2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,140名(単体) 1,195名(連結)
  • 平均年齢
    41.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.7年(単体)
  • 平均年収
    6,908,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

金属チタン事業

492

(2)

触媒事業

149

(5)

化学品事業

214

(5)

全社(共通)

340

(17)

合計

1,195

(29)

 

(注) 1 従業員数は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の当連結会計年度の平均雇用人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,140

41.5

14.7

6,908

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

金属チタン事業

446

(2)

触媒事業

149

(5)

化学品事業

205

(3)

全社(共通)

340

(17)

合計

1,140

(27)

 

(注) 1 従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の当事業年度の平均雇用人員であります。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループには、東邦チタニウム労働組合が組織(組合員数1,004人)されており、JAM神奈川に属しております。なお、労使関係は極めて円滑に推移し、特記すべき懸案事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)

男性の育児休業等取得率(%)
(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%) (注1、3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

2.3

31.1

70.7

76.4

34.5

 

(注) 1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 パート・有期労働者のうち約70%は、賃金が相対的に高い嘱託社員(定年退職後に再雇用された元社員)であり、その全員が男性であるため、男女別に平均すると大きな差異が生じていますが、同じ職務であれば賃金水準は同じであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティに関する基本的な考え方及び取組方針

当社グループは、「東邦チタニウムグループ経営理念」のもと、ESG及びSDGsの観点から、事業活動を通じて自社とステークホルダーを取り巻く重要な諸課題の解決に取り組み、社会の持続的な発展に貢献し、長期的な企業価値の向上を目指すことを基本方針として制定し、これを当社の「ESG経営」と定義付けしています。その進め方として国際的なガイドライン(GRI、SASB等)を参考に、社会の持続的発展及び当社グループの長期的企業価値向上のための社会的課題をマテリアリティ(重要課題)として定め、事業活動を通して課題解決に取り組むこととしました。これが当社のサステナビリティに関する基本的な考え方及び取組です。

マテリアリティ、取組内容および目標の概要は下表のとおりです。

また、マテリアリティの抽出、優先順位付け、特定及び開示・振り返り等に関する考え方や定量・定性面の情報については、当社ウェブサイトに掲載しています。

URL:https://www.toho-titanium.co.jp/csr/materiality/

なお、過去の総括(実績)については、当社ウェブサイト(URL:https://www.toho-titanium.co.jp/csr/library/)の統合報告書をご参照ください。

 


 

気候変動については、当社グループにとってリスクであると同時に新たな収益機会を得るための重要な経営課題であると認識しています。当社グループがマテリアリティとして設定した「地球環境保全への貢献」については、2022年、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に即した情報開示を行っており、以下(5)「地球環境保全への貢献」に関する取組についてその概要を記載しています。

 

(2)ガバナンス

当社「ESG経営」の具体的推進テーマとなるマテリアリティの特定や取組内容・目標の設定、活動状況モニタリング、フィードバックに至る推進体制は、以下のとおりです。

 


マテリアリティに対する具体的な対応計画・目標の策定、対応策の進捗管理等は、ESG推進委員会のもとに置かれたE、S、Gの3つの個別分科会から構成されるESG推進部会が母体となり、事業部門及び関連する社内委員会との連携役も担いつつ推進しています。E、S、G各分科会での活動状況は、定期開催されるESG推進部会で情報を共有します。

また、原則年2回開催するESG推進委員会(委員長:社長)においては、ESG推進部会からの活動状況のほか、マテリアリティに関わる活動方針、重要事項や次年度計画等を審議します。その後、これらの事案は執行役員会及び取締役会に報告され、見解や指示等についてはESG推進委員会へフィードバックされる仕組みとなっており、二次的かつ全社俯瞰的立場からモニタリングしています。

 

 

(3)リスク管理

当社グループのリスクは、マテリアリティ対応に関連して想定されるリスクのほか、経営に大きく影響を及ぼす全社的なリスクから、生産・操業に関するリスク、人的資本の強化・拡充に関するリスクなど、経営理念や経営戦略の達成を阻害する様々なケースを想定しています。リスク管理委員会(委員長:社長)は、これらのリスクを総合的にマネジメントする機能を担っており、リスク管理規程及びリスク管理マニュアルを制定し、最適なコストで適切な対応を行うことを目的にそれぞれの取組等を扱う主管部門と推進責任者を定め、全社的なマネジメントシステムとして管理しています。

リスク調査から、評価、優先順位付け、対応計画の立案、活動状況とりまとめ及び是正・改善に関する助言等の実務的な運営は、リスク管理規程及びリスク管理マニュアルに沿って行われます。その中で重要事項、進捗状況の総括、是正・改善策等については、リスク管理委員会で審議し、執行役員会、取締役会で定期的にこれらの活動状況全般についての報告を行っています。リスク管理委員会は原則年1回の開催ですが、必要に応じ随時開催します。また個別重要リスクへの対応等については、委員長以下、関係者で検討会を開催するなど機動的な運営を行っています。

 

(4)マテリアリティ特定にあたっての基本的な考え方

マテリアリティを特定するうえで、国際的なガイドライン(GRI、SASBなど)を参考に、当社の「経営理念」「行動基本方針」等を踏まえ、マテリアリティ候補を抽出しました。抽出した候補を「当社にとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の2つの評価軸上でマッピングし、優先順位をつけ、取締役を含め経営層の意見を参考に、重要度の高い課題をマテリアリティとして特定しています。

これらマテリアリティの抽出・特定のための検討では、当社グループの経営や事業の抱えるリスク、独自技術を活かした長期的な事業価値創造の可能性を踏まえ、同時に取組内容や定量的目標の妥当性の議論も行っています。

 

(5)「地球環境保全への貢献」に関する取組

当社グループの取り扱う製品の性質上、マテリアリティの中でも特に脱炭素社会の実現という課題は重要な位置にあり、当社グループにとってはリスクであると同時に新たな収益機会を得るための重要な経営課題と考えています。そのため当社グループは日本政府が提唱する脱炭素化を支持しており、気候変動に関する法規制を遵守します。また、この気候変動関連の対応については、TCFDのフレームワークに基づき、下記概要のとおり「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の4つの枠組で開示しています。

なお、詳細については以下当社ウェブサイト『サステナビリティ』>『環境』に記載の「気候変動に関する対応」をご参照ください。

URL:https://www.toho-titanium.co.jp/csr/environment/

 

(ⅰ)ガバナンス

気候変動に関するリスクの特定、影響度及び対応策の審議と、承認されたリスクの対応状況のモニタリング及び管理については、リスク管理委員会が行います。気候変動に関する機会の特定、影響度及び対応策・目標の審議と、承認された機会の対応状況のモニタリングについては、ESG推進委員会が行います。また、リスク管理委員会で審議された気候変動に関するリスクについても併せて執行役員会に上申します。

執行役員会は、定期的(原則年2回)に両委員会で審議した気候変動に関するリスクと機会に関する事案報告を受け、その承認を行います。その後、監督機能を備えた取締役会で承認事案が報告されます。

 

 

気候変動問題に関する取組体制


 

 

(ⅱ)戦略

当社グループは、シナリオ分析を通じて気候変動による財務インパクトの把握に努めています。シナリオ分析の結果をもとに、脱炭素社会の実現に向けた具体的な移行計画を策定し、2023年度から2025年度までの中期経営計画へ反映しています。

(ⅲ)リスク管理

・気候変動リスクの特定プロセス

気候変動リスクの特定プロセスは、リスク管理委員会が主導しています。また、ESG推進委員会と連携の上、最終的に執行役員会で当社グループの気候変動リスクを特定します。

 

・リスクへの対応方法

特定された気候変動リスクは、リスク管理マニュアルに基づき、回避・低減・移転・受容の4項目に分類し、それぞれ対応を検討します。対応方針は、リスク管理委員会での審議後、ESG推進委員会を通じて執行役員会で報告し、最終承認されます。

 

・全社グループのリスクマネジメントへの統合

リスク管理委員会は、社長が委員長を務め、執行役員、関係会社社長及び社長の指名したメンバーで構成されています。気候変動リスクに関しても、リスク管理マニュアルに定められたシステムに基づき、他のリスクと同様にリスク管理委員会で管理しています。

 

 

 

(ⅳ)指標と目標

当社グループは、製造工程由来のCO2ゼロ化、省エネ・エネルギーの有効利用、使用エネルギー源のカーボンフリー化を通じてGHG排出量削減に取り組んでいます。Scope1、Scope2の総和で2025年度には25%、2030年度には40%の削減(いずれも対2018年度比)を目標に設定し、最終目標として、2050年度のネットゼロを目指します。

 

GHG排出量の推移


(注)1.カーボンニュートラル都市ガス及びカーボンオフセットLPGの燃焼に伴うCO2排出量はゼロとみなす。

  2.Scope3については、2022年度実績は367千トン-CO2、2023年度は集計中。

 

CO2フリー電力の導入

当社は、CO2排出量削減の一環として、2023年度から当社若松工場にPPAモデル(※1)による太陽光発電設備を導入し発電を開始しました。

また、2021年度より茅ヶ崎工場及び若松工場の一部と日立工場、2023年度より黒部工場にCO2フリー電力を導入しています。当社グループでは、今後も使用する電力のCO2フリー化を推進します。

なお、2050年カーボンニュートラル実現に向けてのロードマップについては、当社ウェブサイトに掲載しています。

URL:https://www.toho-titanium.co.jp/csr/carbon-neutral/

 

※1:Power Purchase Agreementの略。発電事業者が敷地内外への発電設備の設置と運用・保守を実施、発電した電力を需要家に供給する電力購入契約。

 

 

 

(6)人的資本に関する取組

(ⅰ)ガバナンス

当社グループは、人材の育成・マネジメントが経営の重要テーマであることを明確にするため、2023年10月、全社的な観点・経営視点から人材領域について議論する機関として、人材会議を設置しました。人材会議は、社長を議長とし、本部長・事業部長・社長指名者の約10名で構成し、原則として年2回開催するほか必要に応じて随時会議を開催することを定めています。2023年度は計7回の会議を開催し、新たな施策の検討・確認を行いました。

 

(ⅱ)戦略

当社グループは、人材こそが事業の成長と競争力を支える源泉であるとの認識のもと、人的資本の強化・拡充を図るべく、「職場の労働安全衛生改善」、「多様性と包摂性」、「働きやすい職場環境の整備」、「人材育成」、「人材採用」などのテーマについて取組を進めています。

中長期的な社員エンゲージメントの向上を目指し、現状を把握した上で効果的な改善を図るため、2022年度から従業員満足度調査を開始しました。定期的なモニタリングを通じて課題の抽出と対策の実施を繰り返すことで、既成概念に捉われず「挑戦し続ける風土」を醸成することを目指しています。

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。

 

①人材育成方針

当社グループは、多様な個性を持つ従業員一人ひとりが自らの能力向上に積極的に取り組み、当事者意識を持って自律的・能動的に行動し、失敗を恐れずチャレンジすることが、企業の活力を生み、事業の成長につながるものと考えています。このような観点から人材の計画的育成を図るべく、中長期人材育成戦略、年次の教育計画等に基づき、技術者発表会その他の技術交流機会等を通じた技術者のレベルアップ促進、高い技術力の伝承、習得を目的とした現場力向上教育、資格別の各種研修、通信教育の受講料全額会社負担など、従業員一人ひとりの能力向上を目的として各種プログラムを運用しています。

 

②社内環境整備方針

・職場の労働安全衛生環境改善

当社グループは、安全最優先の基本方針のもと、快適な職場環境の確保と労働災害ゼロを達成していくためにさまざまな活動に取り組んでいます。

全従業員が常に健康な状態を維持し、能力を最大限に発揮して業務に従事できることが経営上の重要課題と考えており、健康維持に関する各種サポート、定期的な体力測定の実施など、従業員の健康の維持・増進のためのさまざまな施策を実施しています。

 

・多様性と包摂性(女性活躍推進、シニア社員の活躍、障がい者雇用)

当社グループは、多様性と包摂性(ダイバーシティ&インクルージョン)に配慮した職場の実現を目指しています。

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画を策定し、次世代育成の支援に努めています。

また、2023年4月より、豊富な職務経験や専門知識を有するシニア社員に60歳以降も仕事に対する高いモチベーションの維持と活躍を期待し、定年年齢をこれまでの60歳から65歳へ延長しました。これまで以上にシニア社員の健康や体力面に配慮し、安心して長く働き続けることができる環境を整備していきます。

当社グループは、障がいのある方の採用と快適な職場環境の整備にも取り組んでいます。2023年度は、障がい者雇用促進法における法定雇用率の2.3%を達成しました。

 

 

・働きやすい職場環境の整備

当社グループは、従業員一人ひとりのライフイベント・ライフステージに応じて、幅広い働き方を柔軟に選択できる制度を導入しています。育児・介護休業制度を整備し、家庭と仕事の両立を実現するとともに、フレックスタイム制度、病気等に備えた積立年休制度などを設定しています。

 

・人材の採用

当社グループは、性別や国籍、新卒・キャリア採用にかかわらず、グローバルに活躍できる優秀な人材の確保に取り組んでいます。また、女性活躍推進法に基づき、女性の採用比率20%以上を目標に掲げています。

 

(ⅲ)目標及び指標

当社グループは、上記「(ⅱ)戦略」における人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

指標

目標

実績

前連結会計年度

当連結会計年度

従業員満足度調査における
総合満足度
(5段階評価の平均値)

3.75以上(2025年度)

3.44

3.46

男性社員の育児休業取得率

50%以上(2024年度)

13.3%

31.1%

社員採用(新卒・キャリア採用)における女性の割合

20%以上(2024年度)

22.2%

(18名中4名)

17.9%

(28名中5名)