2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

エンジニアリング・マニュファクチャリング事業 コンサルティング・エンジニアリング事業 ビジネスインキュベーション事業 デザイン事業 マニュファクチュアリング事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
エンジニアリング・マニュファクチャリング事業 18,858 72.4 435 - 2.3
コンサルティング・エンジニアリング事業 4,629 17.8 305 - 6.6
ビジネスインキュベーション事業 2,556 9.8 -834 - -32.6

3【事業の内容】

当社グループは、「進化を感動に」を理念とし、「システムとしての企業体へ」を使命として掲げています。また、人間の創造性と企業に求められる公益性を軸に、デジタルテクノロジーを高度に活用することで、次世代の「ものづくり」「企業運営」及び「社会課題」を変革するソリューションを提供するとともに、それらに貢献する新たな組織・企業を生み出すことを目的とした企業グループです。

当社グループの事業は、1990年の設立時に、日本の製造業が海外に後れを取ることなく競争力を高めていくことを目指し、3D技術及び光造形技術を活用した製造業向け開発支援を開始したことに端を発します。当初は、3D CAD(※1)を活用したエンジニアリングサービス及び光造形による試作事業を中心に展開していましたが、その後、3D技術をはじめとするデジタル技術へのニーズの高まりを背景に、これらの事業で得られた知見を活かし、3D CADの活用を通じ、より高度な設計への対応を進めております。

近年では、自動車開発における自動運転や電気自動車における電子制御領域の拡大、コネクテッド化など、製品開発環境が急速に変化しています。また、多様なニーズに応える製品開発が求められる中で、3Dプリンターを活用した少量多品種生産への期待が高まっています。こうした環境変化を受け、当社グループは、解析、MBD(※2)、ソフトウエア、XR(※3)、デジタルリスク対応などの各種エンジニアリングサービスを強化し、「デジタルものづくり」の革新を牽引してきました。併せて、多様な開発現場で培ってきたデジタルエンジニアリング及びデジタルマニュファクチャリングを基盤とした事業領域の拡大を進めて参ります。

さらに、当社グループでは、製品開発の過程で蓄積したデジタル技術やノウハウを基盤として、意思決定ロジックに含まれる暗黙知にまで踏み込んだ可視化・数値化技術をベースに、自動車、電気機器、産業機械・プラントなどの製造業に加え、建設、金融、サービスといった非製造業を含む幅広い顧客を対象に、競争優位性の向上を目的とした組織横断的な課題解決や技術課題解決に関するコンサルティング事業を展開しています。また、近年は、これらの事業活動を基盤として、社会課題の解決に取組むビジネスインキュベーション事業も開始しました。

 

※1 3D CAD:コンピュータ上で製品や部品を3次元(立体)で設計・表現する行うためのソフトウエア

※2 MBD(Model Based Development):開発対象をモデル化し、シミュレーションを通じて設計・検証を行う開

                    発手法です

※3 XR(Extended Reality):現実世界と仮想世界を融合・拡張することにより、人が知覚・体験できる現実を

               拡張する技術の総称であり、VR、AR、MR等(後述)を含みます

 

 

 これまで述べてきた事業展開を通じて、当社グループは「実践力」と「変革力」という2つのケイパビリティを同時に保有し、独自の強みを培ってきました。これらを背景とした当社グループの競争優位性は、以下の点にあります。

1. 30年以上にわたり培ってきた「デジタルものづくり」の技術と経験

2. 現場の暗黙知を形式知化し、関係者全体を巻き込みながら創造性と生産性を最大化する独自の方法論

3. 3Dプリンター、シミュレータ、AIなどの最先端技術を活用し、最適な技術選定から高度な適用までの提案・実行を担う2,000名超のエンジニア及びコンサルタント

4. デジタルテクノロジーを活用したビジネスインキュベーションを推進する人財・組織力

 

 以上の強みを基盤として事業体制を整備しており、現在、当社グループは国内子会社7社及び海外子会社5社で構成されています。エンジニアリング、マニュファクチャリング、コンサルティング、ビジネスインキュベーションを中核事業として展開し、さまざまな業界・業種において既存の制度や仕組みに限界を感じている顧客に対し、迅速かつ実効性の高い変革を実現するための支援を行っています。

 

1. 当社グループの事業の構成

当社グループが展開する事業は、ものづくりにおける幅広い製品開発領域に対し、デジタル技術を活用したエンジニアリングサービスの提供や、当社グループ所有の3Dプリンター等の設備による試作モデル製作及び最終製品に使用できる最終製品製作や、3Dプリンター装置導入事業及びエンジニアリングに関するシステムの販売・構築を行う「エンジニアリング・マニュファクチャリング事業」、ものづくり変革で培ったコア技術により、企業課題・社会課題の解決を通じ、コンサルティング及びエンジニアリングサービスの提供を行う「コンサルティング・エンジニアリング事業」、社会・産業課題の解決に向けた新規事業の開発及び運営を行う「ビジネスインキュベーション事業」の3つのセグメントで構成されております。

なお、各事業と主要な関係会社の位置付けについては、事業系統図に記載のとおりであります。

 

(1) エンジニアリング・マニュファクチャリング事業

 当サービスでは、3Dプリンターによる試作品の製作から製品開発支援の事業を開始し、主に自動車産業に属する顧客企業の開発部門のエンジニアリングパートナーとして開発支援領域におけるサービスを拡大して参りました。現在は、試作品の製作だけでなく、試作の前工程である研究開発・デザイン(スタイリング)・制御・設計・解析や、後工程である生産準備・3Dプリンターによる最終製品向けの部品製作など製品開発のエンジニアリングチェーンを対象に、幅広く支援できる体制を構築しております。

 

 

① エンジニアリングサービス

 当サービスは、当事業のエンジニアが保有する製品開発ノウハウやデジタル技術等を顧客企業の開発現場にて直接提供するオンサイト支援(契約形態としては請負契約・準委任契約・派遣契約など)及び、顧客企業から依頼を受け取り決めたアウトプット等を提供するオフサイト支援(契約形態としては請負契約・準委任契約など)により提供しております。また日本を始め北米・中国・インド・タイにてサービスを展開しております。

 

■設計・3Dスタイリング

 自動車業界を中心に長年培ってきた製品設計技術とノウハウ及び3D CAD技術と知見を有するエンジニアが、自動車、航空機、建設機械、産業機械・プラント、電気機器、精密機器、医療機器など製造業を中心とした様々な顧客企業に対して、3Dデータ作成、企画・コンセプト立案、スタイリング提案 、デザイン、設計、解析、生産技術に及ぶ製品開発工程へのエンジニアリングサービスを提供しております。3D CADはハイエンドを中心に、幅広く対応が可能です。

 製品性能の向上や開発コストの抑制、開発期間の短縮を目的として、構造解析・機構解析・熱流体解析・電磁界解析など様々な解析業務を行っております。また、自動車1台分のような大規模モデルの解析用メッシュデータ(※4)の作成や3Dスキャンデータを用いたリバース解析(※5)、設計エンジニアによる設計改善支援等を行っております。

 

※4 解析用メッシュデータ:3D CADで作成した製品計上を解析計算用に小さな要素へ分割したデータ

※5 リバース解析:リバースエンジニアリング(既存製品の現物に対し形状データを測定し、そのデータを元にCADデータを作成すること)により作成した形状データに対し解析をかけること

 

■3Dデジタル活用

 3D CADの機能を最大限に活用し、ものづくりの生産性を飛躍的に向上させる3Dデジタルツール開発サービスを提供しております。3Dデータ作成を自動化するテンプレートやプログラミング技術を組み合わせることで、顧客が抱えるQCDに関する課題に対し、最適なツールを開発しております。これらのツールにより作業効率の向上を図るとともに、設計及び製造現場における品質向上、人への過度な依存からの脱却、ならびにリードタイムの短縮に寄与しております。

 また、今後さまざまな領域での活用が期待されている XR、VR(※6)、AR(※7)、MR(※8)など現実世界と仮想世界を融合する技術においては、作り手と使い手を体験価値でつなぐコミュニケーションツールと位置付けています。当社グループが保有する3D 技術と VR 技術を組み合わせ、コンテンツ制作や VR 空間データの構築等のサービスを提供しています。これにより、ものづくりの開発効率や品質向上に寄与するとともに、リアリティが高く制約の少ないバーチャル空間を活用した体験型コンテンツの反復利用を通じて、エンジニアの育成にも貢献しております。

 さらに、世界的にカーボンニュートラルへの取組みが進展する中、環境に配慮した設計の重要性が高まっていることから、環境的、社会的、経済的に持続可能な製品等のライフサイクルシステムのデザインとマネジメントのための技術体系であるライフサイクルエンジニアリングの観点を踏まえた設計業務にも取組んでおります。

 

※6 VR(Virtual Reality):専用ゴーグル等を用いて視界を覆い、現実とは別の仮想空間の中に没入させ、実際にその空間にいるように感じさせる技術

※7 AR(Augmented Reality):現実空間にデジタル情報を重ねて表示し、現実世界を仮想的に拡張する技術

※8 MR(Mixed Reality):現実世界と仮想空間をリアルタイムに融合させ、相互に作用させる技術

 

■グローバルでの開発支援体制及び優れた現地エンジニアの活用

 顧客企業においては、最終消費地のニーズを的確にとらえた製品開発や、世界各地のエンジニアの能力を活用する観点から、海外拠点に製品開発組織を設置し、ネットワークを介してデータを共有しながら製品開発を進める等、グローバルな製品開発が進んでいます。

 当サービスにおいても、顧客企業のグローバル製品開発を支援する体制及び、グローバルで優秀な人材を獲得することを目的として、日本、北米、中国、インド、タイの5極体制を構築しております。

 特に、インド、米国については、2016年5月に、ESO(Engineering Services Outsourcing)の会社であるCSMグループのCSM Software Private Limited(現SOLIZE PARTNERS India Private Limited)及びCSM Software USA,LLC(現SOLIZE USA Corporation)を買収し、インド及び米国における支援体制を強化しました。また、インドについては、グローバルオフショアリングセンターと位置付け、世界各地からの設計・解析業務を請け負う体制を構築しております。さらなるグローバルでの開発支援体制の拡充を目的として、2025年にタイ法人、カナダ法人を設立いたしました。

 2025年12月末時点において、当社グループには自動車等の高度な開発に従事することが可能なハイエンドエンジニアがグローバルに1,947名所属しています。内訳としては、日本1,639名、インド190名、米国48名、中国31名、カナダ34名、タイ5名 となっております。

 

② マニュファクチャリングサービス

 当サービスは、1990年に3Dプリンターを導入して以来、30年以上にわたり蓄積してきた3Dプリンティング技術及びノウハウと、自社で保有する造形設備を活用し、製品開発における試作部品から最終製品向け量産部品までの製造・提供を行っております。併せて、3Dプリンターの販売・保守サポート、材料販売、新材料開発、AM(※9)技術導入支援など、周辺領域を含めたサービスを展開しております。

 これらのサービスの中核として、まず、3Dプリンター活用を促進するワンストップ型のサービスがあり、開発初期段階からのエンジニアリング支援、ベンチマーキング製造による性能評価、最適な装置選定・販売までを一貫して対応可能な点を特徴としております。これに加え、顧客が3Dデータを保有していない場合、3Dデータの作成から用途に応じ適切な精度・材料による部品製造、納入までをワンストップで対応しております。また、当社設備で対応できない工法や加工については、外部委託先と連携し、部品製造を取りまとめることで一括対応が可能です。

 

※9 AM(Additive Manufacturing):積層造形で物体を作り上げる製造プロセス

 

 

■樹脂・金属3Dプリンティング

 顧客企業の開発期間短縮及び開発競争力の向上を目的として、用途や要望を事前にヒアリングし、弾性、強度、透明度、耐熱性などの要件に基づき、最適な造形工法を提案しています。加えて、外部委託先と連携し、真空注型、鋳造、切削等の工法の併用や、塗装・メッキ処理等の二次加工を行うことにより、風洞試験(※10)、衝突試験、組付確認(※11)などの機能評価試験にそのまま使用可能な試験モデルや、金型を使用しない少量多品種向け最終部品の提供にも対応しています。

 また、光造形機、粉末造形機、金属造形機など国内最大級のハイエンド3Dプリンター設備と豊富な材料バリエーションを活用し、顧客ニーズに応じたタイムリーな製品提供を行っています。大和工場(神奈川県大和市)及び豊田工場(愛知県豊田市)の2拠点に合計43台(2025年12月末時点、詳細は表に記載)の3Dプリンターを導入し、試作品から最終部品まで幅広い用途に対応しています。さらに、大和工場では最終部品製造を目的とした3Dプリンターによる量産ラインを構築しています。

 

※10 風洞試験:高速で移動する航空機・鉄道・自動車等や風の影響を受けやすい輸送機器を設計する際に行われる試験で、局所的な風速や圧力の分布や力、流れの可視化などを行うこと

※11 組付確認:設計の意図通りに部品が組み付くか、また組付け作業時における作業性などを確認する行為

 

保有している3Dプリンターの台数と特徴

3D Systems社製

金属造形機

粉末造形機

光造形機

4台

8台

10台

ステンレス鋼やアルミ合金等の金属粉末にレーザーを照射することで焼結

熱可塑性のナイロン系/ エラストマ系の粉末樹脂に炭酸ガスレーザーを照射することで粉末を焼結

光硬化性のエポキシ系液体樹脂に紫外線レーザーを照射することで樹脂を硬化

ローラー方式で微細粉を高密度に粉敷し高い解像度・面粗さで造形。金属造形機としては標準的に広く普及しているレーザータイプの装置を保有。鋳造品と同等以上の機械特性があり、性能試験モデルで活用

本方式の主な材料であるPA12に加えて、自社開発材料のPA6やPPでの造形が可能。これらの材料は自動車の内外装に使用される代表的なプラスチックであり、エンジン回りの性能試験モデル、バンパーなどの組付モデルをより量産品に近い物性値をもったモデルの製造が可能

高耐熱・高透明の材料が特徴。透明な材料が使用できるため量産品では内部構造が見えない自動車のミッションケースの油流れ確認やワイヤーハーネスの組付け確認等の検証に使用されることが多い。また注型・鋳造等のマスターモデルで使用される。最新機はワークサイズが750ミリ角で業界最大クラス

3D Systems社製

吊り下げ式光造形機

インクジェット式造形機

DLP式光造形機

9台

2台

1台

光硬化性のエポキシ系/アクリル系液体樹脂にプロジェクター投影されたLEDライトで面造形による硬化

プラスチック材料を吹き付ける「面造形」後、紫外線を使ってプラスチックを硬化

レーザータイプの光造形機の技術と、プロジェクターを活用した吊り下げ式光造形機の技術を掛け合わせた3Dプリンター

高速造形で、高解像度なモデル品質を再現。同じ光硬化性の材料を使用する光造形機に比べて面造形できる新しい技術をもった造形機である。機能試作や最終製品製作などにも活用可能

解像度が高く、ほかの造形機では再現できないような微細造形や縮小モデルの製作に向く。主にフィギュアやプラモデルなど玩具モデルで活用

プロジェクターを用いて面で固めていくことで高速造形を可能にし、SLAの液槽方式と掛け合わせることで吊り下げ式光造形機では困難であった大きなサイズの部品の造形を実現。これにより、多くの顧客に高く評価いただいている吊り下げ式光造形機の優れた表面品質・精度はそのままに、より大きなサイズの部品を速く確実に作製することが可能

HP社製

TRUMPF社製

Roboze社製

粉末造形機

金属造形機

MEX方式造形機

6台

1台

2台

熱可塑性のナイロン系等の粉末樹脂にインクジェットとヒーターの熱反応で焼結

アルミ合金等の金属粉末にレーザーを照射することで焼結

スーパーエンプラと呼ばれる高強度材料に特化した熱溶解積層方式

量産同等の物性を実現し、従来の3Dプリンターでは積層するZ方向の強度がXY平面の強度に比べて弱いという点がこの装置の方式では改善されている。そのため従来の試作の用途に加えて最終製品での活用が期待されている。実際に自動車、医療分野などで量産部品の実績あり

造形エリアが拡大し、材料マネジメントや造形プロセスのモニタリングシステムが充実。機能試作や最終製品などにも活用可能

独自技術のHYPERSPEEDテクノロジーにより高速造形と高精度造形を両立させ、最終製品製作に要求されるプロセスコントロールにも対応。これにより、金属やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)といった素材で製造されている高機能製品を3Dプリント製品に置き換え、大幅な生産性向上とコスト削減を実現。

 

 

■AM(Additive Manufacturing)技術導入支援

 近年、3Dプリンター装置やソフトウエア、造形材料の開発・進化により、AM技術の適用範囲は広がっております。金型などの既存工法では実現の難しい性能や形状への対応が可能となる一方で、AM技術は既存工法と異なる点も多く、実際の製品への適用にあたっては多くの課題が存在します。

 当サービスにおいては、顧客に対し、AM活用の加速を目的とした共同プロジェクトを推進するサービスを提供しております。技術テーマに応じ、エンジニアリングサービスの設計領域や解析領域等のエンジニアを含むチームを編成し、幅広い対応が可能です。具体的にはAM材料の開発研究・支援、AM応用技術の開発支援、AMを活用した設計効果検証、AM生産技術構築及び、生産プロセスの構築支援等を提供しております。

 

■3Dプリンター販売・保守

 既存の米3D Systems社及び米HP社のほか、2025年より伊Roboze社、米Formlabs社の日本国内正規代理店として、3Dプリンターの販売・運用サポート等を行っております。当社グループは、1990年に日本で初めて米3D Systems社の造形機を導入し、日本でいち早く光造形の試作サービスを開始したため、単なる装置販売や装置メーカーとの技術協力にとどまらず、長年にわたり蓄積してきた生産技術ノウハウを活用し、顧客企業が装置を導入する際には、そのニーズに応じた生産技術を併せて提案しております。また、3Dプリンターの各種材料販売に加え、経験豊富なフィールドエンジニアによるメンテナンスサービスも提供しております。

 

(2) コンサルティング・エンジニアリング事業

① 変革コンサルティングサービス

 エンジニアリング・マニュファクチャリング事業で培ってきたものづくりの開発工程及び各種技術等の知見を活かし、自動車、電気機器、産業機械・プラントなどの製造業や建設業、さらに金融やサービスなど非製造業までの幅広い顧客に対して、競争優位性を高めることを目的とし、組織横断的な課題解決や技術課題の解決等のコンサルティングを行っております。

 当サービスでは、人が判断する際の材料や基準など、通常では言語化が難しい思考プロセスまでを洗い出し分析する当社独自の方法論により、現状の業務を徹底的に可視化・数値化することで、顧客企業が目指す状態と現状のギャップを明らかにします。目指す姿と現状を可視化することにより、現状課題や取組みの方向性など、顧客企業の経営トップから現場の担当者まで課題認識を共有し、組織が一丸となって変革に取組む推進力を生み出しております。

 

② AI搭載のSaaSプロダクト、ソフトウエアの導入コンサルティングサービス

 上述の変革コンサルティングサービスに加え、企業価値を向上させるため、AI技術を活用した業務プロセスの高度化やAI製品の提供を実施しております。

 AI製品は、AI技術を用いたSaaS型のサービス提供となります。具体的には、当社独自の自然言語処理AIエンジン(アスペクトAI™)を搭載したSpectAシリーズにより、熟練者が培ってきた経験・ノウハウや着眼点を組織全体での利用が可能な形に変換し、ダイナミックな知恵の活用を実現します。SpectAシリーズは現在以下3製品から構成されております。

・RFQ Guide View:大量のRFQ(Request For Quotation:見積依頼書)に対しAIが読解をサポート

・Dynamic Knowledge Management:開発現場で日々生み出されるドキュメントや実績情報から構造的なナレッジ

                をAIが自動生成

・KY-Tool:工場や建設現場等における安全管理業務に関する危険予知支援するAIツール

 

 また、自動車産業を含む製造業における伴走型支援で培った、実践的かつ幅広いAI技術を活用し、画像や音などの検知・識別、それらのデータも用いた異常の検出や将来の予測、ベテランのスキルをモデル化し自動化を推進する実行・制御AI、さらには生成AIまで、事業課題に適合したAI基盤・アプリケーションを提供しております。これらを通じて、業務の自動化及び、最適化の推進に寄与しております。

 

③ SDV(※1)開発支援サービス

 自動車業界では、自動運転や電気自動車開発の拡大を背景に、自動車制御の複雑化が進み、制御プログラム開発の重要性が一段と高まっています。さらに、IoT(Internet of Things)をはじめとする新たな技術領域の拡大に伴い、ソフトウエア開発の重要性も増しています。

 特に SDVの開発において現場担当者が直面する多様な課題に対し、最適なエンジニアリング支援を提供しています。とりわけ、大規模な数値処理領域や MBD/MBSE(※2)分野において深い技術知見を有するエンジニアによる支援体制を整えており、「走る・曲がる・止まる」といった車両基本性能のモデルベース開発から、自動運転の制御開発に至るまで、高度な技術力による支援を提供しております。開発の複雑化・高度化が進む中で、設計の手戻りを抑制し、開発期間短縮と開発コスト低減に寄与するMBDは、主要な開発技術としても広く用いられています。

 大規模数値処理の支援では、SDVの運用でクラウドに蓄積される各種センサーデータやログ情報など膨大なデータに対し、目的に応じた前処理や特徴量抽出を実施し、顧客ニーズに基づく有用な「設計情報」へと変換します。また、開発現場のワークフローに適合したアプリケーションの設計・導入支援にも対応しています。

 当サービスにおいては、要求仕様分析による要件定義の最適化から、制御モデル・プラントモデルの構築、HILS(※3)環境構築、HILS テストの自動化ツール開発、自動運転シミュレータの構築まで対応可能な技術を備え、顧客企業へのサービス提供を行っております。

 

※1 SDV:Software Defined Vehicle(ソフトウエア定義型自動車)ソフトウエアによって車両の機能や性能が

     定義・制御され、ソフトウエア更新により機能追加や性能向上が可能な車両を指す

※2 MBSE:Model-Based Systems Engineering(モデルベース・システムズエンジニアリング)システム全体

   の要件定義、設計、検証等のプロセスを、文書ではなくモデルを用いて一元的に管理・実行する開発手法※3 HILS:Hardware In the Loop Simulation、ECU(電子制御ユニット)テスト装置

 

④ デジタルリスクマネジメント、サイバーセキュリティサービス

 自動車産業をはじめとする製造業では、ソフトウエア制御された製品の増加、通信機能を有する製品の増加、DXやIoT等への対応で工場等における各種設備がインターネット網と接続されることが急増しております。それに合わせて、ものづくりにおけるサイバーセキュリティや法規・国際規格などへの対応が急務となっております。

 当サービスにおいては、ものづくり及びものづくりの開発プロセスを熟知したエンジニアがセキュリティリスクに関する脅威/脆弱性分析・セキュリティアセスメント、開発フェーズにおけるセキュリティ設計・実装・各種テスト設計・環境構築・テスト実行等へのサービス提供を行っております。またインシデント発生後のデジタル鑑識として法的証拠を作成するデジタル・フォレンジック(※4)サービスも実施しております。

 

※4 デジタル・フォレンジック:デジタルデバイスに記録された情報の回収・保全と分析調査

 

(3) ビジネスインキュベーション事業

① ソフトウエア開発支援サービス

 製造業をはじめとする各産業分野においてソフトウエアの需要は急増しており、「ソフトウエアファースト」と言われるほどその重要性は年々増しております。

 当サービスでは、ソフトウエア開発、ソフトウエア第三者検証、国際規格適合コンサルティングの3つのサービスを展開しています。ソフトウエアにおける品質課題解決に特化し、システムの要件定義や基本設計構築、PMO支援、テスト設計業務、各種コンサルティング支援サービスを提供しています。これらの取組みを通じて、顧客の多様なニーズに応じた解決策を迅速に提案し、高品質なソフトウエア開発の実現に貢献しております。

 

② 新規事業開発

 当社独自の「事業オーナーモデル」と「事業共創力」を活用し、社会・産業課題解決に資する新規事業の開発及び運営を行っております。また、各新規事業オーナーのアントレプレナーシップを核に、事業の構想・検証・組織設計から、事業立ち上げ後の資金調達・人材確保・バックオフィス支援までのサービスを一貫して提供しております。当社基準におけるミドルリスク・ミドルリターンの共創モデルにより、複数の新規事業を並行して創出し、事業の成果に応じて子会社化し、子会社の収益・資産を連結することにより、当社グループ全体の成長と拡大に寄与して参ります。

 

2. 当社グループの事業系統図

 当社グループの事業系統図は次のとおりです。

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べて251百万円増加し、15,699百万円となりました。現金及び預金等の流動資産が1,558百万円減少した一方、のれん等の無形固定資産が1,410百万円増加したほか、投資有価証券等の投資その他の資産が258百万円増加したこと等が主な要因となっております。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べて401百万円増加し、4,371百万円となりました。その他流動負債が90百万円減少、また買掛金が70百万円減少した一方、未払消費税等が529百万円増加したこと等が主な要因となっております。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べて149百万円減少し、11,328百万円となりました。資本剰余金が69百万円増加、また自己株式の減少により68百万円増加した一方、利益剰余金が283百万円減少したこと等が主な要因となっております。

 

②経営成績の状況

 当社グループを取巻く経済環境は、前連結会計年度より厳しいものとなりました。当社グループの主要顧客の属する自動車産業では、米国関税政策の動向、及び、その経済的影響について不透明な状態が継続し、景況感は悪化しました。自動車メーカー等の間では激しい開発競争が継続しているものの、主要顧客企業において開発費用の外部流出を抑制する動きに繋がりました。このような環境においても、当社グループは、グローバルに展開する顧客ニーズへの対応やグローバルでのリソースの確保に向けてカナダ及びタイ王国に拠点を設立しエンジニアリングサービスの提供を開始、技術分野においても新規の3Dプリンターメーカー 米Formlabs社やドライビングシミュレーションプロバイダー 独VI-grade社との提携等を推進して領域の拡大やサービスレベルの向上を進めて参りました。またソフトウエア開発領域での事業拡大を目的として独立系システム会社である株式会社フューレックスの全株式を取得、子会社化を行い、収益を拡大して参りました。

 これらの結果、当社グループの連結売上高は25,779百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は85百万円(前年同期比81.2%減)、経常利益は82百万円(前年同期比80.3%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は36百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純利益は254百万円)となりました。

 なお、第3四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等[注記事項](セグメント情報等)」をご参照ください。

(エンジニアリング・マニュファクチャリング事業)

 エンジニアリング・マニュファクチャリング事業の市場環境は、自動車産業を中心とした主要顧客の当社グループに対する需要の拡大鈍化が期初の想定を超えて大きなものとなりました。このような環境の中、当社グループのエンジニアリング・マニュファクチャリング事業は、設計開発に係る受託、及び、エンジニア派遣サービスにおいて収益を拡大、試作品製造販売の分野においても高強度材料の造形が可能な新型3Dプリンターの生産能力を増強する施策等を推進し収益を拡大、インド現地法人 SOLIZE PARTNERS India Private Limitedにおいても3D CADのソフトウエア販売の受注を拡大して参りました。また、将来の収益拡大を目的としたエンジニアを増強したほか、営業及び管理の体制強化も進めたこと等により費用が増加いたしました。

 これらの結果、エンジニアリング・マニュファクチャリング事業の売上高は18,828百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益は435百万円(前年同期比35.9%減)となりました。

(コンサルティング・エンジニアリング事業)

 コンサルティング・エンジニアリング事業の市場環境は、主要既存顧客の属する自動車産業において、期間中一時的に当社グループに対する需要が弱含む傾向となりましたが、通期では自動車産業を含め、重工業、プラント・建設業等概ね堅調な需要となりました。このような環境の中、当社グループのコンサルティング・エンジニアリング事業は、自動車産業等の主要顧客に対する変革コンサルティングサービスや、モデルベースシミュレーション等による解析サービス、サイバーセキュリティサービスの受注拡大、自然言語処理AIを用いた建設業向けの安全・品質管理を支援するクラウドサービスの展開を推進、これに関連するAI製品の開発、リリース等を進める一方、営業及び管理の体制強化も進めたこと等により費用が増加いたしました。

 これらの結果、コンサルティング・エンジニアリング事業の売上高は4,617百万円(前年同期比20.1%増)、セグメント利益は305百万円(前年同期比57.5%減)となりました。

 

(ビジネスインキュベーション事業)

 ビジネスインキュベーション事業の市場環境は、一部自動車産業に関連する顧客において当社グループに対する需要の鈍化が見られたものの、情報・通信産業や電機産業、防衛関連産業等に属する顧客からの受注は堅調に推移することとなりました。このような環境の中、既存顧客からの収益の増加に加えて、株式会社フューレックスを連結したことにより増収となった一方、営業及び管理の体制強化を図ったほか、のれん償却の開始等により費用が増加いたしました。

 これらの結果、ビジネスインキュベーションの売上高は2,333百万円(前年同期比86.5%増)、セグメント損失は834百万円(前年同期のセグメント損失は942百万円)となりました。

(グループ全体)

 営業外収益は、為替差益の増加等により前連結会計年度と比較して23百万円増加し42百万円となりました。また、営業外費用は、上場関連費用の減少等により11百万円減少し46百万円となりました。さらに、特別損失は、投資有価証券評価損の減少等により46百万円減少し38百万円となりました。

 これらの結果、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が287百万円減少し43百万円となり、法人税、住民税及び事業税が166百万円減少し59百万円となった一方、一部子会社において、税効果会計における会社分類を保守的に判定したこと等により法人税等調整額が169百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純損失は36百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,592百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,597百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、208百万円の支出となりました。主な増加要因は減価償却費280百万円、主な減少要因は売上債権及び契約資産の増加額327百万円、未払費用や預り金の増減によるその他の主たる営業活動181百万円等となっております。前連結会計年度との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは506百万円減少しました。主な増加要因は未払消費税等の増減額149百万円、棚卸資産の増減額137百万円、主な減少要因は税金等調整前当期純利益287百万円、仕入債務の増減額274百万円、賞与引当金の増減額200百万円となっております。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、2,205百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、株式会社フューレックス社の買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得1,076百万円、ソフトウエア等無形固定資産の取得436百万円、オフィスの拡張や3Dプリンター等有形固定資産の取得281百万円、コーポレートベンチャーキャピタル等への出資による投資有価証券の取得179百万円、RACAR Canada社からの事業譲受による支出179百万円となっております。前連結会計年度との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは1,487百万円の支出増加となりました。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,029百万円増加、ソフトウエア等無形固定資産の取得による支出が369百万円増加したこと等が主な要因となっております。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、181百万円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額246百万円、自己株式の処分による収入116百万円等となっております。前連結会計年度との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは1,565百万円の収入減少となりました。自己株式の売却による収入が1,501百万円減少したことが主な要因となっております。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しているため、前期比については変更後のセグメント区分の数値と比較しております。報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

エンジニアリング・マニュファクチャリング

10,137

107.9

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

3.コンサルティング・エンジニアリング事業、ビジネスインキュベーション事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

エンジニアリング・マニュファクチャリング

18,636

105.2

620

75.0

コンサルティング・エンジニアリング

4,681

122.2

222

141.0

ビジネスインキュベーション

2,364

189.1

30

-

合計

25,682

112.7

873

88.7

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

エンジニアリング・マニュファクチャリング

18,828

106.9

コンサルティング・エンジニアリング

4,617

120.1

ビジネスインキュベーション

2,333

186.5

合計

25,779

113.5

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

 前連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

6,512

28.7

6,982

27.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態)

 当連結会計年度末の流動比率は267.3%となり引続き高い流動性を維持し、固定比率は40.8%となり安全性を維持しております。短期及び長期の借入債務はありません。

 

(経営成績)

 当社グループの主要顧客の属する自動車産業は、引き続き自動運転や新規技術による自動車の設計開発に関する技術について激しい競争環境におかれ、各社先行的に研究開発や新規技術の開発を促進している状況にあります。当連結会計年度の事業環境は、米国関税政策の動向、及び、その経済的影響について不透明な状態が継続し、景況感は悪化しました。自動車メーカー等の間では激しい開発競争が継続しているものの、主要顧客企業において開発費用の外部流出を抑制する動きに繋がりました。このような環境においても、当社グループは、グローバルに展開する顧客ニーズへの対応やグローバルでのリソースの確保に向けてカナダ及びタイ王国に拠点を設立しエンジニアリングサービスの提供を開始、技術分野においても新規の3Dプリンターメーカー 伊Roboze社や米Formlabs社、ドライビングシミュレーションプロバイダー 独VI-grade社との提携等を推進して領域の拡大やサービスレベルの向上を進めて参りました。またソフトウエア開発領域での事業拡大を目的として独立系システム会社である株式会社フューレックスの全 株式を取得、子会社化を行い、収益を拡大して参りました。

 これらの結果、グループ全体として前連結会計年度に比べて増収、売上総利益増益、営業減益の結果となりました。

 また、当社グループは工業製品の設計開発の分野において、常に顧客よりも技術及び関連する知見について先行し、顧客サービスの品質向上とより広い顧客ニーズに応えるためのサービス分野の拡大を重要な戦略の一つとしております。そのため、このような技術及び知見の発展と蓄積、及び、実際にこれらを推進することのできるエンジニアやコンサルタントの人財開発を重点的に行い、将来のリターン獲得を目的として研究開発費以外に投資的費用604百万円を費用計上しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、自動車産業を中心とする製造事業者に対して、当社グループエンジニアによる製品開発・設計の請負サービス、及びエンジニア派遣サービスを提供、また3Dプリンター等の造形設備を利用した試作モデル製造販売及び少量多品種製品の製造販売を行っております。そのため当社グループには、エンジニアやコンサルタント等人財への投資、製品の設計開発を行う専用ハードウエア及びソフトウエア等のツールへの投資、3D造形設備への投資、及びその原材料費の支払や人件費等運転資金に対して資金の需要があります。当連結会計年度においては運転資金に充当する目的で特別当座貸越契約を締結し機動的に調達できる体制を整えましたが、基本的には上記の資金需要に対して自己資金を充当する方針としております。流動性について、当連結会計年度末において4,592百万円の現金及び現金同等物を保有し、当社グループの事業運営上十分な流動性を確保していると考えております。当連結会計年度末における自己資本比率は72.2%となっており今後も安全性の高い資本構成を継続する考えであります。2016年に実施したCSM Software Private Limited(現SOLIZE PARTNERS India Private Limited)及びCSM Software USA,LLC(現SOLIZE USA Corporation)の買収時のように、一時的にまとまった資金需要が発生し、資金の流動性が低下するリスクがあるため、借入等機動的な資金調達ができる体制の構築を進めて参ります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の

とおりであります。

(固定資産の減損)

 当社グループは、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の事業区分に基づき資産のグルーピングをし、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フローを見積り、減損の要否を判定しております。判定の結果、減損が必要と判断された資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の

課税所得に関する予測は、中期経営計画等をもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため、当社グループでは売上高対前年増加率及び営業利益額を重視するとともに、売上高の大部分を占める構成要素である国内エンジニア数(含 コンサルタント)を客観的な指標としております。顧客ニーズに応えるため、提供するサービスのラインナップを拡充、グローバルにもサービス提供ができるキャパシティを確保することを目指し、売上高の成長率を重要な目標と考えております。また、当社グループサービスの本業による付加価値の拡大を目指し、営業利益の成長を重要な目標と考えております。
 当連結会計年度においては、売上高対前年増加率13.5%、営業利益は85百万円となりました。また、国内エンジニア数(含 コンサルタント)は1,639名(対前年比250名増加)となりました。推移は以下のとおりです。

 

2021年12月期

2022年12月期

2023年12月期

2024年12月期

2025年12月期

国内エンジニア数(人)

1,101

1,205

1,283

1,389

1,639

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、展開する事業の特性から、「エンジニアリング・マニュファクチャリング事業」、「コンサルティング・エンジニアリング事業」及び「ビジネスインキュベーション事業」の3区分を報告セグメントとしております。

 各事業の概要は、下記のとおりです。

「エンジニアリング・マニュファクチャリング事業」については、製品開発受託・エンジニア派遣・コンサルティング事業、3Dプリント試作・最終製品製作事業、3Dプリンター装置導入事業及びエンジニアリングに関するシステムの販売・構築を行っております。

「コンサルティング・エンジニアリング事業」については、ものづくり変革で培ったコア技術により、企業課題・社会課題の解決を行うコンサルティング及びエンジニアリングサービスの提供を行っております。

「ビジネスインキュベーション事業」については、社会・産業課題の解決に向けた新規事業の開発及び運営を中心に行っております。

 

(報告セグメントの変更等に関する事項)

 当連結会計年度より、セグメントの区分を従来の「デザイン事業」「マニュファクチュアリング事業」の2区分から、「エンジニアリング・マニュファクチャリング事業」「コンサルティング・エンジニアリング事業」「ビジネスインキュベーション事業」の3区分に変更いたしました。

 2025年7月1日付けの持株会社体制への移行により、エンジニアリング・マニュファクチャリング事業をSOLIZE PARTNERS株式会社に、コンサルティング・エンジニアリング事業をSOLIZE Ureka Technology株式会社に、ビジネスインキュベーション事業を+81株式会社に、それぞれ各社へ承継したことに伴い、適切な管理・評価を行う観点から、各事業会社を中心とする報告セグメントに変更を行うことといたしました。

 なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表計上額

(注2)

 

エンジニアリング・マニュファクチャリング

コンサルティング・エンジニアリング

ビジネスインキュベーション

計

売上高

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財

又はサービス

4,848

-

-

4,848

-

4,848

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

12,771

3,843

1,251

17,865

-

17,865

顧客との契約から生じる収益

17,619

3,843

1,251

22,713

-

22,713

その他収益

-

-

-

-

-

-

外部顧客への売上高

17,619

3,843

1,251

22,713

-

22,713

セグメント間の内部売上高又は振替高

-

-

-

-

-

-

 計

17,619

3,843

1,251

22,713

-

22,713

セグメント利益又は損失(△)

679

718

△942

455

-

455

セグメント資産

5,713

1,186

422

7,323

8,125

15,448

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

172

24

8

205

-

205

減損損失

-

-

6

6

-

6

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

246

3

33

283

133

417

(注)1.調整額は、以下のとおりであります。

(1) セグメント資産の調整額8,125百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産8,234百万円とセグメント間取引消去△109百万円であります。

(2) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産の増加額であります。

2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表計上額

(注2)

 

エンジニアリング・マニュファクチャリング

コンサルティング・エンジニアリング

ビジネスインキュベーション

計

売上高

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財

又はサービス

5,035

-

-

5,035

0

5,035

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

13,792

4,617

2,333

20,743

-

20,743

顧客との契約から生じる収益

18,828

4,617

2,333

25,779

0

25,779

その他収益

-

-

-

-

-

-

外部顧客への売上高

18,828

4,617

2,333

25,779

0

25,779

セグメント間の内部売上高又は振替高

29

12

222

263

△263

-

 計

18,858

4,629

2,556

26,043

△263

25,779

セグメント利益又は損失(△)

435

305

△834

△93

179

85

セグメント資産

7,059

1,973

3,353

12,386

3,313

15,699

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

177

35

7

220

59

280

減損損失

-

-

3

3

-

3

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

240

277

19

537

132

670

(注)1.調整額は、以下のとおりであります。

(1) セグメント利益又は損失(△)の調整額179百万円は、セグメント間取引消去1,398百万円と各報告セグメントに配分していない全社費用等△1,219百万円であります。

(2) セグメント資産の調整額3,313百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産4,944百万円とセグメント間取引消去△1,631百万円であります。

(3) 減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない減価償却費であり、主に各報告セグメントに帰属しない管理部門の資産に係る減価償却費であります。

(4) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産の増加額であります。

2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 

 

(単位:百万円)

日本

その他

合計

19,185

3,528

22,713

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

本田技研工業株式会社

6,512

エンジニアリング・マニュファクチャリング事業、コンサルティング・エンジニアリング事業、ビジネスインキュベーション事業

 

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 

 

(単位:百万円)

日本

その他

合計

21,939

3,840

25,779

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

本田技研工業株式会社

6,982

エンジニアリング・マニュファクチャリング事業、コンサルティング・エンジニアリング事業、ビジネスインキュベーション事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

エンジニアリング・マニュファクチャリング

コンサルティング・エンジニアリング

ビジネスインキュベーション

全社・消去

合計

当期償却額

19

-

5

-

24

当期末残高

43

-

-

-

43

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

エンジニアリング・マニュファクチャリング

コンサルティング・エンジニアリング

ビジネスインキュベーション

全社・消去

合計

当期償却額

36

-

46

-

83

当期末残高

195

-

979

-

1,175

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。