2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,467名(単体) 4,813名(連結)
  • 平均年齢
    44.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.9年(単体)
  • 平均年収
    7,231,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    8.1%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループの人的資本戦略に関する基本方針については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載しております。

 

(給与決定方針)

 当社グループでは中期経営計画において、これまで推進してきたROIC経営の高度化を軸に、成長投資と資本効率の両立を掲げております。将来の収益につながる成長投資として「人的資本投資」を重要な要素と位置付けており、待遇改善や施設・職場環境の改善、また、教育・研修プログラムの整備や拡充によって社員エンゲージメントを向上させ、労働生産性を高める方針としております。これにより人的資本投資の一環として、賃金引上げによる処遇改善を継続的に行っていく計画としております。

 なお、当社にはSWCC労働組合が組織されていることから、毎年、春季労使交渉における要求・妥結の流れを経て、賃金引上げや賞与(年間一時金)支給月数などを決定しております。2025年春季労使交渉の結果、2026年度は組合員平均モデルの賃金引上げ率は7%(定期昇給を含む)、理論年収の上昇率は10%となっております。次年度以降の賃金引上げ等につきましても、労使協議を行って決定いたします。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社における状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

エネルギー・インフラ事業

1,110

(127)

通信・コンポーネンツ事業

2,918

(979)

その他

785

(90)

合計

4,813

(1,196)

(注)1 従業員数は、就業人員であります。

2 臨時従業員数は、( )内に、年間の平均雇用人員を外数で記載しております。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,467

44.7

16.9

7,231

8.1

 

セグメントの名称

従業員数(名)

エネルギー・インフラ事業

600

通信・コンポーネンツ事業

495

その他

372

合計

1,467

(注)1 従業員数は、就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

 

③労働組合の状況

 当社の労働組合は、1946年3月に結成され、SWCC労働組合とし、当社の従業員をもって構成されており、電線工業の連合体である日本労働組合総連合会傘下の全日本電線関連産業労働組合連合会に加入しております。2026年3月31日現在、組合員数は1,257名であります。

 組合活動については、特記すべきことはなく、主として組合員の給与・労働条件の改善にその重点が向けられ、いずれも円満適正に処理されております。

 

④使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

 当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

⑤管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 提出会社、連結子会社ならびに国内連結会社の状況は次のとおりであります。

 なお、「労働者の男女の賃金の差異」については、賃金制度・体系において性別による差異はありません。提出会社および連結子会社などにおける労働者の男女の賃金に差異がある理由は、正規雇用労働者については男性の管理職の比率が高いこと、またパート・有期労働者については働き方の違いによるものであります。

 また、男性労働者の育児休業取得率については、制度周知をはじめとする諸施策に取り組んでおりますが、2025年度の取得率は68.4%となり、当初目標である85%には至りませんでした。今後も引き続き、取得しやすい職場環境の整備および意識醸成に努め、まずは政府目標である85%の達成を目指すとともに、最終的には100%の取得率の実現に向けて取り組んでまいります。

 

イ 提出会社

2026年3月31日現在

 

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2、(注)3

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、(注)4

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

5.9

57.6

71.8

76.7

69.4

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 男性労働者の育児休業取得率は、育児休業等の取得割合(当事業年度において雇用する男性労働者のうち育児休業等を取得した者の数÷当事業年度において雇用する男性労働者のうち配偶者が出産した者の数)により算出しております。

3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

4 労働者の男女の賃金の差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100として算出しております。また、平均年間賃金は、総賃金(賞与および基準外賃金を含む)÷人員数として算出しております。

 

ロ 連結子会社

2026年3月31日現在

 

当事業年度

名称

(注)1

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)2

男性労働者の育児休業取得率

  (%)

(注)3、

(注)4

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)2、(注)5

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

㈱TOTOKU

3.6

87.5

66.9

74.6

63.3

冨士電線㈱

5.9

77.8

61.8

69.4

101.3

㈱ロジス・ワークス

0.0

(対象者なし)

74.3

76.4

71.1

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)等の公表義務の対象となる連結子会社を記載しております。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3 男性労働者の育児休業取得率は、育児休業等の取得割合(当事業年度において雇用する男性労働者のうち育児休業等を取得した者の数÷当事業年度において雇用する男性労働者のうち配偶者が出産した者の数)により算出しております。

4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

5 労働者の男女の賃金の差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100として算出しております。また、平均年間賃金は、総賃金(賞与および基準外賃金を含む)÷人員数として算出しております。

 

ハ 国内連結会社

2026年3月31日現在

 

当連結会計年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)2

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)3、

(注)4

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)2、(注)5

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

4.6

68.4

65.6

71.6

68.2

(注)1 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3 男性労働者の育児休業取得率は、育児休業等の取得割合(当事業年度において雇用する男性労働者のうち育児休業等を取得した者の数÷当事業年度において雇用する男性労働者のうち配偶者が出産した者の数)により算出しております。

4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

5 労働者の男女の賃金の差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100として算出しております。また、平均年間賃金は、総賃金(賞与および基準外賃金を含む)÷人員数として算出しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 当社は、1936年の創業以来、社会インフラを支える企業としてさまざまな社会課題解決型ビジネスに取り組み、持続可能な社会の発展に貢献してまいりました。現在では、「サステナビリティ委員会」を中心に、「サステナビリティ基本方針」策定や「マテリアリティ(重要課題)」の特定など、サステナビリティ経営の推進に向けた体制構築と施策展開を進めております。マテリアリティに紐づくKPIや施策は、経営戦略・事業戦略・財務戦略と整合させ、企業価値向上につなげていきます。

 

(1)サステナビリティ共通

①ガバナンス

 以下は、当社グループのサステナビリティ経営に係るガバナンス体制です。

 

 当社グループは、グループの経営理念に基づき、環境・社会・ガバナンスなどの観点から持続可能な企業運営を行うため、取締役会の諮問機関として、CEO 社長執行役員を委員長とし、委員長が任命する当社の執行役員・フェローで構成される、「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ推進部が事業部門・管理部門の課題や対応策を集約し、委員会で協議の上、機会やリスクを踏まえた推進計画と進捗状況を取りまとめ、取締役会へ報告しております。

 

②戦略

 当社グループは、「サステナビリティ基本方針」に基づき、「マテリアリティ」の特定と施策の推進をしております。2026年2月に公表した新中期経営計画の策定に合わせ、指標体系を見直し、2030年度目標を新たに設定しました。従来の制度整備中心のKPIから、経営戦略の遂行状況や企業価値創出への貢献度を把握するKGI・KPIへ再構築し、サステナビリティを経営管理に組み込む取り組みを強化しています。

 

イ サステナビリティ戦略

 当社グループは、サステナビリティ推進体制の強化とともに、活動の基本となる「サステナビリティ基本方針」を策定しており、本方針のもと、さまざまな社会課題に対応する企業行動を実践しております。「サステナビリティ基本方針」は以下のとおりです。

(サステナビリティ基本方針)

 当社グループは、信頼とイノベーションにより、「社会課題の解決」と「企業価値向上」を図り、サステナブルで豊かな未来社会を創ります。

・優れた技術とイノベーションを通じ、お客さまへ高い品質の製品・サービスを提供します。

・クリーンでグリーンなエネルギーの普及を図り、地球環境の保全に努めます。

・「共感」「共存」「共栄」の精神で、地域やバリューチェーンとのつながりを大切にします。

・個性や多様性を活かした働き方を推し進め、エンゲージメントの向上を図ります。

・役職員の人間性と倫理観を高め、良き企業文化を醸成します。

 

ロ マテリアリティの特定

 当社グループでは、「サステナビリティ基本方針」に基づき「マテリアリティ」を特定し、サステナブル経営に向けた取り組みを加速させるための施策を展開しております。

 「マテリアリティ」は、当社とステークホルダーの双方に影響の大きい社会課題を抽出し優先課題を特定したもので、技術、環境、コミュニティ、人、ガバナンスによる5つのテーマがあり、それぞれの行動方針を以下のとおり定めております。

 

③リスク管理

 当社グループの全社的なリスクマネジメントに関しては、「リスクマネジメント委員会」を中心とするリスクマネジメント体制を整備しております。具体的には、取締役会の諮問機関として、代表取締役 CEO 社長執行役員を委員長とし、委員長が任命する当社の執行役員・フェローで構成されるリスクマネジメント委員会にて、事業部門で実施したリスクの評価や対応策を議論の上、リスクマネジメント計画やリスク施策の進捗管理を実施し取締役会に報告を行っております。また、リスク統括部門として法務・コンプライアンス部内にリスクマネジメント部門を設置し、規則・ガイドラインの制定、教育研修およびモニタリングの実施等、グループ全体のリスク管理を統括し、事業の継続発展のために不可欠かつ全社的なリスクマネジメント体制の強化を図っております。

 さらに、事業部門やコーポレート部門で定常的に発生するリスクへ迅速に対応するため、リスク事象が発生した場合に担当部門よりリスク統括部門へ迅速にリスク情報を提供する仕組みとなる「リスク一報制度」を運営しており、報告されたリスク事象のうち緊急かつ重大な事象についてはリスクマネジメント委員や常勤監査等委員と情報共有しながら適切な初期対応を取ることで、グループ経営への影響を最小化するべく取り組んでおります。

 また、環境、社会、ガバナンス関連のリスクについては、サステナビリティ委員会の事務局であるサステナビリティ推進部とも連携・情報共有を図っております。サステナビリティ委員会は全社的な「リスク」と「機会」について対応方法を検討し、審議内容を定期的(年2回以上)に取締役会に報告しております。

 なお、優先度の高い事業リスクの抽出とともに、「気候変動」に関するリスク管理、「人権尊重」に関するデュー・ディリジェンスは当体制内で扱っております。

 

④指標と目標

 2022年度に設定した16の指標は中期経営計画(Change & Growth SWCC 2026)に基づき、2026年度を中期目標としておりましたが、新中期経営計画の策定に合わせ、指標体系の見直しを行い、2026年度以降については、新たに14の指標を対象に2030年度目標を設定しました。併せて、従来の制度整備や施策の進捗把握を主眼としたKPIから、経営戦略の遂行状況や企業価値創出への貢献度をより明確に把握することを目的としたKGI・KPIへと再構築しました。この見直しは、全てのマテリアリティを対象として実施しており、サステナビリティを経営管理に組み込むことを目的としています。

 

(2)環境

 当社グループは、信頼とイノベーションで「社会課題の解決」と「企業価値向上」を図り、サステナブルで豊かな未来社会を創るという基本方針に基づき毎年の環境方針を定め、グループ全体で環境保全活動に取り組んでいます。2020年には、環境中長期計画「Green Plan 2050」を策定し、長期ビジョンおよび2030年目標を掲げております。また、2022年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同表明しました。

 

<戦略>

①環境課題解決への推進体制

 当社グループは、環境課題を重要な経営テーマと位置付け、社長が任命する環境担当役員を中心に、グループ全体で環境への取り組みを推進しております。環境担当役員は、環境管理部会を通じて環境方針や目標、主要施策の策定・進捗を統括し、その内容を経営に適切に反映させております。また、各社・各拠点での環境マネジメントシステム(EMS)の運用や監査、順法状況の確認、環境関連情報の共有を継続的に行うことで、環境課題への対応力を高め、事業活動における環境負荷の低減を図っております。

 

②温室効果ガスの削減

 地球温暖化防止に関する指標は、COを代表とする温室効果ガス(GHG)で示します。事業活動におけるGHGの削減施策は、全社横断的なプロジェクトチーム「Green Energy Project」のもと、以下のような具体策を検討しております。

・省エネの深耕(設備更新、技術転換による生産方法見直し)

・自社内における創エネ(自家消費型太陽光発電の導入)

・非化石由来のエネルギー(燃料、電気)調達によるカーボンオフセット

 また、プロジェクトでは、現状グループ内で排出するScope1(燃料)、Scope2(電気)の削減に取り組んでおりますが、今後は、Scope3(サプライチェーン)の中でも影響度の大きいカテゴリ1(購入した製品・サービス)の排出量削減にも取り組んでまいります。また、「1.5℃シナリオ(脱炭素社会実現シナリオ)」と「4℃シナリオ(温暖化進展シナリオ)」の2つのシナリオ下でリスク・機会を分析し、事業への影響および今後の対応策をまとめております。シナリオ分析および主要セグメントにおけるリスク・機会の詳細はこちらをご覧ください。

TCFD https://www.swcc.co.jp/jpn/news/images/240830AA_PRESS_RELEASE.pdf

 

③資源の有効活用

 限りある資源を有効活用し、生産活動によって排出されるさまざまな廃棄物を削減するとともに、さらに廃棄されたものが埋立等の最終処分とならないよう、廃棄物の解体・分別を促進し、電線・ケーブルの生産過程で生じた廃プラスチックに関しては、サーマル利用に加え、マテリアル再生を図るなど資源循環に取り組んでおります。

 また、生産活動で使用される水についても、冷却水の循環利用や漏水等の点検を進め、投入量の削減に取り組んでおります。

 

<指標と目標>

 環境中長期計画「Green Plan 2050」で掲げた長期ビジョンおよび2030年目標達成を実現するための5ヶ年目標として、第7次環境自主行動計画(2021~2025年度)を推進してまいりました。2025年度はその最終年度にあたり、主要テーマとして掲げた「GHG排出量削減」、「廃棄物の最終処分量削減」、「水使用量削減」に関して、目標を達成することができました。

 2026年度からは、第8次環境自主行動計画を開始しており、「Green Plan 2050」および2030年度目標との整合を一層強化するとともに、従来の取り組みを継承・発展させながら、環境施策が経営戦略および企業価値の向上に直接的に結び付くような環境保全活動を推進しております。

 

マテリアリティ指標およびKPI

指標・KPI

2025年度実績

2026年度計画(注)

2030年度目標

(注)

2025年度所見と2026年度施策

温室効果ガス(GHG)

排出量(燃料+電気)

 

2013年度比

55%減

2024年度比

9%減

2024年度比

25%減

2025年度は、太陽光発電とグリーン電力の導入拡大が進み、GHG排出量の削減実績は2030年度目標をクリアした。2026年度から新たに第8次環境自主行動計画をスタートし、更なる省エネルギー施策の展開と非化石由来電力の導入拡大を進める。

再生可能エネルギーの社内導入率

(非化石由来のエネルギーを含む)

37%

26%

50%

廃棄物量

最終処分量

2018年度比

92%減

排出量原単位

2024年度比

2%減

排出量原単位

2024年度比

10%減

2025年度は、埋立から各種リサイクルへの転換を積極的に進め、最終処分量の削減が進み目標を上回る実績となった。2026年度以降は廃棄物排出量原単位を目標として、排出物の分別の徹底により資源循環を推し進める。

水使用量

2018年度比

47%減

使用量原単位

2024年度比

2%減

使用量原単位

2024年度比

10%減

2025年度は、拠点による増減はあるものの、節水と循環水利用が進展したことから、前年度より大幅に使用量を削減できた。2026年度以降は、水使用量原単位を目標として、循環水利用の推進と更なる節水により削減を進める。

(注) 2026年2月に公表した新中期経営計画の策定に合わせ、2026年度以降は新たに2026年度計画および2030年度目標を設定しております。

 

(3)人的資本

①人的資本戦略に関する基本方針等

イ 基本的な考え方(経営戦略との関係)

 当社グループは、エネルギー・インフラおよび通信・コンポーネンツを中核事業としつつ、新規事業の展開を進めることで、社会課題の解決と企業価値向上を両立するポートフォリオ経営を推進しております。その基盤には、長年培ってきた技術力、ものづくりの精神と現場力、堅実な財務運営があり、これに加えて近年はROICを軸とした資本効率の向上と成長の両立を重視した経営へ転換しております。本経営戦略の実現に向けて「成長事業」「キャッシュ・カウ事業」「新規事業」といった事業ポートフォリオを明確化し、それぞれの特性に応じて資源配分およびキャッシュフロー管理を行っております。このような考えのもと、人的資本戦略は経営戦略と一体で設計し、その実行力を中長期的に支える基盤として位置付けております。

ロ 人的資本戦略の基本方針

 当社グループは、以下の4つを人的資本戦略の柱として施策を推進しております。

(ⅰ)事業ポートフォリオに連動した人材ポートフォリオの構築

事業ポートフォリオに対応し、成長事業である「電力インフラ事業」や「半導体事業」、「通信(海外)事業」に必要な人材のスキル・人数を明確化し、現状との差分について教育・配置転換・採用等でギャップを解消してまいります。また、社内公募等による自律的キャリア形成の促進や、海外トレーニー制度の導入、グローバル対応人材の採用を通じて、事業成長を支える人材基盤の強化を図っております。

(ⅱ)事業戦略に適合したリーダー人材の育成

事業ポートフォリオ・ポジションに応じて求められるリーダー像が異なることを踏まえ、必要な資質を定義し、計画的に人材を育成しております。選抜研修による段階的育成や、経営人材候補の発掘・育成により、事業戦略を牽引するリーダー層を強化し、持続的成長を支える体制を構築しております。

(ⅲ)ものづくりの高度化を支える現場力の強化

当社グループの競争力の源泉であるものづくりやサービスを支える現場人材について、採用・育成・定着を重要課題と位置付けております。主な取り組みとして、2022年に設立した「モノづくり人財開発センター」による技能教育の高度化や、「施工人財開発センター」における工事部門の人材の育成、さらに現場人材の定着に向けて勤務制度や報酬体系を見直し、現場力の強化と事業拡大の基盤構築を図っております。

(ⅳ)AI・IoTを活用した業務変革人材の育成

デジタル技術を活用した業務改革を競争力の中核と位置付け、DX人材の育成を推進しております。2021年に「デジタルイノベーション推進室」を設立し、業務改革に役立つデジタル技術の普及と業務改革人材の育成を行うとともに、製造現場への浸透のために、2024年に「2035ファクトリーPJ」を立ち上げ、工場の自動化・省力化を推進しております。

ハ グループ人事基盤の強化

 当社グループの中期経営計画において、人的資本戦略の実効性を高めるため、グループ人事基盤の強化を重要施策と位置付けております。具体的には、2026年1月からグループ人事制度統合に向けたプロジェクトを開始し、2028年4月に向けて主要グループ会社の人事制度を統合することを計画しております。グループのガバナンスを強化し、グループ内における人材の流動化を実現することで、グループ人材の最大活用による全員戦力化を狙っております。

 

②人的資本戦略を実行するための人事戦略

 前述の人的資本戦略の基本方針のもと、2026年4月に人事担当役員を委員長とする「人事戦略委員会」を設置し、社長をはじめ経営戦略・事業戦略担当役員が参画し、人的資本に関する重要テーマを経営レベルで定期的に協議する体制づくりを行いました。また、実務レベルではワーキンググループを設置し、事業ポートフォリオと人材ポートフォリオの連動を図りながら、必要人材の確保・育成や適材配置を進めるための実行力を高めております。

イ グローバル人材の確保

 中期経営計画で掲げるグローバル事業の強化や海外市場の開拓を進めるため、海外業務経験の豊富な即戦力人材の採用を拡充しております。これにあたり特定スキルを持つ即戦力人材、高度専門人材などのジョブ型雇用制度の整備を行いました。また、将来的に海外展開を担う人材の育成に向けて、2026年1月から「海外トレーニー制度」を再開いたしました。若手社員をグローバル人材として計画的に育成して海外事業展開に資するとともに、自律的キャリア形成の促進もねらいとしております。

 

ロ 人材育成・能力開発

 国内および海外グループ会社を含めた全社的な価値創造・KAIZEN活動である「VQ(Value Quest)活動」を通じて社員の主体性・挑戦意欲を引き出し、挑戦する風土の醸成を図っております。また、人材育成については中期経営計画「Transformation for Growth SWCC 2030」に資する教育体系を整備し、自律的に課題解決する「強い個」を育成し、キャリア自立を促進しております。

カテゴリ

テーマ

施策

育成

外部からの刺激を受け、挑戦するためのマインドセットの実施

・サクセッションプラン(選抜型研修)

・異業種交流研修

・各種セミナー・階層別研修

場の提供

多様な人材のアイデアを実現する場の提供

・社長直轄プロジェクト

・SWCCグループ社内ベンチャー制度

・VQ発表会(技術発表会・KAIZEN発表会)

・各種eラーニング等の提供

・社員相互理解の促進(自己紹介サイト設置)

時間

新たな価値創造に取り組む時間の確保

・シェアードサービス化の推進

・SPS活動(改善・全体最適)

・どこでもワーク(テレワーク推進他)

自律性

キャリア自立の促進、新たな価値創造や事業継承に向けた活躍推進

・ジョブチャレンジ制度、社内公募制度の拡充

・副業制度の導入、適用範囲の拡大

・資格報奨金制度の対象拡大、支給拡充

・拠点間コミュニケーション研修

・シニア、エルダー社員活躍の処遇改善

 

ハ 自律的学習による専門性の深化

 教育投資を拡充し、社員一人当たりの年間学習時間を増加させることで専門性やスキルの強化を促し、人的資本の質の向上を図っております。2025年度の社員一人当たりの年間研修時間は、自律型学習時間の区分を設けることで2024年度の平均23時間から47時間へと増加し、前倒しで目標を達成することができました。2026年度には年間40時間(会社主催25時間、自律的学習15時間)以上の学習時間確保を引き続き目標として設定しながら、研修や学習の質の向上を図ってまいります。また、組織として部門単位の学習活動を管理項目に追加することで運用体制を強化しております。

 

ニ 製造現場の変革と生産性向上

 労働人口の減少という構造変化に対応するため、省人化・自動化によりシニア・女性社員など多様な人材も活躍できる製造現場への変革を進めております。現場の隅々まで全員がデジタル端末を業務活用できる環境整備や、DX活用による業務効率化を推進し、生産性の向上を実現することを目指しております。このため、DX化を推進する現場の監督者向け教育を拡充するとともに、モノづくり人財開発センターによるSPS共育キャラバンにて全拠点を回り、技能職教育の強化を図っております。

 

ホ 多様な人材活用の推進(DE&I)

 当社グループではダイバーシティをイノベーション創出の源泉と考え、DE&Iを推進しております。多様な価値観・経験を組織運営に反映させることで、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続的成長の基盤を構築しております。2021年度に発足したダイバーシティ推進プロジェクト(旧女性活躍推進プロジェクト)を2026年4月から正式組織とし、グループ会社メンバーも増やして体制を強化いたしました。近年は男性の育児休業取得促進やアンコンシャス・バイアスの理解浸透に注力しており、多様性を尊重する組織文化の浸透を図っております。

 

ヘ エンゲージメント向上の取り組み

 人的資本戦略の実行力を高める基盤としてエンゲージメント向上を最重要課題として捉え、役員報酬の評価項目に加えております。従前は社員満足度向上に重点を置いた調査を実施しておりましたが、企業価値向上につなげるために会社への貢献意欲を測定することの重要性を認識し、2024年度に調査会社を変更いたしました。2025年度は前年度結果との比較分析を行い、特に「SWCCパーパスの共有・浸透」、「変革や挑戦をおそれないマインドセットへの転換」を重点課題として設定いたしました。これにより経営と現場の対話を強化するとともに、グループ横断施策として「施設環境の改善」「職場ごとの個別課題の改善」に取り組みました。エンゲージメントについては経営戦略との連動を重視し、詳細な定量データを活用して継続的に改善施策を実施し、企業価値の向上につなげております。

 

ト 健康経営の推進

 健康経営を経営戦略の一環と位置付け、2023年4月にSWCCグループ「健康経営宣言」を策定し、社員の心身の健康保持増進を通じた生産性向上に取り組んでおります。グループ各社・各拠点および健康保険組合と連携し、衛生分科会による継続的な推進・フォローを実施しております。2025年度の主な取り組みは以下のとおりです。

・健康教育や保健師・産業医による支援の実施

・敷地内全面禁煙化や禁煙外来補助による受動喫煙防止

・安全性や快適性向上を目的とした事業所ユニフォームの刷新

 

<指標と目標>

マテリアリティ指標およびKPI

指標・KPI

2025年度実績

2026年度計画(注)1

2030年度目標(注)1

2025年度所見と2026年度施策

管理職に占める

女性比率

(注)2

7%

8%

(注)3

8%

(注)3

2025年度はSWCCarat(カラット)の活動として、従来の女性社員向けの研修のほか、アンコンシャス・バイアスへの気づき・理解促進のため、ハンドブックの発刊・同内容をテーマとしたワークショップを開催した。2026年度も同様の取り組みを継続するとともに、女性母集団拡大のため大学とのコネクションを強化する。

管理職に占める女性比率としてKPIを見直し、各階層における女性比率を把握し、KPI達成に向けた課題に対する昇進・採用・育成・支援などの施策を関係部署が連携し立案、戦略に落とし込んで数値目標の達成を目指す。

課長職以上に占める

女性比率

(注)2

6%

従業員1人当たり

年平均研修時間

47時間

40時間

40時間

2025年度は、エキスパート向けの研修を拡充した。モノづくり人財開発センターで技術者向けの研修体系を充実させた。2025年度は技能職向けキャラバンとeラーニングを新設し、体制を強化する。総合職・業務職は、eラーニングを軸としたSWCC研修通信の定期発信による自律学習の支援と、キャリア向けの研修を開催し、組織文化醸成の強化を図る。社員の自律を推進していく取り組みとして方針展開(部門)と目標管理(個人)に「自律型学習」の項目を設定し、部門・個人の教育時間を管理していく。

今後は量より質を重視して、一律の教材を提供するのではなく部門・個人に応じた教材・研修を提供していく。研修で得た社員の声を反映し、拠点間の壁をなくす情報共有・交流を活性化するための拠点をまたいだ情報交換の場を提供する。

休業災害度数率

0.53

0.23

0

2025年度に発生した労働災害件数は、前年度比1.4倍に増加した。内訳としては、経験年数3年以下の未熟練者による災害が約半数を占め、また、災害の型別では転倒災害が多い点が特徴的であった。これらの状況を踏まえ、2026年度は災害要因として課題とされたリスクアセスメントの網羅性向上に注力し、より安心・安全な職場環境の構築を推進する。

エンゲージメント

スコア

50

51

55以上

2025年度調査はTOTOKUグループが合流したことにより参加人数が2940人から3977人へと大幅に増加した。またグループ横断施策として「施設環境の改善」「評価基準の透明性」「現場ごとの個別課題の改善」に取り組み、スコア向上に寄与した。2026年度はこれらの3テーマを継続し活動の深化を図る。

(注)1 2026年2月に公表した新中期経営計画の策定に合わせ、2026年度以降は新たに2026年度計画および2030年度目標を設定しております。

2 「管理職に占める女性比率」は、当社における全管理職を対象とした女性の全管理職の割合を計算しております。また、「課長職以上に占める女性比率」は、当社における課長職以上の労働者を対象とした女性の課長職以上の労働者の割合を計算しております。なお、「課長職以上に占める女性比率」は、「第4 提出会社の状況 5従業員の状況等 (2) 従業員の状況 ⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております「管理職に占める女性労働者の割合」と同じものを指しております。

3 「管理職に占める女性比率」および「課長職以上に占める女性比率」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号、以下「女性活躍推進法」という。)における管理職(課長職以上)の定義と一致した集計ルールに変更し、「管理職に占める女性比率」に一本化しました。

<参考>女性活躍推進法における「管理職」は、課長級および課長級以上(役員を除く)の役職を指します。

 

<中期経営計画における新たな指標>

 2026年2月に公表した中期経営計画においては、これまで推進してきたROIC経営の高度化を軸に、成長投資と資本効率の両立を基本方針としております。将来の収益につながる成長投資として研究開発投資、DX投資、人的資本投資等を戦略的に推進し、価値創造の加速を図っております。

 マテリアリティ「ひとが輝く」領域においては、経営戦略と人的資本戦略の連動を強化する観点から、新たな指標の導入を進めるとともに、グループ全体のガバナンス強化に資するKPIを設定しております。具体的には、「女性管理職候補のキャリア開発支援」「VQ(Value Quest)活動の推進」「DX活用による業務効率化」等について、製造、品質、デジタル、人事部門などが連携して取り組む指標を定めております。

 グループ全体でDE&Iを推進し、社員の能力開発およびエンゲージメント向上のための各種施策を着実に実行することで、中期経営計画「Transformation for Growth SWCC 2030」の達成に向けて取り組んでまいります。

 

(4)人権尊重への対応

 2024年1月に、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、「国際人権章典」、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」などの国際規範を支持し、「SWCCグループ人権方針」を策定しました。本方針は、当社グループすべての役職員に対して適用するとともに、当社グループの事業活動に関わるサプライヤーを含むビジネスパートナーに対しても、内容への理解や支持を期待し、人権尊重への取り組みを求めております。

 「SWCCグループ人権方針」では、人権尊重への取り組み項目として、(1)差別の禁止、(2)強制労働、児童労働の禁止、(3)ハラスメントの禁止、(4)平等な機会の提供、(5)労働基本権の尊重、(6)労働安全衛生を掲げており、当社グループが直接・間接的に影響を及ぼす可能性のある人権への負の影響を特定し、防止・軽減を図るとともに、その取り組みの実効性を評価しております。

 また、人権尊重に関する取り組みをより専門的かつ実効的に推進するため、2026年5月に人権分科会を設置しました。こうした人権デュー・ディリジェンスの状況は、半期毎にリスク評価結果をリスクマネジメント委員会へ報告するとともに、進捗状況および課題についてはサステナビリティ委員会において集約され、取締役会へ報告します。さらに、人権侵害が生じた場合には是正と救済を行うとともに、未然防止を図るため役職員に対する定期的な教育・啓発も進めてまいります。