リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した当企業集団の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業集団が判断したものであります。
(1) 経済状況
当企業集団の営業収入のうち、重要な部分を占める冷凍冷蔵庫・冷凍冷蔵ショーケース販売の需要は、当企業集団が販売している国または地域の流通業界、外食産業等の経営環境に影響を受けます。当企業集団を取り巻く市場の景気後退によるスーパーマーケット・百貨店等での売上高の鈍化、個人消費の低迷による外食産業の収益悪化、或いは産地偽装等の食品の安全性懸念による市況の悪化等のほか、新たな感染症の発生により大規模なパンデミックが生じた場合の感染拡大防止措置による需要の減少、また、顧客の財政状態の悪化により売掛債権を回収できない場合等には、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 価格競争
既存の冷凍冷蔵庫・冷凍冷蔵ショーケースの商品群においては、競合メーカーとの競争は大変厳しいものになっております。当企業集団は、コスト低減だけでなく、他社にはない技術、ソフト、サービス力などを武器に高付加価値商品を提供してまいりますが、これらの企業努力を超えて低価格競争が激化した場合には当企業集団の利益の維持及び確保が困難となり、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 知的所有権について
当企業集団は、研究開発活動上様々な知的所有権を使用しており、それらは当企業集団所有のものであるか或いは適法に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の知的所有権を侵害しているとの申し立てがなされる可能性があります。また、知的所有権を巡っての係争が発生した場合には、多額の費用と経営資源が費やされ、当企業集団が重要な技術を利用できなくなることや多額の損害賠償責任を負うなどにより、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 製品及び工事の欠陥
製品及び工事施工の品質管理には万全を期すとともに、問題発生時の製品の無償修理費用に備える製品保証引当金の設定及びPL保険等に加入しておりますが、契約不適合責任及び製造物責任による損害賠償や対策費用が多額に発生した場合や、当該事象の発生により当企業集団のイメージが低下し、需要の減少を惹起した場合には、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 法的規制
当企業集団では、日本及び諸外国・地域における関連法令等を遵守して事業運営を行っており、現時点で事業の運営に支障をきたすような法的規制はありませんが、より厳格な法的規制の導入や当局による解釈変更があった場合には、事業運営の一部に制限を受ける可能性があります。また、当企業集団の商品群にはフロン等の環境法的規制を受ける冷媒が含まれるため、フロン等に比べ地球温暖化係数の低い自然冷媒を用いた商品群の充実を図っておりますが、将来、環境に関する規制がより厳しくなるなど、今後の法的規制の改正内容によっては、事業展開等に影響を受ける可能性があります。
(6) コンプライアンスリスク
当企業集団は、「企業行動憲章」において、国内外の関係法令や国際ルールを遵守し、透明で公正な企業活動を行うことを定め、当企業集団の従業員に対し、年間を通じてコンプライアンスの徹底に取り組み、倫理・法令遵守意識の強化に努めております。このような取り組みに関わらず、当企業集団においてコンプライアンス違反行為が発生したり、コンプライアンス上の問題に直面した場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分及び損害賠償請求の対象となり、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 退職給付債務
当企業集団の従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。割引率の低下や運用利回りの悪化は当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) 有価証券の価値変動リスク
当企業集団は2024年3月末時点で、取引先を中心に119億1百万円の市場性のある有価証券を保有しており、これらの市場価格変動のリスクを負っております。同時点での市場価格により評価しますと92億6千8百万円の含み益となっておりますが、今後の株価等の動向次第でこの数値は変動します。
(9) 金利の変動リスク
急激な金利の変動に伴う金融資産や負債の価値への影響により、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10) 調達資材の供給不足・価格変動等
当企業集団の製品の生産活動に当たっては、鋼材や部品等の資材を適宜に調達しております。当企業集団は、信頼のおける供給元を選定するとともに分散化を図るだけでなく、一定数の在庫を確保するなどしております。しかし、大規模な自然災害や社会不安(戦争、テロ、感染症、地政学的リスク等)による供給元への損害発生・倒産等により、供給が不足または中断した場合や需要が急増した場合には、供給元の代替や追加、他の部品への変更が困難な場合があります。
また、供給元とは常に市況価格に留意しながら、随時価格交渉を行っておりますが、昨今の原材料や燃料費等の市況価格の大幅な高騰が調達価格(労務費や運搬コスト等を含む)に波及し、生産性向上などの内部努力や製品価格への転嫁などにより吸収できない場合があります。このような場合には、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11) 情報セキュリティに関するリスク
当企業集団は、事業活動の過程で、取引先に関する種々の情報を入手しております。また、当企業集団自身の営業秘密も取扱っております。これらの情報保護について社内管理体制を整備しておりますが、システムの不正アクセスやサイバー攻撃を含む外部からの意図的な行為や過失等により、外部に流出する可能性があります。また、当企業集団の製品またはサービスでのインターネットの利用も増加しているため、セキュリティ対策に取り組んでおりますが、ネットワークを介した予期せぬ侵入、不正操作などによる情報の外部流出やサービスの停止、工程への影響が発生する可能性があります。このような場合には、当企業集団の信用低下や損害賠償責任の発生等により、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)地政学的リスク
当企業集団は、海外市場においても事業活動を実施しているため、為替リスクに加え、各地域における政情不安(戦争、内乱、紛争、暴動、テロ行為、その他の著しい治安の悪化を含む)、経済動向の不確実性、宗教及び文化の相違等、現地における労使関係等のリスクや、また、投資規制、収益の本国送金に関する規制、現地事業の国有化、輸出入規制や外国為替規制の変更、税率変更等を含む税制改正及び移転価格税制等の国際課税リスク、海外での商慣習の差異といった様々な政治的、法的その他のリスクに直面する可能性があります。そのような場合には、需要の減少やコストの増幅、その他の事業活動への問題発生により、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)優秀な人材の確保
当企業集団の今後の事業活動には、各分野において優秀な人材の確保が不可欠であり、魅力的な企業文化の維持と新たな創出を継続してまいりますが、労働人口が減少傾向にある現況において、採用競争力が低下した場合や人材流出が深刻化した場合には、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)労務管理に関するリスク
従業員の長時間労働は、精神疾患を含めた健康障害の発生や長期休業につながるリスクがあります。また、当企業集団は、従業員が当企業集団の事業所、製造及び施工現場において労働災害を被ることなく、安心して働ける環境の整備を進めておりますが、万が一、重篤な事故や重大な労働災害が発生した場合には、当企業集団の社会的な信用低下や損害賠償責任の発生等により、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)災害・事故等に関するリスク
当企業集団の活動拠点において、地震、津波、洪水等の自然災害(気候変動によって発生するものを含む)や火災、事故、戦争、テロ行為、感染症の流行等が発生した場合、当企業集団の従業員、設備、情報システム等に多大な損害が生じ、営業及び生産活動が遅延または停止し、損害復旧のための費用が発生するなどにより、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(16)人権に関するリスク
当企業集団は、すべての人が生まれながらにして持つ基本的権利である人権について、尊重する責任を果たすべく、「人権方針」を定め、供給元への人権デュー・デリジェンスの実施や、従業員への人権に関する勉強会を実施し、人権尊重の意識付けに努めておりますが、当企業集団を取り巻く国内外のステークホルダーの人権問題が発生した場合、当企業集団の社会的信用や評価が低下し、当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、拡大する事業機会を迅速、確実に捉えるために十分な株主資本を維持することを考慮しつつ、株主資本配当率(DOE)をベースとして基準配当額を決定し、この率を年々少しずつでも向上させることを当社の利益還元の基本方針とします。
当社は、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としておりますが、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる」旨を定款に定めております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
内部留保資金については、株主価値の増大に繋げるべく、インフラの整備・拡充も含め、高い収益性・成長性の見込める事業分野に引き続き有効投資してまいります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
当期の期末配当金については、利益水準や経営環境を勘案し、前期の1株当たり73円から32円増配し、1株当たり105円の配当として実施することといたしました。