リスク
3【事業等のリスク】
以下においては、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも上記のようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性と重要度を認識・予測したうえで、発生回避に向けた取組み及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があります。なお、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。
以下の事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 官公庁への依存について
当社グループは、受注高及び売上高の官公庁依存度が高い水準になっており、公共投資予算の抑制や公共工事コストの縮減策によって、当社グループの受注状況及び損益が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、オゾン・省エネ・脱臭・水処理・水産などの「メーカー事業」分野における技術開発力及び新製品開発力の強化により積極的な民需の開拓を行い、民間からの安定した受注及び収益の向上に努める方針であります。なお、現状では当該リスクが顕在化する可能性は低く、顕在化の時期は特定できません。
また、官公庁依存度が高いことから、公共工事の売上高が12月から3月に集中する季節的変動があります。
① 受注先別実績
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官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
官公庁比率(%) |
2022年12月期 |
20,620 |
14,023 |
34,643 |
59.5 |
2023年12月期 |
24,631 |
13,820 |
38,452 |
64.1 |
(注) 当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。
② 販売先別実績
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官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
官公庁比率(%) |
2022年12月期 |
18,919 |
11,310 |
30,229 |
62.6 |
2023年12月期 |
21,761 |
14,519 |
36,280 |
60.0 |
(注) 当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。
(2) 市場環境について
当社グループでは、市場環境の変化に対応すべく製品開発力を強化しておりますが、民間設備投資の動向、新規参入業者の増加等による価格競争の激化、原材料価格の変動など急激な市場環境の変化が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、現状では当該リスクが顕在化する可能性は低く、顕在化の時期は特定できません。
(3) 業績の季節的変動について
上記「(1)官公庁への依存について」で記載のとおり、官公庁依存度が高いことから、売上高が上期に集中する季節的変動があります。
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2022年12月期 |
2023年12月期 |
|||||
上期 |
下期 |
通期 |
上期 |
下期 |
通期 |
||
売上高 |
(百万円) |
16,864 |
13,364 |
30,229 |
20,599 |
15,681 |
36,280 |
上下比率 |
(%) |
55.8 |
44.2 |
100.0 |
56.8 |
43.2 |
100.0 |
経常利益 |
(百万円) |
2,309 |
620 |
2,929 |
2,754 |
1,409 |
4,164 |
上下比率 |
(%) |
78.8 |
21.2 |
100.0 |
66.1 |
33.9 |
100.0 |
(注) 下期の数値は、通期の数値から上期の数値を差し引いたものであります。
(4) ㈱荏原製作所及び同社の関係会社との取引関係について
当社グループは、㈱荏原製作所及び同社の関係会社(以下「荏原グループ」という。)と資本関係はないものの、販売代理店契約を締結して荏原グループ製品の仕入・販売を行うとともに、環境関連装置、水処理施設など各種プラント類の施工では荏原グループから機器材料を調達するなど継続的な事業上の関係があります。
最近2連結会計年度における製品及び工事売上原価、商品仕入高に占める荏原グループの割合は、次のとおりであります。
|
2022年12月期 |
2023年12月期 |
|
A 荏原グループ |
(百万円) |
2,647 |
3,347 |
B 製品及び工事売上原価 |
(百万円) |
16,657 |
18,741 |
A/B |
(%) |
15.9 |
17.9 |
C 荏原グループ |
(百万円) |
1,786 |
2,569 |
D 商品仕入高 |
(百万円) |
4,289 |
6,586 |
C/D |
(%) |
41.6 |
39.0 |
荏原グループとの取引関係は、今後も安定的に推移するものと判断しておりますが、荏原グループとの代理店基本契約等が延長されなかった場合又は取引関係が大幅に縮小した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、現状では当該リスクが顕在化する可能性は低く、顕在化の時期は特定できません。
(5) 製造について
当社グループは、自社の生産設備を保有しない、いわゆるファブレス企業であり、環境関連製品の製造を外部委託しております。生産設備を保有しないことにより経営資源を研究開発に集中させることができる一方で、十分な製造委託先の確保ができない場合、製品の品質に問題が生じた場合又は原材料の調達が困難になった場合などには、製品の供給を受けられなくなる可能性があります。かかる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、複数の製造委託先を有していること、また、製品製造に必要な技術及びデータは全て当社が管理しているため、特定の製造委託先への委託が不可能になった場合でも、短期間で代替の委託先を選定し製品供給を再開することができると認識しております。そのため、現状では当該リスクが顕在化する可能性は低く、顕在化の時期は特定できません。
(6) 環境法規制について
当社グループは、環境法規制の強化に対応した製品の開発に経営資源を集中させており、数々の環境法規制の強化は当社グループの成長要因の一つとなっております。しかしながら、環境法規制の強化に対応した魅力ある製品やサービスを開発できない場合又は開発が長期化した場合などには、将来の成長性を低下させ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、現状では当該リスクが顕在化する可能性は低く、顕在化の時期は特定できません。
(7) 法的規制について
当社グループは、建設業法、製造物責任法、計量法、産廃物の処理及び清掃に関する法律、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法など様々な法規制の適用を受けております。当社グループでは法令遵守の徹底を図るとともに、関連法令の動向を十分注視しておりますが、法律・規制等が強化された場合又は想定外の法律・規則等の導入・改正等があった場合、規制対応に不備が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、現状では当該リスクが顕在化する可能性は低く、顕在化の時期は特定できません。
(8) 工事損失費用について
当社グループは、顧客の要望に応えるよう品質、機能、安全性、納期等に万全を期しておりますが、販売した製品及び設計・施工したプラント類の不具合や納期遅延等により、大規模な追加工事による多額の追加費用や顧客への補償等費用の発生、更には顧客等からの多額な損害賠償請求等の訴訟や係争が生じる可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、現状では当該リスクが顕在化する可能性は低く、顕在化の時期は特定できません。
(9) 研究開発について
継続的成長及び競争力強化の源泉は、差別化された新技術・新製品等の研究開発にあると認識し、積極的な研究開発活動を継続的に行っております。しかしながら、研究開発の成果には不確実性が伴い、定期的に部門会議や研究開発委員会において進捗管理は行っているものの、必ずしも計画どおりに当社グループの業績に結び付かない可能性があります。
(10) 新規事業について
当社グループは、将来の事業拡大及び企業価値向上に向け、既存事業に加えて新規事業及び新製品の開発に積極的に取り組んでおります。しかしながら、新規事業及び新製品の展開には不確実な要素が多く、事業が当初の見込みどおりに推移せず、投資に対し十分な回収を行うことができない場合又は投資回収が長期化する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(11) 情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動において顧客情報及び個人情報を扱う場合があり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しております。これらの情報の取扱いには細心の注意を払っており、外部からの不正アクセス、自社又は委託先での人為的過失等を防ぐために技術的対策、社員教育及び訓練の実施など適切な措置を講じておりますが、想定外の重大な情報漏洩や不正アクセス等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況等に重大な影響を与える可能性があります。
(12) 保有有価証券の時価下落について
当社グループは、取引先との安定的な関係を維持するため、取引先の株式を保有しており、また資金運用のため一定額の有価証券を保有しております。政策保有株式の縮減には努めておりますが、急激な株式市況の悪化は、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があるものの、現状、顕在化の時期は特定できません。
(13) 自然災害等について
地震・風水害等の天災地変、戦争、テロ、その他突発的な事故等の発生により、当社グループの所有資産や仕掛工事中の機器資材等の価値が低下した場合又は原材料の調達制限等で一部事業を一時的に中断せざるを得ない状況に陥った場合などには、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定してリスク回避に努めております。なお、現状では当該リスクが顕在化する可能性は予測できず、顕在化の時期も予測できません。
配当政策
3【配当政策】
当社は、新規事業展開のための設備投資、業務提携・M&Aなどの成長投資や収益性改善による利益拡大を図るとともに、財務健全性や資本効率、利益還元のバランスを追求し、企業価値の持続的な向上を目指しております。
また、当社では株主の皆様への利益還元を経営の重要課題としており、利益の配分については連結配当性向35%を目安に、安定的な配当を継続的に実施し、利益還元の一つとして、資金需要・株価水準等を考慮しながら、自己株式の取得を機動的に行うことを基本方針としております。
配当については、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会としておりましたが、第77期定時株主総会において、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨の定款変更を行っております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
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2023年8月3日 |
取締役会 |
508 |
42.50 |
2024年3月26日 |
第85期定時株主総会 |
508 |
42.50 |
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当事業年度に係る剰余金の配当額合計 |
1,017 |
85.00 |
(注)1.2023年8月3日取締役会の決議による配当金の総額には、従業員持株会信託型ESOPの信託口が保有する当社株式に対する配当金2百万円を含めております。
2.2024年3月26日第85期定時株主総会の決議による配当金の総額には、従業員持株会信託型ESOPの信託口が保有する当社株式に対する配当金1百万円を含めております。