リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2024年3月25日)現在において判断したものであります。
(1)需要動向に関するリスク
当社グループの製品は、ケーブル、ハーネス、コネクタ、機器(パッシブ・電子)からなり、主に電設業界、放送機器業界向けに販売されており、これらの業界向け製品は、2023年12月期では当社国内売上において72%を占めております。したがって、これらの業界の設備投資動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(2)海外事業リスク
当社グループは生産拠点を中国、販売拠点を米国、韓国、中国、台湾、ドイツ、シンガポール、インド、中東に置き、その他地域は当社から直接輸出する形で海外事業を営み、その海外売上比率は53%となっておりますが、事業活動を行うにはそれらの国における認可、税制、金融、輸出入等に関する各種法的規制や経済政策等の影響を受けます。将来において、これらの規制や政策等の変更が行われ、これらを遵守することが困難になったり、遵守するためのコスト負担の増加等の理由により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
特に中国は、当社グループ製品の販売に加え生産拠点(2023年12月期当社仕入実績の9%)となっていることもあり、為替変動、税制、法的規制等の変更は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)銅、黄銅等の原材料価格上昇が業績に悪影響を及ぼすリスク
当社グループ製品の主要材料である銅、黄銅等の価格上昇は、ケーブル製品(2023年12月期連結売上比率34%)、コネクタ製品(2023年12月期連結売上比率13%)の仕入価格の上昇をもたらします。当社グループは可能な限り、価格転嫁を避けるべくコスト削減等の最大限の努力をいたしますが、それでも銅、黄銅等の価格上昇を吸収しきれない場合は、製品価格への転嫁による対応をはかります。しかしながら、製品価格への転嫁が遅れる場合又は当社の思惑どおりに価格転嫁が進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)為替レート変動リスク
当社グループの海外売上高比率は2023年12月期において53%となっております。外貨建債権債務の残高調整や為替予約の適宜活用によるリスクヘッジを行うことで、為替変動による影響を最小限に抑えるよう努力しておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避できるものではありません。そのため、為替レート変動により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(5)外注委託リスク
当社グループは、生産の多くを外注先に委託(2023年12月期外注比率63%)しております。外注先において生産に支障が生じた場合に、外注先からの供給に一時的な支障が生じる可能性があり、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)品質に関するリスク
当社グループは、品質に関して、管理体制を徹底しておりますが、予期しない品質トラブルにより多額の回収費用及び補償費用が発生する可能性があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険で最終的に負担する賠償額すべてをカバーできる保証はありません。多額の回収費用又は補償費用を要する品質トラブルや製造物責任賠償の対象となる事故が起きた場合等において、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(7)研究開発リスク
当社グループは、将来の競争力を決めるであろう研究開発のテーマを慎重に選択し、充分な経営資源(2023年12月期対連結売上高比4.7%)を配分し研究開発活動を推進しております。しかしながら、研究開発内容が高度化すればするほど、市場のニーズに合致した製品をタイムリーかつ継続的に製品化できるとは限りません。結果としまして、製品化の遅れ等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的所有権
当社グループの製品開発、販売におきましては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権等の知的所有権が関係している場合があり、第三者の所有する知的所有権を侵害するリスクを必ずしも否定できません。その場合、訴訟をおこされる可能性があり、当社グループ製品の生産、販売に制限を受けたり、損害賠償金等の支払いが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)コンピュータシステムトラブル
当社グループの各業務は、コンピュータシステムと通信ネットワークに依存しており、これらが災害等で稼働不能となった場合、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。取引データについては、バックアップを行うことにより、稼働再開の短縮化をはかっております。
(10)感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や終息時期等については様々な情報があり、同感染症の急激な感染拡大などにより、将来において損失が発生する可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けており、事業成長投資と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、連結配当性向の40%を目安に長期安定的な配当を行っていくことを基本方針といたします。
また、剰余金の配当の決議機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会とし、年2回の剰余金配当を行う方針であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年7月28日 |
156,419 |
23.00 |
取締役会 |
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2024年3月22日 |
265,198 |
39.00 |
定時株主総会 |