人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数14,638名(単体) 52,608名(連結)
-
平均年齢40.0歳(単体)
-
平均勤続年数13.8年(単体)
-
平均年収7,989,530円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
|
2023年12月31日現在 |
|
事業別セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
機械 |
40,484 |
(12,413) |
水・環境 |
7,645 |
(257) |
その他 |
1,359 |
(254) |
全社(共通) |
3,120 |
(-) |
合計 |
52,608 |
(12,924) |
(注) 従業員数は就業人員数です。また、( )内に臨時従業員の年間平均人員数を外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
|
|
|
2023年12月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
14,638 |
40.0 |
13.8 |
7,989,530 |
事業別セグメントの名称 |
従業員数(人) |
機械 |
8,844 |
水・環境 |
2,674 |
全社(共通) |
3,120 |
合計 |
14,638 |
(注) 1 従業員数は就業人員数です。
なお、当事業年度において従業員数が2,164人増加しておりますが、その主な理由は一部国内子会社の吸収合併等によるものです。
2 平均年間給与には、賞与及び基準外賃金が含まれております。
(3) 労働組合の状況
労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
備考 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注1) |
男性労働者の 育児休業取得率 (%)(注2) |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)(注3)(注4) |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・ 有期労働者等 |
|||
4.3 |
75.6 |
80.3 |
79.3 |
75.3 |
|
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 正規雇用労働者については、等級制度並びに賃金体系は一律であるため、同一の等級における男女の賃金の差異はありません。男女の賃金の差異は、管理職層における男性の比率が女性と比べ高いこと等が要因となっております。
4 パート・有期労働者等については、賃金水準が高く男性比率が高い特定の労働契約の者が含まれていることが要因となっており、男女による差異は設けておりません。
② 連結子会社
当事業年度 |
備考 |
|||||
名 称 |
管理職に占める 女性労働者の 割合(%) (注1) |
男性労働者の 育児休業取得率(%)(注2) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注1) |
|||
雇用管理区分: 全労働者 |
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者等 |
|||
㈱クボタクレジット |
20.4 |
0.0 |
62.1 |
65.1 |
- |
(注3) |
㈱クボタケミックス |
0.4 |
91.7 |
72.2 |
70.2 |
81.7 |
|
クボタ環境エンジニアリング㈱ |
1.2 |
38.1 |
70.2 |
83.1 |
38.6 |
|
㈱北海道クボタ |
5.1 |
0.0 |
69.0 |
69.0 |
- |
(注3) |
㈱みちのくクボタ |
1.3 |
30.0 |
77.8 |
77.0 |
88.1 |
|
㈱関東甲信クボタ |
13.8 |
0.0 |
65.9 |
72.3 |
109.0 |
|
㈱東海近畿クボタ |
1.4 |
14.3 |
67.9 |
68.2 |
- |
(注3) |
㈱中四国クボタ |
1.2 |
0.0 |
67.1 |
68.0 |
62.7 |
|
㈱南九州沖縄クボタ |
7.0 |
0.0 |
66.5 |
69.2 |
42.9 |
|
クボタ機械設計㈱ |
30.4 |
100.0 |
77.5 |
77.5 |
- |
(注3) |
クボタアグリサービス㈱ |
1.0 |
50.0 |
78.7 |
78.7 |
- |
(注3) |
㈱クボタ建機ジャパン |
0.0 |
31.3 |
75.9 |
76.4 |
57.5 |
|
三光クボタ建機㈱ |
0.0 |
100.0 |
69.6 |
68.4 |
97.5 |
|
日本プラスチック工業㈱ |
0.0 |
0.0 |
72.9 |
83.0 |
57.5 |
|
㈱クボタ計装 |
3.5 |
66.7 |
82.2 |
80.3 |
100.2 |
|
㈱クボタ建設 |
2.1 |
0.0 |
57.7 |
59.7 |
47.1 |
|
クボタワークス㈱ |
0.0 |
- |
109.6 |
113.0 |
74.2 |
(注4) |
クボタロジスティクス㈱ |
0.0 |
44.4 |
62.2 |
66.0 |
39.2 |
|
クボタエイトサービス㈱ |
4.2 |
25.0 |
63.6 |
70.4 |
52.7 |
|
平和管財㈱ |
1.9 |
100.0 |
49.7 |
81.4 |
37.3 |
|
クボタ空調㈱ |
0.0 |
100.0 |
70.1 |
70.8 |
118.1 |
|
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 労働者の男女の賃金の差異について「-」となっているものは、該当する労働者がすべて男性または女性、あるいは該当する労働者がいないため、割合の算出ができないことを示しております。
4 男性労働者の育児休業取得率が「-」となっているものは、対象となる従業員がいないことを示しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。
(1) サステナビリティ全般
① 基本的な考え方、戦略
当社は企業理念「クボタグローバルアイデンティティ」(以下「KGI」)の中で、ブランドステートメントとして「For Earth, For Life」を掲げ、美しい地球環境を守りながら、人々の豊かな暮らしを支えていくことを約束しております。そして、KGIを実現するにあたって「グローバル・メジャー・ブランド クボタ」(以下「GMBクボタ」)をめざしており、GMBクボタ実現に向けた2030年のめざす姿として長期ビジョンGMB2030を掲げております。
GMB2030では豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”となること、すなわち地球環境と人間社会のサステナビリティ、当社のサステナビリティの両立に取組んでおります。具体的には、食料・水・環境領域での新たなソリューションの展開と既存事業の拡充及びさらなる社会への適合です。加えて、それら事業展開を支えるため、ESGを経営の中核に据えた事業転換等の経営基盤の強化を進めております。
② マテリアリティ及び機会とリスク、指標と目標
GMB2030を実現するためのクボタらしいESG経営(以下「K-ESG経営」)では、「事業を通じた環境・社会課題の解決」とそれらを牽引・後押しする事業基盤の強化に取組んでおります。「事業を通じた環境・社会課題の解決」はGMB2030実現に向けて「食料の生産性・安全性の向上」、「水資源・廃棄物の循環の促進」及び「都市環境・生活環境の向上」の3つの観点で新たなソリューションや既存事業の拡充に取組み、それらすべてで気候変動にも対応していきます。事業基盤の強化には「課題解決を実現するイノベーションの加速」、「ステークホルダーの共感・参画」及び「持続可能性を高めるガバナンスの構築」が必要です。事業、イノベーション、ステークホルダー及びガバナンスの4つの領域でブレイクダウンした12項目をマテリアリティとして特定しております。当社における特定されたマテリアリティ(リスク、機会としての認識)及びマテリアリティ推進にあたっての指標と目標はそれぞれ次頁のとおりです。
マテリアリティは世界全体の動き、めざす方向性のうち当社にとって重要な4つのメガトレンド(サーキュラーエコノミー、カーボンニュートラル、限界費用ゼロ社会及び新たな中小コミュニティ形成)、当社が果たすべき役割、その他ESG課題及びステークホルダーの動向等から抽出し、KESG経営戦略会議(「③ ガバナンス、リスク管理」で後述)やその他検討会での経営層による議論、投資家及び株主との対話でいただいた意見と評価をふまえて特定し、取締役会へ報告・決定されました。マテリアリティ及び指標は固定的なものではなく、常に社会情勢や当社の事業状況をふまえて見直しを行います。
<K-ESG経営のマテリアリティ、GMB2030との関係図>
<マテリアリティに対する認識(機会とリスク)>
マテリアリティ |
マテリアリティに対する認識 |
|
事業を通じた環境・社会課題の解決 |
食料の生産性・安全性 の向上 |
当社はこれまで人々が生活する上で欠かすことのできない製品・サービスを提供することに努め、農業機械や水道管など地表から上下数メートルで展開される、食料・水・環境に関する課題解決では、130年を超える年月を通じて、多くの技術やノウハウを蓄積してきました。 一方、世界全体の動き、めざす方向性として、当社にとって重要な4つのメガトレンド「サーキュラーエコノミー」「カーボンニュートラル」「限界費用ゼロ社会」「新たな中小コミュニティ形成」があります。この動きが進む中で、KGI実現及びGMBクボタをめざす当社が果たすべき役割は次の3つで、これら役割を果たすことは、当社がさらに事業領域を拡げ、発展するとともに、社会へ貢献する機会と考えております。 ・食料・水・環境領域のソリューションの提供 ・持続可能な社会の開発と自然の循環ループの実現 ・種々のコミュニティにおける課題解決への貢献 |
水資源・廃棄物の循環 の促進 |
||
都市環境・生活環境 の向上 |
||
気候変動の緩和と適応 |
||
課題解決を実現するイノベーションの加速 |
多様な価値観に基づく 事業運営 |
多様な価値観を認めることは、強みを増幅させ、弱みを補いあうことになり、高い競争優位につながります。当社の多様な人財が多様な能力を十分に発揮することで、変化への対応やイノベーションを通じて新たな価値を創出し、事業を成長させます。 |
研究開発とパートナーシップの強化 |
近年は課題そのものが高度化、複雑化しております。課題解決を実現するためには当社の研究開発力をさらに高める必要があります。また、ビジネスパートナーとの協業で新たな知見を取入れることはそのスピードを加速させます。 |
|
ステークホルダーの 共感・参画 |
従業員の成長と働きがいの向上 |
当社が持続的成長を実現するには、事業環境の変化へ柔軟に対応できる活力に満ちた組織でなければなりません。それは働きがいを感じて意欲的に取組む従業員がいることで可能になり、働きがいは成長の実感、社会や仲間への貢献の実感等で実現します。 |
お客様の満足と安全 |
お客様の想いに寄り添い、お客様の視点で未来を想像することで課題をいち早く発見して期待を超える新たな価値を提供することができます。それを継続することがお客様満足になり、お客様からの信頼を得ることで、多くの社会貢献を成しえます。 |
|
透明性の向上と対話 |
高い透明性と対話は従業員やサプライヤー等ステークホルダーの共感・参画につながり、事業活動を支えます。また、当社を深く理解いただくことは企業価値の向上にもつながります。 |
|
持続可能性を高める ガバナンスの構築 |
コーポレート・ガバナンスの強化 |
長期安定的に経済価値と社会価値のバランスをとりながら企業価値全体を向上させることは経営の最重要課題です。このためには透明・公正で迅速・果断な経営を支えるコーポレート・ガバナンスを実現することが必要です。 |
K-ESG経営の浸透と実践 |
グローバルで共通の価値観や行動規範を共有することがOne Kubotaを実現し、事業展開とそれによる環境・社会課題の解決を支えます。 |
|
リスクマネジメント の強化 |
社会情勢・事業環境の変化は年々激しくなり、リスクも多様化しております。これまで以上にスピーディかつ能動的にリスクへ対応していくことが持続的な企業価値創出には不可欠です。 |
<マテリアリティの指標と目標>
マテリアリティ |
指標 |
中長期目標 |
|
事業を通じた環境・社会課題の解決 |
食料の生産性・安全性の向上 |
新たなソリューションの進捗状況 |
今後開示 |
水資源・廃棄物の循環の促進 |
|||
都市環境・生活環境の向上 |
|||
気候変動の緩和と適応 |
スコープ1、2、3 排出量 |
2030年に スコープ1、2:2014年比50%削減 スコープ3:今後開示 |
|
課題解決を実現するイノベーションの加速 |
多様な価値観に基づく事業運営 |
執行役員の多様性の状況 女性管理職比率(単体) |
外国籍執行役員 10%(2025年) 女性管理職比率 7%(2030年) |
研究開発とパートナーシップの強化 |
研究開発体制の状況 研究開発結果 |
今後開示 |
|
ステークホルダーの共感・参画 |
従業員の成長と働きがいの向上 |
従業員エンゲージメントスコア DX人財 |
従業員エンゲージメントスコア 70(2030年) DX人財 1,000人(2024年) |
お客様の満足と安全 |
お客様満足度 |
今後開示 |
|
透明性の向上と対話 |
外部機関の評価 |
主要な外部評価機関から最上位の評価を獲得(2025年) |
|
持続可能性を高めるガバナンスの構築 |
コーポレート・ガバナンスの強化 |
取締役会の実効性 |
今後開示 |
K-ESG経営の浸透と実践 |
企業理念やビジョンの 従業員への浸透度 |
浸透度スコア75(2025年) |
|
リスクマネジメントの強化 |
リスクマネジメント体制の構築状況 |
グローバルでリスクマネジメント体制を構築し、デューデリジェンスを実施(2025年) |
<マテリアリティの特定プロセス>
③ ガバナンス、リスク管理
マテリアリティの特定や見直し、指標と目標の設定及び管理等サステナビリティ全般の執行側機関としてKESG経営戦略会議(事務局は社長直轄のKESG推進部)を設置しております。KESG経営戦略会議は年3回開催され、社長をはじめ事業部門、財務、人事、研究開発、製造、環境等の担当役員がメンバーとなり、会議で決定された事項は事業部門やコーポレート部門に展開され推進されます。マテリアリティ推進の実績及び目標はKESG経営戦略会議での報告及び検討、報酬諮問委員会での審議を経て、取締役会へ報告・決議されております。
また、マテリアリティの推進(K-ESG経営の推進)と役員報酬を連動させる報酬体系をとっており、役員報酬における年次賞与の20%はK-ESG評価として、マテリアリティ目標の達成度に応じて標準額の0%~200%の範囲で変動させております。
各マテリアリティの推進は、KESG経営戦略会議のほか、取締役会及び取締役会メンバーによるディスカッションの場「Value Up Discussion Meeting」、クボタグループリスクマネジメント委員会等で行い、取締役会へ報告また決議されております。
④ マテリアリティと企業価値の関係性
当社ではマテリアリティと企業価値の関係性を下図のように考えております。環境経営、特に気候変動はすべての事業の前提・共通事項であり、人的資本はその他マテリアリティに影響を与える要素であるため、重要性は高くなります。それらに関する戦略、ガバナンス等については後述「(2) 人的資本」及び「(3) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」のとおりです。
(2) 人的資本
① 基本的な考え方
当社がGMB2030を実現していくためには、既存事業の拡充を行っていくことが必要不可欠です。またそれと同時に、食料、水、環境という3つの分野が連携して、社会課題の解決策を提案していくソリューションの提供も行っていく必要があります。今後、既存事業の拡充、新たなソリューションを通じて環境・社会課題を解決していく原動力は、強くてしなやかな組織と多様で自律した人財であり、それらを強化していくことが重要であると考えております。
創業以来、当社は社会の発展に向けて挑戦できる人財を求めており、現場主義やOn Your Sideの精神を重要な価値観として事業運営を行っております。今後、既存事業の拡充と新たなソリューションビジネスへの取組みを行うためには、それらの価値観を大事にしつつ、加えて3つの概念『a.「DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)」/b.「Purpose」/c.「健康経営の推進」』を基本方針として当社に根付かせる必要があると考えております。
② 人的資本戦略
3つの基本方針は経営戦略とのつながり、人財戦略(獲得・育成・活用・確保)の観点等に基づいて策定しております。また、基本方針ごとの戦略に対して、施策のポリシーを定めることで、当社として取組むべき方向性(KPIや具体的施策)を明確にしております。
以下の基本方針と戦略に基づいた各種人事施策を実行することでGMB2030の実現をめざします。
1) 人的資本 基本方針
基本方針 |
概要 |
|
a |
DEI (組織の強化) |
多様な人財が集い、つながることで新たな価値を創出し、それがイノベーションやサステナビリティの源泉となります。当社では『対話』を重視した企業文化を構築し、個々の能力を引き出すことが「DEI」を実現するための鍵であると考えております。その実現がマテリアリティである「多様な価値観に基づく事業運営」につながります。 |
b |
Purpose (個の強化) |
個々人が未知の領域の課題解決にチャレンジをしていく必要があり、そのためにはメンバーそれぞれが強い想い「Purpose」を持ち、個々の力を発揮していくことが求められます。それはマテリアリティである「従業員の成長と働きがいの向上」につながります。 |
c |
健康経営の推進 |
当社がこれからも社会に必要とされるソリューションを生み出すためには、活動の主体者である従業員の心身の健康が欠かせません。従業員の健康を大切にする風土を醸成し、一人ひとりの心身の健康を保つと共に、いきいきと働き続けることができる職場づくりを通して、当社の人的資本戦略を下支えします。 |
<GMB2030と人的資本の関係図>
2) 基本方針の戦略、施策ポリシー
a. DEI(組織の強化)、b. Purpose(個の強化)、c. 健康経営の推進の3つの基本方針について、戦略と施策ポリシーを定めて取組みを進めております。
<基本方針の戦略、施策ポリシー>
[戦略]
a. DEI(組織の強化)~多様な価値観に基づく事業運営~ (=社内環境整備方針)
・多様な人財を獲得し、その個性を尊重しながら、人財の価値を最大限引き出す『対話』を重視した企業文化の構築 |
当社は人的資本戦略の柱として、「DEI:ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平性)・インクルージョン(包括性)」を推進しております。異なる価値観や考え方があることを認識し、多様な個性を最大限に活かすことはイノベーションにつながります。加えて、組織がグローバルで持続的に成長していくためにも、多様性を活かすことは重要な観点です。また、当社では『対話』をキーワードにDEIの戦略を展開しております。多様な個性を持った人財が積極的に『対話』し、多様な意見を交わすことで新しいアイデアが生まれ、現存の課題に対する新しいアプローチが見つかります。そして人財の価値を最大限に引き出す『対話』を重視した組織文化は、個々の能力・経験・考え方が認められ個々の力をより発揮できる環境を構築します。 |
b. Purpose(個の強化)~従業員の成長と働きがいの向上~ (=人財育成方針)
・戦略的かつ計画的な育成投資によるチャレンジ意欲ある人財への成長機会の提供 ・従業員のPurpose(想い)を大切にした自律的なキャリア形成支援 |
当社は人的資本戦略の柱として、「Purpose(想い)」を重視しております。GMB2030実現に向けて、当社全体の個人の成長は欠かすことができず、個人の成長の土台となるのは、一人ひとりのPurposeであると捉えております。想いを自律的に実現できる環境をさらに整え、一人ひとりのPurposeが原動力となって、個人も組織も成長していくような組織をめざしております。 これからも従業員一人ひとりが自分と向き合い、自律的にキャリアを考えていけるような支援を積極的に行い、従業員の視野を拡げ、自己成長に向け意欲的にチャレンジする方への育成投資を重点的に行っていきます。そして一人ひとりのエンゲージメントを高めつつ、個々人の持つ強みを最大限に引き出し、その強みを伸ばしながらチームで価値創造できる人財育成を行います。 |
c. 健康経営の推進~人的資本の下支え~ (=社内環境整備方針)
・健康経営戦略マップに基づくデータ分析により、人的資本への効果的な健康施策への投資サイクルを構築する |
当社は人的資本戦略の土台として、健康経営を推進しております。戦略の核となるのは、「健康経営戦略マップ」に基づくデータ分析です。健診データや労働時間データ、各種サーベイで取得した「KPI指標」を多変量解析し、心身の健康やパフォーマンスを促進/阻害する要因を深掘りしながら、効果的な健康施策への投資サイクルを構築しております。健康な従業員は、組織の「創造性」と「生産性」を向上させ、全体のパフォーマンスに寄与します。このアプローチは、K-ESG経営にも密接に連動し、企業の持続的成長にもつながります。 |
<健康経営戦略マップ>
[施策ポリシー]
a. DEI(組織の強化)
・マネージャーがメンバー一人ひとりに向き合い、双方の想い・考え方を理解・共感しあう施策を実行する ・多様な人財の集まりと生産性の高いフレキシブルな働き方の中で共創・創発を促進する |
『対話』を重視した文化を構築するためにはマネージャーの存在は必要不可欠です。1on1ミーティングや日々の対話を通じて、マネージャーがメンバー一人ひとりの想いに理解・共感し、その想いに対して最大限支援することが個々人のエンゲージメントを高め、多様な人財の価値を引き出すことができると考えております。また、性別、国籍、年齢、経験、価値観等、あらゆる属性や様々な個性をもつ従業員一人ひとりが、熱意をもって働けるよう、状況に合わせた働きやすい制度の整備等、多様な人財が活躍できる場を提供していきます。 |
b. Purpose(個の強化)
・将来の経営人財候補を戦略的・計画的に発掘・育成する ・チャレンジ意欲ある人財へ積極的な投資を行う ・事業・職務で実現したい従業員の想いを受け止め、従業員の自律的キャリアを最大限支援する |
当社がこれから既存事業の拡充や新たなソリューションへの取組みを行うには経営人財の計画的な育成とチャレンジ意欲ある人財への積極的な投資を行い、より変化に柔軟で多様性のある人財を育成していく必要があります。また一人ひとりの想いを確実に受け止め、事業や職務で実現したキャリアについて、上司部下間で十分な対話を行い、従業員の想いを最大化し、行動につなげることが今後のめざす姿を実現する近道であると考えております。 |
c. 健康経営の推進
・ヘルスリテラシー向上を起点として、適正な受療行動と予防活動を促進する |
健康になるためには、「行動」を変える必要があり、「行動」を変えるためには、まず「意識」を変える必要があります。「ヘルスリテラシー」は、健康意識・知識を推し量る指標の1つであり、この数値が高い従業員を増やしていくことが、健康な従業員を増やしていくことにつながります。健康を「自分ごと」として捉え、自律的な健康増進に取組む「ヘルスリテラシー」のある従業員を増やすべく、健康施策に継続的な投資をしております。 |
[具体的な取組み(一例)]
■従業員エンゲージメントの向上 <a. DEI(組織の強化)/b. Purpose(個の強化)>
K-ESG経営を推進するには、従業員が企業理念を実践し、社内外のステークホルダーの共感と参画を得ることが重要です。そこで、K-ESG経営推進の主体者である従業員が誇りや喜びを持ち、働きがいと働きやすさを感じられる組織づくりを国内外で進めるべく、2021年11月よりエンゲージメントサーベイを実施しております。2023年はサーベイ対象をさらに拡大し、国内・海外の子会社含め、2021年から3倍となる約21,500名が参加しました。対象範囲の拡大もある中、着実にスコアは向上しておりますが、現状の肯定的回答率スコア52%(単体・総合職)から2030年でスコア70%(2025年でスコア60%)をめざし、エンゲージメントを高める取組みを強力に推進していく必要があります。
サーベイ結果は組織によって異なるため、各組織に適したアクションを展開することが必要です。そのためには、組織全体でしっかり対話を行い、組織内のメンバー全員にも自分事化してもらう働きかけを行っております。2023年から組織内の対話を促進すべく、組織づくりワークショップ(部長向け)を実施し、組織の活性化・エンゲージメント向上を図っております。メンバーとの対話を通じて、組織のありたい姿を描き、組織内に伝えていく一連の流れを体験することで、エンゲージメント向上にむけた具体的なアクションを展開しております。実際、約7割の参加部門において、エンゲージメントスコアが向上する結果となっております。
■女性活躍促進 <a. DEI(組織の強化)>
女性の活躍は組織全体のイノベーション促進や持続的成長を実現させると考え、2020年より女性従業員の採用数を増やしております。今後は引続き事務系社員で50%近くを採用し、技術系社員も現状の12%~13%から20%程度まで引き上げるべく、取組みを進めております。それと同時に今まで以上に女性が働きやすく、活躍できる環境を整備していきます。
また、女性従業員間の交流と相互支援を目的とした、Kubota Women Employee Resource Groupを発足させました。組織を超えて女性リーダーが集い、自発的な活動を通じた新しい繋がりを築くことで、自身のキャリアに対する考えを深め、モチベーション向上を図ります。また自らのリーダーとしての経験を共有することで、次世代を担う若手従業員が多様なキャリアや価値観に触れる機会を創出し、次の女性リーダーの育成につなげていきます。
女性従業員のエンパワーメントを目的とした女性活躍推進フォーラムも開催しております。社長をはじめとする経営層が女性の活躍がクボタにとって不可欠であること、そして女性活躍推進に対する思いを直接女性従業員に向けて語りかけております。また、グローバルに活躍する社内ロールモデルの講話を通じて、女性従業員が前向きに自身のキャリアを考え、自分らしいリーダー像を見出す機会を創出しております。
管理職に於ける女性従業員の比率は、年々増加傾向にあります。これまでも人事制度の変更等、性別によらない登用を確実に進め、女性の活躍を支える両立支援の拡充等、エクイティ(公平性)を重視した施策を実施してきました。これからもより一層ダイバーシティ・マネジメントを強化し、公平な育成・登用を実現していき、すべての従業員が自分らしく活躍できる職場環境を整備し、意欲を持って働き続ける風土醸成を進めます。
■自律的キャリアを支援する研修体系 <b. Purpose(個の強化)>
従業員の自律的キャリアや挑戦意欲を刺激し、従業員の成長やリテンションに繋げるため、若手からシニアまでの各階層に対する世代別キャリアデザイン研修を実施しております。また、定年延長によって会社側がミドルシニア層に寄せる期待がさらに大きくなっていることや、ミドルシニア研修(40代、50代)の満足度が高く、受講者から継続的なフォローを望む声もあることから、60歳前後を対象としたキャリア開発研修も新設しております。
■健康意識の向上 <c. 健康経営の推進>
当社では、従業員一人ひとりの「ヘルスリテラシー」を向上させるために、2018年から2021年にかけて希望者全員(実績:12,309名)に対して「ウェアラブルデバイス」の無償貸与をしております。2022年からは「健康アプリ」を導入し、健診結果やバイタルデータを手元でいつでも確認できる環境を整えると共に、年間を通じた「健康イベント(クボタ健康チャレンジ)」と健康行動に対する「ポイントインセンティブ」を通じて、従業員の自律的な健康増進をサポートしております。
③ 指標と目標
人的資本関連KPIは、マテリアリティである「多様な価値観に基づく事業運営」「従業員の成長と働きがいの向上」に関わるものとして、『エンゲージメントサーベイ(以下、ES)によるエンゲージメントスコア(肯定的回答率)』『外国籍執行役員比率』『女性管理職比率』を設定しております。これら指標と目標は状況に合わせて見直しを行います。
KPI項目 |
対象範囲 |
2023年実績 |
2025年目標 |
ES エンゲージメントスコア |
連結 |
52% (注) |
60% |
外国籍執行役員比率 |
連結 |
6% |
10% |
女性管理職比率 |
単体 |
4.3% |
5% |
(注) 単体・総合職のスコア(サーベイ実施対象拡大中)
④ ガバナンス
代表取締役社長をはじめ事業部門、財務、人事、研究開発、製造、環境等の担当役員がメンバーであるKESG経営戦略会議で人的資本に関する審議を行っております。そして、社長を含む事業本部及び機能別本部トップの役員がメンバーの人財会議で、将来の経営層候補人財について、最適な育成や人財配置等を検討しております。また、エンゲージメントスコアや多様性の状況は役員報酬制度に組み込まれております。
(3) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)
当社は、K-ESG経営のマテリアリティのひとつに「気候変動の緩和と適応」を選定し、2050年に向けた環境面から事業活動の方向性を示す「環境ビジョン」で、カーボンニュートラルでレジリエントな社会の実現への貢献を掲げました。当社は2020年にTCFD提言へ賛同し、開示拡充につとめております。
最新のTCFD開示は https://www.kubota.co.jp/sustainability/environment/ghg/index.html をご覧ください。
① ガバナンス
代表取締役社長を委員長とするKESG経営戦略会議で、グループ全体のESG関連課題の審議を行い、国内外のグループ会社への環境関連情報の伝達や課題解決を議論するため「環境管理担当責任者会議」を開催しております。気候変動対応状況は、役員報酬制度に組み込まれ、評価されております。
② 戦略
2050年に向けた人口増加や経済発展をベースに、2030年に想定される事業への影響評価を1.5℃/2℃、4℃の気候変動シナリオを用いて行いました。
<機械事業における分析結果>
シナリオ |
シナリオ分析結果概要 (市場・事業環境の変化) |
評価結果 (2030年) |
財務インパクト(2030年)(注) |
|
1.5℃/2℃ |
リスク 「技術」 |
気候変動関連の規制強化等による製品設計・使用要件の変化 ・内燃機関の燃費改善の規制が今後強化される ・農業機械や建設機械、ユーティリティビークル等、内燃機関を使用する製品に対する新たな規制が適用される等、CO2排出削減のニーズが高まり、電動化、燃料電池化、低・脱炭素燃料化(水素エンジン、合成燃料エンジン)等、動力源のニーズが多様化 ・長時間の稼働やハイパワーが求められ電動化が難しい大型製品は内燃機関搭載製品が使用される。内燃燃料には低・脱炭素燃料の利用が増加 |
燃費改善、多様な動力源に対応する研究開発を積極的に進め、将来の事業機会獲得につなげる必要がある |
中 |
機会 「製品」 |
||||
2030年時点では一部の先進地域で規制が適用されるが、脱炭素化製品の売上高への影響は限定的 |
小-中 |
|||
機会 「市場」 |
脱炭素化製品・サービスを望む市場ニーズの変化 ・建設機械や芝刈機、ユーティリティビークルにおいて、騒音低減化、給油手間の忌避や室内利用等、内燃機関搭載製品にない新たな価値を求める市場ニーズが拡大 ・地域の燃料供給インフラに応じ、低・脱炭素燃料を利用した水素エンジン、ガスエンジンやハイブリッドエンジンを搭載した製品の需要が拡大 |
一部の先行市場や既存市場で電動ユーティリティビークル、乗用モーア、建設機械等を求める顧客はあるが、2030年時点での売上高への影響は限定的 |
小-中 |
|
機会 「市場」 |
農業における脱炭素推進による農業形態の変化 ・気候変動への適応策として、農業技術発展や農地の有効利用が促進され、農作物の生産量は増加 ・先進国で農業の脱炭素化が進み持続可能な農法の普及が拡大 ・新興国で農業の脱炭素化と近代化が同時に進みスマート農業や営農ソリューション、エネルギー効率の高い農業機械の需要が拡大 ・土壌の炭素貯留を増加させる等、脱炭素型農業の需要が拡大 |
農業の低・脱炭素化に貢献する農業機械、スマート農業ソリューション等の売上高増加が期待できる |
中-大 |
|
4℃ |
機会 「レジリエンス」 |
耕作適地の変化(農機・農法の需要変化) ・気候変動は耕作適地の移動や農作物生産に影響を与える ・スマート農機や精密農業等、新たな農機・農法への移行支援や農業ソリューションの需要が拡大 ・特に北米、アジア、欧州の一部地域等、より湿潤な地域における農業ソリューションの需要に変化 |
気象変化に対応可能な農業機械、農業ソリューションの売上高増加が期待できる |
中-大 |
(注) 損益への影響を 「小」≦25億円、25億円<「中」≦250億円、250億円<「大」 で示す。
上記分析結果に基づく機械事業における対応戦略
イノベーションを通じて製品使用段階でのCO2排出抑制に貢献していきます。
・今後も規制強化が予想されるエンジンの燃費改善、ハイブリッド化等の研究開発を継続強化
・市場のニーズに応じ、カーボンニュートラルに貢献する製品ラインアップの拡充
・地域のエネルギー供給状況に応じ、電動化、燃料電池化、低・脱炭素燃料化(水素エンジン、合成燃料エンジン)等、多様な動力源の実用化に向けた研究開発の加速
・農業からの温室効果ガス削減や持続可能な食料生産活動を支援していきます。
・バイオマス地域資源循環や炭素貯留等、低・脱炭素農業や気象変化に対応可能な製品・サービスの研究開発を推進、営農ソリューションを具現化
・農業の効率化・省力化に貢献するスマート農業(農機自動化、精密農業等)を可能とする農業機械やサービスの拡充と普及拡大
・フードバリューチェーンの課題解決に貢献する植物工場等次世代作物生産を通じた持続可能な農業の構築に貢献
・さらなる農業の効率化や農業を通じた脱炭素化に貢献する最先端技術とICTを融合させたクボタ営農支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」やクボタIoTソリューションシステム「KSIS(クボタスマートインフラストラクチャシステム)」、ほ場水管理システム「WATARAS」の利用用途の拡大
<水環境事業における分析結果>
シナリオ |
シナリオ分析結果概要 (市場・事業環境の変化) |
評価結果 (2030年) |
財務インパクト (2030年)(注) |
|
1.5℃/2℃ |
機会 「市場」 |
水と資源の確保・保全に向けた社会動向の変化 ・人口増加や経済発展が進むことでさらに水需要が増加 ・気候変動の影響による水資源の逼迫や水質悪化等への予防措置として、先進国やアジア諸国で生活・産業用水の取水・排水規制が強化される ・水不足・水質悪化を解消するためのソリューションの需要が拡大 |
上下水道のインフラ整備に関連する製品・ソリューションの売上高増加が期待できる |
中-大 |
機会 「資源効率」 |
水と資源の確保・保全に向けた社会動向の変化 ・ごみや農業残さの利活用、従来活用されていなかった小水力からのエネルギー回収等、エネルギーや資源の有効利用につながるソリューションの需要が増加 ・脱炭素とサーキュラーエコノミーの両立が加速し、新規資源の採掘を回避し、資源の循環利用が増加 ・都市化工事の増加や作業者の減少等により水インフラ工事の効率化につながるソリューションの需要が拡大 |
資源・エネルギーの再生・回収や利用効率化に関するソリューションの売上高増加が期待できる |
中-大 |
|
4℃ |
機会 「レジリエンス」 |
気象災害に対する意識の変化 ・気候変動が進むことで、台風・豪雨等自然災害増加や、渇水、水質悪化等、生活環境に悪影響 ・自然災害激甚化への対策として、既存上下水道インフラのレジリエンス強化や老朽更新、水質改善等の需要が増加 ・気候変動に伴い激甚化する自然災害に対して、日本では国土強靭化に向けた水関連製品の需要が拡大 |
水インフラ強靭化、災害対策、水質改善に関連する製品・ソリューションの需要は継続し、売上高増加が期待できる |
小-中 |
(注) 損益への影響を 「小」≦25億円、25億円<「中」≦250億円、250億円<「大」 で示す。
上記分析結果に基づく水環境事業における対応戦略
様々な資源(水・エネルギー・鉱物等)の有効活用に貢献していきます。
・水需要の増加に応える上下水道インフラ整備への貢献
・水質改善に貢献する浄水・下水処理関連製品・ソリューションの提供拡大
・地域の資源循環の仕組み作りに貢献する農業系残さや生活ごみ、下水汚泥等からのバイオ燃料の製造及び利用促進
・廃家電等の都市鉱山から有用な金属を回収することで廃棄物の埋め立て処分を削減し、廃プラスチックをエネルギー源として利用する「ディープ・リサイクル技術」の開発推進
・下水汚泥から重金属やリンを回収する下水汚泥溶融システムの提供による資源の有効利用促進
・水道管路工事・施工管理における省エネルギー化に貢献する「スマート水道工事システム」の利用拡大を推進
気象災害に強い水インフラづくりに貢献していきます。
・災害に強いダクタイル鉄管や災害からの復旧に貢献する排水ポンプ車等、災害予防に貢献する排水機場の河川水位シミュレーション・運転管理システム等、防災・災害対応製品の提供拡大
・水環境プラント・機器の遠隔監視・診断・制御を支援するKSISの利用用途の拡大
<事業共通の分析結果>
シナリオ |
シナリオ分析結果概要 (市場・事業環境の変化) |
評価結果 (2030年) |
財務インパクト(2030年)(注1) |
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1.5℃/2℃ |
リスク 「規制」 |
社会が企業に求める脱炭素化対応の変化 ・炭素価格制度・炭素国境調整措置が導入される等、各国で製品ライフサイクルを通じた脱炭素要求が拡大 ・脱炭素化に向けた規制や取組みが加速し、エネルギー価格が上昇 ・化石燃料の使用、CO2排出に対する課税が強化 ・各国で省エネルギー規制強化によりエネルギーコストや省エネ対策費が増加 |
脱炭素化や省エネに対応する設備投資の増加、エネルギー価格、原材料価格上昇により製造コストが増加する |
中 |
省エネ・CO2排出抑制対応等による排出削減目標達成時に想定される炭素税の負担が発生する |
小 (約25億円) (注2) |
|||
4℃ |
リスク 「物理的」 |
異常気象増加による自社・サプライヤーへの影響 ・豪雨や洪水等の気象災害が激甚化・高頻度化 ・自社拠点やサプライヤーでの事業活動に悪影響 ・原材料調達遅延により、生産・販売活動に影響 |
気象災害による災害損失が発生する可能性がある |
中 (約30-60億円) (注3) |
気象災害による悪影響を回避するBCP対策費が増加する可能性がある |
中 |
(注) 1 損益への影響を 「小」≦25億円、25億円<「中」≦250億円、250億円<「大」 で示す。
2 2030年時点の予想される炭素税を乗じて試算
3 過去発生した気象災害にともなう損失を参考に試算
上記分析結果に基づく対応戦略
事業活動から発生するCO2排出抑制につとめていきます。
・拠点における省エネ、高効率設備導入、電炉化・燃料転換、LED照明の導入、再エネの利用拡大に向けた取組みの推進
自拠点・サプライヤーにおける気候変動リスク対策を強化していきます。
・ハザードマップを活用した豪雨・浸水・暴風によるリスクが高い拠点の特定と建設物の補強や電気設備への浸水対策の計画的な推進
・調達ルートの多様化を図る等、部材調達の分散化
・事業継続計画(BCP)に基づく気象災害に強いモノづくり体制の構築
<低炭素経済への移行計画>
私たちは、2030年以降のカーボンニュートラルの時代の動力源は多くの選択肢があり、全方位で対策をしなければならないと考えております。以下は当社の気候変動対応を示した移行計画です。
上記は現時点の検討可能な情報等に基づくものです。今後の技術開発や市場動向等により大きく異なる可能性があります。
③ リスク管理
当社はバリューチェーン全体(直接操業、上流・下流含む)における気候変動の緩和と適応を含む環境保全活動に関わるマテリアリティの特定を行っております。発現するリスク・機会の対象期間は短期・中期・長期的な視点で行い、特定したリスク・機会は毎年見直しを行っております。また、情報収集・分析、課題抽出、重要度の検討、リスク・機会の特定と重点施策の策定を通じ環境保全活動に関わるマテリアリティを特定しております。評価プロセスとして、環境保全中長期目標を設定し、その進捗管理を行っております。中期(3-5年の期間)・長期(5-15年の期間)の目標はKESG経営戦略会議で審議しております。各生産拠点は計画を作成し、環境管理部は毎年進捗状況の管理を行っております。実績と目標との差異を分析した上で、重点施策や中長期的な取組みの方向性を検討しております。また、環境管理担当責任者会議を通じ各地域の状況に応じた気候変動への対応を推進しております。
④ 指標と目標
当社では、気候変動によるリスクの低減と機会の拡大をめざした環境保全中長期目標を設定し、目標達成に向けた取組みを推進しております。また、グローバル拠点(スコープ1、2)及び上流・下流(スコープ3)のCO2排出量を算定し、実績値を開示しております。主な開示データは第三者機関による保証を取得し、その精度向上につとめております。
取組項目 |
指標 |
基準年度 |
2023年度実績 (注3、4) |
2025年度目標 (注4) |
2030年度目標 (注4) |
CO2排出削減 (スコープ1、2) |
CO2排出量(注1) |
2014 |
▲28.1% |
- |
▲50% |
CO2排出原単位(注2) |
2014 |
▲46.6% |
▲45% |
▲60% |
|
再生可能エネルギー利用率(注1) |
- |
15.9% |
20%以上 |
60%以上 |
(注) 1 グローバル拠点を対象としております。
2 グローバル生産拠点を対象としております。
3 2023年度実績は2024年3月8日時点の速報値です。
4 ▲は「マイナス」を表します。
CO2排出量の推移
(注) 2023年度速報値は2024年3月8日時点のものです。