2025年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    15,897名(単体) 52,503名(連結)
  • 平均年齢
    39.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.3年(単体)
  • 平均年収
    8,609,216円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2025年12月31日現在

事業別セグメントの名称

従業員数(人)

機械

41,342

(13,637)

水・環境

8,379

(230)

その他

1,379

(223)

全社(共通)

1,403

(-)

合計

52,503

(14,090)

(注) 1 従業員数は就業人員数です。また、( )内に臨時従業員の年間平均人員数を外数で記載しております。

   2 当年度より、社内組織をベースにした事業セグメントの構成の変更に基づき、従来、「全社(共通)」欄に含めていた数値の一部を各事業セグメントに含めています。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2025年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

15,897

39.9

14.3

8,609,216

 

事業別セグメントの名称

従業員数(人)

機械

11,569

水・環境

3,017

全社(共通)

1,311

合計

15,897

(注) 1 従業員数は就業人員数です。

2 平均年間給与には、賞与及び基準外賃金が含まれております。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足

説明

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)(注3)(注4)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者等

5.1

92.3

81.1

80.5

79.5

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 正規雇用労働者については、等級制度並びに賃金体系は一律であるため、同一の等級における男女の賃金の差異はありません。男女の賃金の差異は、管理職層における男性の比率が女性と比べ高いこと等が要因となっております。

4 パート・有期労働者等については、賃金水準が高く男性比率が高い特定の労働契約の者が含まれていることが要因となっており、男女による差異は設けておりません。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足

説明

名称

管理職に占める女性労働者の

割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者等

㈱クボタクレジット

22.0

100.0

68.5

63.3

66.0

㈱クボタケミックス

1.5

85.7

76.4

74.4

86.4

 

クボタ環境エンジニアリング㈱

2.2

79.5

71.1

81.4

40.1

 

㈱北海道クボタ

7.5

7.7

75.8

75.8

(注3)

㈱みちのくクボタ

1.2

46.2

78.3

78.7

76.1

㈱関東甲信クボタ

14.2

40.0

70.4

73.0

57.0

 

㈱東海近畿クボタ

2.2

55.6

69.2

68.3

81.2

㈱中四国クボタ

0.5

100.0

69.2

68.9

76.4

 

㈱南九州沖縄クボタ

6.5

12.5

69.8

74.0

41.0

 

クボタ機械設計㈱

32.7

89.9

89.9

(注3,4)

クボタアグリサービス㈱

0.0

27.3

75.5

77.1

52.9

 

㈱クボタ建機ジャパン

16.8

75.0

75.2

75.9

62.6

 

㈱クボタ計装

8.3

100.0

81.9

81.5

93.0

 

㈱クボタ建設

2.1

16.7

57.9

59.2

44.1

 

クボタインクルージョンワークス㈱

50.0

100.0

110.7

118.5

40.7

 

クボタロジスティクス㈱

1.4

88.9

64.4

69.7

32.1

 

クボタエイトサービス㈱

7.8

0.0

70.4

75.9

53.2

 

平和管財㈱

2.3

100.0

53.7

95.7

41.7

(注5)

クボタ空調㈱

33.3

90.0

81.6

81.1

(注3)

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 労働者の男女の賃金の差異について「-」となっているものは、該当する労働者がすべて男性または女性、あるいは該当する労働者がいないため、割合の算出ができないことを示しております。

4 男性労働者の育児休業取得率が「-」となっているものは、対象となる従業員がいないことを示しております。

5 平和管財㈱については、2026年3月2日に当社が保有していた同社の全株式をALSOK㈱に譲渡しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1) サステナビリティ全般

① 基本的な考え方、戦略

当社は企業理念「クボタグローバルアイデンティティ」(以下「KGI」)の中で、ブランドステートメントとして「For Earth, For Life」を掲げ、美しい地球環境を守りながら、人々の豊かな暮らしを支えていくことを約束しております。そして、KGIを実現するにあたって「グローバル・メジャー・ブランド クボタ」(以下「GMBクボタ」)をめざしており、GMBクボタ実現に向けた2030年のめざす姿として長期ビジョン「GMB2030」を掲げております。

GMB2030では豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”となること、すなわち地球環境と人間社会のサステナビリティ、当社のサステナビリティの両立に取組んでおります。具体的には、食料・水・環境領域での新たなソリューションの展開と既存事業の拡充及び社会への適合です。また、それら事業展開を牽引・後押しする経営基盤の強化に向けて、ESG経営を推進しています。

 

② ガバナンス、リスク管理

1)体制

取締役会、経営会議とその諮問機関である人財戦略会議とリスクマネジメント会議などで重要ESGテーマの目標、施策及び進捗の検討と決定が行われています。

詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」を参照ください。

2)役員報酬の連動

ESGテーマと役員報酬を連動させる報酬体系をとっており、役員報酬における年次賞与の20%はK-ESG評価として、目標の達成度に応じて標準額の0%~200%の範囲で変動させております。

役員報酬制度の詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照ください。

 

 

③ 重点ESGテーマ、指標と目標

中期経営計画2030では「未来の成長を支える強靭なグローバル基盤」としてESG経営を位置づけ、「気候変動」「人的資本」「コーポレート・ガバナンス」「リスクマネジメント」を重点ESGテーマとして取り組んでいます。重点ESGテーマの指標と目標はそれぞれ次のとおりです。

重点ESGテーマ

指標

目標

気候変動

スコープ1、2 排出量

38.9万t (2014年比50%減)

人的資本

女性管理職比率

7%

 

社員エンゲージメント

60

コーポレート・ガバナンス

取締役会の実効性

取締役会と執行部門の両輪が機能し、ガバナンスが継続的に向上

リスクマネジメント

海外コンプライアンス体制の構築

各地域での必要な体制・機能の整備

 

(2) 人的資本

① 基本的な考え方

当社がGMB2030を実現していくためには、既存事業の拡充と新たなソリューション創出を両立し、持続的な成長と収益力向上を実現していくことが不可欠です。その原動力となるのは、強くしなやかな組織と、多様で自律した人財です。

当社は現場主義やOn Your Sideの精神を基盤としつつ、事業環境の高度化・グローバル化に対応するため、人財の質の高度化と挑戦を促す組織文化の醸成を進めています。そのために「組織の強化」「個の強化」「健康経営」を基本方針とし、人財の成長と組織の実行力向上を通じて、事業成長と企業価値向上を支えていきます。

 

 

② 人的資本戦略

当社の人的資本戦略は、経営戦略と一体となって策定しており、事業成長と収益力向上を支える人財基盤の強化を目的としています。具体的には、経営資源の選択と集中、バランスシートを意識した戦略的な財務運営、未来の成長を支える強靭なグローバル基盤という経営方針と連動し、人的資本の観点から組織力と人財力の高度化を進めています。

各基本方針(組織の強化/個の強化/健康経営の推進)に対応する戦略・施策ポリシーを定め、KPI及び具体施策を通じて実行しています。

1) 人的資本 基本方針

基本方針

概要

a

組織の強化

多様な人財が集い、つながることで新たな価値を創出し、それがイノベーションやサステナビリティの源泉となります。当社では『対話』を重視した企業文化を構築し、個々の能力を引き出すことが組織の強化を実現するための鍵であると考えております。

b

個の強化

個々人が未知の領域の課題解決にチャレンジをしていく必要があり、そのためにはメンバーそれぞれが強い想いを持ち、個々の力を発揮していくことが求められます。

c

健康経営の推進

当社がこれからも社会に必要とされるソリューションを生み出すためには、活動の主体者である従業員の心身の健康が欠かせません。従業員の健康を大切にする風土を醸成し、一人ひとりの心身の健康を保つと共に、いきいきと働き続けることができる職場づくりを通して、当社の人的資本戦略を下支えします。

 

<GMB2030と人的資本の関係図>

2) 基本方針の戦略、施策ポリシー

a. 組織の強化、b. 個の強化、c. 健康経営の推進の3つの基本方針について、戦略と施策ポリシーを定めて取組みを進めております。

 

<基本方針の戦略、施策ポリシー>

 

[戦略]

a. 組織の強化 (=社内環境整備方針)

・多様な人財を獲得し、その個性を尊重しながら、人財の価値を最大限引き出す『対話』を重視した企業文化の構築

当社は人的資本戦略の柱として、「組織の強化」を推進しております。異なる価値観や考え方があることを認識し、多様な個性を最大限に活かすことはイノベーションにつながります。加えて、組織がグローバルで持続的に成長していくためにも、多様性を活かすことは重要な観点です。また、当社では『対話』をキーワードにDEIの戦略を展開しております。多様な個性を持った人財が積極的に『対話』し、多様な意見を交わすことで新しいアイデアが生まれ、現存の課題に対する新しいアプローチが見つかります。そして人財の価値を最大限に引き出す『対話』を重視した組織文化は、個々の能力・経験・考え方が認められ個々の力をより発揮できる環境を構築します。また、エンゲージメント向上やローテーション・公募の活性化を通じて適材適所を実現し、人財の能力発揮と生産性向上を図っています。これにより人的側面から資本効率と収益力の向上を支えています。

b. 個の強化 (=人財育成方針)

・戦略的かつ計画的な育成投資によるチャレンジ意欲ある人財への成長機会の提供

・従業員の想いを大切にした自律的なキャリア形成支援

当社は人的資本戦略の柱として、「想い」を重視しております。GMB2030実現に向けて、当社全体の個人の成長は欠かすことができず、個人の成長の土台となるのは、一人ひとりの想いであると捉えております。想いを自律的に実現できる環境をさらに整え、一人ひとりの想いが原動力となって、個人も組織も成長していくような組織をめざしております。

これからも従業員一人ひとりが自分と向き合い、自律的にキャリアを考えていけるような支援を積極的に行い、従業員の視野を拡げ、自己成長に向け意欲的にチャレンジする方への育成投資を重点的に行っていきます。そして一人ひとりのエンゲージメントを高めつつ、個々人の持つ強みを最大限に引き出し、その強みを伸ばしながらチームで価値創造できる人財育成を行います。加えて、サクセッションプランの高度化や挑戦機会の拡充を通じて、将来の経営を担う人財や新たな価値創出を担う人財の育成を進めています。これにより経営基盤の強化と未来の成長を支えるグローバルな人財基盤を構築しています。

 

 

c. 健康経営の推進 (=社内環境整備方針)

・健康経営戦略マップに基づくデータ分析により、人的資本への効果的な健康施策への投資サイクルを構築する

当社は人的資本戦略の土台として、健康経営を推進しております。戦略の核となるのは、「健康経営戦略マップ」に基づくデータ分析です。健診データや労働時間データ、各種サーベイで取得した「KPI指標」を多変量解析し、心身の健康やパフォーマンスを促進/阻害する要因を深掘りしながら、効果的な健康施策への投資サイクルを構築しております。健康な従業員は、組織の「創造性」と「生産性」を向上させ、全体のパフォーマンスに寄与します。このアプローチは、K-ESG経営にも密接に連動し、企業の持続的成長にもつながります。

 

<健康経営戦略マップ>

 

[施策ポリシー]

a. 組織の強化

・マネージャーがメンバー一人ひとりに向き合い、双方の想い・考え方を理解・共感しあう施策を実行する

・多様な人財の集まりと生産性の高いフレキシブルな働き方の中で共創・創発を促進する

『対話』を重視した文化を構築するためにはマネージャーの存在は必要不可欠です。1on1ミーティングや日々の対話を通じて、マネージャーがメンバー一人ひとりの想いに理解・共感し、その想いに対して最大限支援することが個々人のエンゲージメントを高め、多様な人財の価値を引き出すことができると考えております。また、性別、国籍、年齢、経験、価値観等、あらゆる属性や様々な個性をもつ従業員一人ひとりが、熱意をもって働けるよう、状況に合わせた働きやすい制度の整備等、多様な人財が活躍できる場を提供していきます。

 

b. 個の強化

・将来の経営人財候補を戦略的・計画的に発掘・育成する

・チャレンジ意欲ある人財へ積極的な投資を行う

・事業・職務で実現したい従業員の想いを受け止め、従業員の自律的キャリアを最大限支援する

当社がこれから既存事業の拡充や新たなソリューションへの取組みを行うには経営人財の計画的な育成とチャレンジ意欲ある人財への積極的な投資を行い、より変化に柔軟で多様性のある人財を育成していく必要があります。また一人ひとりの想いを確実に受け止め、事業や職務で実現したキャリアについて、上司部下間で十分な対話を行い、従業員の想いを最大化し、行動につなげることが今後のめざす姿を実現する近道であると考えております。

 

 

c. 健康経営の推進

・ヘルスリテラシー向上を起点として、適正な受療行動と予防活動を促進する

健康になるためには、「行動」を変える必要があり、「行動」を変えるためには、まず「意識」を変える必要があります。「ヘルスリテラシー」は、健康意識・知識を推し量る指標の1つであり、この数値が高い従業員を増やしていくことが、健康な従業員を増やしていくことにつながります。健康を「自分ごと」として捉え、自律的な健康増進に取組む「ヘルスリテラシー」のある従業員を増やすべく、健康施策に継続的な投資をしております。

 

[具体的な取組み(一例)]

■従業員エンゲージメントの向上 <a. 組織の強化/b. 個の強化>

K-ESG経営を推進するには、従業員が企業理念を実践し、社内外のステークホルダーの共感と参画を得ることが重要です。そこで、K-ESG経営推進の主体者である従業員が誇りや喜びを持ち、働きがいと働きやすさを感じられる組織づくりを国内外で進めるべく、2021年11月よりエンゲージメントサーベイを実施しております。2025年度は国内・海外の子会社含め、約24,000名がサーベイに参加しました。着実にスコアは向上しておりますが、現状の肯定的回答率スコア47%(グループ全体)から2030年でスコア60%をめざし、エンゲージメントを高める取組みをさらに推進していく必要があります。

サーベイ結果は組織によって異なるため、各組織に適したアクションを展開することが必要です。そのためには、組織全体でしっかり対話を行い、組織内のメンバー全員にも自分事化してもらう働きかけを行っております。2023年から組織内の対話を促進すべく、組織づくりワークショップ(部長向け)を実施し、組織の活性化・エンゲージメント向上を図っております。メンバーとの対話を通じて、組織のありたい姿を描き、組織内に伝えていく一連の流れを体験することで、エンゲージメント向上に向けた具体的なアクションを展開しております。

 

■女性活躍促進 <a. 組織の強化>

女性の活躍は組織全体のイノベーション促進や持続的成長を実現させると考え、2020年より女性従業員の採用数を増やしております。今後は引続き事務系社員で50%近くを採用し、技術系社員も現状の12%~13%から20%程度まで引き上げるべく、取組みを進めております。それと同時に今まで以上に女性が働きやすく、活躍できる環境を整備していきます。

また、女性従業員間の交流と相互支援を目的とした、Kubota Women Employee Resource Groupを発足させました。組織を超えて女性リーダーが集い、自発的な活動を通じた新しい繋がりを築くことで、自身のキャリアに対する考えを深め、モチベーション向上を図ります。また自らのリーダーとしての経験を共有することで、次世代を担う若手従業員が多様なキャリアや価値観に触れる機会を創出し、次の女性リーダーの育成につなげていきます。

女性従業員のエンパワーメントを目的とした女性活躍推進フォーラムも開催しております。社長をはじめとする経営層が女性の活躍がクボタにとって不可欠であること、そして女性活躍推進に対する思いを直接女性従業員に向けて語りかけております。また、グローバルに活躍する社内ロールモデルの講話を通じて、女性従業員が前向きに自身のキャリアを考え、自分らしいリーダー像を見出す機会を創出しております。

管理職における女性従業員の比率は、年々増加傾向にあります。これまでも人事制度の変更等、性別によらない登用を確実に進め、女性の活躍を支える両立支援の拡充等、エクイティ(公平性)を重視した施策を実施してきました。これからもより一層ダイバーシティ・マネジメントを強化し、公平な育成・登用を実現していき、すべての従業員が自分らしく活躍できる職場環境を整備し、意欲を持って働き続ける風土醸成を進めます。

■健康意識の向上 <c. 健康経営の推進>

当社では、従業員一人ひとりの「ヘルスリテラシー」を向上させるために、2018年から2021年にかけて希望者全員(実績:12,309名)に対して「ウェアラブルデバイス」の無償貸与をしております。2022年からは「健康アプリ」を導入し、健診結果やバイタルデータを手元でいつでも確認できる環境を整えると共に、年間を通じた「健康イベント(クボタ健康チャレンジ)」と健康行動に対する「ポイントインセンティブ」を通じて、従業員の自律的な健康増進をサポートしております。

 

③ 指標と目標

人的資本関連KPIは、経営戦略に資するものとして、『エンゲージメントサーベイ(以下、ES)によるエンゲージメントスコア(肯定的回答率)』『女性管理職比率』を設定しております。これら指標と目標は状況に合わせて見直しを行います。これらに加え、エンゲージメントや多様性の向上が生産性や挑戦行動の促進につながる観点から、人的資本KPIの高度化を進めています。

 

KPI項目

対象範囲

2025年実績

2030年目標

ES エンゲージメントスコア

連結

47%

60%

女性管理職比率

単体

5.1%

7%

 

 

④ ガバナンス

代表取締役社長をはじめ事業部門、財務、人事、研究開発、製造、環境等の担当役員がメンバーであるKESG経営戦略会議で人的資本に関する審議を行っております。そして、社長を含む事業本部及び機能別本部トップの役員がメンバーの人財会議で、将来の経営層候補人財について、最適な育成や人財配置等を検討しております。また、エンゲージメントスコアや多様性の状況は役員報酬制度に組み込まれております。

 

(3) 気候変動、自然資本への対応とTCFD・TNFD提言に基づく情報開示

当社は、2050年に向けた環境面から事業活動の方向性を示す「環境ビジョン」で、カーボンニュートラルでレジリエントな社会の実現への貢献を掲げております。2020年1月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言及び2024年2月にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言へ賛同し、情報開示に努めています。

最新のTCFD及びTNFD提言に基づく開示は以下リンク先をご覧ください。

TCFD: https://www.kubota.co.jp/sustainability/environment/tcfd/index.html

TNFD: https://www.kubota.co.jp/sustainability/environment/tnfd/index.html

 

 TCFD

① ガバナンス

気候変動、自然資本を含む環境経営課題は「KESG経営戦略会議」等で、経営幹部を中心に審議・管理を行っております。会議の結果は取締役会や執行役員会に報告するとともに、「環境管理担当責任者会議」を通じてグループ内に展開しております。また、ESG経営の取組みをより一層加速させるための動機付けとして、役員報酬制度のうち年次賞与の評価指標に気候変動対応目標を組み込んでおります。

 

② 戦略

当社はグループ全体に関する気候変動と自然資本の影響を評価するため、全事業を対象にシナリオ分析を実施しています。気候変動については、2030年に想定される事業への影響評価を2050年に向けた人口増加や経済発展をベースに、1.5℃/2℃、4℃のシナリオを用いて行いました。

当社はこれらのシナリオ分析結果をもとに事業へのリスクや機会を整理し、事業分野毎に対策戦略を立案しております。

 

<機械事業における分析結果>

シナリオ

TCFDシナリオ分析結果概要

(市場・事業環境の変化)

評価結果

(2030年)

財務インパクト(2030年)(注)

1.5℃/2℃

リスク

「技術」

気候変動関連の規制強化等による製品設計・使用要件の変化

・内燃機関の燃費改善の規制が今後強化される

・農業機械や建設機械等、内燃機関を使用する製品に対する新たな規制が適用される等、電動化、燃料電池化、低・脱炭素燃料化(水素エンジン、合成燃料エンジン)等、動力源のニーズが多様化

・長時間の稼働やハイパワーが求められ電動化が難しい大型製品は内燃機関搭載製品が使用され、低・脱炭素燃料の利用が増加

燃費改善、多様な動力源に対応する研究開発を積極的に進め、将来の事業機会獲得につなげる必要がある

機会

「製品」

2030年時点では一部の先進地域で規制が適用されるが、脱炭素化製品の売上高への影響は限定的

小-中

機会

「市場」

脱炭素化製品・サービスを望む市場ニーズの変化

・建設機械や芝刈機、ユーティリティビークルにおいて、騒音低減化、給油手間の忌避や室内利用等、内燃機関搭載製品にない新たな価値を求める市場ニーズが拡大

・地域の燃料供給インフラに応じ、低・脱炭素燃料を利用した水素エンジン、ガスエンジンやハイブリッドエンジンを搭載した製品の需要が拡大

一部の先行市場や既存市場で電動ユーティリティビークル、乗用モーア、建設機械等を求める顧客はあるが、2030年時点での売上高への影響は限定的

小-中

機会

「市場」

農業における脱炭素推進による農業形態の変化

・気候変動への適応策として、農業技術発展や農地の有効利用が促進され、農作物の生産量は増加

・先進国で農業の脱炭素化が進み持続可能な農法の普及が拡大

・新興国で農業の脱炭素化と近代化が同時に進みスマート農業や営農ソリューション、エネルギー効率の高い農業機械の需要が拡大

・土壌の炭素貯留を増加させる等、脱炭素型農業の需要が拡大

農業の低・脱炭素化に貢献する農業機械、スマート農業ソリューション等の売上高増加が期待できる

中-大

4℃

機会

「レジリエンス」

耕作適地の変化(農機・農法の需要変化)

・気候変動は耕作適地の移動や農作物生産に影響を与える

・スマート農機や精密農業等、新たな農機・農法への移行支援や農業ソリューションの需要が拡大

・特に北米、アジア、欧州の一部地域等、より湿潤な地域における農業ソリューションの需要に変化

気象変化に対応可能な農業機械、農業ソリューションの売上高増加が期待できる

中-大

(注) 損益への影響を 「小」≦25億円、25億円<「中」≦250億円、250億円<「大」 で示す。

 

上記分析結果に基づく機械事業における対応戦略

イノベーションを通じて製品使用段階でのCO2排出抑制に貢献

・今後も規制強化が予想されるエンジンの燃費改善、ハイブリッド化等の研究開発を継続強化

・市場のニーズに応じ、カーボンニュートラルに貢献する製品ラインアップの拡充

・地域のエネルギー供給状況に応じ、電動化、燃料電池化、低・脱炭素燃料化(水素エンジン、合成燃料エンジン)等、多様な動力源の実用化に向けた研究開発の加速

農業からの温室効果ガス削減や持続可能な食料生産活動を支援

・バイオマス地域資源循環や炭素貯留等、低・脱炭素農業や気象変化に対応可能な製品・サービスの研究開発を推進、営農ソリューションを具現化

・農業の効率化・省力化に貢献するスマート農業(農機自動化、精密農業等)を可能とする農業機械やサービスの拡充と普及拡大

・フードバリューチェーンの課題解決に貢献する植物工場等次世代作物生産を通じた持続可能な農業の構築に貢献

・さらなる農業の効率化や農業を通じた脱炭素化に貢献する最先端技術とICTを融合させたクボタ営農支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」やクボタIoTソリューションシステム「KSIS(クボタスマートインフラストラクチャシステム)」、ほ場水管理システム「WATARAS」の利用用途の拡大

<水環境事業における分析結果>

シナリオ

TCFDシナリオ分析結果概要

(市場・事業環境の変化)

評価結果

(2030年)

財務インパクト

(2030年)(注)

1.5℃/2℃

機会

「市場」

水と資源の確保・保全に向けた社会動向の変化

・人口増加や経済発展が進むことでさらに水需要が増加

・気候変動の影響による水資源の逼迫や水質悪化等への予防措置として、先進国やアジア諸国で生活・産業用水の取水・排水規制が強化される

・水不足・水質悪化を解消するためのソリューションの需要が拡大

上下水道のインフラ整備に関連する製品・ソリューションの売上高増加が期待できる

中-大

機会

「資源効率」

水と資源の確保・保全に向けた社会動向の変化

・ごみや農業残さの利活用、従来活用されていなかった小水力からのエネルギー回収等、エネルギーや資源の有効利用につながるソリューションの需要が増加

・脱炭素とサーキュラー・エコノミーの両立が加速し、新規資源の採掘を回避し、資源の循環利用が増加

・都市化工事の増加や作業者の減少等により水インフラ工事の効率化につながるソリューションの需要が拡大

資源・エネルギーの再生・回収や利用効率化に関するソリューションの売上高増加が期待できる

中-大

4℃

機会

「レジリエンス」

気象災害に対する意識の変化

・気候変動が進むことで、台風・豪雨等自然災害増加や、渇水、水質悪化等、生活環境に悪影響

・自然災害激甚化への対策として、既存上下水道インフラのレジリエンス強化や老朽更新、水質改善等の需要が増加

・気候変動に伴い激甚化する自然災害に対して、日本では国土強靭化に向けた水関連製品の需要が拡大

水インフラ強靭化、災害対策、水質改善に関連する製品・ソリューションの需要は継続し、売上高増加が期待できる

小-中

(注) 損益への影響を 「小」≦25億円、25億円<「中」≦250億円、250億円<「大」 で示す。

 

上記分析結果に基づく水環境事業における対応戦略

様々な資源(水・エネルギー・鉱物等)の有効活用、サーキュラー・エコノミーの実現に貢献

・水需要の増加に応える上下水道インフラ整備や水リサイクルへの貢献

・水質改善に貢献する浄水・下水処理関連製品・ソリューションの提供拡大

・地域の資源循環の仕組み作りに貢献する農業系残さや生活ごみ、下水汚泥等からのバイオ燃料の製造及び利用促進

・廃家電等の都市鉱山から有用な金属を回収することで廃棄物の埋め立て処分を削減し、廃プラスチックをエネルギー源として利用する「ディープ・リサイクル技術」の開発推進

・下水汚泥から重金属やリンを回収する下水汚泥溶融システムの提供による資源の有効利用促進

・水道管路工事・施工管理における省エネルギー化に貢献する「スマート水道工事システム」の利用拡大を推進

気象災害に強い水インフラづくりに貢献

・災害に強いダクタイル鉄管や災害からの復旧に貢献する排水ポンプ車、災害予防に貢献する排水機場の河川水位シミュレーション・運転管理システム等、防災・災害対応製品の提供拡大

・水環境プラント・機器の遠隔監視・診断・制御を支援するKSISの利用用途の拡大

 

<事業共通の分析結果>

シナリオ

TCFDシナリオ分析結果概要

(市場・事業環境の変化)

評価結果

(2030年)

財務インパクト(2030年)(注1)

1.5℃/2℃

リスク

「規制」

社会が企業に求める脱炭素化対応の変化

・炭素価格制度・炭素国境調整措置が導入される等、各国で製品ライフサイクルを通じた脱炭素要求が拡大

・脱炭素化に向けた規制や取組みが加速し、エネルギー価格が上昇

・化石燃料の使用、CO2排出に対する課税が強化

・各国で省エネルギー規制強化によりエネルギーコストや省エネ対策費が増加

脱炭素化や省エネに対応する設備投資の増加、エネルギー価格、原材料価格上昇により製造コストが増加する

省エネ・CO2排出抑制対応等による排出削減目標達成時に想定される炭素税の負担が発生する

(約25億円)

(注2)

4℃

リスク

「物理的」

異常気象増加による自社・サプライヤーへの影響

・豪雨や洪水等の気象災害が激甚化・高頻度化

・自社拠点やサプライヤーでの事業活動に悪影響

・原材料調達遅延により、生産・販売活動に影響

気象災害による災害損失が発生する可能性がある

(約30-60億円)

(注3)

気象災害による悪影響を回避するBCP対策費が増加する可能性がある

(注) 1 損益への影響を 「小」≦25億円、25億円<「中」≦250億円、250億円<「大」 で示す。

 2 2030年時点の予想される炭素税を乗じて試算

 3 過去発生した気象災害にともなう損失を参考に試算

 

上記分析結果に基づく対応戦略

事業活動から発生するCO2排出等の環境負荷を低減

・拠点における省エネ、高効率設備導入、電炉化・燃料転換、LED照明の導入、再エネの利用拡大に向けた取組みの推進

自拠点・サプライヤーにおける気候変動リスク対策を強化

・ハザードマップを活用した豪雨・浸水・暴風によるリスクが高い拠点の特定と建設物の補強や電気設備への浸水対策の計画的な推進

・調達ルートの多様化を図る等、部材調達の分散化

・事業継続計画(BCP)に基づく気象災害に強いモノづくり体制の構築

 

TNFD

自然資本については、TNFDが提唱するLEAPアプローチやリスク分析ツール「ENCORE」を用いて、自然資本との関わりが深い事業について評価しました。

LEAPアプローチの「Locate」において、機械事業では稲作用の農業機械が使われるアジア地域及び畑作・果樹栽培用機械が使われるアジア、欧州、米州を特定しました。また、水環境事業では水ストレス地域としてアジアを、天然資源依存地域として日本を特定しました。

「Evaluate」では客先における農業の実施により、土地や水資源などに影響を及ぼし、同時に農業もこれらに依存していることがわかりました。また、水関連事業では水資源や水質に依存しているものの、環境事業では自然資本への依存は高くないことがわかりました。

「Assess」では影響度や依存度が高い項目についてシナリオ分析を実施し、「Prepare」ではリスクの低減や機会の拡大につながる対応戦略を立案しました。

 

<シナリオ分析結果(抜粋)>

事業

要因もしくは

生態系サービス

TNFDシナリオ分析結果概要

想定される事業リスク、機会

機械

影響

水使用

・人口増加にともない水需要が増加する一方で、かんがい用水に利用可能な水確保が課題となる

・農業技術の進歩が水効率向上に寄与する

・生態系の健全性を維持するため、農業や産業による水源への影響を最小限に抑える規制などが強化される

リスク:

・農業用に利用可能な水の減少、風水災、水質・土壌汚染などにより農作物の収量が減少。これにより農機販売に影響を及ぼす可能性がある

機会:

・農作物の収量拡大に資する農業機械やソリューションの需要が拡大する

・低・脱炭素に貢献する農業機械、建設機械、ソリューションの売上が拡大する

依存

水の循環、地表水、

地下水

影響

生態系(淡水、陸上)

水質・土壌汚染

・人口増加にともなう食料需要を満たすため、農作物の収量拡大が求められる

・農地確保のため、森林や貯水池の土地転用が発生すれば、土地保水力の低下や農地への風水害の増加を招き、森林伐採は生態系の損失や気候変動の加速につながる

・収量拡大のための過剰な肥料や農薬の利用は、花粉の移動の減少や水・土の劣化につながる

依存

暴風緩衝、地盤安定化

受粉

水環境

影響

・都市部の拡大や人口増加により、水資源や都市緑地の需要が増加する。水源や水域の保全、自然保全を考慮した水管理が強化される

・気候変動の影響による水資源の逼迫や水質悪化などへの措置として、生活・産業用水の取水・排水規制が課せられる

・水不足・水質悪化を解消するためのソリューションの需要が拡大する

機会:

・水の効率的な管理や再生利用を可能とするソリューションの需要が拡大する

・資源の有効利用や循環利用を促進するソリューションの需要が拡大する

依存

水の循環、地表水、地下水

影響

廃棄物

・ごみや農業残さの利活用、資源の有効利用につながるソリューションの需要が高まる

依存

 

主な対応戦略

・農業の水利用効率向上や森林伐採の抑制、生息域保護につながる農業ソリューションの提供を拡大する。

・スプレイヤー、ドローン等農作物の収量拡大や施肥量最適化に貢献する製品の提供を通じて、温室効果ガスの排出抑制や生態系や生息域への悪影響を抑制する。

・上下水道の配管材の提供及び水処理プラントのエンジニアリング等により、水インフラの整備や水リサイクルに貢献する。

・廃棄物から金属やプラスチック等の資源を回収するための破砕・選別設備、下水汚泥から化学肥料を取り出す溶融炉等のリサイクルプラントの提供を通じて、サーキュラー・エコノミーを実現する。

 

<低炭素経済への移行計画>

当社は、2030年以降のカーボンニュートラルの時代の動力源は多くの選択肢があり、全方位で対策をしなければならないと考えております。以下は当社の気候変動対応を示した移行計画です。

 

 

③ リスク管理

当社はバリューチェーン全体(直接操業、上流・下流含む)における気候変動の緩和と適応を含む環境保全活動に関わるマテリアリティの特定を行っております。発現するリスク・機会の対象期間は短期・中期・長期的な視点で行い、特定したリスク・機会は毎年見直しを行っております。また、情報収集・分析、課題抽出、重要度の検討、リスク・機会の特定と重点施策の策定を通じ環境保全活動に関わるマテリアリティを特定しております。

評価プロセスとして、環境保全中長期目標を設定し、その進捗管理を行っております。中期(3-5年の期間)・長期(5-15年の期間)の目標はKESG経営戦略会議等で審議しております。各生産拠点は計画を作成し、環境管理部は毎年進捗状況の管理を行っております。実績と目標との差異を分析した上で、重点施策や中長期的な取組みの方向性を検討しております。また、環境管理担当責任者会議を通じ各地域の状況に応じた気候変動への対応を推進しております。

 

④ 指標と目標

当社では、気候変動や自然資本に関連するリスクの低減と機会の拡大をめざした環境保全中長期目標を設定し、目標達成に向けた取組みを推進しております。また、グローバル拠点(スコープ1、2)及び上流・下流(スコープ3)のCO2排出量を算定し、実績値を開示しております。主な開示データは第三者機関による保証を取得し、その精度向上に努めております。

取組項目

指標

基準年度

2025年度実績

(注3、4)

2025年度目標

(注4)

2030年度目標

(注4)

2040年度目標

(注4)

CO2排出削減

(スコープ1、2)

CO2排出量(注1)

2014

▲34.4%

▲50%

▲75%

CO2排出原単位(注2)

2014

▲49.6%

▲45%

▲60%

再生可能エネルギー利用率(注1)

22.9%

20%以上

60%以上

水資源節約

水使用原単位(注2)

2014

▲40.4%

▲35%

▲45%

(注) 1 グローバル拠点を対象としております。

 2 グローバル生産拠点を対象として、原単位は生産高当たりの環境負荷量としております。

 3 実績は2026年3月3日時点の速報値です。

 4 ▲は「マイナス」を表します。

 

CO2排出量(スコープ1、2)の推移

(注) 2025年度速報値は2026年3月3日時点のものです。