リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。また、以下に記載の主要なリスクが顕在化する可能性の程度や時期、業績に与える影響については、合理的に予測することは困難であるため記載しておりません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)遊技機事業
遊技機事業においては、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、国家公安委員会規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)で定められた「技術上の規格」に適合することが必要であり、機械ごとに指定試験機関(一般財団法人保安通信協会・一般社団法人GLI Japan)による型式試験及び各都道府県の公安委員会の型式検定を受けております。これらの法律・規格の改廃が行われた場合、当社は業界の動向及び他社申請状況の分析に基づき、計画的、戦略的に申請を実行いたしますが、行政当局の指導や業界による自主規制などにより大きな変更を余儀なくされた場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。また、業界における嗜好性等の変化、所得状況を含む国内の景気動向により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。さらに、半導体を中心とした遊技機製造のための部材の供給不足により、製造計画や販売計画が変更される可能性があります。
(2)統合型リゾート(IR)事業
当社グループでは、フィリピンにおいて統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」を展開しており、以下に列挙するリスクに起因する事業環境等の変動要因により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
①競争に関するリスク
オカダ・マニラは、フィリピン国内やアジア地域で国際的に競争している上、フィリピン政府によるゲーミング事業を行うライセンスが追加発行された場合、さらに競争が激化、または市場シェアを獲得・維持できないリスクがあります。また、競争により質の良いゲーミングプロモーターとの関係の維持継続や、各国政府の方針により収益貢献の高いVIPプレーヤーの確保が難しくなるリスクがあります。
②情報セキュリティに関するリスク
ホテル宿泊客、カジノプレーヤー、特典サークル会員、従業員等の個人情報データの保護のセキュリティ違反、漏洩などに対して罰金、罰則など行政処罰が課され、顧客からの評判・信頼を失うリスクがあります。また、IT及びセキュリティシステムにおける不備・機能不全、攻撃や不正アクセスによる情報の漏洩などの結果として、事業、経営成績、評判への悪影響が出て、ライセンスへの影響を受けるリスクがあります。
③フィリピンのゲーミング事業に関するリスク
PAGCOR(Philippine Amusement and Gaming Corporation:フィリピンカジノ運営公社)発行のライセンスの下で行われており、ライセンス維持の条項及び要件が厳しく変更・修正された場合、PEZA(Philippine Economic Zone Authority:フィリピン経済区庁)の租税優遇措置を受けるためには、その登録契約を継続的に順守し、将来の法制を順守する必要がありますが、順守されない場合、リスクが生じる可能性があります。また、PAGCORとそのライセンシーが享受している税務上の特権がフィリピン連邦議会で改正された場合、別途法人所得税を課されるリスクもあります。
④その他のリスク
国内経済の減速、信用格付の低下といった経済的要因、フィリピン国内の政情不安、テロの発生、南シナ海における領有権争いが激化するといった政治的要因、台風や火山活動などの自然災害・疫病などが発生するといった外的要因にさらされる可能性があります。
(3)その他のリスク
①訴訟関係
当社グループでは係争中の案件が複数あり、これら訴訟の判決結果によっては、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。引き続き、訴訟リスクの回避に努力してまいりますが、第三者から新たに提訴された場合、その判決結果によっては、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
②感染症の流行によるリスク
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大等、大規模な感染症の流行や収束までの期間が長期化した場合には、一時的な操業停止や開発・製造・販売等の事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお当社グループでは、お客様・取引先・従業員の「安全・安心」を第一に考え、各国行政の指針に基づいて、時差出勤、リモートワークの活用、WEB会議の推奨等の感染防止対策に取り組んでまいります。
③本社及び主要な事業会社(拠点)の事業運営に重大な影響を与える自然災害等のリスク
地震、津波、竜巻、台風等の自然災害、戦争、テロ、その他の要因による社会的混乱により、本社及び主要な事業会社(拠点)が被災し、経営体制の本社機能、管理機能が麻痺することにより、主要な事業会社のオペレーション上の事業継続リスクがあります。
災害等で被害を受けた場合、重要な機能を可能な限り中断せず、また中断した場合にもできるだけ早急に復旧できるように、当社では災害対策本部を立ち上げ対応いたします。しかしながら、災害等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
④固定資産の減損
収益性の低下、使用目的の変更により、将来キャッシュ・フローが悪化し、固定資産の減損処理が必要になる可能性があります。
⑤繰延税金資産の取崩し
繰延税金資産の計上は将来の課税所得に関する見積りに依存しており、税務上の繰越欠損金、将来減算一時差異の回収見込みが減少し、法人税等調整額の計上が必要になる可能性があります。
⑥投資有価証券の減損
実質価値低下により、投資有価証券の減損処理が必要になる可能性があります。
⑦為替リスク
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当社で保有する外貨建債権債務や関連会社の現地通貨の為替変動により、為替換算調整勘定を通じて純資産に影響する可能性があります。また、当社で保有する外貨建社債の社債利息や関連会社の事業活動により、為替差損益を通じて段階損益に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社グループは、株主に対する利益還元を最重要経営課題の一つとして取り組んでおります。
また、企業価値の継続的向上と持続的な成長を図るため、資本効率の向上と健全な財務体質を確保する資本政策を勘案の上、安定的かつ継続的に業績に見合った成果の配当を行うことを基本方針としております。
内部留保につきましては、健全な財務体質を確保し経営基盤を強化するとともに、有望な事業案件に対しては、必要な資金を機動的に投資するために、適正な水準を維持することを基本方針としております。
自己株式の取得につきましては、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の実施等を目的として、適宜検討してまいります。
2023年12月期の配当金につきましては、中間配当して2023年6月30日を基準日とした1株当たり40円の配当を実施いたしましたが、期末配当につきましては、海外私募債の償還などの今後の財務状況等を勘案した結果、無配とさせていただきました。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
|
2023年7月14日 |
取締役会決議 |
3,099 |
40.00 |
また、2024年12月期の配当金につきましては、今後の業績と資金需要を見極めた上で決定したく、現段階では未定とさせていただきます。