リスク
3【事業等のリスク】
当社グループに係るリスクの監視およびリスクマネジメントは、経営企画室長が担当しており、当社およびグループ会社のリスクについて定期的に分析・評価を行うとともに、継続的に監視し、必要な対応を検討・実施しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済、市場の状況
当社グループは事業活動を行っている国内外の各国・地域の経済状況の影響を受けております。電子市場、一般水処理市場ともに、顧客の工場操業度や設備投資の動向に応じて、当社グループの製品およびサービスに対する需要が変動する事業構造となっております。そのため、世界的な景気後退や顧客の設備投資計画の見直し、生産調整等が生じた場合には、需要の変化を通じて経営成績に影響を与える可能性があります。特に電子市場においては、超純水供給契約を締結する顧客の経営状況や投資計画の影響を受けるため、収益動向に影響を及ぼす可能性があります。
また、地政学的リスクや通商政策・輸出管理規制、安全保障を背景とした各国政策の動向、さらにはエネルギー政策や気候変動問題対応の進展、資源価格や金利環境の変化等により、顧客の事業活動および投資計画に影響が生じる可能性があります。これに伴い、当社グループの需要構造や収益性にも影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループは、水と環境に関わる課題へのソリューションを幅広い業種の顧客に提供するとともに、サービスビジネスの拡大を通じて、安定した収益の確保に努めております。さらに、関係会社の月次・四半期での業績や方針・施策の展開状況の確認、内部監査や財務報告に係る内部統制のモニタリングを実施するとともに、当社の決裁・審査規程に基づき関係会社における重要事項を当社が決定するなど、事業管理の強化に努めております。また、競争激化に伴う製品およびサービスの価格下落等により、収益性が低下する可能性がありますが、当社グループは(3)に記載のとおり競争優位性の確保に努めております。
(2) 資材調達に関する影響、原材料・資材・エネルギーコストの高騰およびサプライチェーンの混乱
当社グループは、製品の製造や製作・建設等に使用する原材料や部品、役務サービスを外部から調達しております。これらの調達については、クリタグループ人権方針に基づく人権への配慮に加え、調達方針を定め、法令を遵守し、経済・社会・環境に配慮した調達活動を行っております。しかしながら、市況変動、地政学リスク、通商政策の変更、エネルギー価格の上昇等により、調達価格の上昇やサプライチェーンの混乱が発生する可能性があります。これにより製造原価の上昇や、原材料・部品の供給遅延、物流停滞に伴う生産・工事の遅延、売上計上時期の変動等が発生する場合があり、経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、販売価格への適切な転嫁、在庫の適正確保等により、これらの影響の低減に取り組んでおります。
(3) 競争優位性のある製品・サービス・ビジネスモデルを適切に提供できないリスク
当社グループは、薬品、装置、メンテナンスの各領域における技術・製品・サービスを組み合わせたソリューションに加え、GHG排出削減、節水、廃棄物の資源化または資源投入量の削減等に大きく貢献するCSVビジネスの展開により、競争優位性の強化に取り組んでおります。一方で、技術革新の進展や顧客ニーズの高度化、競争環境の変化により、事業環境の変化スピードは一層高まっております。そのため、競争優位性の維持・進化や、優位性のある新製品・サービス・ビジネスモデルを適時かつ継続的に提供できない場合には、受注機会の減少や価格競争の激化を通じて、経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、技術開発の強化、顧客および社会価値起点での事業展開、サービスビジネスの拡大等により、競争優位性の継続的な強化に取り組んでおります。
(4) 海外事業展開に係るリスク
当社グループは海外市場における事業拡大を図っております。海外市場への事業展開にあたっては、各国・地域における予期せぬ法令または規制の変更、政治・経済の混乱、紛争・テロ等のリスクが内在しており、これらの事態が顕在化した場合には、営業活動、工事遂行、調達、代金回収および現地関係会社の運営に支障が生じ、受注機会の減少等を通じて経営成績に影響を与える可能性があります。また、治安悪化や社会的混乱が生じた場合には、役員・従業員の安全確保や事業継続に影響が生じる可能性があります。
なお、当社グループでは、外務省やコンサルタント等外部機関からの情報収集、現地の弁護士・公認会計士等の専門家の活用による法令・規制動向の把握、海外出張者および海外駐在者の安全確保に向けた対策の強化等により、リスクの低減と適切な事業運営に努めております。
(5) 大規模自然災害の発生
当社グループは国内外に事業拠点を有しており、地震、台風、集中豪雨、洪水その他の大規模な自然災害等が発生した場合には、拠点、サプライチェーン、工事現場および顧客施設に影響が生じる可能性があります。これにより、当社拠点や顧客設備における生産停止、供給遅延、工事・サービス提供の遅延、復旧費用の発生等を通じて、売上収益の減少および費用の増加が生じ、経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、クリタグループBCM(事業継続マネジメント)方針に基づく事業継続計画の整備や安否確認システムの構築、災害対応訓練等の実施により、被害の最小化と早期復旧に向けた体制強化を進めております。
(6) 為替変動
当社グループはグローバルに事業を展開しており、海外売上比率は47.4%になっております。
各海外関係会社の現地通貨建の財務諸表は、円換算後に連結財務諸表に反映されております。そのため、為替相場の変動により、現地通貨建ての業績に変動が無い場合であっても、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、為替予約の活用、通貨スワップ契約等のデリバティブの利用により、為替リスクの低減に努めております。
(7) 不採算工事発生によるリスク
水処理装置事業における水処理設備において、顧客との契約時に設定する原水条件等に関する前提の差異や、設計・施工上の課題により、品質問題や追加原価の発生、工期遅延等が生じる可能性があります。また、重大な不具合や性能未達、納期遅延が生じた場合には、やり直し工事や引当金の計上が必要となる可能性があります。これらの結果、売上収益の減少や費用の増加を通じて、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。特に大型案件においては、個別案件の不採算化がグループ全体の収益に与える影響が大きくなる可能性があります。
なお、当社グループでは、設計・施工に関する社内基準に基づく事前確認、工事進捗・収支管理および情報共有の強化を図ることで、リスクの抑制に取り組んでおります。これらの取り組みに加え、エンジニアリングレビューやビジネスプロセスレビュー等の体制を整備し、管理の実効性向上を図っております。
(8) 固定資産の減損損失
①のれん及び無形資産の減損損失
当社グループは、海外事業の基盤獲得や競争力のある技術・事業モデルの獲得を目的として企業買収を実施しており、その結果として「のれん」および無形資産を計上しております。2026年3月末時点における「のれん」の残高は61,497百万円となっております。
これらの資産は、将来の収益およびキャッシュ・フローの獲得を前提としております。事業環境の変化等により買収時に想定した収益性や成長性が確保できず、将来キャッシュ・フローの見積りと実績に乖離が発生した場合には、減損損失が発生し、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、投融資に関する審査機能としてグループ経営管理本部経営管理部門長を委員長とする投資委員会を設置しております。同委員会は、取締役会や経営会議に付議する観点から投融資案件の審査を実施し、審査結果や主要論点を取締役会および経営会議に報告するとともに、投融資に関する状況について継続的なモニタリングを実施しております。
②有形固定資産の減損損失
当社グループは、主に超純水供給事業等で顧客工場に事業用設備を設置しておりますが、それらは、顧客の事業状況や稼働状況の影響を受けます。顧客の生産縮小、事業撤退、契約条件の変化等により収益性が低下した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回り、減損損失が発生し、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、投資判断時における顧客の事業状況や投資対効果の精査、契約条件の慎重な設定等により、リスクの低減に努めております。
(9) 情報システムおよびサイバーセキュリティに関するリスク
当社グループの事業活動においては、情報システムおよびデジタル技術への依存度とその重要性が増大しており、サイバー攻撃(不正アクセス、ランサムウェア感染等を含む)、取引先等の当社サプライチェーンを経由した侵害等により、情報システムの機能に支障が生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合には、業務の停止・遅延および重要情報の漏えい等により、取引先および顧客からの信頼低下、損害賠償・復旧費用の発生等が生じ、その結果として経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、クリタグループデジタル管理方針およびデジタルガイドラインを定め、セキュリティ対策およびインシデント対応体制を強化することにより、影響の低減に取り組んでおります。
(10)法令・コンプライアンス
当社グループの事業活動には、国内外の法令および社会規範の遵守が求められております。そのため、法令違反や不適切行為が発生した場合には、事業活動の制約、罰金、訴訟、社会的信用の失墜等が生じ、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、規制強化に伴う対応コストの増加も想定されます。
なお、当社グループでは、コンプライアンス体制およびインテグリティ(※)を重視した取り組みを継続的に強化しております。
※「自分たちの良心に照らし正しいことをする、良いことをするという思考」のもと、一般的なコンプライアンス活動を内包し、より広範な社会的な規範・価値観に対応していこうとする活動。
(11)製品・サービスの品質および水処理設備のオペレーションエラー
当社グループは、顧客または当社グループの水処理設備の運転・維持管理サービス等を通じて顧客の生産活動や排水処理に関与しており、処理水の安定供給および品質が顧客事業に影響を与える事業構造となっております。このような事業特性の下では、製品・サービスの品質に関する不具合、水処理設備の故障、運転・維持管理における人為的なエラー、または監視の不備等により、基準に満たない処理水を供給または排出する可能性があります。このような事象が発生した場合には、社会的信用の失墜、顧客操業への支障、環境負荷の発生、損害賠償・復旧費用の発生、ならびに取引継続への影響等につながる可能性があり、その結果として、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、製品およびサービスの品質確保ならびに水処理設備の安定的な運転に向けた品質マネジメント体制を構築し、継続的な改善活動に取り組んでおります。
(12)知的財産権
広範囲に事業を展開する中で、当社グループの知的財産権が侵害される可能性や第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性があり、こうした場合には、競争力の低下や訴訟リスク等を通じて経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは知的財産権の重要性を認識し、国内外において、知的財産の権利化、第三者が保有する知的財産権の侵害防止に継続して取り組んでおります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への安定配当の継続を基本方針としております。
配当性向は連結ベースで30%~50%を目安とし、毎年の業績変動に柔軟に対応するため直近5年間通算での配当性向により判断し、増配の継続に努めます。
当社は、剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、今後の事業展開を勘案するとともに、株主の皆様のご支援にお応えするため、1株につき112円の配当(うち中間配当56円)を実施することを決定しました。この結果、当事業年度の配当性向は48.9%(連結では77.1%)となりました。
内部留保資金の使途につきましては、投資の規律を守りながら成長が見込める有望事業に優先的に活用してまいります。余剰資金があると判断した場合には、株価の水準も勘案して自己株式の取得等も検討し、資本効率の改善と株主の皆様への還元を図ります。
当社は、「取締役会の決議によって毎年9月30日最終の株主名簿に記録されている株主又は登録株式質権者に対し会社法第454条第5項の規定による剰余金の配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
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決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
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2025年11月7日 |
6,153 |
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取締役会決議 |
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2026年6月25日 |
6,153 |
56 |
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定時株主総会決議(予定)(注) |
(注)2026年3月31日を基準日とする期末配当であり、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)とし
て提案しております。