2025年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

建築関連製品 不動産賃貸
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
建築関連製品 10,851 98.4 561 85.6 5.2
不動産賃貸 173 1.6 94 14.4 54.5

事業内容

3 【事業の内容】

 当社グループは、当社及び子会社1社により構成されております。

 当社グループは、建築金物、外装用建材、エクステリア製品等の製造、販売を行っており、また、製品の施工・取付工事を行っております。さらに、不動産賃貸事業を営んでおります。

 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

建築関連製品

 ドアーハンガーなどの建築金物、物置などのエクステリア製品やアルミ型材を利用した外装用建材などの製造販売及び取付を行っております。

 

不動産賃貸

 単身者向け賃貸マンション及び貸店舗を運営しております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

 

(注)※1 非連結子会社

 

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善していく中で、円安の状況を受けてインバウンド需要が拡大し、緩やかな回復傾向となりました。一方で、中東やウクライナ情勢など地政学的なリスクの影響によりエネルギー価格などの物価は依然として高止まりの状況にあり、米国の政策動向など世界経済の下振れリスクも多く、国内経済の行き先は不透明な状況が続いております。

 当社の主要な販売市場である建設業界では、人手不足や物価高騰による資材コストの増加などの影響は続くものの、分譲マンションや賃貸物件が底堅く推移したことから、新設住宅着工数はおおむね横ばいの動きとなりました。また、堅調な企業収益等を背景に、企業の設備投資についても持ち直しの動きがみられました。

 一方で、アルミ地金などの原材料価格は高止まりのまま、円安の為替相場の影響も相まって、製造コストにおいては依然として厳しい経営環境が続きました。

 このような中、当社は事業領域の将来性とシェアを鑑みて選択と集中を進め、既存製品については付加価値を高めることにより、新製品については市場認知度を高めることで収益力の強化に努めてまいりました。

 既存製品では、ゴミ収集庫や自転車ラックなどの主力製品の需要の獲得を図るとともに、設備投資を積極的に実施して生産能力の強化を行いました。また、事業領域を拡大するべく、高所作業の効率化をサポートするメンテナンスレールなどの認知度拡大に努めるとともに、ホームページの多言語化や海外での展示会に出展することで海外での知名度の拡大を図りました。

 以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、前事業年度比1.3%増の11,024百万円となりました。利益面では、下記において価格改定を行い収益性の改善を図りましたが、その影響が想定よりも短期間でしか生じなかったことなどから、営業利益は前事業年度比34.1%減の295百万円、経常利益は前事業年度比30.8%減の336百万円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ25.1%減の246百万円となり、自己資本利益率は、前事業年度比0.7ポイント減の1.9%となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(セグメント売上高):当事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

構成比(%)

建築関連製品

10,851,217

101.3

98.4

不動産賃貸

173,314

101.1

1.6

合計

11,024,531

101.3

100.0

 

(建築関連製品)

 建築関連製品におきましては、開発、製造、販売の連携を密にして、積極的な設備投資を実施し、環境・社会課題に対応する付加価値を持った製品を提供するとともに、既存製品の用途活用の拡大や新製品開発によって新たな需要の獲得に取り組んでまいりました。

 エクステリア関連製品では、自転車ラックなどが集合住宅での需要が獲得できた他、公共工事等の受注も得られたことから、比較的好調に推移しました。また、ゴミ収集庫について、積極的な設備投資による生産力強化を実施してさらなる受注獲得に努めました。

 円安や人件費、物価の高騰の影響による原材料の物流コストの増加に対しては、内製化などにより原価低減を図るとともに、一部製品の販売価格改定を実施してまいりました。

 その結果、売上高は10,851百万円(前事業年度比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)は、コスト増加の影響を受けて561百万円(前事業年度比18.6%減)となりました。

 

 

(不動産賃貸)

 不動産賃貸関連につきましては、収益の主力でありますワンルームマンションの大規模改修を実施し、居住環境の整備を実施いたしました。改修後の入居率も高い水準を維持し、収益を確保しております。

 一方で、法人向けテナントにつきましては、一部テナントの解約があり、貸借人の募集を行っている状況となりました。また、大規模改修に伴う租税公課等の一時費用や減価償却費等の増加により、原価率が上昇し、セグメント利益を減少させました。

 その結果、売上高は173百万円(前事業年度比1.1%増)、セグメント利益(営業利益)は94百万円(前事業年度比3.5%減)となりました。

 

b.財政状態

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ154百万円減少し、9,885百万円となりました。これは、製品等の棚卸資産が211百万円増加したものの、生産用機械装置への設備投資などから現金及び預金が356百万円減少したことが主因であります。

 

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ84百万円増加し、5,895百万円となりました。これは、時価評価により投資有価証券が9百万円減少したものの、生産能力の向上のための投資により有形固定資産が93百万円増加したことが主因であります。

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ192百万円減少し、2,303百万円となりました。これは、未払金を含む仕入債務が60百万円、設備投資関係の電子記録債務が減少したことによりその他が142百万円、それぞれ減少したことが主因であります。

 

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ32百万円減少し、271百万円となりました。これは、不動産賃貸事業の法人テナントの一部解約に伴い預り敷金等が減少したことなどからその他が19百万円、退任役員への支払いにより役員退職慰労引当金が7百万円減少したことが主因であります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ154百万円増加し、13,206百万円となりました。これは、当期純利益による増加などによって、繰越利益剰余金が163百万円増加したことが主因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ356百万円減少し、2,858百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は280百万円(前事業年度は165百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益355百万円や減価償却費356百万円などの収入と棚卸資産の増加による211百万円、仕入債務の減少による63百万円、未払消費税等の減少による31百万円、法人税等の支払額115百万円などの支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は555百万円(前事業年度は530百万円の支出)となりました。これは主に、事業投資に関する有形固定資産の取得による支出555百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は82百万円(前事業年度は82百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額82百万円によるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2021年2月期

2022年2月期

2023年2月期

2024年2月期

2025年2月期

自己資本比率

81.1%

80.9%

79.5%

82.3%

83.7%

時価ベースの自己資本比率

28.4%

27.3%

25.8%

28.5%

28.1%

キャッシュ・フロー対有利子

負債比率

インタレスト・カバレッジ・

レシオ

175,957.7倍

170,847.9倍

299,447.3倍

152,644.7倍

(注)1.各指標は、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率           :自己資本÷総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額÷総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー÷利払い

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。

5.2024年2月期は営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、インタレスト・カバレッジ・レシオについて記載しておりません。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 セグメントのうち、建築関連製品において生産活動を行っており、当事業年度における生産実績を示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

品目

 

 

金物

2,173,296

103.4

建材

1,522,785

101.9

エクステリア

2,625,159

108.9

その他

877,367

96.0

建築関連製品計

7,198,609

104.0

(注) 金額については、製造原価で記載しております。

 

b.受注実績

 セグメントのうち、建築関連製品の外装用パネルについては、受注生産を行っておりますが、その重要性は乏しいため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

品目

 

 

金物

3,423,875

99.2

建材

2,080,637

97.4

エクステリア

3,462,515

105.0

その他

1,884,188

103.2

建築関連製品計

10,851,217

101.3

不動産賃貸計

173,314

101.1

合計

11,024,531

101.3

(注)1 主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

杉田エース株式会社

2,036,417

18.7

2,180,943

19.8

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

① 経営成績の分析

a.前事業年度実績との比較

(売上高)

 当事業年度の売上高は、前事業年度と比べ142百万円増加し、11,024百万円となりました。これは、ゴミ収集庫の生産能力を拡大したことや集合住宅において自転車ラックの需要を獲得できたことなどからエクステリア分野の売上が伸長したことが主因であります。

 また、建築関連製品事業において、一部製品の値上げとメンテナンスレールなどが製品知名度の拡大を図る中で比較的堅調に推移したことなども大きく寄与いたしました。

 

(売上原価)

 当事業年度の売上原価は、前事業年度と比べ124百万円増加し、7,685百万円となりました。これは、円安の進行及び物価高騰の状況によって建築関連製品事業の製造コストが増加し、生産の効率化によっても製造コストの上昇を抑えきれなかったことが主因であります。

 また、不動産賃貸事業につきましても、大規模改修などの設備投資により、減価償却費等の不動産原価が増加いたしました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ170百万円増加し、3,043百万円となりました。これは、エネルギー価格や人件費の上昇による物価高騰にともなって、物流コストや労務費が増加したことが主因であります。

 

(営業外収益、営業外費用)

 当事業年度の営業外収益は、前事業年度と比べ2百万円増加し、46百万円となりました。これは、受取保険金等が増加したことにより雑収入が増加したことが主因であります。

 当事業年度の営業外費用は、前事業年度とほぼ横ばいの5百万円となりました。これは、固定資産除却損は減少したものの、事業所の再編等に伴う解約違約金等が発生したことが主因であります。

 

(特別利益、特別損失)

 当事業年度において特別利益は、不動産賃貸事業によるテナント解約に伴う預り保証金精算益15百万円、固定資産売却益5百万円など24百万円発生しております。

 当事業年度において特別損失は、ゴルフ会員権の時価が低下したことから預託金に係る貸倒引当金繰入額3百万円及びリゾート会員権の売却による会員権売却損1百万円が発生しております。

 

(当期損益)

 当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べて149百万円減少し、336百万円となりました。これは、販売費及び一般管理費が増加したことにより営業利益が152百万円減少したことが主因であります。これに伴い売上高経常利益率は、前年と比べ1.4ポイント減少し、3.1%となり、当期純利益は82百万円減少して246百万円、自己資本利益率は0.7ポイント減少して1.9%となりました。

 

b.業績予想との比較

 当事業年度におきましては、賃金上昇の動きが進む中、建設コストの高止まりも一巡するとともに企業の設備投資などから市場環境は底堅く推移するものの、地政学的リスクの影響よる物価高は続き、円安などの影響もあって、調達コストにおいて厳しい環境となるとの想定の下、2024年4月5日時点において売上高11,500百万円、営業利益570百万円、経常利益600百万円、当期純利益360百万円の業績を見込んでおりました。

 当該業績予想との比較・分析は以下のとおりであります。

 売上高に関しましては、業績予想と比較して475百万円小さい11,024百万円となりました。

 建築関連製品事業におきまして、集合住宅における需要が獲得できたことなどから、ゴミ収集庫や自転車ラックなどのエクステリア関連製品が伸長いたしました。また、高所作業の効率化をサポートするメンテナンスレールなど新分野の製品についても一定の需要を獲得することができました。

 しかしながら、戸建用の物置の需要が低迷したことや外装用建材における価格競争の激化などから、開示した予想売上高には至りませんでした。

 なお、不動産賃貸事業におきましては、大規模修繕などを実施し、住居者の住環境の改善を進めたことにより、入居率が高水準で推移したことで、予想売上高を達成いたしました。

 利益面に関しましては、経常利益が業績予想を263百万円下回り336百万円、当期純利益は業績予想を113百万円下回り246百万円となりました。これにより、売上高経常利益率は業績予想の5.2%に対して、2.1ポイント下回る3.1%となりました。これは、当初の予測を上回る円安の進行や資材価格や運搬費など物価の高騰の影響から製造コストや販管費が増加したことが主因であります。当社ではコスト増加に対して内製化などの原価低減策に努めるとともに、価格改定を実施してまいりましたが、価格改定の効果期間が想定よりも短かったこともあり、業績予想の経常利益に至りませんでした。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析及び資本の財源と資金の流動性に関する情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(主な資金の需要及び財源)

 当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料、商品等の購入や外注加工費等の製造費用のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資等の資金需要の主なものは、建築関連製品事業の工場建物や機械装置、金型等の工具などの生産設備への投資によるものであります。

 これらの資金需要につきましては、主に営業キャッシュ・フロー及び自己資金による他、金融機関からの借入を財源として調達する方針であります。当社としましては、強固な財務基盤を有し、また適切な財務情報の開示などを通して金融機関と良好な関係を維持しており、運転資金及び投資資金の調達に関して、問題なく調達することが可能であると判断しております。

 

(資金の流動性)

 当社は、手元資金を売上高の3ヶ月分相当に維持することで運転資金需要に対応しており、流動性リスクを管理しております。また、突発的な資金需要が生じた際には、機動的に調達可能なように、複数の金融機関との間で合計3,050百万円の当座貸越契約を締結しております。

 なお、当事業年度末において借入金の残高はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたり、会計方針の選択、資産、負債、収益及び費用の報告額及び開示に影響を及ぼす見積りを行っております。経営者は、これらの見積りが必要な事項について、過去の実績、経験や見積り時点までに入手しうる情報などを総合的に勘案して、合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。また、財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。