780 4.3 2,194 5.3 6.5
その他 19,067 2.4 897 2.2 4.7

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社89社及び関連会社16社で構成されており、環境・リサイクル事業、製錬事業、電子材料事業、金属加工事業、熱処理事業及びこれらに付帯する事業を営んでいます。

当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであり、以下に示す区分はセグメントと同一の区分です。

なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準につきましては連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

 

 

環境・リサイクル部門……

当部門においては、廃棄物処理業、土壌浄化業、資源リサイクル業、物流業等を営んでいます。
(主な関係会社)
DOWAエコシステム㈱、エコシステム花岡㈱、エコシステムリサイクリング㈱、アクトビーリサイクリング㈱、㈱エコリサイクル、グリーンフィル小坂㈱、エコシステム岡山㈱、エコシステム山陽㈱、イー・アンド・イーソリューションズ㈱、ジオテクノス㈱、エコシステム千葉㈱、メルテック㈱、メルテックいわき㈱、エコシステム秋田㈱、エコシステム小坂㈱、㈱相双スマートエコカンパニー、エコシステムジャパン㈱、DOWA通運㈱、岡山砿油㈱、バイオディーゼル岡山㈱、㈱北秋環境サービス、Eastern Seaboard Environmental Complex Co.,Ltd.、Bangpoo Environmental Complex Co.,Ltd.、WASTE MANAGEMENT SIAM LTD.、MODERN ASIA ENVIRONMENTAL HOLDINGS PTE. LTD.、PT Prasadha Pamunah Limbah Industri、蘇州同和資源綜合利用有限公司、GOLDEN DOWA ECO-SYSTEM MYANMAR CO., LTD.、PT DOWA ECO SYSTEM INDONESIA

製錬部門……………………

当部門においては、金、銀、銅、鉛、亜鉛、亜鉛合金、インジウム、プラチナ、パラジウム、ロジウム、すず、アンチモン、硫酸等の製造・販売を行っています。
(主な関係会社)
DOWAメタルマイン㈱、秋田製錬㈱、小坂製錬㈱、秋田ジンクソリューションズ㈱、㈱日本ピージーエム、秋田ジンクリサイクリング㈱、秋田レアメタル㈱、DMMパルマー㈱、㈱飯島興産、NIPPON PGM AMERICA, INC.、NIPPON PGM EUROPE S.R.O.、DOWA METALS & MINING ALASKA LTD.、DOWA METALS & MINING (THAILAND) CO., LTD.、DOWA METALS & MINING AMERICA, INC.、NPGM KOREA Co., Ltd.、NPGM USA INC.

電子材料部門………………

当部門においては、高純度金属材料、化合物半導体ウェハ、LED、導電材料、電池材料、磁性材料、還元鉄粉等の製造・販売を行っています。
(主な関係会社)
DOWAエレクトロニクス㈱、DOWAハイテック㈱(導電・電池材料)、DOWAセミコンダクター秋田㈱、DOWA IPクリエイション㈱、DOWAエフテック㈱、DOWAエレクトロニクス岡山㈱

 

 

 

金属加工部門………………

当部門においては、銅・黄銅及び銅合金の板条、黄銅棒、回路基板等の製造・販売及びめっき加工等のサービスを行っています。
(主な関係会社)
DOWAメタルテック㈱、DOWAハイテック㈱(めっき)、DOWAメタル㈱、DOWAメタニクス㈱、豊栄商事㈱、DOWAパワーデバイス㈱、新日本ブラス㈱、同和金属材料(上海)有限公司、DOWA METALTECH (THAILAND) CO., LTD.、同和新材料(上海)有限公司、同和利精密部品股份有限公司、DOWA METALTECH MEXICO, S.A.de C.V.、同和金属技術(南通)有限公司、DOWA METALTECH CHONBURI CO.,LTD.

熱処理部門…………………

当部門においては、自動車部品等の金属材料の熱処理・表面処理加工、熱処理加工設備及びその付帯設備の製造・販売・メンテナンス等を営んでいます。
(主な関係会社)
DOWAサーモテック㈱、DOWAサーモエンジニアリング㈱、㈱セム、東熱興産㈱、DOWA THT AMERICA, INC.、Dowa Thermotech (Thailand) Co., Ltd.、HIGHTEMP FURNACES LTD.、昆山同和熱処理工業炉有限公司、PT. DOWA THERMOTECH INDONESIA、PT. DOWA THERMOTECH FURNACES、DOWA THERMOTECH MEXICO S.A. de C.V.

その他………………………

その他においては、不動産の賃貸業、プラント建設業、土木工事業、建築工事業、事務管理業務、技術開発支援業務等を営んでいます。
(主な関係会社)
DOWAテクノエンジ㈱、DOWA興産㈱、DOWAマネジメントサービス㈱、秋田工営㈱、陽和工営㈱、DOWAテクノロジー㈱、DOWAテクノリサーチ㈱、卯根倉鉱業㈱、DOWA INTERNATIONAL CORPORATION、DOWA HD Europe GmbH 、同和企業管理(上海)有限公司

 

 

 

 

以上の当社グループの概要は次のとおりです。

(注) ※の印のついている会社は持分法適用関連会社です。

 


業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループの事業の状況につきましては、自動車の生産が低調であったことから、当社の自動車関連製品及びサービスの受注は減少しました。情報通信関連製品の販売は堅調に推移しました。また、新エネルギー関連製品の販売は第2四半期以降、調整局面が継続しています。環境・リサイクル関連サービスは廃棄物処理の受注が堅調でした。相場環境につきましては、前期と比較して平均為替レートは円安ドル高となりました。また、金、銀、銅及び亜鉛の平均価格は上昇しました。電力代等のエネルギーコストは前期と比較して減少しました。

このような状況の中、当社は企業価値の向上と持続可能な社会の実現への貢献に向け、「循環型ビジネスモデルの進化」と「サステナビリティ・マネジメントの強化」を「中期計画2024」の基本戦略とし、5つのコアビジネスのさらなる強化と経営基盤の充実化のための諸施策を着実に推進しました。

これらの結果、当期の連結売上高は前期比5.4%減678,672百万円、連結営業利益は同7.4%増32,226百万円、連結経常利益は同2.6%減43,598百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.6%減27,128百万円となりました。

 

主要セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

 

環境・リサイクル部門

売上高、営業利益、経常利益の状況

(単位:百万円)

 

2024年3月

2025年3月

増減

増減率

売上高

150,389

180,142

29,752

19.8%

営業利益

10,537

13,909

3,371

32.0%

経常利益

11,181

14,967

3,786

33.9%

 

廃棄物処理事業では焼却の処理量及び処理単価は堅調に推移しました。また、溶融・再資源化の処理量は増加しました。土壌浄化事業では土壌浄化の受注が堅調に推移しました。また、不燃性廃棄物の再資源化の処理量は増加しました。リサイクル事業では当社製錬所向けのリサイクル原料の集荷量は増加し、家電リサイクルの処理量は減少しました。また、平均為替レートが前期比で円安ドル高となり、金、銀及び銅の平均価格が上昇したことが業績に寄与しました。東南アジア事業では廃棄物処理の受注が増加しました。

これらの結果、当部門の売上高は前期比19.8%増180,142百万円、営業利益は同32.0%増13,909百万円、経常利益は同33.9%増14,967百万円となりました。

 

主要製品・主要サービスの状況

2024年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)

 

2024年3月

2025年3月

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

国内の廃棄物中間処理量

100

93

91

94

103

93

93

89

家電リサイクル処理台数

100

103

106

98

99

99

97

94

東南アジアの廃棄物処理額

100

90

98

109

106

96

119

130

 

 

製錬部門

売上高、営業利益、経常利益の状況

(単位:百万円)

 

2024年3月

2025年3月

増減

増減率

売上高

317,848

266,355

△51,492

△16.2%

営業利益

8,942

10,561

1,619

18.1%

経常利益

18,202

17,142

△1,059

△5.8%

 

貴金属銅事業では金、銀及び銅の生産量は減少しました。PGM(白金族)事業では白金族金属価格低迷の影響を受け、使用済み自動車排ガス浄化触媒の集荷量が減少しました。亜鉛事業では亜鉛の生産量は減少しました。また、電力代等のエネルギーコストは減少しました。加えて、ヘッジコストが改善しました。一方で、亜鉛の棚卸資産の簿価切下げによる損失幅は拡大しました。製錬部門全体では、平均為替レートが前期比で円安ドル高となり、金、銀、銅及び亜鉛の平均価格が上昇したことが業績に寄与しました。営業外損益では海外鉱山にかかる収益は減少しました。

これらの結果、当部門の売上高は前期比16.2%減266,355百万円、営業利益は同18.1%増10,561百万円、経常利益は同5.8%減17,142百万円となりました。

 

主要製品・主要サービスの状況

2024年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)

 

2024年3月

2025年3月

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

リサイクル原料取扱量

(小坂製錬㈱)

100

92

101

85

100

97

103

98

亜鉛生産量(秋田製錬㈱)

100

58

107

102

102

63

101

63

 

 

電子材料部門

売上高、営業損益、経常利益の状況

(単位:百万円)

 

2024年3月

2025年3月

増減

増減率

売上高

183,174

164,861

△18,313

△10.0%

営業損益

1,652

△592

△2,245

-%

経常利益

3,508

310

△3,198

△91.2%

 

半導体事業ではウェアラブル機器向け近赤外LED及び受光素子(PD)の販売は低調に推移しました。電子材料事業では太陽光パネル向けの需要が第2四半期以降、調整局面となったことに加え、競合他社との競争激化により、銀粉の販売は減少しました。一方で、半導体事業と電子材料事業では、平均為替レートが前期比で円安ドル高となったことが業績に寄与しました。機能材料事業では磁性粉の販売が低調に推移しました。営業外損益ではサンプル収入が減少しました。

これらの結果、当部門の売上高は前期比10.0%減164,861百万円、営業損益は同2,245百万円減592百万円の損失、経常利益は同91.2%減310百万円となりました。

 

主要製品・主要サービスの状況

2024年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)

 

2024年3月

2025年3月

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

LED販売量

100

122

98

115

106

120

121

101

銀粉販売量

100

117

151

120

131

83

61

39

 

 

 

金属加工部門

売上高、営業利益、経常利益の状況

(単位:百万円)

 

2024年3月

2025年3月

増減

増減率

売上高

116,447

128,798

12,351

10.6%

営業利益

4,940

5,291

350

7.1%

経常利益

5,187

5,939

752

14.5%

 

伸銅品事業では自動車の生産が低調であったことから、自動車関連製品の販売は前期を下回りました。情報通信関連製品の販売は増加しました。また、銅の価格が第1四半期末にかけて上昇したことが業績に寄与しました。めっき事業では自動車向けの需要が低調に推移しました。回路基板事業では原材料費等が上昇しました。

これらの結果、当部門の売上高は前期比10.6%増128,798百万円、営業利益は同7.1%増5,291百万円、経常利益は同14.5%増5,939百万円となりました。

 

主要製品・主要サービスの状況

2024年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)

 

2024年3月

2025年3月

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

伸銅品販売量

100

111

122

112

105

107

114

104

 

 

熱処理部門

売上高、営業利益、経常利益の状況

(単位:百万円)

 

2024年3月

2025年3月

増減

増減率

売上高

32,227

33,780

1,553

4.8%

営業利益

2,428

2,110

△317

△13.1%

経常利益

3,218

2,194

△1,023

△31.8%

 

熱処理事業では国内の自動車生産が低調であったことから、熱処理受託加工の受注は減少しました。また、販売費及び一般管理費等のコストが増加しました。加えて、前期比で一時金収入が減少しました。工業炉事業ではメンテナンスの受注が増加しました。営業外損益では、為替相場が連結会計年度末にかけて円高に推移したことを受けて、為替評価損を計上しました。

これらの結果、当部門の売上高は前期比4.8%増33,780百万円、営業利益は同13.1%減2,110百万円、経常利益は同31.8%減2,194百万円となりました。

 

主要製品・主要サービスの状況

2024年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)

 

2024年3月

2025年3月

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

熱処理加工売上高

100

109

113

107

102

105

105

110

工業炉売上高

100

156

151

226

111

159

152

323

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 

前連結会計年度

 

当連結会計年度

 

比較増減

 

百万円

 

百万円

 

百万円

営業活動によるキャッシュ・フロー

118,630

 

12,827

 

△105,802

投資活動によるキャッシュ・フロー

△26,261

 

△41,418

 

△15,156

財務活動によるキャッシュ・フロー

△59,204

 

△4,120

 

55,084

換算差額

867

 

910

 

42

増減

34,032

 

△31,800

 

△65,832

現金及び現金同等物の期首残高

37,760

 

73,049

 

35,288

新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

1,256

 

 

△1,256

現金及び現金同等物の期末残高

73,049

 

41,249

 

△31,800

 

 

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より31,800百万円減少し、41,249百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は12,827百万円の収入前期比105,802百万円支出増)となりました。主に、税金等調整前当期純利益38,604百万円、棚卸資産の増加52,658百万円、及び減価償却費28,787百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は41,418百万円の支出前期比15,156百万円支出増)となりました。主に、有形固定資産の取得による支出45,855百万円、関係会社の有償減資による収入4,847百万円、及び投資有価証券の売却による収入3,138百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー) 

財務活動による資金は4,120百万円の支出前期比55,084百万円収入増)となりました。主に、有利子負債の増加14,736百万円、社債の償還による支出10,000百万円、及び配当金の支払7,976百万円等によるものです。

 

b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の資金需要は運転資金及び成長分野を中心とした設備投資、研究開発投資、株主への利益配分等によるものです。当社は、これらの資金需要に対しては内部資金からの充当を主としており、グループファイナンスを通じて内部資金の効率向上に努めています。また、必要に応じて外部からの資金調達を実施しており、実施にあたっては、金融機関からの借入又は社債等の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を選択しています。

また、金融情勢を勘案して保有現預金残高を決定するとともに、短期流動性確保の手段として、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、短期社債(電子コマーシャル・ペーパー)の発行枠450億円を設けています。長期性資金につきましては、機動的な調達手段として、社債300億円の募集に関する発行登録(発行予定期間:2025年5月3日~2027年5月2日)を行っています。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

製錬部門

268,348

△10.3

電子材料部門

165,519

△9.4

金属加工部門

130,482

11.9

合計

564,350

△5.7

 

(注) 1 金額は、販売価格によっています。

2 環境・リサイクル部門は、廃棄物処理、金属リサイクル、土壌浄化処理受託及び運輸事業を行っており、生産実績がないため、記載を省略しています。

3 熱処理部門は、金属熱処理加工、表面処理加工及び熱処理加工設備・その付属設備の受託生産事業を行っており、売上高が生産高であるため記載を省略しています。

4 その他は、工事の請負及び不動産の賃貸を行っており、生産実績がないため、記載を省略しています。

 

b 受注実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

熱処理部門(熱処理炉)

2,784

△47.6

3,535

△23.9

その他(工事の請負)

1,281

△34.8

707

△20.5

合計

4,065

△44.2

4,243

△23.3

 

(注) 上記以外のその他主要な製品に関しては、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注状況にする記載

   を省略しています。

 

c 販売実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

環境・リサイクル部門

100,098

12.4

製錬部門

254,096

△14.9

電子材料部門

158,382

△11.1

金属加工部門

128,717

10.6

熱処理部門

33,763

4.9

その他

3,614

25.1

合計

678,672

△5.4

 

(注) 1 金額は販売価格によっています。

2 セグメント間の取引につきましては相殺消去しています。

3 最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

田中貴金属工業㈱

92,782

12.9

89,765

13.2

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

① 当連結会計年度の財政状態の分析

a 資産の部

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して40,766百万円増加673,537百万円となりました。流動資産で25,187百万円の増加、固定資産で15,578百万円の増加となります。

流動資産の増加は、棚卸資産の増加53,437百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加6,695百万円、及び現金及び預金の減少31,488百万円等によるものです。
 固定資産の増加は、有形固定資産の増加14,516百万円、及び繰延税金資産の増加1,912百万円等によるものです。

b 負債の部

負債につきましては、前連結会計年度末と比較して13,520百万円増加しました。これは、コマーシャル・ペーパーの増加20,000百万円、借入地金の増加14,666百万円、1年内償還予定の社債の減少10,000百万円、及び長期借入金の減少8,247百万円等によるものです。

c 純資産の部

純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が27,128百万円となり、配当金の支払い等を行った結果、株主資本が18,402百万円増加しました。また、為替換算調整勘定の増加等により、その他の包括利益累計額が7,008百万円増加し、純資産合計では前連結会計年度末に比較し27,245百万円増加しました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と比較して0.2ポイント高い59.2%となりました。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

a 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較し、白金族金属価格低迷の影響を受け、使用済み自動車排ガス浄化触媒の集荷量が減少したこと等から、製錬部門等で減収となりました。この結果、前連結会計年度の717,194百万円に対し、5.4%減の678,672百万円となりました。

b 売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、売上数量の減少に伴う原料代が減少したこと等により、前連結会計年度の635,748百万円に対し、6.9%減の592,043百万円となりました。

これらの結果、売上高に対する売上原価率は前連結会計年度の88.6%に対し、87.2%となりました。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、給料及び手当の増加等により、前連結会計年度の51,443百万円に対し、5.8%増の54,403百万円となりました。

c 営業利益

当連結会計年度の営業利益は前述の要因により、前連結会計年度の30,003百万円に対し、7.4%増の32,226百万円となりました。

d 営業外収益(費用)

当連結会計年度は、為替差益の減少等により、前連結会計年度の14,742百万円の収益(純額)に対し、11,372百万円の収益(純額)となりました。

e 特別利益(損失)

当連結会計年度は、特別利益で投資有価証券売却益等3,370百万円を計上しましたが、特別損失では、減損損失等8,363百万円を計上しました。

これにより、当連結会計年度の特別利益から特別損失を差引いた純額は、前連結会計年度の977百万円の損失に対し、4,993百万円の損失となりました。

f 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の43,768百万円に対し、11.8%減の38,604百万円となりました。

 

g 法人税等

当連結会計年度の法人税等は10,565百万円となりました。税効果を適用した当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、法定実効税率の31.3%より3.9ポイント低い27.4%となりました。

h 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、主に㈱日本ピージーエム、CONSTANTINE MINING LLC.等の非支配株主に帰属する利益からなり、当連結会計年度は、前連結会計年度の1,680百万円に対し、45.8%減の911百万円となりました。

i 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の27,853百万円に対し、2.6%減の27,128百万円となりました。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されており、この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。

a 貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により計上し、貸倒懸念債権につきましては個別に債権の回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しています。

b 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産につきまして、将来の課税所得及び継続的な税務計画をもって検討し、全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取り崩しています。

c 退職給付に係る負債

従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準及び退職率等が含まれます。当社グループは、割引率を主に日本国債の金利により決定しているほか、報酬水準の増加率及び従業員の平均勤務期間につきましては当社グループの過去の実績値に基づいて決定しています。

d 環境対策引当金

「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(平成13年6月22日 法律第65号)及び「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」(平成24年 政令第298号)の規定により、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を保有している事業者は適切な保管と届出が要求され、2027年3月31日までに処分することが義務付けられました。

当社グループは、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係るコストが、当連結会計年度以前の事象により起因して将来発生するものであること、及び金額を合理的に見積ることが可能であること等により、当連結会計年度末において、処分費用を見積計上しています。

e 固定資産の減損

当社グループは、主として事業グループ単位を資産グループとし、遊休資産は個々の資産グループとしています。

減損の兆候がある資産グループにつきましては、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、正味売却価額及び使用価値により減損損失を測定し、計上しています。

 

f その他有価証券等の減損

当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する持分を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い市場価格のある株式と、株価の決定が困難である市場価格のない株式が含まれます。

当社グループにおいて、市場価格のある株式は期末月平均の株価が取得原価の50%を下回った場合、また市場価格のない株式は当該会社の実質価額が取得原価の50%を下回り、かつ回復する見込があると認められない場合に、減損処理を行うこととしています。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、コアビジネスである環境・リサイクル部門、製錬部門、電子材料部門、金属加工部門、熱処理部門を中心に事業を行っており、このうち、当連結会計年度の売上高の39.2%を占める製錬部門は、非鉄金属相場及び為替相場の変動の影響を受けやすいため、状況に応じて非鉄金属先渡取引及び為替予約取引等によりリスク軽減に努めています。

当社グループでは、今後も収益性の向上及び財務体質の改善に努めていきますが、非鉄金属相場及び為替相場の急激な変動、景気動向等の外的要因により業績に影響を受ける可能性があります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1  報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

当社は事業会社を基礎とした5つの製品・サービス別セグメントから構成されています。各セグメントの具体的な事業内容は次のとおりです。

「環境・リサイクル部門」においては、廃棄物処理業、土壌浄化業、資源リサイクル業、物流業等を営んでいます。

「製錬部門」においては、金、銀、銅、鉛、亜鉛、亜鉛合金、インジウム、プラチナ、パラジウム、ロジウム、すず、アンチモン、硫酸等の製造・販売を行っています。

「電子材料部門」においては、高純度金属材料、化合物半導体ウェハ、LED、導電材料、電池材料、磁性材料、還元鉄粉等の製造・販売を行っています。

「金属加工部門」においては、銅・黄銅及び銅合金の板条、黄銅棒、回路基板等の製造・販売及びめっき加工等のサービスを行っています。

「熱処理部門」においては、自動車部品等の金属材料の熱処理・表面処理加工、熱処理加工設備及びその付帯設備の製造・販売・メンテナンス等を営んでいます。

 

2  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。

報告セグメントの利益は、経常利益ベースの数値です。

セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいています。 

 

 

3  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

 前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注)1

合計

調整額
(注)2

連結財務諸表計上額
(注)3

環境・リサイクル

製錬

電子材料

金属加工

熱処理

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

89,038

298,653

178,064

116,348

32,200

714,305

2,889

717,194

717,194

セグメント間の内部
売上高又は振替高

61,351

19,195

5,109

99

26

85,782

11,660

97,442

△97,442

150,389

317,848

183,174

116,447

32,227

800,087

14,549

814,637

△97,442

717,194

セグメント利益

11,181

18,202

3,508

5,187

3,218

41,297

559

41,857

2,887

44,745

セグメント資産

136,606

210,095

95,351

108,280

48,181

598,514

12,284

610,799

21,971

632,770

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 減価償却費

7,699

6,156

3,824

3,619

2,443

23,743

469

24,212

1,086

25,298

 のれんの償却額

348

155

503

503

503

持分法適用会社への投資額

3,014

25,102

689

332

29,138

29,138

12,136

41,274

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

9,827

13,156

5,695

6,451

1,833

36,965

506

37,471

2,334

39,805

 

(注) 1 「その他」の区分は、不動産の賃貸業、プラント建設業、土木工事業、建設工事業、事務管理業務、技術開発支援業務等、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主にグループ間取引を含んでいます。

2 調整額は次のとおりです。

 (1)セグメント利益の調整額2,887百万円には、各報告セグメントに配分していない営業外損益2,801百万円(受取配当金、持分法投資損益及び支払利息等)、セグメント間未実現利益の調整額214百万円等が含まれています。

 (2)セグメント資産の調整額21,971百万円には、各報告セグメントに帰属しない全社資産107,761百万円、及び報告セグメント間債権債務の相殺消去△85,790百万円が含まれています。全社資産の主なものは、当社での余剰運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産です。

3 セグメント利益は、連結損益計算書の経常利益と調整を行っています。

 

 

 当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注)1

合計

調整額
(注)2

連結財務諸表計上額
(注)3

環境・リサイクル

製錬

電子材料

金属加工

熱処理

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

100,098

254,096

158,382

128,717

33,763

675,058

3,614

678,672

678,672

セグメント間の内部
売上高又は振替高

80,044

12,259

6,478

81

16

98,880

15,453

114,333

△114,333

180,142

266,355

164,861

128,798

33,780

773,938

19,067

793,005

△114,333

678,672

セグメント利益

14,967

17,142

310

5,939

2,194

40,554

897

41,452

2,146

43,598

セグメント資産

144,991

253,467

97,889

120,206

48,316

664,870

13,597

678,467

△4,930

673,537

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 減価償却費

8,228

7,479

4,090

4,500

2,428

26,727

487

27,215

1,571

28,787

 のれんの償却額

348

160

509

509

509

持分法適用会社への投資額

2,530

25,042

694

356

28,623

28,623

14,711

43,334

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

12,449

18,001

3,930

5,682

1,848

41,911

898

42,810

3,909

46,719

 

(注) 1 「その他」の区分は、不動産の賃貸業、プラント建設業、土木工事業、建設工事業、事務管理業務、技術開発支援業務等、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主にグループ間取引を含んでいます。

2 調整額は次のとおりです。

 (1)セグメント利益の調整額2,146百万円には、各報告セグメントに配分していない営業外損益3,137百万円(受取配当金、持分法投資損益及び支払利息等)、セグメント間未実現利益の調整額△673百万円等が含まれています。

 (2)セグメント資産の調整額△4,930百万円には、各報告セグメントに帰属しない全社資産75,713百万円、及び報告セグメント間債権債務の相殺消去△80,644百万円が含まれています。全社資産の主なものは、当社での余剰運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産です。

3 セグメント利益は、連結損益計算書の経常利益と調整を行っています。

 

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

北中米

欧州

中国

アジア
(日本・中国以外)

その他

合計

441,797

7,627

55,168

139,795

72,763

41

717,194

 

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

北中米

欧州

中国

アジア
(日本・中国以外)

その他

合計

150,497

10,369

373

3,435

29,444

194,120

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

田中貴金属工業㈱

92,782

主として製錬事業

 

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

北中米

欧州

中国

アジア
(日本・中国以外)

その他

合計

435,430

8,165

35,043

124,571

75,375

86

678,672

 

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

北中米

欧州

中国

アジア
(日本・中国以外)

その他

合計

158,453

14,031

316

3,523

32,311

208,636

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

田中貴金属工業㈱

89,765

主として製錬事業

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

全社・消去

合計

環境・
リサイクル

製錬

電子材料

金属加工

熱処理

減損損失

427

1,211

141

1,780

1,780

12

1,792

 

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

全社・消去

合計

環境・
リサイクル

製錬

電子材料

金属加工

熱処理

減損損失

2,047

80

2,009

456

4,593

4,593

△0

4,592

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

全社・消去

合計

環境・
リサイクル

製錬

電子材料

金属加工

熱処理

当期末残高

1,743

480

2,223

2,223

2,223

 

(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

全社・消去

合計

環境・
リサイクル

製錬

電子材料

金属加工

熱処理

当期末残高

1,394

311

1,706

1,706

1,706

 

(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

     該当事項はありません。